看護学部・学科 課題シートあり
創価大学 看護学部

Visible Body Suiteで変わる理解の質
― 学生全員が理解できる授業へ ―

インタビュー

「構造機能と生活」「看護と病態生理」などの授業を担当する、創価大学看護学部教授の大釜徳政先生に、
Visible Body Suite(以下Visible Body)についてお話を伺いました。

まず、Visible Body導入前の授業(構造機能と生活)について教えてください。

導入前は、教科書と人形模型を中心にした授業形態でした。大教室で80名規模の授業を行い、模型をカメラで映しながら説明するというスタイルです。ただ、正直なところ、その方法だけでしっかり理解できるのは一部の学生だけでした。
特に構造的理解に苦手意識を持つ学生が多く、授業だけでは彼らに十分届かないという感覚がありました。

どのような点が特に課題だったのでしょうか?

一番大きかったのは「イメージ化できない」という問題です。関節の動きや、嚥下時の喉頭の動きなど、図や静止画で説明しても理解できない学生が多い。結果として、分からないまま授業が進んでしまう。しかも模型だと、前の席しかよく見えない。動画で映しても、結局見るだけの授業になってしまいます。その結果、授業はどうしても受け身になり、理解できない学生はさらに遅れてしまうという悪循環がありました。

そこでVisible Bodyを導入されたと。

はい。自分の手元における教材で、かつ3Dで動きを見られるという点にまず可能性を感じました。
また、従来はDVDなどの教材で補っていましたが、それも手間がかかりますし、内容も断片的でした。それがすべてVisible Bodyにまとまっているので、「これ一つで完結できるのではないか」と考えました。

実際に導入して、どのように変わりましたか?

一番大きな変化は、「その場で理解できるようになった」ことです。これまでは、分からない部分を持ち帰ってしまう学生が多かったのですが、Visible Bodyを使うことで、授業中に確認しながら理解を進められるようになりました。例えば、「脳神経の働き」「筋肉の動き」「関節の動き」 こういったものを切り替えながら、その場でつなげて説明できる。しかも学生自身も操作しながら見られるので、理解のスピードが明らかに変わりました。

授業設計も変わりましたか?

かなり変えました。それまでは「骨」「筋肉」「神経」という単元ごとの授業でしたが、生活動作を中心にした授業に切り替えています。
例えば、「歯を磨く」「立ち上がる」「排泄する」 といった行動をテーマにして、そしてそれぞれについて、

• 骨は何が関わるのか • 筋肉はどこが働くのか • 神経はどう命令しているのか

をVisible Bodyで確認しながら、最終的に一つの動作として統合させていきます。
Visible Bodyを使うことで、これらをその場で切り替えながら確認できるので、「構造→機能→行動」という流れで理解させることが可能になりました。

Visible Body投影授業風景 Visible Bodyを使った授業の様子

学生の変化についてはいかがでしたか?

一番大きいのは、これまで理解についていけなかった学生が、その場で理解できるようになり、「やってみよう」と思えるようになっています。実際に成績にも表れていて、以前は80人中20人ほどいた不十分な成績の学生が、今は数名程度まで減っています。さらに再試験の前にVisible Bodyを使った課題を出すと、多くの学生が理解を取り戻して合格しています。

授業の雰囲気も変わりましたか?

大きく変わりました。
これまではどうしても受け身で、聞いているだけの学生も多かったのですが、今は自分で操作しながら考えるので、授業中に寝ている学生はほとんどいません。何より、「自分で理解できた」という感覚を持てるようになったことが大きいと考えています。

教員側の授業負担はどう変わりましたか?

むしろ楽になりました。これまでは動画を探したり、資料を組み合わせたりするのにかなり苦労していましたが、Visible Bodyがあれば一つの中で素材が揃っているので、授業準備も効率的です。スクリーンショットやURLを使えば、そのまま教材にもなりますし、レポート課題にもつなげやすい。授業の流れを止めずに進められるようになったのは大きいです。

Visible Body内の他の機能(クイズなど)の活用はいかがですか?

クイズ機能はあまり使っていません。というのも、解剖の名称問題にフォーカスしすぎると、そちらに引っ張られてしまうからです。看護教育では、構造を覚えることよりも「どう機能しているか」「どう行動につながるか」の理解の方が重要だと考えています。その代わり、メモ機能などは積極的に使わせています。学生が自分なりに整理した内容を書くことで、個性のあるレポートになっています。

この取り組みを通じて、何が一番変わったと感じていますか?

一番大きいのは、学生の中で知識がつながるようになったことです。
これまでは「構造」「機能」「病態」「看護」がそれぞれ別のものとして理解されがちでしたが、授業の中でそれらを一連の流れとして扱えるようになりました。
例えば、構造機能を理解しておくと、次の病気の理解がしやすくなりますし、そこから看護実践にもつながります。
国家試験でも、単なる知識ではなく「なぜそのケアが必要か」を問われる問題が増えていますので、この理解は非常に重要です。

授業内でうまく活用できているポイントはどこにあると思われますか?

一つは、「その場で完結できるところ」です。
複数の資料を行き来させると、学生はすぐに混乱してしまいます。その点、Visible Bodyは一つの中で構造・機能・関連情報を確認できるので、理解を途切れさせずに進められます。
もう一つは、「統合できるところ」です。
看護教育では、構造だけでなく、それがどう行動やケアにつながるかを理解することが重要です。その点で、Visible Bodyは単なる解剖教材ではなく、理解をつなぐツールだと思っています。

最後に、導入を検討している皆様へのメッセージをお願いします。

動かして使うことが前提のツールなので、参考書のように部分的に使うだけではもったいないと感じています。授業の中でフルに活用し、学生自身に操作させることで、特に理解に課題を感じている学生の変化が出てきます。
模型や教科書と併用しながら、「その場で理解を完結させる」授業を作ることで、これまで届きにくかった学生層にも、しっかり理解を届けられるようになると思います。

参考:授業で使われている課題シートサンプル

インタビュー実施日:2026年5月