呼吸器診療ゴールデンハンドブック

- 商品説明
- 主要目次
- 序文

研修医・シニアレベルを対象とし、呼吸器科の日常診療において知っておかなければならない疾患とその対処法、基本的な診断、検査法、治療法、薬剤についてコンパクトな新書版としてまとめた。緊急を要する疾患への対応、外来での診療、各疾患の治療までを臨床の流れに即して解説している。診療の際には常に白衣のポケットに入れておきたい一冊。
I Emergency−救急患者への対応法
II 外来パート
III 入院パート
A 呼吸器感染症
B 気道閉塞を特徴とする疾患
C 特発性間質性肺炎(IIPs)
D 免疫・アレルギー性肺疾患
E 全身性疾患に伴う肺病変
F 慢性呼吸不全
G 肺循環障害
H 呼吸中枢の疾患
I 腫瘍性疾患
J 比較的まれな呼吸器疾患
K 横隔膜疾患
L 縦隔疾患
IV 主要検査手技
V 主要治療手技
A 呼吸管理
B 吸入療法
C 酸素療法
D 輸液および栄養管理
E 胸腔ドレナージ
F 内視鏡治療
G 呼吸運動療法
VI 主要薬剤の特徴と使い方
医療が高度に専門化された現在では、知っておくべきガイドラインやコンセンサスは多岐にわたっています。呼吸器領域においても同様で、診療に関わる多くのガイドラインが諸学会から公表されています。しかし、それらをすべて把握することは困難であり、不可能といっても過言ではありません。また、ガイドラインの示す内容で一律的に診療にあたることは、誤った診療を低減することはできても個々の患者さんにとって十分な診療を提供することができることを保証はしていません。すなわち、ガイドラインはあくまでもその時点までに得られた知見を基にして作成された診療の方向性を示すものであり、実際の臨床においては目の前の患者さんが抱える医療上の複合的な諸問題に対して、それぞれ個別的に最適の医療を思案し提供する必要があります。これは十分にトレーニングを積んだ医師には当たり前にできることかもしれませんが、若い医師や非専門領域の先生方には診療手順や治療選択にとまどう場面もときにあるかと思われます。そこで、日々現場で奮闘している研修医や若手医師のために、臨床現場ですぐに使えるポケットサイズの呼吸器診療ハンドブックを企画しました。
本書の構成は臨床の流れに沿って項目が立てられています。「I。Emergency」では緊急処置が必要な病態の診断や対処法について記載され、「II。外来パート」では外来で目にする各症候から、何を考えて、何を行うべきかに対してがまとめています。次に、入院が必要な疾患については、「III。入院パート」でそれぞれ診断、治療について述べています。さらに「IV。主要検査手技」、「V。主要治療手技」に関しては手技の手順や注意すべきポイントについて、「VI。主要薬剤の特徴と使い方」では分類別に各薬剤の作用機序、適応と禁忌、投与量、副作用などについて簡潔にまとめています。
本書は、最前線で連携しながら診療を行っている東京女子医科大学呼吸器センターと関連病院のスタッフが執筆担当し、臨床に有用な、最新かつ必須の情報を余すことなく盛り込んでいます。研修医や若手呼吸器科医の診療の一助となることを目的とした本書の意図が広く受け入れられ、日常の呼吸器診療にいささかでも貢献できれば幸いです。
2008年9月
永井厚志
