書籍

感染症専門医テキスト第II部ケーススタディ編

オンラインアクセス権付

編集 : 日本感染症学会
ISBN : 978-4-524-26009-6
発行年月 : 2011年6月
判型 : B5
ページ数 : 382

在庫あり

定価10,800円(本体10,000円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

日本感染症学会編集による感染症専門医を目指す医師および指導医のためのケーススタディ集。感染症診療で、よく診る疾患・知っておかねばならない疾患を厳選して解説。66例のケースファイルを通して鑑別診断、行うべき検査、抗菌薬の選択などについて設問を通して実践的に学習できる。専門医試験想定問題も収載し、専門医を目指す医師必読の書。便利なオンラインアクセス権付。

第I章 初級編
1.眼瞼を含む顔面に広範な皮疹がみられ、眼症状を伴った患者
2.両眼が充血し、流涙と上気道症状を伴った患者
3.発熱と耳痛を訴え来院した3歳男児
4.感冒様症状に引き続き後鼻漏、頬部痛を訴える36歳女性
5.感冒様症状の後、嚥下痛、含み声(口にこもつたような声)を呈した男性
6.発熱および急速に進行する呼吸困難を認めた3歳男児
7.インド旅行中から下痢、発熱をきたした患者
8.バリ島帰りのド痢症患者
9.繰り返す膀胱炎症状の患者
10.発熱を認める若年女性
11.男性の発熱と側腹部痛
12.尿道分泌物と排尿時の尿道の灼熱感を訴える25歳男性
13.外陰部に多発性潰瘍を認めた患者
14.アトピー性皮膚炎治療中に水撃が多発した1歳女児
15.水痘ワクチン被接種後に水母が出現した4歳男児
16.嘔吐、頭痛、下痢で来診した8歳男児
17.高熱、痙攣重積の幼児
18.高熱で異常行動を起こした中学生
19.右側の急性耳下腺腫脹を認めたおたふくかぜワクチン接種歴がある6歳男児
20.痙攣を伴った小児下痢症の1例
21.癌化学療法試行中、発熱・悪寒を訴え発症したカテーテル関連血液感染例
22.突然の高熱、咽頭痛、頭痛、関節痛、筋痛を認めた32歳男性
23.腹痛、血便を主訴に受診した23歳女性
24.発熱と右鼠径部の疾痛にて入院となったHIV感染症の患者
25.外陰部病変と色素斑がみられた34歳女性
26.発熱、咳噺、胸水貯留を認めた29歳女性
27.夜間手などが痒くなって眠れない
28.頭髪に白い斑点を認めた女児
29.陰毛に付着した白いものを認めて来院した男性

第II章 中級編
1.頭痛、発熱、意識障害を認めたSLEの患者
2.発熱、痙攣を主訴として来院した8ヵ月男児
3.開口障害と嚥下痛を伴うオトガイ部の腫脹
4.多肺葉に浸潤影を認め低酸素血症を呈した市中肺炎の1例
5.耳鼻科にて慢性副鼻腔炎治療中に発熱膿性疾が出現した54歳女性
6.渡航後の発熱を主訴に受診した36歳男性
7.S状結腸穿孔性腹膜炎の1例
8.急性に発熱、排尿時痛、排尿困難をきたした男性患者
9.陰嚢内容の腫大と疾痛を訴えた患者
10.下腹部痛を訴えて来院した21歳女性
11.心臓弁置換術後10日目に高熱をきたした患者
12.虫刺後の発熱と虫呼野の発赤腫脹、水庖形成を繰り返した10歳男児
13.糖尿病外来受診中に肝酵素値の上昇を認めた患者
14.全身倦怠感を訴え、発疹と発熱を認めた患者
15.吐血、意識障害、ショック状態で救命センターに搬送され、口腔からの出血・全身の点状出血が認められた症例
16.脳梗塞後遺症で在宅介護中に食欲低下、微熱腰痛を認めた高齢男性患者
17.ウイークリーマンション滞在中に発熱頭痛、下痢、呼吸困難を発症した肺炎患者
18.鎮咳薬を内服したが改善なく、3週間咳が続いている42歳女性
19.発熱、咳嗽、喀痰を主訴に抗菌薬の投与を受けたが、症状・肺野陰影が増悪した患者
20.腎炎治療中に肺異常陰影を呈した症例

第III章 エキスパート編
1.外来受診時に微熱吐気、腹部膨満感を認めた肝硬変患者
2.脳塞栓症の治療中に尿路感染および敗血症性ショックを発症した70歳男性
3.1ヵ月続く発熱で来院した患者
4.転院時に発熱を認めた進行胃癌患者
5.肺炎・心不全で入院し、いったん軽快したものの入院後18日目に発熱、膿性疾が出現した78歳女性
6.手術後人工呼吸管理中に発症した院内肺炎症例
7.10年前に胆管空腸吻合術施行、8日前より発熱・心窩部痛が出現した患者
8.左足の発赤、腫脹、発熱を認めた糖尿病患
9.海外から帰国後に高熱呼吸困難関節痛にて入院した36歳男性
10.中枢神経症状で発症し、AIDSと診断された39歳男性
11.フィリピン帰国後、急性錯乱状態から心肺停止をきたし多臓器不全に陥った日本人男性
12.開口障害のため耳鼻科を受診した67歳の患者
13.歩行・起立困難のため救急受診した12歳児
14.全身に多数の自覚症のない皮疹を認めた在日外国人患者
15.好中球減少時に抗菌薬不応性の肺浸潤影を認めた急性骨髄性白血病患者
16.pentamidine吸入継続中に発熱咳噺が出現した31歳男性
17.インドネシアから帰国後に発熱がみられた患者

最終診断名一覧
索引

日本感染症学会(http://www.kansensho.or.jp/)は、1926年(大正15年)設立された日本伝染病学会から発展してきた学会です(1954年には“社団法人日本伝染病学会”が発足し、1974年に“社団法人日本感染症学会”に改称)。日本感染症学会では1995年4月13日より感染症認定医制度に基づく感染症認定医の認定を開始し、わが国における感染症診療・感染対策を推進してきました(2000年からは、認定感染症専門医制度に基づく感染症専門医に改称)。そして、2011年4月現在では、感染症専門医資格取得者は1,074名となっています。しかし新興・再興感染症や多剤耐性菌の台頭、医療の高度化に伴う難治性感染症患者の増加、社会的な背景などから、わが国の医療における感染症専門医の需要は増大しつつあり、さらなる感染症専門医の育成が急務とされています。また、2006年からは専門医資格取得者における実務的な資質の向上を目指して、指導医認定制度ならびに研修施設認定制度を開始し、専門医研修制度の充実を図ってきました。
 こうした経緯の中、専門医に要求される広範な領域をカバーしつつ高度な知識と技術の修得を目指し、専門医育成のための羅針盤となる『専門医テキスト』の需要が高まりました。日本感染症学会専門医制度審議委員会(木村哲委員長)で専門医テキストの必要性について議論の結果、2007年6月8日に専門医制度審議委員会の下部組織として専門医のためのテキストの編纂・刊行を目的として、「テキスト作成委員会」を設置することとなりました。
 テキスト作成委員会で審議の結果、初版の感染症専門医テキストは基本的な感染症学の知識を網羅するための「第I部解説編」と、臨床実地のトレーニングを行うための「第II部ケーススタディ編」の2部構成で刊行することと致しました。解説編の編纂にあたり、まず感染症専門医研修カリキュラムを網羅することを目標としました(従って、本書は一部を除き原則的に研修カリキュラム順に各項目を掲載しています)。一方で、日進月歩の感染症診療・感染対策に対応できるよう、研修カリキュラムにとらわれずに可能な限り最新の情報を加えました。また、臨床像や検査・診断の理解を助けるために多くの図説や、系統的に病態生理を理解しやすくするための図表も数多く採用しました。ケーススタディ編では、感染症診療を立体的に修得できるよう編纂し、解説編との連携にも配慮しました。また座右は勿論、外来やベッドサイドでの活用をいただけるよう電子書籍媒体(eBook)での閲覧にも対応致しました。
 本感染症専門医テキストでは、第I部と第II部を併せ学会評議員をはじめとする総勢155名の諸学兄の先生方に御寄稿を賜りました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。テキスト作成委員会一丸となり本書の編纂にあたりましたが、初版故の不手際も目立つかと思います。テキスト作成委員会としては、今後もより良い専門医テキストを目指し内容の見直しと継続的な改訂を行っていく予定ですのでご理解を賜りますようお願い申し上げます。
 本書が、わが国における感染症専門医制度の発展に貢献することを祈念します。
2011年4月
日本感染症学会テキスト作成委員会委員長 満田年宏