書籍

国立がん研究センターに学ぶがん薬物療法看護スキルアップ

  • 新刊

編集 : 国立がん研究センター看護部
責任編集 : 森文子/内山由美子
ISBN : 978-4-524-25138-4
発行年月 : 2018年2月
判型 : B5
ページ数 : 266

在庫あり

定価3,456円(本体3,200円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

国立がん研究センター中央/東病院 両看護部の総合力をもって企画・編集。がん薬物療法を専門とする医師、薬剤師、専門看護師、認定看護師が執筆し、がん薬物療法の治療と看護を系統的に解説。実践力を高めるためにさらなるスキルアップを目指す看護師だけでなく、はじめてがん薬物療法看護に携わる看護師にも必携の一冊。

I がん薬物療法の基礎知識
 1.がん薬物療法の基本的な考え方
 2.がん薬物療法の特徴と全身管理
 3.がん薬物療法に用いる薬剤
 4.がん薬物療法の効果判定,評価指標,毒性の判定
II がん薬物療法を受ける患者のアセスメント
 1.全身状態のアセスメント
 2.患者の理解と認識のアセスメント
 3.社会背景のアセスメント
III がん薬物療法のレジメンと投与管理
 1.レジメンの理解とアセスメント
 2.投与管理の実際
 3.がん薬物療法の安全な取り扱い
IV がん薬物療法において注意を要する合併症・臓器障害
 1.過敏症/アナフィラキシー
 2.インフュージョン・リアクション
 3.腫瘍崩壊症候群
 4.発熱性好中球減少症(FN)
 5.播種性血管内凝固症候群(DIC)
 6.抗利尿ホルモン不適合症候群(SIADH)
 7.高血糖
 8.間質性肺炎
V がん薬物療法の副作用対策とケア
 1.血管外漏出(EV)
 2.悪心・嘔吐
 3.骨髄抑制
 4.脱毛
 5.神経毒性
 6.皮膚障害
 7.倦怠感
 8.口内炎
 9.便秘
 10.下痢
 11.味覚障害
 12.晩期障害
VI がん薬物療法を受ける患者・家族へのサポート
 1.意思決定支援
 2.患者の力を引き出す様々な支援
 3.チーム医療
 4.がんサバイバーシップ
 5.アドヒアランス・セルフケア支援
 6.社会的サポート
 7.心理的サポート
VII 在宅でがん薬物療法を受ける患者のケア
 1.外来化学療法の今
 2.経口抗がん薬の服薬管理
  (1)薬剤師による服薬管理・指導の実際
  (2)服薬アドヒアランスのための患者教育と看護師の役割
Column
 高齢者
 アピアランスケア
 栄養サポート
 抗がん薬による認知機能障害(ケモブレイン)
 臨床試験と意思決定支援
 AYA世代
 希少がん
 がん薬物療法中のリハビリテーション
索引

はじめに

 近年のがん薬物療法は、従来の細胞傷害性抗がん薬に加え、分子標的治療薬、ホルモン製剤、免疫作用薬などが導入され、飛躍的に進歩している。その目的も薬物療法単独で治癒を目指すだけでなく、手術前後の補助療法、症状緩和および延命など様々である。多くの看護師は、治療が安全に遂行できるよう、次々と導入される新規薬剤やレジメンの理解に力を注いでいる。また患者は、入退院の繰り返しや、外来通院など治療が長期にわたることが多く、治療効果に期待する一方で、不確実な将来に対する不安を抱えている場合も少なくない。看護師は対象に応じて適切にアセスメントし、起こりうる副作用対策を講じつつ、患者が心身ともにできるだけ苦痛なく治療を継続し、より質の高い日常を送れるようにするために、どのようなサポートが必要なのかを日々模索している。
 そこで国立がん研究センターでは、このようながん薬物療法の進歩・変化にも看護師が柔軟に対応し、スキルアップできる書籍が必要と考え、中央病院・東病院の両看護部で本書を企画編集することとした。執筆は両病院のがん薬物療法を専門とする医師、薬剤師、専門看護師、認定看護師が担当し、エビデンスに基づく実践的でわかりやすい内容となるよう構成した。
 がん薬物療法を総体的に捉えるためには、第一に看護の基盤となる専門的な知識を習得する必要がある。そこで医師・薬剤師の先生方には、がん薬物療法の基本的な考え方や治療の特徴、合併症・臓器障害の理解、全身管理のあり方などについて図表をもとに詳しく述べていただいた。次に、がん看護専門看護師やがん化学療法看護認定看護師等が、治療を行う上で最も重要となる患者のアセスメント、安全な投与管理の実際、副作用対策とケアについて詳述した。さらに患者の意思決定支援や家族を含む社会的・心理的サポート、外来・在宅で治療を継続する患者のケアへと続く多角的な視点でまとめている。このように本書では、がん薬物療法の治療・看護が系統的に網羅されている。がん薬物療法看護の更なるスキルアップを目指す看護師だけでなく、はじめてがん薬物療法に携わる看護師にとっても知識と技術の確実性を高め、自信を持った看護実践につながる実用書として十分活用してもらえるものと確信している。
 両病院の総合力をもって完成させた本書が、看護師の実践力を高める一助となり、がん薬物療法を受ける患者のケアの充実につながることを願っている。

2018年1月
国立がん研究センター
中央病院看護部長 那須和子
東病院看護部長 淺沼智恵