書籍

耳鼻咽喉科エキスパートナーシング改訂第2版

編集 : 森山寛/小島博己
ISBN : 978-4-524-26125-3
発行年月 : 2015年12月
判型 : B5
ページ数 : 526

在庫あり

定価4,620円(本体4,200円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

耳鼻咽喉科の最新の診療とそれに伴う看護の留意点をわかりやすく解説した大好評書の改訂版。部位ごとの疾患を項目立てし、症状と病態、検査、治療そして看護の役割を盛り込んだ構成が特徴。今改訂では、看護師執筆の章を新たに設け、耳鼻咽喉科看護特有の内容を盛り込んだほか、オールカラー化し、視覚的に理解できる紙面とした。

1章 耳鼻咽喉科と医療安全,感染対策〜安全,安心な医療環境づくりのために〜
 1.セーフティマネージメント
 2.感染対策
 3.安心,安全な医療環境づくりのために:クレーマーへの対応
 4.看護師が安心,元気で働ける医療現場の環境づくり
2章 耳鼻咽喉科看護の特徴
 1.外来診療における看護の実際
 2.病棟における看護の実際
 3.手術室における看護の実際
 4.集中治療室(ICU)における看護の実際
3章 診察室の設備と管理
4章 耳鼻咽喉科の救急医療と看護
 1.外傷・出血
  1)耳の外傷・出血
  2)鼻・副鼻腔の外傷・出血
  3)口腔・咽頭・喉頭の外傷・出血
 2.発熱・痛み
 3.異物
  1)食道異物
  2)気道異物
  3)救急処置の場と後方病院に送る際の注意事項
 4.呼吸困難(気道狭窄)
5章 耳疾患の解剖・機能と検査の知識
 1.耳の構造と機能
 2.耳の検査
  1)耳鏡検査
  2)聴力検査
  3)インピーダンス検査
  4)耳管機能検査
  5)平衡機能検査
  6)耳漏の細菌検査
  7)画像検査
6章 耳疾患の主要症状・所見の理解
 I 耳痛
 II 耳漏
 IV 耳鳴
 III 難聴
 V 耳閉塞感
 VI めまい
7章 主な耳疾患の治療と看護
 1.平衡障害(めまい)
  1)良性発作性頭位めまい症
  2)メニエール病
  3)前庭神経炎
 ■心身症とめまい
 2.感音難聴
 ■補聴器装用について
 ■人工内耳
 3.伝音難聴
 4.耳垢栓塞
 5.急性中耳炎
 6.滲出性中耳炎
 7.耳管機能不全
  1)耳管狭窄症
  2)耳管開放症
 8.慢性中耳炎(穿孔性中耳炎)
 9.癒着性中耳炎
 10.真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)
 11.顔面神経麻痺(ベル麻痺,ハント症候群)
 12.聴神経腫瘍
8章 鼻・副鼻腔疾患の解剖・機能と検査の知識
 1.鼻・副鼻腔の構造と機能
 2.鼻・副鼻腔の検査
  1)鼻鏡検査
  2)嗅覚検査
  3)鼻腔通気度検査
  4)鼻アレルギー検査
  5)鼻漏細菌検査
  6)画像検査
 3.鼻・副鼻腔疾患における基本処置
9章 鼻・副鼻腔疾患の主要症状・所見の理解
 I 鼻閉
 II くしゃみ
 III 鼻漏・後鼻漏
 IV 嗅覚障害
10章 主な鼻・副鼻腔疾患の治療と看護
 1.鼻出血
 2.アレルギー性鼻炎
 3.肥厚性鼻炎,鼻中隔彎曲症
 4.急性副鼻腔炎
 5.慢性副鼻腔炎
 6.好酸球性副鼻腔炎
 7.鼻・副鼻腔の外傷
 8.副鼻腔嚢胞
 9.副鼻腔真菌症
 10.歯性上顎洞炎
 11.鼻・副鼻腔の良性腫瘍
 12.頭蓋底疾患
11章 舌・口腔・咽喉頭・頸部疾患の解剖・機能と検査の知識
 1.口腔・咽喉頭・頸部の構造と機能
  1)口腔・咽頭の構造と機能
  2)喉頭の構造と機能
  3)頸部の構造と機能
 2.口腔・咽喉頭・頸部の一般検査
  1)視診・触診
  2)味覚機能検査
  3)扁桃病巣感染症の検査
  4)唾液腺検査
  5)喉頭ファイバースコープ検査
  6)音声機能検査
  7)嚥下内視鏡検査
  8)気管支ファイバースコープ検査
12章 舌・口腔・咽喉頭・頸部疾患の主要症状と所見の理解
 I 口臭
 II 舌苔
 III 味覚障害
 IV 咽頭痛
 V 嗄声
 VI 喘鳴
13章 主な舌・口腔・咽喉頭・頸部良性疾患の治療と看護
 1.舌小帯短縮症
 2.舌炎・口内炎
 3.難治性口腔・咽頭潰瘍
 4.咽頭炎
 5.アデノイド肥大,上咽頭線維腫
 6.扁桃疾患
 7.いびき,睡眠呼吸障害
 8.咽頭異常感症
 9.喉頭疾患(音声障害)
  1)声帯ポリープ
  2)声帯結節
  3)ポリープ様声帯
  4)声帯溝症
 10.反回神経麻痺
 11.嚥下障害
 12.頸部良性腫瘍
14章 耳鼻咽喉科・頭頸部領域の悪性腫瘍の治療と看護
 1.外耳・中耳悪性腫瘍
 2.鼻・副鼻腔悪性腫瘍および頭蓋底手術
 3.舌・口腔・中咽頭悪性腫瘍
 4.上咽頭悪性腫瘍
 5.喉頭悪性腫瘍
 6.下咽頭悪性腫瘍
 7.唾液腺腫瘍
 8.甲状腺・上皮小体腫瘍
  1)甲状腺腫瘍
  2)上皮小体(副甲状腺)腫瘍
 9.悪性リンパ腫
 ■頭頸部悪性腫瘍に対する放射線治療
 ■頭頸部悪性腫瘍に対する化学療法
 ■頭頸部悪性腫瘍患者の痛み対策と緩和ケア
15章 耳鼻咽喉科リハビリテーションと看護
 1.先天性難聴児のリハビリテーションと看護
 2.音声言語障害のリハビリテーションと看護
 3.喉頭摘出後の音声障害に対するリハビリテーションと看護
 4.嚥下障害のリハビリテーションと看護
付録 耳鼻咽喉科でよく使われる薬
索引

改訂にあたって

 近年医学は著しい進歩を成し遂げ、また医療も複雑化している。そのような背景の中、患者さんに良質な医療を提供するためには、多くの職種が効果的に機能すること、すなわちチーム医療の実践が求められている。その中で臨床の現場の中核を担う看護師の役割は、ますます重要なものとなってきている。また生活や社会背景の変化に伴い、患者のニーズも変わりつつあり、単に病気を治すのみでなく、QOLを上げることが求められている。外来、病棟、手術室などで患者や家族と長時間にわたり接するのは看護師である。まさに様々な情報を入手し、分析し、病態や容態を把握することが、医師の的確な診断や治療方針決定の大きな助けとなるわけで、看護師やその他の医療専門職が正しい医学知識を持つことは不可欠である。
 2002年に刊行されてより10年以上が経過し、この間に多くの医療者に愛読され、臨床の現場で果たしてきた役割は大きいが、医学の進歩は速い。この度の改訂では、最新の検査や治療法も加えるなど様々な工夫を凝らし、時代に即した内容にグレードアップした。また病態、検査や治療法もほぼ全てが網羅され、その内容は詳細なものとなっているが、カラーを使いながら、またイラストや図表を多く使用することにより、わかり易く解説してある点が特徴である。従って、これから耳鼻咽喉科診療に携わる者からベテランまで満足いただける内容になっていると自負している。
 しばしば耳鼻科と称されているが、聴覚や言語など人間社会の発展や文化の形成に重要な臓器を扱う学問・診療領域で、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学(Otorhinolaryngology Headand Neck Surgery :ORLHNSあるいはEar Nose and Throat :ENT)と呼ばれ、首から上で、眼と脳を除いた領域全てを診療する科であり、解剖学的には狭いが、実際の診療範囲は非常に広くなっている。すなわち平衡障害、聴覚障害、中耳炎、あるいは顔面神経の障害を主に担当する「耳科学」、副鼻腔の炎症や腫瘍、アレルギー、顔面外傷等々を担う「鼻科学」、舌や口腔疾患、扁桃炎などの中咽頭疾患、食道の入り口である下咽頭疾患や、睡眠時無呼吸を扱う「咽頭領域」、音声や嚥下に関係する「喉頭領域」。そして頭頸部癌や唾液腺、甲状腺腫瘍を扱う「頸部領域」など、多岐に富んでいる。また年齢的にも幼小児から高齢者まで幅広く診療をする診療科であり、診断から治療まで一貫して関与でき、外科系でもあるが内科的な側面もある。さらに手術的な治療の多くは、機能再建外科となっている。このように日常の生活に密接にかかわりあう診療科であり、なじみ易い領域であると考えている。
 改訂された本書が、多くの医療従事者の明日の耳鼻咽喉科の医療に役立つことを願っている。今回の改訂にあたり、忙しい中ご執筆頂いた方々に感謝申し上げると共に、南江堂の関係者にもお礼を申し上げる。

2015年9月
編者を代表して
森山寛

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