書籍

高次脳機能障害対応マニュアル

初回面接から長期支援までのエッセンシャルズ

監修 : 米本恭三
編集 : 渡邉修/橋本圭司
ISBN : 978-4-524-25053-0
発行年月 : 2008年11月
判型 : 新書
ページ数 : 212

在庫あり

定価4,320円(本体4,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

高次脳機能障害の診察は患者や家族の訴えを正確に聞きとることから始まる。本書は適切な診断のポイント、その対応、リハビリテーションの介入を簡潔・明快に示したマニュアル。初回面接から長期支援までのノウハウを、時間の流れに沿って分かりやすく解説している。実地医家、リハビリテーション医、関連医療・福祉スタッフのポケットに必携の一冊。

第1章 初回面接
 1.患者・家族の訴える症状のポイント
 2.原疾患のポイント
 3.既往症のポイント
 4.患者背景のポイント
 5.患者・家族のニーズの整理
 6.リスク管理のポイント

第2章 診察
 1.身体所見のポイント
 2.高次脳機能障害のポイント
 3.情緒・行動障害のポイント
 4.検査のポイント
 5.高次脳機能障害診断のポイント
 6.抗てんかん薬について

第3章 画像診断
 1.画像診断のポイント
 2.高次脳機能障害と画像所見

第4章 神経心理学的検査
 1.知能の評価
 2.逐行機能障害が疑われたら
 3.記憶障害が疑われたら
 4.失語症が疑われたら
 5.失行症が疑われたら
 6.半側空間無視が疑われたら

第5章 リハビリテーションの原則
 1.高次脳機能障害のリハビリテーションの基本
 2.高次脳機能障害のリハビリテーションの流れ
 3.リハビリテーション専門職の役割
 4.急性期のリハビリテーション処方例
 5.回復期のリハビリテーション処方例
 6.社会適応期のリハビリテーション処方例

第6章 各障害へのリハビリテーション
 1.易疲労性の改善には
 2.失語症の改善には
 3.注意障害の改善には
 4.半側空間無視の改善には
 5.記憶障害の改善には
 6.意欲・発動性の低下の改善には
 7.脱抑制の改善には

第7章 生活地域へのマネージメント
 1.地域生活支援の概要
 2.社会資源の利用方法
 3.相談機関
 4.障害者自立支援法と介護保険法
 5.障害者手帳、経済的支援
 6.高次脳機能障害支援普及事業
 7.家族への支援

第8章 就労支援
 1.就労支援機関
 2.障害者職業総合センターで行われている評価内容
 3.障害者職業総合センターにおける支援内容
 4.就労の実態

巻末資料
 I 脳の構造と機能
 II 疾患の特徴
 III 評価
 IV 高次脳機能障害関連法規

付録
 I NPO法人日本脳外傷友の会会員団体一覧
 II NPO法人全国失語症友の会連合会加盟友の会一覧

文献

多彩な障害像を呈し、満足な社会生活ができないために、当事者ならびに家族の大きな悩みであった「高次脳機能障害」に対し、厚生労働省は2001年に「高次脳機能障害支援モデル事業」を開始しました。その結果、2004年には診療報酬請求の対象として認め、2006年制定の「障害者自立支援法」には、都道府県の地域生活支援事業の中に高次脳機能障害支援普及事業が盛り込まれました。東京都でも、障害を持つ方が地域で生活を始めるにあたり、各区市町村窓口や地域でのより円滑な対応と理解を進めるため、2007年に「高次脳機能障害者地域支援ハンドブック」を作成しています。
 このように近年、高次脳機能障害者に対する支援施策はすこしずつ。確実に進歩してきました。これは医療福祉専門職、リハビリテーション専門職の方々の努力や絶え間ない患者・家族会の活動があったからこそと思います。今後はこの基盤を背景に、30万人とも50万人ともいわれるわが国の高次脳機能障害者に対し、最良の医療とリハビリテーションを提供し、福祉制度の運用を進めていかなければなりません。
 本書は「みえにくい障害」といわれてきた高次脳機能障害に対し、極力、わかりやすい解説を試みました。そして手軽に、高次脳機能障害に関する疑問に答えられるよう配慮いたしました。どのような視点で高次脳機能障害者に対応すればよいのか、どのように当事者や家族の声を聞けばよいのか、どのような検査が求められるのか、画像診断のポイントは何か、その治療方法は、そしてどのような制度が利用できるのかといった実践的な問超に対する答えを収めました。
 長年にわたって、高次脳機能障害者の急性期から社会復帰に至るまでの診療・支援に携わってきた執筆者の方々と協力して企画、編纂し本書ができあがりました。高次脳機能障害に関する多くの医療福祉専門職の座右の書となり、高次脳機能障害者支援のお役に立てれば、この上ない喜びです。
2008年10月
米本恭三
(一部改変)