書籍

単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン2017

  • 新刊

監修 : 日本神経感染症学会,日本神経学会,日本神経治療学会
ISBN : 978-4-524-25222-0
発行年月 : 2017年8月
判型 : B5
ページ数 : 114

在庫あり

定価3,564円(本体3,300円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

日本神経感染症学会・日本神経学会・日本神経治療学会監修による、エビデンスに基づいた単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン。疫学、病態、検査、診断、治療などの診療上問題となるクリニカルクエスチョン(CQ)に対して明確に回答し、治療においては推奨グレードを明記し対応の指針を示した。

1.単純ヘルペス脳炎の疫学
 CQ1-1 単純ヘルペス脳炎は日本でどれくらいの患者が発症するのか
2.単純ヘルペス脳炎の転帰・後遺症
 CQ2-1 成人例の予後と後遺症はどのようになっているのか
 CQ2-2 成人例の転帰に影響する要因にはどのようなものがあるのか
 CQ2-3 小児例の予後と後遺症はどのようになっているのか
 CQ2-4 小児例の転帰に影響する要因にはどのようなものがあるのか
3.単純ヘルペス脳炎の症状・症候
 CQ3-1 成人の症状や発症経過はどのようになっているのか
 CQ3-2 小児の症状や発症経過はどのようになっているのか
4.単純ヘルペス脳炎の検査
 CQ4-1 単純ヘルペス脳炎を疑った場合の検査はどうするのか
5.単純ヘルペス脳炎における単純ヘルペスウイルスの遺伝子診断
 CQ5-1 単純ヘルペスウイルスの遺伝子診断(PCR)はどこまで可能か.また,どのような点について注意すべきなのか
 CQ5-2アシクロビル耐性株の検出において現在どのようなことがわかっているのか
6.単純ヘルペス脳炎における感受性遺伝子の検索
 CQ6-1 単純ヘルペス脳炎になりやすい要因としては何がわかっているのか
7.単純ヘルペス脳炎の鑑別診断
 CQ7-1 単純ヘルペス脳炎成人例と鑑別する疾患としてどのような疾患があるのか
 CQ7-2 単純ヘルペス脳炎小児例と鑑別する疾患としてどのような疾患があるのか
 補追 human immunodeficiency virus(HIV)検査は必要か
8.単純ヘルペス脳炎の治療
8-1.成人の治療
 CQ8-1-1 成人の単純ヘルペス脳炎にはどのような抗ウイルス薬がよいのか
 CQ8-1-2 どのような患者にアシクロビルを投与するのか.また,そのタイミングはどうすればよいのか
 CQ8-1-3 アシクロビルの投与量や投与期間はどうすればよいのか
 CQ8-1-4 成人例の治療においてどのような点に注意すべきなのか
 CQ8-1-5 成人の単純ヘルペス脳炎にアシクロビル投与後効果がない場合はどうすればよいのか
 CQ8-1-6 成人の単純ヘルペス脳炎における副腎皮質ステロイド薬の併用は行ったほうがよいのか.また,どのような点に注意すべきなのか
8-2.小児の治療
 CQ8-2-1 小児の初期選択薬はどのような抗ウイルス薬がよいのか
 CQ8-2-2 どのような患者にアシクロビルを投与するのか.そのタイミングはどうすればよいのか.また,投与量や投与期間はどうすればよいのか
 CQ8-2-3 小児例の治療においてどのような点に注意すべきなのか
 CQ8-2-4 小児の単純ヘルペス脳炎にアシクロビル投与後効果がない場合はどうすればよいのか
 CQ8-2-5 小児の単純ヘルペス脳炎における副腎皮質ステロイド薬の併用は行ったほうがよいのか.また,どのような点に注意すべきなのか
索引



 単純ヘルペス脳炎は、初期治療が患者の転帰に大きく影響するため、緊急対応を要する疾患(neurological emergency)として位置づけられている。アシクロビルの開発により本症の死亡率は未治療の60.70%から10.15%と低下した。しかし、死亡と高度後遺症を含めた転帰不良率は33.53%といまだ高く、社会復帰率も半数であり、更なる改善を目指した新たな治療薬や治療指針の構築が望まれている。従来、本症の転帰不良の要因のひとつとして、本症における適切な抗ウイルス薬の投与の遅れが指摘されていた。この問題解決には、第一線の一般医が本症を早期に疑うことの重要性を理解することについての周知の必要性と、本症の初期診断の難しさに対する一定の基準作成および不適切な治療に対する改善の必要性の理解が重要と考えられていた。このような背景をもとに、2005年に日本神経感染症学会から本症の診療ガイドラインが公表された。このガイドライン作成により、この点に関する改善には、少なからず寄与できたのではないかと考えている。
 しかしながら、この診療ガイドライン作成からすでに時間が経過しており、その改訂が強く求められてきた。今回、日本神経感染症学会・日本神経学会・日本神経治療学会の3学会合同による本症の新たな診療ガイドラインが作成された。このガイドラインが日本における本症の診療向上に少しでも寄与できれば幸いである。
 なお、この診療ガイドラインは現時点の日本における単純ヘルペス脳炎の診断と治療水準の向上を目的として作成しており、緊急の臨床の現場において対応しやすいように巻頭にフローチャートを示してある。また、本ガイドラインは臨床現場において刻々と変わる個々の患者の病態に合わせた臨床家の治療についての裁量権や今後の疫学的変化に対応した治療について規定するものではないことを、ここにお断りしておく。

2017年6月
「単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン」作成委員会委員長
亀井聡