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パートナーシリーズ

パートナー生薬学改訂第3版増補

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 竹谷孝一/木内文之/小松かつ子
ISBN : 978-4-524-40361-5
発行年月 : 2018年2月
判型 : B5
ページ数 : 458

在庫なし

定価5,830円(本体5,300円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

生薬学のスタンダードな教科書。「総論」「各論」の二部構成で、「総論」は生薬の歴史から成分、流通、漢方まで幅広くカバー。「各論」は各生薬を基原植物の科別に分類し、基原植物・生薬のフルカラー写真とともに、各生薬の基原、性状から漢方での応用までポイントをおさえて紹介。増補版では第十七改正日本薬局方第一追補に対応し、生薬名索引を追加した。

総論
 第1章 生薬と生薬学
  1.はじめに
  2.生薬
  3.生薬学
 第2章 生薬の歴史
  1.はじめに
  2.西欧圏の医薬学史
  3.東洋の医薬学史
  4.日本の医薬学史
 第3章 生薬の基原植物の形態と分類
  1.植物の形態を表す基本的な植物学用語
  2.植物の内部形態
  3.植物の分類
 第4章 生薬の成分
  1.成分一般
  2.生合成的分類
  3.ケモタキソノミー(化学的系統分類学)
 第5章 生薬の品質評価
  1.形態と官能による評価
  2.物理・化学的評価
 第6章 生薬生産と流通
  1.生薬生産のあゆみ
  2.野生品採取による生薬生産
  3.生物多様性条約とABS
  4.薬用植物栽培
  5.組織培養と遺伝子組換えの育種的利用
  6.薬用資源としての下等植物
  7.生薬の調製・加工(修治)
  8.生薬の変質
  9.生薬の供給と流通
 第7章 生薬の特徴と漢方薬
  1.医薬としての生薬の特徴
  2.古方派−日本独自の漢方医学
  3.漢方薬と民間薬
  4.健康食品・サプリメントと特定保健用食品
  5.有効成分原料としての生薬
各論
 植物生薬
  ■藻類
  ■真菌類
  ■裸子植物亜門
  ■被子植物亜門
  ■■双子葉植物綱
  ■■■離弁花植物亜綱
  ■■■合弁花植物亜綱
  ■■単子葉植物綱
 動物生薬
  ■環形動物
  ■軟体動物
  ■節足動物
  ■脊椎動物
 鉱物生薬
付録
 生薬総則
 生薬試験法
 確認試験法概要
 生薬定量法概要
 局方収載精油類一覧表
 局方収載脂肪油類一覧表
 局方収載デンプン類一覧表
 使用量上位生薬の国内生産量と輸入量(平成26年度)
 参考書
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム対応一覧
索引
 生薬名索引
 和文索引
 欧文索引

改訂第3版増補の序

 生薬は人類の歴史とともに見出されてきた最初の医薬品であり、その医療文化・科学発展の過程においてより良い生薬が選択・選別されて現在にいたっている。今日、臨床現場で治療薬として使用されている医薬品の約80%は、伝統的に使用されていた生薬の薬効知識あるいは天然物を由来として開発されたものである。近年、伝統医療の利点も再発見され、生薬、生薬製剤などが医療の現場、薬局・薬店などでセルフメディケーションに応用できるものとして治療・健康保持薬の重要な位置を占めてきている。しかし、生薬は天然由来の多成分系で品質に幅が生じやすいという問題点などもあり、生薬を理解するためには生薬利用の歴史、原植物の鑑定、化学成分、薬理活性などの知識から臨床応用と広範な学問領域の知識が要求される。先人の生薬領域の先生方のご努力により、1983年に刊行された『INTEGRATED ESSENTIALS生薬学』はこれらの知識を要領よくまとめたテキストとして多くの薬学生に親しまれ、6年制薬学教育を視野に入れた『パートナー生薬学』に引き継がれ、多くの薬系大学で採用されてきた。
 今回の改訂第3版増補に際しては、第十七改正日本薬局方に準拠して改訂第3版を作成した後、第十七改正日本薬局方第一追補が公布されたので、薬学生への早急な最新内容の教育周知対応を目的に編集を実施した。また、生薬とその原植物をカラーで掲載し、学生が生薬学を通して、生薬・漢方のみならず薬用植物にも興味をもてるよう配慮するとともに、漢方薬・生薬認定薬剤師認定試験にも対応できるようにした。
 また、2006年にスタートした6年制薬学教育は10年が経過し、より時代のニーズに対応させるため、平成25年度に薬学教育モデル・コアカリキュラムが改訂された。この改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムでは、生薬・天然物化学領域で学ぶべき項目は「C薬学基礎[C5自然が生み出す薬物(1)薬になる動植鉱物・(2)薬の宝庫としての天然物]」と「E医療薬学[E2薬理・病態・薬物治療(10)医療の中の漢方薬]」に分かれて設定されている。従前のモデル・コアカリキュラムと異なり、漢方薬を医療薬学で扱うこととなったが、薬学生として必要最低限の漢方の知識を修得する必要性があると考え、総論の「第7章生薬の特徴と漢方薬」を継続記載した。漢方薬については、第十五改正日本薬局方より生薬を原材料とする6種の漢方処方エキスが収載され、第十六改正ではさらに16種、第一、二追補で6種、第十七改正日本薬局方ではさらに5種、第一追補で1種が追加され、34種の漢方処方エキスが収載されるにいたっている。薬剤師には医師からの漢方処方箋を生薬学の知見・漢方の立場から理解し、適切な処方箋であるか否かをチェックし、患者に服薬指導していく知識がますます要求されている。
 諸先輩先生方の教育経験に基づく編纂を積み重ねて刊行されてきた本書の改訂が、薬学生にとってさらなる利用価値を増したものと確信しているが、より充実した教科書とするためにも、内容の不備、誤りなど忌憚のないご意見・ご指摘をお寄せいただければ幸甚である。
 終わりに本書の改訂出版に際し、広範な編集・校正などにご尽力をいただいた南江堂の方々に深謝いたします。

2017年12月
竹谷孝一、木内文之、小松かつ子

9784524403615