書籍

むかしの頭で診ていませんか?膠原病診療をスッキリまとめました

リウマチ,アレルギーも載ってます!

編集 : 三村俊英
ISBN : 978-4-524-24814-8
発行年月 : 2019年10月
判型 : A5
ページ数 : 254

在庫あり

定価4,180円(本体3,800円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

大好評「むかしの頭で診ていませんか?」シリーズ第7弾「膠原病診療」版。リウマチ、アレルギーについてのテーマも盛り込んでいる。「専門」ではないけれども「診る機会」がある“発熱”、“炎症”、“手のこわばり”といった症候はもちろんのこと、関節リウマチや全身性エリテマトーデス、食物アレルギーなどの一般臨床医が遭遇する可能性が高い病態・疾患に関する要点をギュッと凝縮。「そもそも、どう考えるの?」「具体的にどうするの?」「なぜ考え方が変わったのか?」など、押さえておきたい知識・情報をスッキリ整理。全科医師におすすめの一冊。

1 発熱・炎症・膠原病
2 レイノー現象があれば膠原病?
3 膠原病を疑ったときにはどの検査をする?
4 関節リウマチの早期診断には“指を診る”
5 それは関節リウマチ?
6 関節リウマチにはタバコが悪い?
7 SLEの診断基準はどうなってる?
8 膠原病は遺伝する?
9 若年者と高齢者の膠原病
10 血管炎の新しい命名法と治療とは?
11 自己炎症性疾患って何?
12 それはシェーグレン症候群
13 多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)に認められる自己抗体は?
14 リウマチ性多発筋痛症と関節リウマチの違いは?
15 強直性脊椎炎,見逃していない?
16 膠原病の心・肺障害には何がある?
17 膠原病の腎障害について知っておきたいこと
18 膠原病の神経障害は初期症状に注意!
19 膠原病の消化器病変にまつわるトピックスは?
20 皮膚病変からみつかる膠原病
21 小児の膠原病はどこまで診ていい?
22 従来型抗リウマチ薬,どう使う?
23 注目したい新規抗リウマチ薬
24 ステロイドは本当に悪い薬?
25 注目したい新規SLE治療薬
26 関節リウマチ・膠原病の関節手術は?
27 結核などの患者さんに免疫抑制薬は投与できる?
28 リウマチ・膠原病と妊娠にまつわるトピックスは?
29 がんと膠原病の合併,どう対処する?
30 アナフィラキシーにどう対処する?
31 食物アレルギーに関する実際のところ
32 その咳は何の咳?
33 アレルギーの舌下免疫療法って?
索引

序文

 自分の専門領域で最新の知識を獲得することは可能でも、少し専門領域を外れると日々の医学の進歩について行くのは簡単ではありません。診療中の疑問点や不確実な知識などで困った経験は誰しもあると想像します。教科書の中の情報は多いものの、問題解決型の記述ではないので、自分の知りたい情報を得るためには時間と労力を要します。「むかしの頭で診ていませんか?」シリーズは、クリニカルクエスチョンとそれに対する結論(解答)が先にありますので、時間節約の利点と安心感があります。
 関節リウマチ、膠原病およびその関連疾患、アレルギー性疾患は、慢性疾患で長期罹患も珍しくはありません。そのため、他の様々な疾病を合併することもよくみられます。これらの合併症は、ほとんどがリウマチ・膠原病またはアレルギーの非専門医によって診療されます。日本の関節リウマチ罹病患者さんは約75万人と言われています。専門ではなくても、診療に関与する機会は決して少なくはないのです。
 関節リウマチ、膠原病およびその関連疾患、アレルギー性疾患は、その考え方や治療法がこの20年ほどの間に劇的な進歩を遂げ、現在も進歩を続けています。その結果、適切なタイミングで専門医を受診できた患者さん達のADLやQOL、そして生命予後は著明に改善しています。
 この本は、関節リウマチや膠原病、アレルギーなどは専門ではないけれど、診療する機会がある、またはその可能性がある医師を対象にしていますが、研修医、看護師およびメディカルスタッフの方々にも、この領域の最新の知識を、分かりやすく提供できると思っています。そして、多くの患者さんに新しい医療が届くと信じています。
 最後になりますが、以前からお世話になっている村川裕二先生から思いがけず本シリーズの編集のお声がけをいただいたことに始まり、多くの執筆者の先生方と南江堂の方々の努力によってこの本が生まれました。村川先生をはじめ、この本の出版に携わって下さった方々に感謝するとともに、村川先生のお考えと私の想いが読者の皆様に伝わることを願っています。

2019年10月
編者

 このたび、南江堂から出版された三村俊英先生ご編集の「むかしの頭で診ていませんか?」シリーズ第7弾、「膠原病診療をスッキリまとめました−リウマチ、アレルギーも載ってます!」を読ませていただいた。三村先生とは勤務先の関係でご縁があり、このたびの書評を書かせていただく大役をお引き受けした次第である。
 膠原病の分野は元来、難解な全身性炎症性疾患として扱われてきたが、近年は医学の進歩で大きく転換し、疾病の概念はもとより、診断基準、治療法などを含めてガイドライン等が変化したことはご承知のとおりである。本書は今の時代に相応しい、しかも大事な要所をわかりやすくまとめた医学書である。
 本書を開いてみると、まず「発熱・炎症・膠原病」の項がある。「結論から先に」、そして「基本をもう一度」では、最も大事なポイントから教えてくれる。小生にとっては40数年前医師になりたての頃から今までに覚えてきた事柄であり、懐かしく思い出す。しかも、読んでいくうちに自然に新しい内容が理解できる。どのように診断し、どのように考えを進めていくかなどがわかりやすく、元来のわかりにくい事項を明解に教えてくれる。
 いくつか記載内容の例をあげてみたい。「成人発症スチル病を疑うとき」には、発熱時のサーモンピンク疹が特徴であるが、皮疹がないこともあるので注意が必要であることが記載されている(6頁)。「血管炎症候群を疑うとき」では、高齢発症の頭皮痛や顎跛行などが診られるときには巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)も疑うことについて言及され、さらに最近増加しているANCA関連血管炎を疑うのは全身症状+αの所見(咳嗽、血痰、鼻閉感、難聴、喘息、紫斑、しびれ、糸球体腎炎を疑う蛋白尿や赤血球尿)があるときとしている(7頁)。代表的な抗核抗体、抗核抗体の陽性率などの表もしっかりと掲載されている(18、19頁)。
 さらに、自己抗体の解説も充実した内容となっている。「関節リウマチの早期診断には“指を診る”」の項目では、カラー写真の所見が示されており、とてもみやすく一目瞭然である。「それは関節リウマチ?」の項目では、最新の診断基準がわかりやすくまとめられている。「なぜ考え方が変わったか」についても記載されており、これに続き抗CCP抗体、関節リウマチ(RA)新分類基準などがわかりやすく丁寧に解説されており、理解を深めることができる。「関節リウマチにはタバコが悪い?」の項目では、タバコとRAの関係が実に見事に証明されている。「SLEの診断基準はどうなってる?」の項目では、1982年の米国リウマチ学会(ACR)分類から2017年の欧州リウマチ学会(EULAR)/ACR分類への変更の意味や、見落としがちな高齢者の全身性エリテマトーデス(SLE)にも言及されている。
 まだまだ紹介したい箇所はたくさんあって終わりがない。どの頁もすべてが意味深く、興味津々になる。33名の専門医が難しい事項をわかりやすく丁寧に執筆され、すべての項目が書名にあるように今の時代にマッチした内容で、見落としてはならない重要な事項が述べられている。日頃から知りたいと思っていた事項が大変わかりやすくまとめられ、かつ内容の濃い本である。気楽に通読しても結構であるが、それではもったいないと思う内容が多く、じっくりと読みたくなる貴重な医学書である。
 今の医学がとても面白いと感じるのは、日進月歩で毎年のように改訂される診療ガイドラインを理解することからスタートする。何事も理解することは通常は大変な能力が必要であるが、本書では重点が丁寧にわかりやすく解説されているため、短時間で理解でき、大切な事項が自然と身に付く不思議な書物である。次々と理解でき、最新医学に興味が湧いてくる大変面白い本に出会えたことは何よりも嬉しく、多くの皆様にお勧めする理由の一つである。ぜひご一読されることをお勧めする。

臨床雑誌内科126巻1号(2020年7月号)より転載
評者●安田醫院 理事長・院長 安田福輝

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