書籍

根拠がわかる疾患別看護過程改訂第3版

編集 : 新見明子
ISBN : 978-4-524-24839-1
発行年月 : 2021年9月
判型 : B5
ページ数 : 1256

在庫あり

定価6,820円(本体6,200円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

大好評参考書がオールカラーになって大改訂! 実習でよく出合う78疾患について,看護過程の展開に必要な医学的知識,病期・治療に沿ったアセスメント,看護計画とケアの「根拠」「留意点」がますます充実.好評の「関連図」では発症から病態生理学的変化,治療経過,看護問題の抽出までを図式化し,患者の経過が一目でわかる.さらに第2部以降で「治療別看護」「経過別看護」「感染症看護」「臨床検査値一覧」を収載し,患者の状況に応じたアセスメントと臨床判断ができる.看護学生や新人看護師の「なぜ・どうして」に応える,実習で役立つ頼れる味方!

【内容目次】
序章 入院患者の一般的情報収集ガイド
 1基本的な情報収集項目
第1章 循環器系疾患
 2 狭心症
 3 心筋梗塞
 4 心不全
 5 閉塞性動脈硬化症
 6 大動脈解離(心タンポナーデ)
 7 リンパ浮腫
第2章 呼吸器系疾患
 8 肺がん
 9 肺 炎
 10 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
 11 気 胸
第3章 消化器系疾患
 12 食道がん
 13 胃がん
 14 潰瘍性大腸炎
 15 大腸がん
 16 肝硬変,肝がん
 17 胆道がん
 18 胆石症
 19 膵 炎
第4章 栄養・代謝/内分泌系疾患
 20 糖尿病
 21 脂質異常症
 22 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
 23 甲状腺がん
第5章 腎・泌尿器系疾患
 24 慢性腎臓病(CKD)
 25 慢性糸球体腎炎(症候群)
 26 腎がん(腎細胞がん)
 27 前立腺がん
 28 膀胱がん
第6章 血液・造血器系疾患
 29 再生不良性貧血
 30 白血病
 31 悪性リンパ腫(ML)
 32 多発性骨髄種(MM)
第7章 脳血管系疾患
 33 脳出血
 34 くも膜下出血
 35 脳梗塞
 36 脳腫瘍
第8章 神経・筋疾患
 37 多発性硬化症(MS)
 38 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
 39 重症筋無力症(MG)
 40 パーキンソン病(PD)
第9章 精神疾患
 41 認知症
 42 統合失調症
 43 双極性障害
 44 抑うつ(うつ病)
 45 パーソナリティ障害(PD)
第10章 膠原病/自己免疫疾患
 46 関節リウマチ(RA)
 47 全身性エリテマトーデス(SLE)
 48 多発性筋炎(PM),皮膚筋炎(DM)
第11章 感染症
 49 HIV 感染症(AIDS)
 50 肺結核
第12章 運動器系疾患
 51 脊髄損傷
 52 腰椎椎間板ヘルニア
 53 大腿骨頸部骨折
 54 変形性膝関節症
第13章 皮膚疾患/熱傷
 55 悪性黒色腫(メラノーマ)
 56 熱 傷
 57 アトピー性皮膚炎
 58 疥 癬
第14章 眼/咽・喉頭疾患
 59 網膜剥離
 60 白内障
 61 喉頭がん
第15章 婦人科系疾患
 62 乳がん
 63 卵巣がん
 64 子宮がん
 65 子宮筋腫
第16章 母性/周産期
 66 周産期の正常過程と標準的看護過程
 67 不妊症
 68 妊娠高血圧症候群
 69 切迫流産,切迫早産
 70 帝王切開術前・後
 71 低出生体重児
第17章 小児疾患
 72 川崎病
 73 ファロー四徴症
 74 気管支喘息
 75 腸重積症
 76 ネフローゼ症候群
 77 急性リンパ性白血病(ALL)
 78 麻 疹
 79 発育性股関節形成不全( 先天性股関節脱臼)
第2部 経過・治療別の看護
第1章 経過別看護
 1 急性期
 2 回復期
 3 慢性期
 4 終末期
第2 章 治療別看護
 5 薬物療法
 6 食事療法
 7 手術療法
 8 放射線療法
 9 リハビリテーション療法
付録1:感染症看護
付録2:臨床検査値一覧:看護に活かす検体検査
略語一覧
看護診断索引
索引

 看護学生や経験の浅い看護師を対象に,適切に看護介入の必要性を判断し,個別性のある看護過程を展開していくための参考書として本書を刊行して11 年が経ちました.この間,多くの看護学生や看護師が本書を手に取ってくださったことに感謝いたします.
 本書は,初版より,看護学生や新人看護師の臨床判断能力を高めることに重点を置き,アセスメントの根拠・計画立案の根拠・実践時の留意点を示して,臨床判断能力の向上に努めてきました.
 近年の臨床の場では,先端医療を受ける患者の増加,入院期間の短縮化と療養場所の多様化,多重疾患をもつ患者への対応など,患者の置かれている現状からあらゆる状況を想定して判断し,経過を考えて実践していく必要があります.具体的な実践では,予防する,改善する,悪化を食い止める,安定する,安らぐ,患者自身の能力を高めるなど多くの看護ケアが瞬時に求められる時代となり,看護師一人ひとりの臨床判断能力がますます欲求される昨今です.
 折しも2022 年度から適用される保健師助産師看護師学校養成所指定規則改正(第5次カリキュラム改正)で,看護基礎教育において,科学的根拠に基づいた看護の実践に必要な臨床判断能力のさらなる向上が示されました.その意味では,当初から重点的に取り組んできた系譜を今回の改訂ではより強調することで,本書の強みを発揮できると考えます.今改訂では,これまでよりも疾患の理解を細胞レベルにまで目を向けて解説し,なぜこの症状が起こるのか,検査でわかる現象や治療による影響など根拠を随所に織り込みました.看護過程の展開においても,たとえば看護計画では,この時期に観察する内容の必然性や留意点,ケア方法の根拠や実施の留意点などにベテラン看護師が経験を重ね獲得した実践知も盛り込み,臨床判断能力と実践力の向上を図る要点を極力記載して,本書の特長をより明確にしました.
 さらには,初版では64 疾患の看護過程を取り上げましたが,今回の改訂では78 疾患に拡大しています.これは,看護職の活躍の場が病院から地域へと多様な広がりをみせている中,地域・在宅看護の重要性から,外来での管理や訪問看護,施設実習などで看護ケアを行うことが増している疾患も必要だと考えた次第です.疾患によっては,地域包括ケアの視点が重要となり,地域連携の記述も追加しています.さらに,情報収集が初めての看護学生にも理解が進むように,M. ゴードンの機能的健康パターンを活用した基本的な情報収集項目を示すとともに,各疾患では,その疾患に特徴的な情報や病期を意識した情報収集ができるように工夫しています.そして,疾患の看護過程の展開とともに主な治療別看護,経過別看護,どのような時にも注意が必要となる感染症看護の内容を充実させ,さらに患者の状態判断に役立てるために臨床検査値一覧を追加しました.
 このように今回の改訂では,臨床や地域で遭遇しやすい疾患を多く取り上げるとともに臨床判断能力を向上させるための根拠や実践知の充実を図り,初学者の「なぜ・どうして」に応える看護学書となるよう執筆者一同努力を重ねました.
 しかしながら,疾患別看護過程は看護そのものでなく看護の方法の一例を示したものです.ですから,本書を参考としつつも目の前の患者とのやり取りや状況を加味しながら,その人の看護を追求することを忘れずに取り組んでいただけたら幸いです.
 最後になりましたが,本書の改訂にご尽力くださいました南江堂看護編集部の皆様,根気強く最後まで付き合ってくださいました赤田早紀氏に深く感謝いたします.
2021 年7 月
新見 明子

9784524248391