教科書

新訂生薬学改訂第8版

  • 新刊

編集 : 木村孟淳/酒井英二/牧野利明
ISBN : 978-4-524-40341-7
発行年月 : 2017年3月
判型 : B5
ページ数 : 308

在庫あり

定価4,968円(本体4,600円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

ロングセラーの生薬学の教科書。生薬各論は用部別の分類。基原植物・生薬のフルカラー写真を多数収載。成分の化学構造式は必要最小限に絞り、簡潔に整理された記述で効率の良い学習を助ける。今改訂では日本薬局方第十七改正ならびに日本薬局方外生薬規格2015に対応した。また、各生薬の「応用」「漢方」の記述を全面的に見直し、より標準的な記述内容とした。

総論
 I 生薬
  1.生薬学
  2.生薬学の課題
   1)生薬の価値の再認識
   2)天然物医薬品の開発と研究
  3.生薬の記載事項と研究法
   1)本草学的考証
   2)フィールドワーク
   3)栽培・飼育・育種の研究
   4)形態学的研究
   5)天然物化学的研究
   6)品質評価に関する研究
   7)生薬製剤と剤形の研究
   8)薬理学的研究
   9)バイオテクノロジーを利用した新しい生薬研究
  4.医薬品としての生薬の特性
   1)長所
   2)短所
  5.生薬の調製
   1)生産加工
   2)切断,破砕および粉砕
   3)保存
   4)修治・炮製
  6.生薬の製剤
   1)エキス剤
   2)丸剤
   3)浸剤・煎剤
   4)チンキ剤
   5)流エキス剤
  7.生薬の品質評価法
   1)基原の真偽に関する方法
   2)生薬の良否を評価する方法
  8.生薬の生産と取引
   1)生産
   2)生薬の流通と取引
  9.生薬をめぐる法と制度
   1)医薬品に関する法と制度
   2)食品,食品添加物に関する法と制度
 II 生薬学小史
  1.メソポタミアの医学
  2.西洋の医学・薬学
  3.インドの医学
  4.中国の本草学
  5.日本の本草学
III 漢方医学
  1.漢方医学の基礎
   1)日本漢方の流れ
   2)中医学
   3)漢方の基礎理論
各論
 1.皮類
 2.材,茎および枝類
 3.根類
 4.根茎類
 5.葉類
 6.花類
 7.果実類
 8.種子類
 9.草類
 10.菌類・藻類
 11.分泌物・細胞内容物
  A.炭水化物
  B.精油類
  C.樹脂類
  D.エキス類,乳液類,植物滲出物
  E.植物性油脂およびろう
 12.動物生薬
  動物性油脂
 13.鉱物生薬伏見裕利
付録 日本で使われる漢方薬方
索引

改訂第8版の序

 漢方生薬の生産と流通をとりまく社会の情況は依然としてきびしく、70億に達した世界人口の医療需要、さらに、統合医療の考えに乗って欧米にまで拡大した漢方、中医学の発展に対応するだけの生薬の供給が維持できるかという課題が大きくのしかかってきている。
 特に最大の生産地域である中国その他アジア諸国の工業化、経済成長はめざましく、20世紀後半に日本が通ってきた近代化、工業化、経済成長と逆比例して起こった生薬生産の衰退とよく似た経過がみられ、量的な不足、品質の低下、価格の高騰ばかりか天然資源の枯渇など、予測を上回る速度で問題の悪化が進行している。生薬の需要は食料品などと比べても小さく、少量多品種という近代化しにくい条件を抱えながら、急激に増大する需要にも応えていかねばならない。その上に弱者を救うべき医療の底辺を支える役割もあり、数々の矛盾を背負い込む事態になっている。
 しかし、生薬として利用する植物、動物の資源は、栽培あるいは養殖によって、本質的には永遠にリサイクルの可能な資源であり、いずれ無くなってしまう地下資源とは大きく異なっている。生薬の供給面でサポートできる学問としても、生薬学は努力を惜しんではならない。
 日本薬局方も第十五改正版から大きく姿を変えた。医薬品各条が新しく「化学医薬品」と「生薬等」の2部に区分され、漢方エキス剤も収載され始めた。第十七改正版(2016)では漢方エキスは33方となり、新収載となった生薬も数多い。また、基原植物や性状などにも改正がなされている。これらの変化は諸外国薬局方との国際調和が進んだ結果による部分が大きい。このような情勢に即応して、本書は新進気鋭の執筆者を加え、改訂第7版からさらに内容を充実させた。日本薬局方、局方外生薬規格集に掲載される生薬のすべてを掲載し、付録の「日本で使われる漢方処方」に使われている生薬も可能な限り取り入れた。同漢方処方は飛躍的に増え、一般用、医療用、薬局製剤、日本薬局方で採用している処方の合計は303方になったが、すべてを一覧できるようにした。
 21世紀になって植物の分類方法が大きく変わりつつあるが、薬局方などがエングラー方式を採用している一方、学術的な研究報告などでは遺伝子解析を取り入れたAPG(Angiosperm PhylogenyGroup)による分類方式が採用され始めているので、本書ではエングラー方式とAPG III方式で科名が変化したものについて、両者を併記して示すことにした。
 今回の改訂にあたり、ご助言いただいた日本生薬連合加盟各社、写真撮影にあたりご協力をいただいた(株)栃本天海堂、三星製薬(株)、松浦薬業(株)、(株)ウチダ和漢薬、(株)ツムラ、(株)前忠の各社に感謝する。

2017年2月
編者