書籍

エキスパートをめざす循環器診療

4.弁膜疾患,心筋・心膜疾患

総編集 : 井上博/増山理
担当編集 : 磯部光章
ISBN : 978-4-524-24093-7
発行年月 : 2006年10月
判型 : B5
ページ数 : 238

在庫なし

定価8,640円(本体8,000円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

循環器専門医研修カリキュラムの達成目標に沿って構成する「エキスパートをめざす循環器診療」シリーズの第4巻。本書では、弁膜疾患、心筋・心膜疾患をテーマに、シリーズ共通の特徴である、要点をまとめた「check!!」、「用語解説」、セルフチェックのための「診断知識のQ&A」、具体的治療指針を示す「治療のケースアプローチ」などを盛り込み、明快かつ実践的に解説。

I エキスパートになるための基礎知識
 1 弁膜疾患、心筋・心膜疾患の診断法
 2 弁膜疾患、心筋・心膜疾患の超音波診断
 3 心臓カテーテル、心血管造影、その他の画像診断による診断

II 弁膜疾患の病態・診断・治療
 1 弁膜疾患の疫学と病因
 2 僧帽弁狭窄症
 3 リウマチ性および非リウマチ性僧帽弁閉鎖不全症
 4 僧帽弁疾患の手術適応と術式
 5 大動脈弁狭窄症
 6 大動脈弁閉鎖不全症
 7 大動脈弁疾患の手術適応と術式
 8 その他の弁膜疾患
 9 感染性心内膜炎
 10 弁膜疾患患者の抗凝固療法

III 心筋疾患の病態・診断・治療
 1 心筋炎
 2 拡張型心筋症
 3 肥大型心筋症
 4 拘束型心筋症
 5 その他の心筋疾患

IV 心膜疾患の病態・診断・治療
 1 心膜機能とは
 2 心膜疾患各論

V 心臓腫瘍の病態・診断・治療
 1 粘液腫
 2 その他の腫瘍

専門医をめざす医師にとって重要なことは、日進月歩の循環器診療の最新知識を幅広く、偏りなく理解し、その知識を日常診療の実践に生かすことだけでなく、経験したことのない症例に対応できる応用力を持ち、また進歩し続ける医学・医療への対応力を養うことである。そのために特に重要なことは病態の理解であり、診断法や治療法にあってはその原理原則を知っておくことである。本書は「エキスパートをめざす循環器診療」のうちの一巻として、特にその点を念頭に置いて編集されたものである。理解を容易にするためにQ&Aと症例紹介を設けたことも本シリーズの特徴である。
 心臓弁膜症の診療はこの半世紀ほどの間に大きく変遷してきた。疾病構造が変化し、これから循環器専門医をめざす若手医師がリウマチ性弁膜症を経験する機会は著しく減っている。しかし、「弁膜疾患の疫学と病因」のなかで詳しく紹介されているように、新たな弁膜疾患は増加の一途をたどっており、リウマチ性弁膜症も決して無視できない割合で存在する。心疾患の身体診察による診断体系は主として心臓弁膜症の診断を通じて発展、確立してきたものであると言って過言でない。超音波診断も同様である。本書ではこれらの疾患の診断、治療法について特に力を入れて紹介している。経験する機会の少ない疾患も少なからずあると思われるので、本書を通読して知識を補っていただきたい。
 心筋症などの心筋疾患も、病態、診断、治療に関して進歩の著しい領域である。循環器領域では遺伝子情報から疾患の理解がなされるようになった最初の疾患群であり、またペースメーカー治療やカテーテル治療、薬物療法などの治療面でも大きな進歩が見られる。本書では第一線の専門医に最新の診療法を紹介していただいた。心筋炎や二次性心筋症、心臓腫瘍は他疾患に比して症例が比較的少なく、時に見落とされたり他疾患と間違えられることのある疾患である。専門医をめざすに当たっては比較的珍しい疾患の知識を常に新たにしておく必要があり、通読をお勧めしたい。心膜疾患も同様である。
 本書を通じて、弁膜症や心筋・心膜疾患の知識を深め、バランスのとれた循環器専門医が一人でも増えることを願っている。さらに本書は指導医にとっても基本的な知識の復習、整理に十分役立てる内容を盛り込んでいる。弁膜症と心筋・心膜疾患を扱う本書が、読者諸兄の疾患の理解や診療法に関する知識の整理に役立てば幸いである。
 本書の作成に当たっては、総編集者に様々なご指導とアドバイスをいただいた。繰り返しの修正などで無理をお願いした執筆者各位に深謝申し上げる。
2006年9月
磯部光章
(一部改変)