書籍

実践3D心エコー図法

編集 : 吉田清/穂積健之
ISBN : 978-4-524-26444-5
発行年月 : 2012年3月
判型 : B5
ページ数 : 180

在庫僅少

定価7,020円(本体6,500円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

3D心エコー図法は、従来の2Dでは得られなかった心臓の複雑な立体的構造をより正確に・簡便に把握することができる。本書では、3D心エコー図法の基本から実践的な使い方、さらに疾患ごとの見方に加え、3D心エコー図法が特に有効な症例も紹介、3D心エコー図法を臨床で適切に使用するための必携書。

第I章 総論
A 3D心エコー図法の基本
  a.3D画像データの記録法
  b.3D画像データからの画像表示法
B 3D心エコー図法の実践的使い方
(1)経胸壁アプローチ
  a.装置について
  b.3D心エコー図法の対象(適応)
  c.3D心エコー図法での記録方法
  d.3D心エコー図法での画像表示と評価のしかた
(2)経食道アプローチ
  a.装置について
  b.3D心エコー図法の対象(適応)
  c.3D心エコー図法での記録方法
  d.3D心エコー図法での画像表示と評価のしかた
C 3D心エコー図法による心機能評価
(1)心腔容量・駆出率評価
  a.左室
  b.左房
  c.右室
(2)心筋重量評価
  a.従来の心筋重量評価法
  b.3D心エコー図法による心筋重量評価法
(3)局所壁運動評価
  a.左室壁運動の定性評価
  b.左室壁運動の定量評価
(4)dyssynchrony評価
  a.3D心エコー図法による局所左室収縮の評価法
  b.左室dyssynchronyの3Dイメージング(電気興奮と収縮伝播の比較)
  c.3D心エコー図法によるdyssynchronyの定量化
  d.今後の課題
D 3D心エコー図法による弁の定量解析
(1)僧帽弁
  a.僧帽弁形状の3D解析の意義
  b.僧帽弁構造
  c.3D心エコー図法による評価
  d.今後の課題
(2)大動脈弁・大動脈
  a.大動脈弁の形態と大動脈弁口面積
  b.大動脈基部
  c.大動脈逆流の定量

第II章 疾患編
A 虚血性心疾患
(1)狭心症
  a.狭心症の診断のための負荷
  b.3D心エコー図法でのモード設定
  c.ドブタミン負荷3D心エコー図法の冠動脈疾患診断能
(2)心筋梗塞
  a.心筋バイアビリティの評価
  b.虚血性僧帽弁逆流の負荷3D心エコー図法による評価
  c.心筋梗塞合併症の評価
B 弁膜症
(1)僧帽弁逆流
  a.僧帽脈弁逸脱
  b.機能性僧帽弁逆流
  c.感染性心内膜炎
  d.乳頭筋断裂
  e.僧帽弁逆流の重症度評価
(2)大動脈弁狭窄
  a.大動脈弁狭窄の評価(バイプレーン法)
  b.3D画像の記録
  c.大動脈弁狭窄の立体的観察
  d.解剖学的狭窄弁口面積の測定
(3)大動脈弁逆流
  a.大動脈弁逸脱例
  b.大動脈弁tethering例
(4)僧帽弁狭窄
  a.狭窄弁の3D評価
  b.解剖学的狭窄弁口面積の測定
  c.石灰化を伴う非対称性の僧帽弁狭窄例
(5)感染性心内膜炎
  【症例1】
  【症例2】
  【症例3】
(6)人工弁
  【症例1】
  【症例2】
C 心筋症
(1)拡張型心筋症
(2)拡張型心筋症以外の心筋症
  【症例1】
  【症例2】
D 成人の先天性心疾患
(1)心房中隔欠損症(ASD)
  a.3D心エコー図記録時の注意点
  b.ASDの形態評価
  c.経カテーテル的ASD閉鎖術の治療ガイド
  d.現在の問題点と今後の展望
(2)ASD以外の先天性心疾患
  a.大動脈二尖弁・四尖弁
  b.Ebstein病
  c.成人例における限界
E 心腔内腫瘤
  a.疣腫
  b.心腔内血栓
  c.心臓腫瘍
  【症例1】
  【症例2】
  【症例3】

索引

3D心エコー図法が臨床の場に登場したのは18年前、編者たちが神戸市立中央市民病院(現:神戸市立医療センター中央市民病院)循環器内科に在職していたころです。当時の同院循環器内科部長の吉川純一先生のご指導のもと、編者たちは本法に取り組み始めました。3D心エコー図法は、従来2Dでしか表示できなかった心エコー図の3D表示、および3Dデータからの定量評価を可能とし、心エコー図法の歴史における大きな進歩のひとつです。当時の3D心エコー図法は、2D心エコー図装置にワークステーションを接続し、主に経食道心エコー図用プローブにて多数断面画像を再構築する方法(再構築法)でした。この方法は高画質の3D画像描出と正確な定量評価を可能とし、この方法を用いた多くの研究で3D心エコー図法の有用性が各種示され、その歴史的意義は大きいといえます。しかし、当時の方法は検者の熱意と熟練を必要とするもので、一般臨床で用いるには十分に簡便とはいえず、臨床で広く普及するに至りませんでした。
 3D心エコー図法の次の大きな進歩は、13年前に登場したリアルタイム法です。この方法では、プローブ自体が3D心エコー図法に対応した新しいタイプのものが使用され、経胸壁アプローチでも比較的容易に3D心エコー図法が行えるようになりました。さらに5年前には、リアルタイム法が可能な3D経食道プローブも登場し、高画質の3D画像が経食道アプローチで簡単に描出できるようになりました。このように、3D心エコー図法は、編者たちが取り組んだ18年間に、めざましく進歩してきました。現在では、多くの心エコー装置でリアルタイム法が可能となり、3D心エコー図法が臨床で普及する環境が整ったと思われます。しかし、従来の2D心エコー図法で確立している心エコー検査の中で、3D心エコー図法をどのように使うかは、いまだ確立しているとはいえません。「3D心エコー図法の可能な心エコー装置を購入したが、日常臨床の中でどのように使えばよいかわからない」、という声も耳にします。そこで、日常の心エコー図検査で、3D心エコー図法をどのように使用していくかを示す適切なガイドブックの必要性を強く感じ、本書を企画しました。
 本書は、二部構成となっています。「総論」では、(1)経胸壁および経食道の各アプローチでの3D心エコー図法の使い方全般、(2)心機能と弁の定量評価法、について記載しています。「疾患編」では、疾患ごとに、3D心エコー図法をいかに活用していくとよいかを、できるだけ実例を取り入れながら記載しています。なお、3D心エコー図法は日進月歩であり、近い将来臨床での活用が期待される新しい研究的な内容も一部には含まれています。本書にて、将来の3D心エコー図法への期待も持っていただければと思います。本書が、循環器診療に携わるすべての医師・技師にとって、3D心エコー図法を臨床で用いる際の良きガイドとなり、3D心エコー図法を取り入れた心エコー図検査が普及していくことを願ってやみません。
2012年2月
吉田清
穂積健之