書籍

乳房ソナゾイド造影超音波診断ガイドブック

編集 : 位藤俊一
ISBN : 978-4-524-26584-8
発行年月 : 2016年6月
判型 : A4
ページ数 : 126

在庫あり

定価5,400円(本体5,000円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

ソナゾイド造影超音波検査法の原理と乳腺疾患の診断・治療における有用性をまとめた入門書。ソナゾイドは血管構築像をリアルタイムで明瞭に抽出でき、腫瘍の広がりや治療効果判定に非常に効果的である。病変の検出・鑑別診断、治療方針の決定や術後のフォローアップにおいて本法を使いこなすための基本的知識を豊富な画像で解説している。

I.基本編
 1.造影超音波の歴史
 2.ソナゾイド造影超音波の基本的知識
  A.ソナゾイドの基礎
  B.造影超音波法の原理
  C.リンパ節における造影効果
   1.ソナゾイド造影検査のためのリンパ節画像診断の基本的知識
   2.ソナゾイドによるセンチネルリンパ節同定法
   3.乳癌リンパ節転移早期診断
   4.赤外線カメラと造影超音波の違い
  D.3D Contrast cSMIによる広がり診断
  E.乳房超音波フローイメージングとソナゾイド
 3.撮像・読影法
  A.撮像
   1.造影手順と撮像法
   2.機種別の最適な検査条件
    2-a Aplio 500/400/300(東芝メディカルシステムズ社)
    2-b LOGIQ E9XDclear 2.0,LOGIQ S8with XDclear(GEヘルスケア・ジャパン社)
    2-c HI VISIONシリーズ,Noblus,ARIETTAシリーズ,PROSOUNDシリーズ(日立製作所)
    2-d ACUSON S Family(シーメンスヘルスケア社)
  B.読影
  C.MRI・CTとの対比
  D.病理組織像との対比
II.症例編
 1.乳房原発腫瘍の評価
 2.腫瘍の良・悪性の鑑別
 3.腫瘍切除範囲決定のための広がり診断
  A.非浸潤性乳管癌の切除範囲決定
  B.乳管内癌の評価
  C.最適な穿刺部位の決定
 4.薬物療法の効果判定
  A.薬物療法後の瘢痕組織と遺残腫瘍の鑑別
  B.術前薬物療法前・中・後の遺残腫瘍の評価
 5.インターベンション手技の要否決定
 6.RFAの治療効果判定
索引

序文

 2012年8月にソナゾイド(一般名ペルフルブタン:「ソナゾイド」はGE Healthcare AS社の登録商標)が乳房腫瘤性病変に対して保険適用となって以後、乳房領域の日常診療において造影超音波を施行する施設が急激に増えつつある。乳房領域で新たに造影超音波を始めようとする医師や技師に参考となるわかりやすい手引書として、このたび、乳腺専門医や放射線科医および超音波検査技師をはじめ、多くの方々のご要望に応える形で本書を出版する機会を得た。
 ソナゾイドによる造影超音波検査は、第II相、第III相臨床試験の結果、乳房腫瘤性病変の良性・悪性の鑑別診断において、超音波Bモード法や造影MRIと比較して良好な結果であった。造影超音波の応用としては、1)良性・悪性の鑑別診断および針生検等のインターベンション手技の要否決定、2)術式決定のための乳癌広がり診断、3)リンパ節や肝の転移診断、4)薬物治療効果判定、等が挙げられる。
 日常診療では、乳がん検診要精検例の精査において造影超音波を行うことにより良性を確実に診断できるため、不要な針生検等のインターベンション手技を回避できる。日常的に多忙な乳腺専門医をはじめ乳房疾患に携わる医師や医療者の診療時間短縮にも貢献できる造影超音波が簡便にできるようになったことは画期的なことである。乳癌治療における広がり診断ではMRIが施行されることが多いが、長時間の腹臥位が必要なことや薬剤アレルギー等のためにMRIを受けることが困難な被験者も少なくない。造影超音波は、造影剤アレルギーや腎機能障害を合併する被験者でも安全に、手術体位のままで施行可能なことも有利な点である。薬物治療症例では造影超音波により微細血流評価が可能なため、早期に効果判定できることが期待されている。
 本書では、基本編で造影超音波の基礎的事項とともに具体的撮像方法が詳細に解説されている。さらに画像と病理組織学的所見との対比が行われ理解を助けてくれる。また、後半の症例編では、日常的に遭遇することの多い具体的症例で、鮮明な画像とともに興味深く読み進めることができる。超音波診断は簡便であり必要不可欠な診断モダリティであるものの、客観性が十分ではないことが問題であったが、本書をご一読いただくことで、ソナゾイドを用いた造影超音波を行うことにより客観性を持つ診断モダリティとなることがご理解いただけるものと確信する。
 日常臨床で造影超音波の有用性を実感されている先生方に、貴重なご経験をもとに詳細を余すところなくご執筆いただきました。この場をお借りして心より感謝いたします。本当にありがとうございました。

2016年5月
位藤俊一