書籍

目からウロコのヘルペス診療ハンドブック

その診断・治療で大丈夫?

  • 新刊

編集 : 白濱茂穂/渡辺大輔
ISBN : 978-4-524-25203-9
発行年月 : 2017年10月
判型 : B5
ページ数 : 222

在庫あり

定価7,776円(本体7,200円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

ウイルス感染症である帯状疱疹・単純疱疹について、基本知識からその診療の最新動向までを解説。予防から診断、治療、帯状疱疹後の神経痛の対応まで、および単純疱疹とKaposi水痘様発疹症との鑑別など、皮膚科医はもちろん、内科医やプライマリケア医など非専門家にも理解しやすい簡明な記載と、図表・写真を多用したフルカラーのビジュアルな紙面構成でまとめた。

Part1 基礎編−ヘルペスウイルスを知る
 1.ヘルペスウイルスとは何か?
 2.ヘルペスウイルスがきたす皮膚疾患
 3.単純ヘルペスウイルスと水痘帯状疱疹ウイルスの似ている点,違う点
 4.抗ヘルペスウイルス薬はどう効くのか?
 5.どうして単純ヘルペスウイルスと水痘帯状疱疹ウイルスでは抗ヘルペスウイルス薬の使用量が違うのか?
 6.単純ヘルペスの疫学
 7.水痘,帯状疱疹の疫学
Part2 大丈夫?その臨床診断
 A.単純ヘルペスと似ている疾患
  1.口唇炎
  2.固定薬疹
  3.伝染性膿痂疹
  4.毛包炎
  5.Behcet病
  6.梅毒
 B.帯状疱疹と似ている疾患
  1.接触皮膚炎
  2.虫刺症
  3.臀部ヘルペス
  4.丹毒
  5.伝染性膿痂疹
Part3 ヘルペス診断のための検査を知る
 1.Tzanck試験と蛍光抗体法
 2.抗体価測定
 3.イムノクロマト法(性器ヘルペス)
 4.PCR法,LAMP法
Part4 単純ヘルペスのさまざまな病型
 1.ヘルペス性歯肉口内炎
 2.口唇ヘルペス(再発型)
 3.眼瞼ヘルペス,角膜ヘルペス
 4.ヘルペスひょう疽
 5.Kaposi水痘様発疹症
 6.性器ヘルペス(男性)
 7.性器ヘルペス(女性)
 8.臀部ヘルペス
Part5 帯状疱疹のさまざまな病型
 1.帯状疱疹
 2.汎発性帯状疱疹
 3.複発性帯状疱疹
 4.眼部帯状疱疹の眼合併症
 5.Ramsay Hunt症候群
 6.帯状疱疹による腹筋麻痺
 7.帯状疱疹による尿閉
Part6 治療のウソ,ホント?
 A.単純ヘルペス
  1.口唇ヘルペスの治療選択
  2.Kaposi水痘様発疹症の治療選択
  3.性器ヘルペスの治療選択
 B.帯状疱疹
  1.抗ウイルス薬の使い方総論(腎機能との関連)
  2.重症度に応じた治療選択
  3.帯状疱疹関連痛総論
  4.NSAIDs?アセトアミノフェン?
  5.外用薬使用の意義
  6.三環系抗うつ薬の使い方
  7.プレガバリンの使い方
  8.弱オピオイドの使い方
  9.ノイロトロピンRの使い方
Part7 ワクチン
 1.水痘ワクチンと水痘、帯状疱疹の疫学の変化
 2.帯状疱疹ワクチンの現状
付録
 図1 患者指導箋:(1)性器ヘルペス
 図2 患者指導箋:(2)Kaposi水痘様発疹症
 図3 患者指導箋:(3)帯状疱疹
 表1 推算クレアチニンクリアランス(eCCr)の男女・年齢別早見表(Cockroft-Gault式)
 表2 単純ヘルペス・帯状疱疹に使用する薬剤一覧表
  (1)抗ヘルペスウイルス薬(内服,点滴静注)
  (2)抗ヘルペスウイルス薬(外用)
  (3)疼痛治療薬:アセトアミノフェン
  (4)疼痛治療薬:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
  (5)疼痛治療薬:第一選択薬
  (6)疼痛治療薬:その他
  (7)疼痛治療薬:オピオイド鎮痛薬
 表3 推算クレアチニンクリアランス(eCCr)と糸球体濾過量(GFR)の換算表
 表4 慢性腎臓病(CKD)の重症度分類
索引

序文

 単純ヘルペス、性器ヘルペス、Kaposi水痘様発疹症、また帯状疱疹といった皮膚ヘルペスウイルス(HSV、VZV)感染症は皮膚科の外来でしばしば見かける疾患である。ありふれた病気であり、典型的な例では臨床的診断が可能で、また治療薬である抗ヘルペスウイルス薬が存在するため、比較的対応がしやすいと思われている皮膚科医も少なくないが、臨床的診断や抗体価の誤った解釈により適切でない治療を受けている例は少なくない。また、単純ヘルペスではKaposi水痘様発疹症に対する治療選択や性器ヘルペス患者に対する対応、帯状疱疹ではさまざまな合併症や帯状疱疹後神経痛(PHN)の存在に苦しめられることもある。さらに、新規帯状疱疹治療薬、水痘ワクチンの定期接種化や帯状疱疹のワクチンによる予防など、皮膚ヘルペスウイルス感染症を取り巻く環境は大きく変わりつつある。
 本書は、単純ヘルペス・帯状疱疹診療について、基本知識からその診療の最新動向までをそれぞれの分野の専門家により実践的に解説していただき、また皮膚科専門医だけでなく、プライマリケア医や非専門家にも理解しやすい簡明な記載とすることによって、臨床現場に真に役立つハンドブックとすることを目的とし作成された。Part 1では、基礎的、疫学的な内容に加え、「HSVとVZVはどう違うのか?」、「抗ヘルペスウイルス薬はどう効くのか?」、「HSVとVZVではどうして抗ウイルス薬の量が違うのか?」といった、普段見過ごされている疑問に答えられる内容にした。加えて、話題の新薬アメナリーフR(amenamevir)についてもコラムを急遽追加した。Part 2では、単純ヘルペス、帯状疱疹と似ている疾患について鑑別点を含めわかりやすく解説した。Part 3では、診断のための検査について、その原理や正しい解釈について解説した。Part 4、Part 5では単純ヘルペス、帯状疱疹のさまざまな病型について、典型例から知っておくべき病態まで、また重症度の把握について解説した。Part 6では単純ヘルペス、帯状疱疹の治療を、抗ヘルペスウイルス薬の使用法から合併症対策までを治療エビデンスを交え解説した。Part 7では水痘ワクチン、帯状疱疹ワクチンの現状についてまとめた。また、巻末には付録として性器ヘルペス、Kaposi水痘様発疹症、帯状疱疹の患者指導箋をコピー配布可能なかたちで利用できるように収載し、合わせてクレアチニンクリアランス換算表、単純ヘルペス、帯状疱疹で使用する薬の一覧表を主な薬剤の写真とともに掲載した。
 本書を読んだすべての医師が、「目からウロコ」の事実をたくさん見つけていただき、単純ヘルペス、帯状疱疹の明日からの診断、治療に役立てていただくことを切に願う。最後に、企画から編集までお世話になった南江堂の杉山由希さん、矢吹省吾さん、そして執筆いただいたすべての先生方に深謝したい。

追記:本書の英文タイトルを考えていたところ判明したのだが、諺「目から鱗が落ちる」にあたる英文は、“The scales fall from one’s eyes.”であり、新約聖書の逸話から和訳されたものであることが判明した。まさに「目からウロコ!」であった。

2017年9月吉日
白濱茂穂
渡辺大輔