書籍

糖尿病治療の手びき2017改訂第57版

  • 新刊

編・著 : 日本糖尿病学会
ISBN : 978-4-524-25616-7
発行年月 : 2017年6月
判型 : B5
ページ数 : 150

在庫あり

定価702円(本体650円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

「糖尿病に関する知識の伝道」を目的に長年改訂を続け、多くの患者さん・ご家族に愛読されてきた好評書。糖尿病の病態から診断・治療方法、合併症の詳細について、根拠とともに患者さんにわかりやすい図表と大きな活字で解説。また、新たに巻末にQ&Aを掲載し、患者さんの疑問・質問に答えている。初めて糖尿病を勉強する患者さん・ご家族のほか、医療従事者が患者さんに説明する際にも役立つ一冊。

はじめに
1 糖尿病とはどんな病気か?
 1 血糖とインスリンの働きとの関係は?
 2 どのような症状が出るのか?
 3 軽い糖尿病でも合併症を引き起こすのか?
2 なぜ私が糖尿病なのか?−検査と診断
 1 尿糖が出ない、症状もない、でも糖尿病?
 2 確定診断はどのようにするのか?血糖とヘモグロビンA1c(HbA1c)の検査
 3 「境界型」は糖尿病予備群なのか?
 4 内臓脂肪とメタボリックシンドロームの関係は?
3 糖尿病の原因は?
 1 糖尿病の原因はひとつ?
 2 1型糖尿病とは?
 3 2型糖尿病とは?
 4 その他の原因による糖尿病とは?
 5 妊娠糖尿病とは?
4 糖尿病が長く続くとどうなるのか?−合併症を考える
 1糖尿病の合併症には何があるのか?
 2細い血管の合併症(細小血管症)とは?
 3太い血管の合併症(動脈硬化)とは?
 4 感染症と糖尿病の関係は?
 5 認知症と糖尿病の関係は?
 6 フットケアはどうするか?
5 合併症を予防するためにどうするか?−経過をみよう
 1 糖尿病の経過観察はなぜ重要か?
 2 経過観察に必要な検査とその目標とは?
 3 合併症を防ぐためのコントロール目標とは?
 4 糖尿病連携手帳を活用しよう
6 1型糖尿病はどのように治療するのか?
 1 治療の原則は?
 2 インスリン療法はどのように行うのか?
 3 食事療法はどのように行うのか?
 4 運動療法はどのように行うのか?
7 2型糖尿病はどのように治療するのか?
 1 なぜ食事療法が大切なのか?
 2 運動療法はどのように行うのか?
 3 内服薬による治療はどのように行うのか?
 4 注射薬による治療はどのように行うのか?
8 妊娠中の糖尿病はどのように治療するのか?
 1 糖代謝異常のある妊婦さんではなぜ厳格な血糖コントロールが必要なのか?
 2 治療はどのように行うのか?
 3 母体に起こる合併症とは?
9 緊急治療を必要とする意識障害が起こったらどうするか?
 1 糖尿病昏睡とは?
 2 糖尿病昏睡はどのように治療するのか?
 3 糖尿病昏睡は予防できるのか?
10 低血糖にどのように対応するのか?
 1 どうして低血糖になるのか?
 2 低血糖の症状とは?
 3 どのようなときに低血糖になりやすいのか?
 4 無自覚低血糖症とは?
 5 低血糖にどのように対応するのか?
 6 血糖コントロール中の留意点について
11 ほかの病気にかかって体調不良の場合(シックデイ)や手術を受けるときはどうするのか?
 1 シックデイとは?
 2 内服薬や注射薬をどうするか?
 3 主治医を受診すべきケースは?
 4 手術を受ける際の血糖コントロールはどうするか?
12 治療中のこころの問題にどう対応するべきか?
 1 糖尿病と診断されたとき、どう対応するべきか?
 2 落ち込んでしまったとき、どう対応するべきか?
 3 どうしても食べてしまうとき、どう対応するべきか?
 4 家庭、職場、学校でのトラブルがあるとき、どう対応するべきか?
13 子どもの糖尿病はどのように治療するのか?
 1 子どもの糖尿病の特徴は?
 2 治療の原則は?
 3 学校生活はどうするのか?
 4 サマーキャンプに参加しよう
14 高齢者の糖尿病はどのように治療するのか?
 1 高齢者の糖尿病の特徴は?
 2 高齢者の糖尿病の注意点は?
15 日常生活で糖尿病と上手に付き合うには?
 1 糖尿病を持ちながらの家庭生活はどうなる?
 2 職業と職場での対応に困ったときは?
 3 運転免許と保険が心配だけど
 4 余暇を楽しむには?
 5 酒、タバコ、嗜好品は禁止?
Q&A
○おわりに
○(公益社団法人)日本糖尿病協会・都道府県糖尿病協会一覧
○付録:BMI(Body Mass Index)一覧表
○索引
○「糖尿病治療の手びき2017(改訂第57版)」執筆者一覧
○(一般社団法人)日本糖尿病学会糖尿病治療の手びき編集委員会
○携帯カード〔切り取ってお使いください〕最後にとじてあります

はじめに

 紀元前1550年頃、エジプトのナイル川流域にあるルクソール(テベス)の墓のなかから発見された古文書(パピルス)に糖尿病の最古の記載があります。糖尿病は人類をもっとも長く悩ませた病気であり、また、原因のわからない不思議な病気と考えられてきました。
 1921年、トロント大学でバンティング博士と医学生は、膵臓から抽出した物質(インスリン)を膵臓摘出した糖尿病の犬に投与することで血糖値が下がることを証明し、インスリンが治療に使われるようになり、近代的糖尿病治療の幕開けとなりました。
 現在では、糖尿病患者さんは世界的にみても増加の一途をたどり、2030年には世界人口の9.9%にもなるともいわれています。実際、わが国の糖尿病患者さんおよび糖尿病の可能性のある人の合計は2011年には27.1%となっています。現在では糖尿病が直接の死因になることはまれになってきましたが、糖尿病による眼や腎臓や動脈に現れる合併症を完全に防ぐことは容易ではありません。とくに糖尿病は血管病といわれ、動脈硬化の増悪による心筋梗塞や脳血管障害、下肢血管障害など多彩で重篤な血管障害に陥ることが知られています。
 血糖コントロールの指標として、HbA1cが汎用されており、新たに診断基準に取り入れられました。日本糖尿病学会は2013年に熊本宣言として、合併症予防のための血糖コントロール目標としてHbA1c7.0%未満とすることを提唱しました。2016年の日本老年医学会との合同委員会で、高齢者糖尿病の血糖コントロール目標が提唱され、患者の特徴、治療薬による個別の目標HbA1cが設定されました。また、最近では新たな薬剤としてインクレチン関連薬やSGLT2阻害薬が出現し、糖尿病の治療を大きく変えつつあります。
 本書「糖尿病治療の手びき」は1961年に初版が発行され、2014年に第56版が発行されましたが、今回このような変化に対応するため、最新の内容に改訂しました。患者さんとご家族のために編集することを目的としており、本書が、糖尿病をコントロールし合併症を防ぎ心豊かな人生を送るための手びき書となることを願っております。

2017年5月
(一般社団法人)日本糖尿病学会
糖尿病治療の手びき編集委員会