書籍

肝疾患治療マニュアル

ガイドラインを理解し、応用する

  • 新刊

編集 : 竹原徹郎/持田智
ISBN : 978-4-524-25424-8
発行年月 : 2017年6月
判型 : A5
ページ数 : 318

在庫あり

定価4,752円(本体4,400円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

C型肝炎の画期的新薬DAAs、B型肝炎でのペグインターフェロンのadd-on療法の普及、NAFLD/NASHの増加、非代償性肝硬変での新薬の登場等、進歩が著しい肝疾患治療の“今”を非専門医向けに解説。肝疾患の各種ガイドライン(取扱い規約、厚労省の指針等含む)の内容を押さえた上で、エキスパートが実臨床でどのような対応をしているか知ることができる。「わたしの工夫」「患者への説明のポイント」など、役立つコラムも掲載。

I章 肝疾患治療の実践〜ガイドラインの一歩先へ〜
 1.急性肝炎(A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,D型肝炎,E型肝炎)
 2.急性肝不全,劇症肝炎
 3.ウイルス性慢性肝炎,肝硬変
  a.B型肝炎
  b.C型肝炎
 4.自己免疫性肝炎
 5.原発性胆汁性胆管炎(旧称:原発性胆汁性肝硬変)
 6.原発性硬化性胆管炎,IgG4関連肝胆道疾患
 7.薬物性肝障害
 8.アルコール性肝障害
 9.NAFLD・NASH
 10.非代償性肝硬変
 11.代謝性肝疾患(Wilson病,シトリン欠損症)
 12.肝膿瘍,肝嚢胞
 13.原発性肝癌
 14.転移性肝癌
II章 肝疾患の治療薬〜エキスパートはこう使う!〜
 1.インターフェロン製剤
 2.抗ウイルス薬
  a.リバビリン
  b.NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬
  c.NS5A阻害薬
  d.NS5B阻害薬
  e.核酸アナログ製剤
 3.肝機能改善薬
  a.グリチルリチン製剤
  b.ウルソデオキシコール酸
  c.タウリン
  d.漢方製剤
 4.肝不全治療薬
  a.肝不全用アミノ酸製剤,成分栄養剤
  b.分岐鎖アミノ酸製剤,カルニチン
  c.ラクツロース,ラクチトール
  d.リファキシミン
  e.利尿薬
 5.肝癌治療薬
  a.ソラフェニブ
  b.肝動注用抗悪性腫瘍薬
 6.その他
  a.ナルフラフィン
  b.ルストロンボパグ
III章 肝疾患の治療手技〜エキスパートのテクニックを知る!〜
 1.経皮的局所療法(PEIT,RFAなど)
 2.経カテーテル治療・化学療法(TAE,TACEなど)
 3.内視鏡的治療(EVL,EISなど)
 4.バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)
 5.TIPS
 6.腹水の治療(腹水穿刺排液,CART,デンバーシャント)
 7.血漿交換・血液濾過透析(人工肝補助療法)
 8.瀉血療法
IV章 肝疾患の栄養療法と運動療法〜エキスパートはこうしている!〜
 1.肝硬変に対する栄養療法
 2.C型肝炎に対する鉄制限食
 3.脂肪肝・NASHに対する栄養療法
 4.肝疾患の運動療法
索引

序文

 内科学の専門領域で、最近、最も変貌を遂げたのは、肝臓病学である。C型慢性肝炎、代償性肝硬変では、直接作動型抗ウイルス薬(direct-acting antivirals:DAAs)が導入され、インターフェロンを用いない経口薬のみの治療によって、ほぼ全例でウイルスを排除できるようになった。一方、B型慢性肝疾患では核酸アナログ製剤の限界が明らかになり、肝発癌の防止を目指して、ペグインターフェロンのadd-on療法が普及しつつある。また、脂肪性肝疾患、特に非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)が増加し、これに起因する肝癌の診療が重要になっている。非代償性肝硬変では、腹水、肝性脳症、低栄養とサルコペニアおよび.痒感に対する新たな薬物が次々と登場した。急性肝不全、自己免疫性肝疾患などの難病に関しても、国の支援体制が改編され、これが今後の診療に影響を与えると考えられる。
 激変する肝疾患診療に対応する目的で、日本肝臓学会、日本消化器病学会および厚生労働省の研究班は、各疾患のガイドライン、診療ガイド、マニュアルを作成し、これを刊行物ないしWeb 上で公開している。しかし、ガイドラインなどはエビデンスの枠に縛られており、肝臓専門医が実際に行っている臨床の現場とは、乖離する場合がある。各種ガイドラインを補完して、実臨床で応用しやすくするために、本書「肝疾患治療マニュアル」を刊行した。「ガイドラインの一歩先へ」が本書のスタンスである。まず、「肝疾患治療の実践」として各種疾患の診療の全貌を概説した。冒頭で、現在のガイドラインを要約し、次いで、「エキスパートが行う治療の実際」を、詳細に論じることにした。さらに、肝疾患の治療薬、治療手技、栄養療法と運動療法に関して、その作用機序、専門医の工夫とアドバイスなども含めて、個別に紹介することとした。執筆は第一線で活躍する肝臓専門医に依頼した。次々と登場する新薬などに対応して、追記、補完をお願いしたが、多忙ななか、迅速に対応いただいた執筆者の先生方に深謝する。
 肝疾患の診療において、最も重要で、優先すべきはガイドラインである。しかし、本書が実臨床とのギャップを埋め、ガイドラインの理解を深めることに貢献することを期待する。また、若手の専門医および専門医を目指す内科医も、本書を参考とすることで、熟練の専門医と同様の診療を実施できれば幸いである。

2017年5月
竹原徹郎、持田智