書籍

ここが知りたかった腎機能チェック

薬剤師が処方せんと検査値から腎機能を評価するコツ

監修 : 八田告
編集 : 三宅健文
ISBN : 978-4-524-26186-4
発行年月 : 2015年6月
判型 : A5
ページ数 : 182

在庫あり

定価3,024円(本体2,800円 + 税)


正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬剤師であれば知っておきたい腎機能の3つの指標((1)血清クレアチニン値(2)eGFR(3)クレアチニンクリアランス)について、その特徴と実際の評価のしかたを初学者や苦手意識をもつ方向けにやさしく解説。具体的な22のケースを通して“腎機能を評価するコツ”を実践的に学べて、読んだ翌日からすぐに実践できる。薬局内で情報を共有するのに大変便利な『CKDリマインダーシール』の付録付き。

【内容目次】
I 腎臓の機能とCKDについて知っておこう
 1.腎臓の機能
 2.慢性腎臓病(CKD)
 3.CKD診療ガイドの重症度分類
 4.処方せんだけではわからないCKD患者
II 患者の検査値リストから腎機能を推定しよう
 1.血清クレアチニン値
 2.クレアチニンクリアランス
 3.日本人向けGFR推算式
 4.体表面積補正の意義を考える
III CKD患者の薬学的管理を考えよう
 1.腎機能に応じて投与量の調節が必要な薬剤
 2.腎障害を引き起こす可能性のある薬剤
IV 実践!処方せんと検査値で腎機能チェックのアプローチを学ぼう
症例提示にあたって
高齢者
 1.(薬局編)CKD患者さんがOTC複合胃腸薬を買いにきた!
 2.(薬局編)お薬手帳にCKDシールが貼られているのに,ロキソプロフェンが処方されていた!
 3.(薬局編)ワルファリンからダビガトランに処方変更.CKD患者さんだけど大丈夫?
 4.(病院編)パリペリドンで統合失調症が安定しているCKD患者さん.どのように処方変更を提案する?
 5.(病院編)Scrは正常な高齢患者さん.ファモチジンは常用量で大丈夫?
CKD
 6.(薬局編)複数科併診のCKD患者さんにアシクロビル,プレガバリンが処方されていた!
 7.(薬局編)CKD患者さんにアシクロビルを避けてバラシクロビルを処方?
 8.(病院編)TS-1R投与中のCKD患者さんの下痢.減量の前に医師に何を提案できる?
 9.(薬局編)CKD患者さんと知らずにアシクロビルが処方されていた!
 10.(薬局編)CKD患者さんと知らずにアロプリノールが常用量処方されていた!
糖尿病性腎症
 11.(病院編)CKD入院患者さんの持参薬にアロプリノールとシタグリプチン?
 12.(薬局編)CKD患者さんと知らずにポリカルボフィルカルシウムが処方されていた!
 13.(薬局編)CKD患者さんと知らずにプレガバリンが処方されていた!
 14.(病院編)高齢のCKD入院患者さんの持参薬にメトホルミン?
 15.(薬局編)お薬手帳にCKD シールが貼られているのに,メトホルミンとアログリプチンが処方されていた!
 16.(薬局編)ベザフィブラートが処方されたCKD患者さん.常用量で大丈夫?
 17.(薬局編)CKD患者さんが20年以上ベンズブロマロンを服用していた!
 18.(病院編)シタグリプチンが処方されたCKD患者さん.常用量で大丈夫?
透析
 19.(薬局編)血糖コントロール不良の透析患者さん.アログリプチンが増量されたけど大丈夫?
 20.(病院編)透析患者さんのジソピラミドカプセルはジソピラミドR錠に代替できる?
 21.(薬局編)透析患者さんと知らずにレボフロキサシンとトラネキサム酸が処方されていた!
 22.(薬局編)透析患者さんとは知らずにシベンゾリンが処方されていた!
V 腎機能低下時注意が必要な薬剤
 1.腎排泄型薬剤を判別する方法
 2.腎機能に応じて投与量の調節が必要な薬剤
 3.腎機能が低下していると効果が期待できない薬剤
 4.透析患者に禁忌の薬剤
 5.保存期CKD患者に禁忌の薬剤
 6.腎機能が低下している患者に注意が必要な外用薬
 付表.腎機能低下時 注意が必要な薬剤一覧
索引

序文

 薬剤師が慢性腎臓病や高齢者など腎機能が低下している患者に対して、適切な薬剤選択、投与設計を行うためには“十分な知識”を身につける必要があり、これは医師の処方を監査する上でも重要な能力だと考えます。そして薬剤師にとって“十分な知識”を身につけるということは、単に薬剤選択や投与量に詳しいというだけではなく、これらの基本的な知識を患者の病態や状況に合わせてどう活かせるかを知っているということだと思います。もしも、前者的な意味の知識を身につけたいのであれば、各学会が発行している診療ガイドライン、医療用医薬品の添付文書、さらには各出版社より多く出されている薬物療法ハンドブックなどを参考にすればよいでしょう。しかし、先に述べたように実際の現場では薬剤の適正使用のために一人一人の患者のさまざまな状況に合わせた対応が求められます。
 本書は、若手薬剤師や薬学生を対象として、医師監修のもとそういった実際の臨床現場で遭遇するような事例をあげ、「ここが知りたかった」とかゆい所に手が届くような内容になっています。腎機能が低下している患者に対して、適切な薬剤選択、投与設計を行うためには、腎臓のことや腎機能を評価する推算式の成り立ちを頭に入れておく必要がありますが、それらは本書第I章〜第III章で紹介しています。さらに第IV章では、実際にそのような知識や能力を活かす場面を想定した22症例を提示しました。検査値や処方せんからどのように患者の腎機能を推測しアプローチするかを事例で示し、疑義照会のコツがわかるように会話形式で記載してあります。第V章では、腎機能が低下している患者に対して投与量を考慮しなければいけない薬剤一覧を設け、巻末には錠剤棚などに貼る「CKD リマインダーシール」を付録として綴じ込みました。
 本書を手にした皆さんが、腎領域における薬学的管理に興味をもち、さらには実臨床の場で活躍できることを期待しています。
 最後に、本書制作にあたり、監修していただきました八田告先生と執筆者の皆さまに感謝いたします。

2015年6月
三宅健文