書籍

CDCガイドラインに学ぶ感染対策

困ったときのQ&A

: 矢野邦夫
ISBN : 978-4-524-26443-8
発行年月 : 2011年2月
判型 : B5
ページ数 : 120

在庫あり

定価2,700円(本体2,500円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 書評

ICD(インフェクションコントロールドクター)やICN(感染管理認定看護師)などの院内感染対策に携わるスタッフに向けて、現場で起こるさまざまな疑問にCDC(アメリカ疾病予防管理センター)各ガイドラインを用いて解説する実践書。手指衛生などの感染対策の基本から医療器具、区域、病原体、体液曝露などについて取り上げる。具体的・明解な解説で知りたいことがすぐわかる。

I.感染対策の基本
 .手指衛生
 .標準予防策
 .感染経路別予防策
 .個人防護具

II.医療器具別感染対策
 .血管内カテーテル
 .尿道留置カテーテル
 .人工呼吸器

III.区域別感染対策
 .環境感染対策
 .空気感染隔離室
 .手術室
 .防護環境(無菌室)
 .透析室
 .外来採血室

IV.病原体別感染対策
 .結核
 .百日咳
 .インフルエンザ
 .水痘、麻疹など
 .MRSA
 .ノロウイルス

V.その他
 .血液・体液曝露
 .HBVワクチン
 .滅菌、消毒、洗浄

索引

コラム
・ニューモシスティス肺炎
・N95マスク
・レジオネラ
・結露
・結核の接触者調査と感染源調査
・妊婦とワクチン
・インフルエンザの感染性保持期間
・破傷風トキソイド
・C型肝炎ウイルス
・ウイルス性肝炎の特徴
・HIV感染している医療従事者から患者へのHIV伝播の報告
・滅菌や消毒を阻害する要因
・消毒薬の特徴

今や“感染制御”は大病院はもちろんのこと、中小病院や診療所でも重要になりつつある。ICT(infection control team)が多くの医療機関に置かれ、それまで感染制御の勉強をする機会に恵まれなかったドクターやナースが、ICD(infection control doctor)やICN(infection control nurse)として感染制御に当たることになる。
 感染制御に携わると、1日のうちに何度も“これ、どうしよう?”という問題に遭遇する。その度にお世話になるのが、さまざまな“CDC(アメリカ疾病予防管理センター)ガイドライン”である。CDCガイドラインに書いていないことはないといっても過言ではない。
 しかし、CDCには多くのガイドラインがある。どれも分量が多いうえに英語で書かれている。必要な情報を得るまでに時間がかかることもしばしばである。
 こうした人たちにとっての救世主が矢野邦夫先生である。先生は“日本一のCDCガイドラインWatcher”であり、これまでも“CDC”がタイトルに入った解説書(むろん日本語)を20冊以上執筆してこられた。
 今回矢野先生がまとめられた『CDCガイドラインに学ぶ感染対策』は日常頻繁に問題になる48項目について、感染制御にあたっての考え方をQ&A形式で解説された本である。これまでの矢野先生の著書同様、大変読みやすい。1項目に2、3分で目を通すことが可能であり、日常の感染制御にあたっては強い味方になるはずである。
 本書には他にもいくつかの優れた特徴がある。すべての回答が3項目に要領よくまとめられていることがその一つである。3項目であれば感染制御にあたる者ばかりでなく、医療機関で働く者すべてが覚えることも容易であろう。つまり、本書はICTが職員に指導を行う際に大きな威力を発揮する本である。
 ガイドラインや図表の引用も素晴らしい。“文献”の欄にはガイドライン以外の文献も引用されているが、これらの文献とガイドラインは一目でわかるように区別されており、ウェブサイトのアドレスも明記されている。
 これだけ素晴らしい本で写真も多数引用されているにもかかわらず、本書の値段は雑誌1冊並みに抑えられている。医療施設ごとに1冊置かれるのはもちろんのこと、患者さんの診療に携わるすべての方が目を通していただきたいと思う。新たな発見がいくつもあること請け合いである。
 本書は日常で困ったことに遭遇する度にマニュアルのように使うことも可能であるが、筆者は通読されることをお勧めしたい。ことに感染制御に携わられてからまだ日の浅い方にとっては、感染制御の全貌を見渡すことのできる格好の入門書になることと思う。
評者● 四柳宏
臨床雑誌内科108巻5号(2011年11月号)より転載