インスリンポンプ療法マニュアル改訂第4版
CSII療法・CGM・AID療法導入・管理の手引き
| 監修 | : 小林哲郎/難波光義 |
|---|---|
| 編集 | : 島田朗/及川洋一/内田貴康 |
| ISBN | : 978-4-524-22186-8 |
| 発行年月 | : 2026年4月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 240 |
在庫
定価5,500円(本体5,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

インスリンポンプ療法の実際書として広く活用されているマニュアルの改訂第4版.改訂第3版以降の進歩(インスリンポンプ新機種の導入、『リアルタイムCGM適正使用方針(改訂版)』の発表、AID療法の普及など)を盛り込んだ.糖尿病治療に関するデバイスの発展をまとめた,糖尿病診療に携わるすべての医師・医療スタッフ必携の一冊.
1 インスリンポンプ療法(CSII療法)の有用性,EBM
A.CSII療法の変遷
B.CSII療法の原理と有用性
C.CSII療法の適応
D.CSII療法のEBM
2 インスリンポンプミニメドの機器と設定
A.インスリンポンプの機能の進化と現在
B.ポンプの機能
C.注入回路
D.ミニメド780Gの使用における注意点
E.ミニメド780Gの普及のために
3 パッチ型インスリンポンプメディセーフウィズの機器と設定
A.ポンプの機能
B.注入回路
C.メディセーフウィズスマートの特徴と使用方法
D.トラブルシューティング
4 基礎インスリン注入量と追加インスリン注入量の決定法,ならびに小児における対応
4-1 基礎インスリン注入量の決定
CGMと短時間絶食試験を応用する方法
4-2 追加インスリン注入量の決定
A.追加インスリン注入量の決定の原則
B.糖質摂取量をもとにした決定法
4-3 補正インスリン注入量の決定
A.補正インスリン
B.インスリン効果値(ISF)の設定
4-4 小児における決定
A.どんな小児に始めるか
B.CSII療法実施への注意点
C.使用インスリンの種類:速効型と超速効型,希釈インスリン
D.基礎インスリン注入量(暁現象,薄暮現象,運動時減量)
E.食事追加インスリン量の設定
F.補正追加注入量の設定
G.CSII療法の中断もしくは中止
H.CSII療法時の継続チェックポイント
5 インスリンポンプ療法での血糖マネジメントの目標と評価法
A.血糖マネジメントの目的
B.血糖マネジメント目標:HbA1c
C.その他の血糖マネジメント指標:beyond HbA1c
6 AID療法の実際
A.AIDとは
B.AIDにおけるCGMとインスリン注入の連動
C.AIDの適応
D.AIDの導入の実際
E.AIDの外来診療での活用
F.AIDの問題点・注意点と患者への指導
G.AIDの今後
7 インスリンポンプ療法における食事療法
A.追加インスリン注入法の種類
B.食品交換表に基づく食事を摂取する際のインスリンポンプの使用法
C.ボーラスウィザードの設定
D.糖質以外の栄養素の血糖値への影響
E.脂質による血糖上昇への実践的な対応方法
F.経験則に基づいた食事での具体的な調整方法
G.リアルタイムCGMに基づく食後血糖管理の重要性
8 インスリンポンプ療法における運動療法
A.運動の生理
B.1型糖尿病における運動
C.自験例での運動中および運動後のポンプの調整
9 CGMおよびインスリンポンプ療法における日常生活の注意点
A.入浴,シャワー,サウナ,日光浴
B.睡眠:眠前に接続と血糖の確認
C.食事(外食),残業
D.服装の工夫
E.旅行時の工夫
F.検査時のポンプの取り外し
10 シックデイへの対応
A.シックデイの病態
B.インスリンポンプ療法施行例のためのシックデイ・ルール
C.トラブルでインスリンポンプが一時的に使用できなくなったとき
11 低血糖への対応
A.低血糖の病態生理と症状
B.糖尿病患者における低血糖
C.重症低血糖と認知症・心血管リスク
D.無自覚性低血糖
E.低血糖の予防
F.低血糖への対処
G.インスリンポンプ療法と低血糖
12 ケトーシス・ケトアシドーシスへの対応
A.まずするべきこと
B.診断および治療
C.その他
13 特殊な状況におけるインスリンポンプ療法
13-1 妊娠とインスリンポンプ療法
A.妊娠時の病態とインスリンポンプ療法の意義
B.妊娠合併例におけるインスリンポンプ療法の実際
13-2 外科治療とインスリンポンプ療法
A.手術に伴う代謝状態・血糖管理への影響
B.周術期の血糖管理目標
C.血糖管理の実際
13-3 糖尿病慢性合併症とインスリンポンプ療法
A.血糖マネジメントと糖尿病慢性合併症
B.糖尿病細小血管障害とCSII療法
C.大血管障害とCSII療法
D.糖尿病胃弛緩症とCSII療法
E.副腎皮質ホルモン投与とCSII療法
F.インスリン抵抗性の強い2型糖尿病へのCSII療法
G.インスリンアレルギーとCSII療法
14 小児におけるインスリンポンプ療法
A.ポンプ療法のメリットとデメリット,小児における特徴
B.インスリンポンプの導入方法
C.ポンプ療法の維持と管理
D.ボーラスパターンを利用する
E.小児特有のポンプ療法
F.持効型インスリンとポンプ療法の併用
G.小児におけるAHCLの運用
H.小児におけるパッチポンプの運用
I.スキンケア
J.先進デバイスと学校・園生活
15 インスリンポンプ療法におけるトラブルシューティング
A.インスリンポンプに関連したトラブル
B.持続的グルコースモニタリング機能に関連したトラブル
C.医療施設の対応
16 インスリンポンプ療法の指導におけるチーム作り
A.インスリンポンプ療法の指導におけるチームアプローチの必要性
B.国内および海外での現状
C.チームを作るために必要なトレーニング
D.実際の診療での役割分担
E.チームリーダーが注意すべき点
17 インスリンポンプ療法の今後
A.インスリンポンプ療法の進歩
B.インスリンポンプ療法の汎用への課題
C.これからのインスリンポンプ療法
18 インスリンポンプ療法の医療経済
A.インスリンポンプ療法にかかわる診療報酬加算の変遷
B.インスリンポンプ療法の医療費概算(1型糖尿病の場合)
C.MDIに対するCSIIの費用対効果
D.CSIIに対する(予測)低血糖自動停止機能付きSAPの費用対効果
E.HCL/AHCL機能を搭載したSAP(AID)の費用対効果
40〜50 年前の診療現場においては,糖尿病網膜症による失明,切断を要する糖尿病足病変,自律神経障害による下痢,糖尿病による腎障害などは日常的な治療の対象でした.このような糖尿病による合併症がなくても糖尿病をもつ方のインスリン療法は極めて繁雑な手技と手順を必要としていました.例えば,インスリン注射をする際には,インスリン注射器や針の煮沸消毒を行い,冷蔵庫からインスリンを取り出し,溶液の気泡を抜いてはじめて,皮下注射をする状況でした.また,単回インスリン注射による重症低血糖が起き,日常生活に支障をきたすこともたびたび起きていました.さらに,血糖コントロールという概念そのものについても十分なものではありませんでした.ジョスリン糖尿病センターのDr. George Cahill は,血糖コントロールと合併症の発症とは無関係であるという意見(commentary)を当時の『N Engl J Med』に出していたこともあります.これに疑問をもった医師らが1 型糖尿病をもつ方々を対象にDCCT 研究を開始し,1993 年に「血糖コントロールは糖尿病性細小血管障害を予防する」というエビデンスが確立されました.この研究により,1 型糖尿病の血糖コントロールをある程度のレベルまで改善させることができるようになったのは,この頃黎明期を迎えた強化インスリン療法であり,中でもインスリンポンプ療法(CSII)でした.インスリンポンプ療法は,血糖値を安定化することができますが,DCCT 研究の結果を機としてインスリンの注入パターン,装置の小型化,そして食事,運動など,その時々の状況に合わせた調節ができる注入器が開発され,1 型糖尿病をもつ方のQOL が格段に向上することとなりました.一方,「どのような治療目標が1 型糖尿病をもつ方にとって一番よいのか?」「人工膵島などclosed loop による血糖コントロールは有用なのか?」「経済的負担を軽減できないか?」などについて日々考える状況になりました.日本先進糖尿病治療・1 型糖尿病研究会のメンバーは,これらの疑問を共有し,『インスリンポンプ療法マニュアル 改訂第4 版』には,ポンプ治療の普及だけでなく,1 型糖尿病をもつ方の側に立った内容の一層の充実が図られています.
本書には最新の治療が,極めて実践的に記載されており,インスリンポンプ療法に携わる多くの医療スタッフの方々に日々活用され,医療の質のさらなる向上に貢献することが期待されます.
最後に,本書の発行にあたっては,南江堂編集部および制作部の関係者の皆様に大変お世話になったことを付記し,ここに感謝の気持ちを表したいと思います.
2026 年3 月
小林 哲郎,難波 光義,島田 朗,及川 洋一,内田 貴康






