書籍

整形外科卒後研修Q&A改訂第7版

問題編/解説編

編集 : 日本整形外科学会Q&A委員会
ISBN : 978-4-524-25776-8
発行年月 : 2016年5月
判型 : B5
ページ数 : 694

在庫あり

定価12,960円(本体12,000円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

整形外科専門医試験受験者の必読書。専門医試験のための参考書としてのみならず、定期的に改訂を重ねることで、整形外科専門医として必要な知識が学べる最高レベルのテキストとなっており、指導医、生涯教育の必携書である。(分売不可)

一般問題
 1.整形外科基礎医学
  1 骨の生理学・生化学
  2 軟骨の生理学・生化学
  3 神経・筋の生理学
  4 バイオメカニクス,運動学
 2.診断学および検査法
  1 解剖学,診断学
  2 臨床検査
  3 電気生理学,筋力テスト,ラジオアイソトープ
  4 CT,MRI,その他
  5 関節鏡,関節造影
   1)関節鏡
   2)関節造影
 3.疾患別各論
  1 骨系統疾患
  2 骨粗鬆症とその他の代謝性骨疾患
   1)骨粗鬆症
   2)その他の代謝性骨疾患
  3 感染症
  4 関節炎,関節症
   1)変形性関節症一般
   2)膝関節症
   3)股関節症
   4)関節リウマチ(RA)など
   5)特殊関節症
  5 骨端症,骨頭壊死
  6 骨・軟部腫瘍
   1)骨腫瘍
   2)軟部腫瘍
  7 脈管疾患
  8 ミオパシー,その他
  9 末梢神経損傷
 4.外傷
  1 外傷一般,軟部組織損傷
   1)外傷一般
   2)軟部組織損傷
  2 骨折
   1)総論
   2)体幹(肋骨,骨盤を含む)
   3)上肢(近位)
   4)上肢(遠位)
   5)下肢
  3 脱臼
  4 捻挫,靱帯損傷,関節外傷
  5 スポーツ外傷・障害
   1)上肢
   2)下肢
  6 災害医療
 5.身体部位別各論
  1 脊椎・脊髄
   1)脊椎一般および側弯症
   2)頚椎
   3)腰椎
   4)脊椎・脊髄腫瘍
   5)脊髄損傷
  2 肩甲帯・上肢
   1)胸郭出口症候群
   2)肩関節
   3)肘関節
   4)手外科
  3 下肢
   1)股・膝関節(主として小児疾患)
   2)足関節および足部
 6.治療法
  1 麻酔,輸血,輸液,蘇生術
  2 手術療法(適応,手技など)
  3 人工関節
   1)股関節
   2)膝関節,その他
  4 マイクロサージャリー
 7.リハビリテーション
  1 ギプス,牽引
  2 物理療法,運動療法,作業療法
  3 切断,義手,義足,装具
  4 脊髄損傷,CP,二分脊椎,脳卒中など
 8.関係法規,産業医学,疫学
  1 関係法規
   1)医師の法的責任,医師法と関連法規
   2)医師の法的義務・届出義務
   3)診療録
   4)医療事故の定義と現場の対応
   5)医事紛争:鑑定,裁判
   6)医療法,保険診療,在宅医療,身体障害
   7)インフォームドコンセント
  2 産業医学
  3 臨床疫学
症例問題
 問1〜92
索引

改訂第7版の序

 『整形外科卒後研修Q&A(改訂第7版)』が5年ぶりに改訂され、刊行されることになりました。本書は、整形外科専門医の取得を目指す若手医師が効率的に勉強できる必読書でありますが、専門医取得後の整形外科医が自らの知識を再確認し、更新するための生涯教育書としても第一級の教材です。今回の改訂では、最新の知見を踏まえて一般問題、症例問題、文献表記を見直し、一層充実した内容になっています。
 編集を担当していただいた日本整形外科学会Q &A委員会は、1972年に整形外科の卒後教育の向上と標準化のために設立された卒後教育等検討準備委員会(津山直一委員長)、それに続く1974年からの卒後教育等検討委員会(津山委員長)を前身として、1980年9月20日に第1回委員会(山内裕雄委員長)を開催したことをもって嚆矢としています。これに先立って、1976年には全国の整形外科医に問題・解答・解説の執筆を依頼し、本書刊行への具体的作業がスタートしています。寄せられた原稿を、東京と九州のメンバーが9年の歳月をかけて検証、校正、整理し、1985年4月に初版が発刊されています。それから30年が経過し、本書は、現在までに5回の改訂作業が地区単位で行われてきました。
 改訂第2版(1994年)とその出題形式の見直しを行った改訂第3版(1997年)は近畿地区(平澤泰介委員長)、改訂第4版(2001年)は中部地区(内田淳正委員長)、改訂第5版(2006年)は九州地区(岩本幸英委員長)、改訂第6版(2011年)は北海道・東北地区(井樋栄二委員長)がそれぞれ担当され、5年毎の改訂が定着しています。
 今後も、初版の序で述べられておりますように、「国際的、対外的に恥しくないような卒後教育研修プログラムを一日も早く作り上げて、医療水準の質を高め、より広く人類福祉に貢献しよう」との高邁な理念を継承し、自主的、自律的に取り組んできた歴史を大切にして改訂を行っていきたいと思います。
 最後に、本改訂に従事され、莫大な時間とエネルギーを注がれたQ&A委員会の長谷川徹担当理事、越智光夫委員長、それぞれの後任としてご尽力いただいた三浦裕正担当理事、長谷川徹委員長をはじめとする委員各位に深甚なる敬意と感謝の意を表します。また、問題作成や改訂作業の過程で多大なご協力を賜った日本整形外科学会会員、各種委員会委員、事務局の皆様にも、心からの御礼を申し上げます。

平成28(2016)年4月
日本整形外科学会
理事長 丸毛啓史

 近年、「エビデンスに基づく標準的医療」の重要性が指摘されるようになり、医療行為は基本的にはガイドラインに準拠して行われるべきであるということが強調されている。これらの基準となるべく診療ガイドラインが日本整形外科学会から14種類発行され、われわれ整形外科医の診療の道標になってからある一定の時間が経過した。
 このような現状の中で、日本整形外科学会Q &A委員会の多くの先生方のご努力により、『整形外科卒後研修Q &A』が5年ぶりに改訂され、改訂第7版として刊行された。昭和60年(1985年)の初版刊行時の序文で赤星義彦先生は、「刊行の背景には“先進諸国に伍して国際的、対外的に恥ずかしくないような卒後教育研修プログラムを一日も早く作り上げて、医療水準の質を高め、より広く人類福祉に貢献しよう”という日本整形外科学会としての使命感と強い念願があった」と記載されている。
 本書は、問題編と解説編の2冊で構成されている。整形外科基礎医学、診断学および検査法、疾患別各論、外傷、身体部位別各論、治療法、リハビリテーション、関係法規・産業医学・疫学の8章に分類されており、これは初版当時とおおむね同様の分類となっている。改訂作業において、一般問題約1,200題中360題、症例問題約90題中45題の入れ替えが行われ、その過程において、疾患概念や診断基準の変更、さらには診断方法・治療方法の進歩に伴い、設問内容や解説文書にもさまざまな最新の情報が盛り込まれている。
 従来本書は日本整形外科学会専門医試験を受験する若手医師たちの試験勉強に適したテキストブックであるという認識をもたれている方がきわめて多いと思われ、実際に例年本書の演習問題から一定数の問題が専門医試験に採用されている。筆者自身も現在専門医試験委員の一人として問題の作成に従事しており、問題作成過程で委員会内では常に熱気のこもった厳しいやりとりの中で作業がすすめられていくのであるが、整形外科医としての偏りのない知識水準を確認し評価するための問題作成のむずかしさを常に実感している。その際に本書に掲載された問題が、この基準を満たす、いかに的確で良質な問題ぞろいであるかをあらためて実感している次第である。
 このように問題編に関しての洗練度、質の高さを強調させていただいたが、一方で解説編を手に取ると、こちらの充実ぶりもまた版を重ねるごとにさらに高まっていることがおわかりいただけると思う。問題編と対応して1問ずつに解説が掲載されているが、各々の問題の解説の冒頭に、一つの病態、一つの疾患、一つの検査手技、一つの治療法などのタイトルが掲げられ、これに対して10〜20行程度のきわめて簡潔かつ密度の濃い解説が記されている。これらを熟読していただくと、それだけで独立したコンパクトな、かつ重要事項はしっかりと網羅した整形外科の教科書として成立してしまうことに気づかれることであろう。限られたページの中にエッセンスが凝縮されており、専門医試験受験生のみならず上級医の知識の再整理にもたいへん有用な書物であり、本書問題編巻頭の「本書の利用のしかた」の項に「本書は整形外科知識の自己評価を第一の目的としています。どこからはじめられても結構です。一番得意とされる項目から手をつけられるのも一法でしょう」という記述にも首肯できる。また各解説の最後には参考文献が記載されており、これにあたることが学力、知識をさらに更新させるための便利な手立てになると考えられる。いずれにしてもきわめて多くの時間とエネルギーを注ぎ、日本整形外科学会の力を結集した本書を作成された日本整形外科学会Q &A委員会の先生方のご苦労に心から敬意を表したい。
 日々急速な進歩を遂げる医療環境の中で、常にレベルの高い医療を提供することが求められる整形外科医療を担うすべての整形外科医にとって、最新の知識に基づいて改訂された本書は教育現場ならびに診療現場に必携の書であるといえる。

臨床雑誌整形外科67巻12号(2016年11月号)より転載
評者●東京医科大学整形外科主任教授 山本謙吾