書籍

皮膚外用薬の選び方と使い方改訂第4版

: 西岡清
ISBN : 978-4-524-25317-3
発行年月 : 2009年4月
判型 : A5
ページ数 : 136

在庫あり

定価2,700円(本体2,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

皮膚外用薬の使用法をイラストやQ&A方式を用いてていねいに解説した好評書。外用薬選択のポイントや使用する際の留意点をわかりやすく解説。今改訂では、前版発行以降に発売された薬剤や、改訂されたガイドラインを盛り込んで、必要な情報を余すところなく収載。臨床医だけでなく、ナースや薬剤師などのコメディカルの方々にも広く役立つ内容となっている。

1 外用療法の基本的な考え方
 A.外用療法とは
 B.外用療法の効果に影響を与える因子
  1 薬物の経皮吸収
  2 基剤
  3 皮膚の性状と経皮吸収
  4 外用療法の功罪
  
2 外用薬の種類と使い方
 A.ステロイド外用薬
  1 ステロイド外用薬の種類
  2 ステロイド外用薬の選択
  3 ステロイド外用薬の剤形の選択
  4 ステロイド外用薬のぬり方
  5 ステロイド外用薬による副作用
 B.抗菌外用薬
  1 抗細菌外用薬
  2 抗真菌外用薬
  3 抗ウイルス外用薬
 C.抗腫瘍外用薬
 D.ビタミン含有外用薬
 E.免疫調整外用薬
 F.古典的外用薬
  1 粉末剤
  2 油脂
  3 軟膏
  4 泥膏(パスタ)
  5 糊膏(リニメント)
  6 硬膏
  7 振盪合剤(ローション)
  8 乳剤性軟膏(クリーム)
  9 水溶性軟膏
 G.非ステロイド系抗炎症外用薬
 H.スキンケア外用薬(皮膚保護薬)
  I.その他の外用薬
  1 潰瘍治療外用薬
  2 尿素含有外用薬
  3 鎮痒薬含有外用薬
  4 粘膜用外用薬
  5 光線治療外用薬
 J.包帯法
  
3 外用療法Q&A
 A.ステロイド外用療法
  Q1 ステロイド外用薬はどのようなときに使用すべきか
  Q2 ステロイド軟膏とステロイドクリームの使い分けは
  Q3 ステロイドローション剤の効果的な使用法は
  Q4 ステロイドスプレー剤の効果的な使用法は
  Q5 strongestステロイド外用薬の適応は
  Q6 ステロイドテープ剤の使い方とその適応は
  Q7 ステロイドODTの適応は
  Q8 ステロイド局注の方法とその適応は
  Q9 ステロイド外用薬を他の外用薬と混合して用いるねらいは
  Q10 ステロイド外用薬は炎症性皮膚疾患に対して万能か
 B.外用薬の使い方
  Q11 外用薬はどのくらいの厚さにぬるのがよいか
  Q12 外用薬は1日何回ぬるのがよいか
  Q13 古典的外用薬はどのくらい使われているか
  Q14 重層療法は必要か
  Q15 外用薬を季節によって使い分ける必要があるか
  Q16 外用薬はいつまで使用し続けることが必要か
  Q17 湿布剤の種類とその適応は
  Q18 非ステロイド系抗炎症外用薬はどのようなときに使用するか
  Q19 スキンケア外用薬の種類は
 C.部位による外用薬の選択
  Q20 頭部の湿疹病巣に対する外用薬の選択と使用法の注意点は
  Q21 顔の病巣に対してはどのような外用薬を使用するとよいか
  Q22 頸部の病巣に対してどんなステロイド外用薬を選択すべきか
  Q23 眼瞼の湿疹病巣に対する外用薬の選び方は
  Q24 口腔粘膜部に適する外用薬にはどのようなものがあるか
  Q25 外耳道、鼻腔への外用薬の使い方は
  Q26 間擦部、腋窩部、外陰部への外用療法の仕方は
 D.主な皮膚疾患の外用療法
  Q27 急性の接触皮膚炎の外用療法は
  Q28 慢性化した接触皮膚炎の外用療法は
  Q29 アトピー性皮膚炎の外用療法の仕方は
  Q30 貨幣状湿疹の治療法は
  Q31 脂漏性湿疹の外用療法は
  Q32 主婦手湿疹に必要な外用療法は
  Q33 おむつかぶれの外用療法
  Q34 結節性痒疹の外用療法は
  Q35 尋常性?瘡(ニキビ)の外用療法は
  Q36 尋常性乾癬の外用療法にはどのようなものがあるか
  Q37 皮脂欠乏性湿疹の治療法は
  Q38 肛囲湿疹の外用療法は
  Q39 ステロイド酒さ・酒さ様皮膚炎の外用療法は
  Q40 酒さの外用療法は
  Q41 汗疹(あせも)の外用療法は
  Q42 伝染性膿痂疹(とびひ)の外用療法は
  Q43 表在性真菌症に対する外用療法は
  Q44 爪白癬を外用療法で治療できないか
  Q45 爪郭炎の治療法は
  Q46 陥入爪を手術しないで治療できないか
  Q47 全身に広がった湿疹(紅皮症)の外用療法はどうするのがよいか
  Q48 下腿潰瘍の治療法は
  Q49 天疱瘡の外用療法は
  Q50 熱傷の外用療法は
  Q51 褥瘡の外用療法はどのようにするか
  Q52 虫刺症の外用薬はどのようなものがよいか
  Q53 疥癬の治療法は
  Q54 虱症の外用療法は
  Q55 掌蹠膿疱症の外用療法は
  Q56 円形脱毛症の外用療法は
  Q57 男性型脱毛症の治療法は
  Q58 尋常性白斑の治療法は
  Q59 口唇ヘルペスの治療法は
  Q60 帯状疱疹の外用療法は
  Q61 脂漏性角化症(老人性疣贅)に外用療法はあるか
  Q62 尋常性疣贅(いぼ)の外用療法は
  Q63 顔面の青年性疣贅に対するよい外用療法はあるか
  Q64 尖型コンジローマの外用治療は
  Q65 伝染性軟属腫(水いぼ)の治療法は
  Q66 スキンタッグの治療法は
  Q67 鶏眼(うおのめ)、胼胝(たこ)の治療法は
  Q68 踵の角化病巣に対する外用療法は
  Q69 魚鱗癬の外用療法は
  Q70 掌蹠角化症の外用療法は

皮膚外用薬一覧

索引

皮膚疾患の治療はむずかしいといわれてきた。同じ皮膚疾患であっても、病変の性状や程度のみでなく、それぞれの患者の生活環境、生活観によっても治療法が変化するからである。
 近年、皮膚疾患への理解が深まり、それに応じて治療戦略も大きく変化してきている。皮膚疾患の治療といえばステロイド外用薬ときめつけられてきた時代もあったが、免疫調整外用薬、ビタミン含有外用薬などの出現によって、治療手段も増えつつある。また、ステロイド外用薬の適応とされていた疾患に、別の薬物が適応となることも起こっている。
 皮膚疾患治療における外用療法の役割は大きい。皮膚疾患の理解に加えて、外用薬の知識、外用療法の手技などが絡み合って治療法が決定され、治療効果をあげている。ステロイド外用薬一つをとっても、そのきめ細かい使い方の習得によって治療効果が異なってくることは周知のことである。また、古典的外用薬の上手な使い方によって治療効果が倍増することも認識されるようになっている。
 本書の初版が出版されてすでに20年の年月を経ている。この20年間に外用療法は大きく進化し、多くの治療法が実地医家の間で定着しつつある。これまで本書の改訂を行うたびに、新しい治療法、治療薬の追加を行ってきたが、今回、本書全体を通した改訂をさせていただく機会を得ることになった。この機会に、新しく工夫された治療法、変更された治療法、治療技術とともに、新しく登場した治療薬についての情報も掲載させていただいた。本書の改訂においては、多くの皮膚科の先生方のお知恵を拝借させていただいた。改めて御礼申し上げます。
2009年4月
西岡 清

このたび『皮膚外用薬の選び方と使い方』の改訂第4版が上梓された。すでに初版が刊行されて20年の歳月が経過したことが巻頭でふれられているが、今回最新のデータを加えて、新しく皮膚科医になられた先生方にもこの素晴らしい教科書を読む機会を与えていただいたことは何よりの喜びである。著者の西岡清先生は、われわれの世代の皮膚科医にとっては皮膚免疫・アレルギー学の研究を常に他に先駆けて切り拓いてこられた研究者としてのイメージが強い先生である。同時に「皮膚科医の眼」を非常に大切にされ、患者の皮疹やその訴えを通して思考し、その結果を治療に還元される優れた臨床医でもある。実際今まで多くの皮膚科医を受診してまったく改善しなかった患者が、西岡先生の外来を受診したあとは、見る間に軽快していく姿を何度も目の当たりにした先生も多いと思う。
 さて皮膚科医にとり、外用療法はもっとも大きな治療の武器であり、ステロイド外用薬が登場するまでは、まさにどの軟膏をどのような病態に使うかは皮膚科医の腕の見せ所であり、日常診療における皮膚科医の役割は大きかった。1970年代に入り、優れた作用をもつステロイド外用薬が登場するようになると他科の医師も皮膚科医のあとを追って、ステロイドの素晴らしさを認識し、日常診療で皮膚疾患の治療を行うようになった。このこと自体は大変素晴らしいことであったと思う、が、結果として、長期にわたりステロイドを使用する患者の中にその副作用を認めるようになり、一時期患者からのステロイド忌避の時代があった。この素晴らしい教科書が最初に刊行された時代はまさにそのピークのころであり、実際ステロイドの使用法がQ&Aも含めて詳細に書かれている。おそらく小生も含めて多くの先生がこの本を読み返すことで自信をもってステロイドを使用できるようになったのではないかと考える。もちろん他にあるような大部の冊子でなく、寝ころんで気楽に、どのページからでも読めるのは西岡先生の哲学によるところが大きいと思うが、簡潔な記載の裏にあるサイエンスの部分の密度は非常に濃く、昨今のEBMの時代に軽視されがちなexpert opinionとしての哲学が行間からあふれ出ている。その意味からいうと初学者には少し理解しづらい部分があるかもしれないが、日常診療で皮膚疾患の治療のむずかしさがわかるにつれ、この教科書のありがたさ、素晴らしさが理解できるものと考える。最近はあまり使用されなくなる傾向にある古典的な外用薬もコンパクトにわかりやすく記述され、あらためて自家調整軟膏を作ろうと考える先生も多いと思う。さらにタクロリムス軟膏やイミキモドなど新しい薬剤にふれられているのも他科の先生には役に立つかと思う。この本の大半を占める70問のQ&Aは西岡先生の皮膚科医としての経験がちりばめられたものであり、皮膚病診療に携わる医師にとっては何よりの指針になることを確信する次第である。
評者● 片山一朗
臨床雑誌内科104巻3号(2009年9月号)より転載