書籍

神経疾患最新の治療2015-2017

オンラインアクセス権付

編集 : 小林祥泰/水澤英洋/山口修平
ISBN : 978-4-524-26595-4
発行年月 : 2015年1月
判型 : B5
ページ数 : 310

在庫あり

定価9,180円(本体8,500円 + 税)


正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

神経科領域の最新情報と診療指針を簡潔に提供。巻頭トピックスでは、iPS細胞遺伝子治療、遠隔医療システム、脳血管内治療の進歩、新規経口抗凝固薬など話題の12テーマを取り上げた。疾患別各論の解説では、検査・診断、処方例も含めた治療方針、生活指導、リハビリテーションまで具体的に解説され、神経疾患の診療を完全網羅。PCなどで閲覧できる便利なオンラインアクセス権付。

巻頭トピックス
 1 iPS細胞:神経疾患治療に挑戦
 2 神経疾患の遺伝子治療の現状と展望
 3 telemedicine system(遠隔医療システム)を用いた脳卒中医療
 4 脳血管内治療の進歩
 5 心原性脳塞栓症予防:新規経口抗凝固薬(NOAC)
 6 アルツハイマー型認知症と血管性認知症の接点と治療戦略
 7 レビー小体型認知症の薬物治療
 8 多発性硬化症・視神経脊髄炎の再発予防と最新治療
 9 新しい診療ガイドラインによる頭痛診療の最先端
 10 パーキンソン病の運動症状治療の進歩
 11 パーキンソン病の非運動症状治療の進歩
 12 高齢社会における重症筋無力症の治療指針
I 緊急時の神経症候とその対処法
 1 頭痛
 2 めまい
 3 意識障害
 4 痙攣
II 治療手技
 1 rt−PA静注療法
 2 血液浄化療法
 3 baclofenの髄注治療
 4 ペインクリニック:神経ブロック
 5 電気刺激療法:HANDS療法
 6 機能外科療法
 7 反復経頭蓋磁気刺激療法、経頭蓋直流電気刺激療法
 8 神経疾患(認知症)に対する漢方療法
III 疾患別各論
 A 脳疾患
  1 脳出血
  2 くも膜下出血
  3 未破裂脳動脈瘤
  4 脳梗塞
  5 無症候性脳梗塞
  6 一過性脳虚血発作(TIA)
  7 脳動静脈奇形
  8 脳静脈血栓症
  9 もやもや病
  10 慢性硬膜下血腫
  11 頭部外傷後遺症
  12 低髄圧症候群
  13 脳血管性認知症
  14 脳卒中後アパシー
  15 髄膜炎、脳炎
  16 プリオン病、遅発性ウイルス感染症
  17 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
  18 脳腫瘍
  19 下垂体腫瘍
  20 特発性正常圧水頭症
  21 神経痛
  22 視床痛(脳卒中後中枢性疼痛)
  23 てんかん
  24 側頭動脈炎
  25 アルツハイマー病
  26 進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症
  27 脊髄小脳変性症
  28 ハンチントン病
  29 ジストニア、ジスキネジア
  30 片側顔面痙攣
  31 本態性振戦
  32 ミオクローヌス、アテトーゼ、バリズム、コレア
 B 脊椎・脊髄疾患
  1 脊椎症(椎間板ヘルニアを含む)
  2 後縦靱帯骨化症(OPLL)、黄色靱帯骨化症(OYL)
  3 筋萎縮性側索硬化症(ALS)、運動ニューロン疾患
  4 若年性一側上肢筋萎縮症(平山病)
  5 脊髄性筋萎縮症
  6 脊髄血管障害
  7 脊椎・脊髄腫瘍
  8 脊椎・脊髄損傷
  9 脊髄空洞症
  10 脊髄炎
  11 ヒトTリンパ球向性ウイルス脊髄症(HAM)
  12 亜急性連合脊髄変性症
 C 末梢神経疾患
  1 Guillain−Barre症候群
  2 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(CIDP)
  3 多巣性運動ニューロパチー
  4 薬剤性ニューロパチー
  5 血管炎性ニューロパチー
  6 中毒性ニューロパチー
  7 絞扼・圧迫性ニューロパチー
  8 末梢性顔面神経麻痺
  9 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)
  10 自律神経ニューロパチー
 D 筋疾患
  1 多発筋炎、皮膚筋炎
  2 Lambert−Eaton筋無力症候群(LEMS)
  3 周期性四肢麻痺
  4 筋強直性ジストロフィー
  5 筋ジストロフィー
  6 筋痙攣(こむら返り)
  7 ミトコンドリア病
 E 内科関連の神経疾患
  1 肝性脳症
  2 高血圧性脳症、可逆性後白質脳症症候群
  3 尿毒症性脳症
  4 低酸素脳症
  5 糖尿病性ニューロパチー
  6 糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群
  7 傍腫瘍性神経症候群
  8 うつ状態
  9 心身症
IV 神経疾患のリハビリテーション
 1 運動療法
 2 言語療法(失語症)
 3 認知リハビリテーション
 4 摂食嚥下リハビリテーション
付録
 1 進行中の大規模臨床試験
 2 神経疾患の福祉・介護施策
 3 治療ガイドライン

序文

 2014年も年の瀬を迎え,第4回目となる「神経疾患最新の治療2015-2017」をお届けする時期となりました.このシリーズは,進歩の著しい神経疾患の治療法について3年毎にその最新かつ最先端の治療法を,わかりやすく読者の皆様にご提供することを目的としています.したがって,斯界の第一人者の皆様にご執筆をお願いしましたが,皆様にご快諾いただき素晴らしい成書と成りました.
 本書には最新性以外にもいくつもの特長があります.(1)まず,ふだん診る神経疾患のほぼすべてをカバーしていることです(悉皆性),次いで(2),巻頭トピックスとして現在話題になっている12の疾患や治療法について解説しています(話題性・新規性).(3)その後,緊急時の対応が必要な4症候と8つの治療手技からみたまとめをしてあります(多面性).(4)各論は脳疾患,脊椎・脊髄疾患,末梢神経疾患,筋疾患と部位によるまとめの後,内科関連の神経疾患として6つの病態(内科的側面)とうつ状態,心身症と精神科領域の疾患も含めてあります(学際性).(5)最後に,リハビリテーションとして4項目を選ぶとともに(非薬物治療),(6)付録には進行中の大規模治験,福祉・介護政策,治療ガイドラインリストを収載しています(便宜性).すなわち,単に最新性だけを狙ったものでも,逆に辞書的な記述のみでもなく,基本となる必要度の高い情報からまれな疾患や周辺領域の最新情報までをバランスよくカバーし,かつそれらをわかりやすくまとめて提供してあります.したがって,臨床の第一線のベテランの神経内科医はもちろん,まだ学び始めの研修医,レジデントから,助教〜教授に至る教員まで,また脳神経外科,精神科,内科などの関連領域の先生方にも,それぞれにお役に立てていただけるものと確信しています.
 本書の作成には執筆者の皆様,出版社の担当者をはじめ,多くの方々にお世話になりました,改めて御礼を申し上げます.
 なお,「筋萎縮性側索硬化症,運動ニューロン疾患」を共同執筆された前東京都立神経病院院長の中野今治先生が2014年7月に急逝されました.ここに謹んで哀悼の意を表しますとともに,立派に完成した本書を捧げる次第です.
 今回が3回目の改訂ということで,初版からすでに9年あまりが経過していることになります.このことは,本書が関係各位にとり必須の書としてご利用いただいていることを物語っています.今回も,是非手にとって,机上の一冊としてご活用いただき,日々の診療に役立てていただければ幸甚です.

2014年12月
編者一同

 「神経疾患最新の治療2015−2017」は、多くの神経疾患についてとくにその治療法に重点をおいて解説したもので、3年ごとに改訂がなされている。本書はその第4回目ということになる。かつて神経疾患の治療に関しては、治療法がない、薬もない、難しい、あるいはたとえあったとしてもきわめて不十分といった時代を知っている者にとってまさに隔絶の感があり、近年の著しい進歩には目を見張る思いがある。本書では主要な神経・筋疾患の最新の治療がコンパクトにまとめられている。各論として脳疾患32項目、脊椎・脊髄疾患12項目、末梢神経疾患10項目、筋疾患7項目、内科関連の神経疾患その他9項目、リハビリテーション4項目が含まれており、重要な疾患、頻度の高い疾患はほぼ網羅されているといってよい。さらに頭痛、めまい、意識障害、痙攣の4つの“common”な神経症候の緊急対応にも頁が割かれている。また脳梗塞急性期の治療法としてのrt−PA療法、免疫性神経疾患に対する血液浄化療法、難治性の痙縮に対するバクロフェン静注療法など近年注目を浴びているが、他領域の先生方にはまだなじみが少ない特殊な治療法についても簡潔にわかりやすく解説されている。
 しかし、本書の大きな特徴は、何といっても3年ごとに改訂がされていることであろう。こういった診断・治療の進歩はまさに日進月歩の世界であり、数年で一変してしまうことはよく経験することである。したがって適度な間隔で改訂されて最新の情報が提供されることは読者にとってなによりのことである。一例をあげると、「高齢社会における重症筋無力症の治療指針」(44〜46頁)においては、従来の「若年女性に多い自己抗体が関与する自己免疫性疾患」という捉え方はもはや不十分であることが強調されている。現在ではむしろ中高齢者に多く、そういった患者のQOLを維持するためにも副腎皮質ステロイドの維持量は5mg以下にする、治療の中心と考えられてきた胸腺摘出療法はむしろ治療のオプションとすべきである、胸腺腫関連重症筋無力症は傍腫瘍症候群として捉える傾向がある、抗アセチルコリン受容体陰性例では薬剤の効果や予後が異なっており注意が必要である、など最新のガイドラインに基づく日常臨床に直結する内容が盛り込まれている。神経疾患の専門医や研修医、レジデントばかりでなく、一般医家の先生方にとっても常に手元に置き、ひもとくことをお勧めしたい。
 もう一つの特徴は、「巻頭トピックス」として現在話題になっている、まさに旬といってもよい12の新しい治療が述べられていることである。その中にはiPS細胞の臨床応用、遺伝子治療の現状、遠隔医療システムを用いた取り組みなど社会的にも関心の深い治療が取り上げられている。これらが次回の3年後の記載でどのような発展を見せるのか、楽しみな、そういった見方もできよう。
 また本書はオンラインアクセス権付書籍であり、簡単な操作で内容のダウンロードが可能となる(ただし1回のみ)。これまでどおり書籍として参照する、ダウンロードした内容をPCで参照するなどいろいろな使い方ができることも本書の大きな特徴である。重くかさばる書籍を持ち歩かなくとも、情報を瞬時に知ることができることはまさに現代にマッチした使い方ということもできよう。

臨床雑誌内科116巻5号(2015年11月号)より転載
評者●広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科教授 三森康世