教科書

疾病と病態生理改訂第4版

  • 新刊

編集 : 市田公美/辻勉/秋葉聡
ISBN : 978-4-524-40327-1
発行年月 : 2016年8月
判型 : B5
ページ数 : 518

在庫あり

定価6,696円(本体6,200円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬剤師として知っておくべき疾病を、必要な情報を精選し、病態生理に重点を置いてまとめた教科書。今改訂では各種新ガイドライン、新知見、新薬の情報更新を行ったほか、「皮膚疾病」の章を新設するなど疾患を追加し、改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムに対応した。また、各疾患の「治療」の項目では、薬物治療についての記述を拡充し、より学びやすい構成とした。

総論
  はじめに
  症候
 1.全身,呼吸器系
  a.疼痛
  b.発熱
  c.全身倦怠感
  d.肥満・やせ
  e.リンパ節腫脹
  f.発疹
  g.呼吸困難
  h.咳(咳嗽)
  i.胸水
 2.心血管系
  a.胸痛
  b.心悸亢進・動悸
  c.高血圧
  d.低血圧
  e.ショック
  f.チアノーゼ
 3.消化器系
  a.悪心・嘔吐
  b.食欲不振
  c.嚥下障害
  d.吐血・下血
  e.腹痛
  f.下痢
  g.便秘
  h.腹部膨満
  i.黄疸
 4.腎・泌尿器系
  a.脱水・口渇
  b.浮腫
  c.タンパク尿
  d.血尿
  e.排尿障害
  f.頻尿
 5.神経系
  a.頭痛
  b.意識障害
  c.運動障害
  d.知覚障害,しびれ
  e.記憶障害
  f.けいれん
  g.めまい
 6.血液系およびその他
  a.貧血
  b.出血傾向
  c.関節痛・関節腫脹
  d.腰背部痛
  e.月経異常
  f.視力障害
  g.聴力障害
各論
 1.消化器疾患
  A 消化管系
   1.消化性潰瘍
   2.胃炎
   3.胃食道逆流症
   4.大腸炎
    a.虚血性大腸炎
    b.腸間膜動脈閉塞症
    c.感染性大腸炎
    d.偽膜性大腸炎
    e.急性出血性大腸炎
    f.メチシリン耐性黄色ブドウ球菌腸炎(MRSA腸炎)
   5.過敏性腸症候群
   6.炎症性腸疾患
    a.潰瘍性大腸炎
    b.クローン病
   7.虫垂炎
   8.痔疾患
    a.痔核
    b.痔瘻
    c.裂肛
  B 肝・胆・膵系
   1.肝炎
    a.肝臓の構造
    b.肝炎
    c.急性肝炎
    d.慢性肝炎
   2.肝硬変
    a.合併症対策
    b.肝障害時(とくに肝硬変)の薬物療法
   3.胆道系疾患:胆石症,胆.炎,胆管炎
    a.胆.内胆石症
    b.総胆管結石症
   4.膵炎
    a.急性膵炎
    b.薬剤性膵炎
    c.慢性膵炎
 2.心臓・血管系疾患
  A 心臓・血管系疾患の検査法
    a.12誘導心電図
    b.運動負荷心電図
    c.ホルター心電図(24時間心電図記録)
    d.心エコー法・ドプラー法
    e.胸部X線(レントゲン)検査
    f.核医学(ラジオアイソトープ)検査
    g.心臓カテーテル法
  B 心臓および血管系の代表的な疾患
   1.不整脈
   2.心不全
   3.高血圧症
   4.虚血性心疾患(狭心症・心筋..塞)
    a.狭心症
    b.心筋梗塞
   5.動脈硬化,閉塞性動脈硬化症,バージャー病
   6.心原性ショック
   7.低血圧症
   8.血栓症,塞栓症
   9.心臓弁膜症
   10.感染性心内膜炎
   11.肥大型心筋症,拡張型心筋症
   12.心筋炎
   13.先天性心疾患
 3.腎疾患・泌尿器疾患
  1.腎疾患・泌尿器疾患の検査法
   a.腎臓の機能を評価する検査
   b.腎臓の障害を評価する検査
   c.腎臓の形態異常や器質的病変を評価する検査
  2.慢性腎臓病
  3.腎不全(急性・慢性)
   a.急性腎不全
   b.慢性腎不全
  4.糸球体腎炎
  5.糖尿病性腎症
  6.ネフローゼ症候群
  7.薬物性腎障害
   a.薬物性腎障害の分類
   b.造影剤による腎障害(造影剤腎症)
   c.非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)による腎障害
   d.抗菌薬による腎障害
   e.抗がん薬による腎障害
   f.抗リウマチ薬による腎障害
   g.免疫抑制薬による腎障害
   h.降圧薬による腎障害
   i.漢方薬による腎障害
  8.尿路感染症
   a.腎盂腎炎
   b.膀胱炎
   c.前立腺炎
   d.尿道炎
  9.尿路結石
  10.過活動膀胱および低活動膀胱
   a.過活動膀胱
   b.低活動膀胱
  11.前立腺肥大症
 4.呼吸器疾患
  1.呼吸器機能の検査法
   a.スパイロメーター
   b.フローボリューム曲線
   c.ピークフロー
   d.動脈血ガス分析
   e.酸塩基平衡
  2.急性気管支炎
  3.肺炎
   a.細菌性肺炎
   b.非定型肺炎
   c.ウイルス性肺炎
   d.真菌性肺炎
  4.気管支喘息
  5.慢性閉塞性肺疾患
  6.肺真菌症
   a.肺カンジダ症
   b.アスペルギルス症
   c.肺クリプトコックス症
   d.肺接合菌症(ムコール症)
  7.肺結核
 5.内分泌・代謝疾患
  1.糖尿病
  2.メタボリックシンドローム
  3.脂質異常症
   a.脂質異常症
   b.家族性高コレステロール血症
  4.高尿酸血症
  5.甲状腺機能亢進症・甲状腺機能低下症
   a.バセドウ病
   b.慢性甲状腺炎
  6.副腎皮質機能亢進症・副腎皮質機能低下症
   a.クッシング症候群
   b.先天性副腎過形成症(副腎性器症候群)
   c.アジソン病
   d.原発性アルドステロン症
  7.尿崩症
  8.副甲状腺機能亢進症・副甲状腺機能低下症
   a.副甲状腺機能亢進症
   b.副甲状腺機能低下症
  9.先端巨大症
  10.高プロラクチン血症
  11.下垂体機能低下症
  12.ADH不適合分泌症候群
  13.褐色細胞腫
  14.副腎不全(慢性・急性)
   a.慢性副腎不全
   b.急性副腎不全
 6.血液・造血器疾患
  1.貧血
   a.鉄欠乏性貧血
   b.巨赤芽球性貧血(悪性貧血)
   c.再生不良性貧血
   d.自己免疫性溶血性貧血
   e.腎性貧血
   f.鉄芽球性貧血
  2.播種性血管内凝固症候群
  3.血友病
  4.血栓性血小板減少性紫斑病
  5.白血球減少症
   a.好中球減少症
   b.リンパ球減少症
  6.白血病
   a.急性白血病
   b.慢性骨髄性白血病
   c.慢性リンパ性白血病
  7.成人T細胞性白血病
  8.悪性リンパ腫
   a.ホジキンリンパ腫
   b.非ホジキンリンパ腫
  9.多発性骨髄腫
 7.神経系疾患
  1.脳血管障害
   a.一過性脳虚血発作
   b.脳梗塞
   c.脳出血
   d.クモ膜下出血
   e.脳血管性認知症
  2.脳腫瘍
  3.アルツハイマー病・アルツハイマー型認知症
   a.孤発性アルツハイマー病
   b.家族性アルツハイマー病
  4.パーキンソン病・パーキンソン症候群
   a.パーキンソン病
   b.パーキンソン症候群
  5.多発性硬化症
  6.重症筋無力症
  7.てんかん
  8.脳炎・髄膜炎
   a.脳炎
   b.髄膜炎
  9.筋ジストロフィー
  10.ギラン・バレー症候群
  11.片頭痛
  12.筋萎縮性側索硬化症
 8.精神疾患
  1.統合失調症
  2.うつ病
  3.躁うつ病(双極性障害)
  4.不安神経症
   a.パニック障害
   b.全般性不安障害
  5.心身症
  6.不眠症
  7.ナルコレプシー
  8.薬物依存症
  9.アルコール依存
 9.免疫疾患と炎症
  1.アレルギー
   a.アレルギーの機序と分類
   b.アレルギー性疾患
  2.アナフィラキシー性ショック
  3.炎症
  4.自己免疫反応と自己免疫疾患
   a.臓器特異的自己免疫疾患
   b.臓器非特異的自己免疫疾患
  5.免疫不全症
   a.原発性免疫不全症
   b.エイズ(AIDS)
  6.移植免疫
   a.移植と拒絶反応
   b.移植抗原
   c.移植拒絶反応の機序
   d.腎移植
   e.骨髄移植
   f.免疫抑制薬
 10.感染症
  1.DNA ウイルス感染症
   a.ヒトヘルペスウイルス感染症
   b.ヒトアデノウイルス感染症
   c.ヒトパルボウイルス感染症
  2.RNA ウイルス感染症
   a.インフルエンザ
   b.エンテロウイルス感染症
   c.ライノウイルス感染症
   d.麻疹(はしか)
   e.ムンプス(流行性耳下腺炎,おたふくかぜ)
   f.風疹(三日はしか)
   g.コロナウイルス感染症
   h.RSウイルス感染症
   i.ウイルス性胃腸炎
   j.蚊媒介ウイルス熱
   k.ウイルス性出血熱
  3.レトロウイルス感染症
  4.グラム陽性球菌感染症
   a.ブドウ球菌感染症
   b.レンサ球菌感染症
  5.グラム陰性球菌感染症
   a.淋病
   b.髄膜炎菌感染症
  6.グラム陽性桿菌感染症
   a.破傷風
   b.ボツリヌス症
   c.偽膜性大腸炎
   d.ジフテリア
   e.炭疽
   f.抗酸菌感染症
  7.グラム陰性桿菌感染症
   a.大腸菌感染症
   b.細菌性赤痢
   c.サルモネラ感染症
   d.その他の腸内細菌科細菌による感染症
   e.好気性グラム陰性桿菌感染症
   f.コレラ
   g.腸炎ビブリオ感染症
   h.百日咳
   i.インフルエンザ菌感染症
   j.レジオネラ症
   k.ヘリコバクター・ピロリ感染症
  8.その他の原核微生物による感染症
   a.マイコプラズマ感染症
   b.リケッチア感染症
   c.クラミジア感染症
   d.スピロヘータ感染症
  9.真菌感染症
  10.原虫・寄生虫感染症
   a.マラリア
   b.赤痢アメーバ症
   c.トキソプラズマ症
   d.トリコモナス症
   e.クリプトスポリジウム症
   f.回虫症
   g.蟯虫症
   h.アニサキス症
   i.エキノコックス症
   j.疥癬
 11.感覚器疾患
  1.白内障
  2.緑内障
  3.結膜炎
  4.網膜症
  5.加齢黄斑変性
  6.ぶどう膜炎
  7.網膜色素変性
  8.扁桃炎
   a.扁桃の機能と構造
   b.急性(口蓋)扁桃炎,扁桃周囲炎
   c.扁桃周囲膿瘍
   d.慢性扁桃炎,扁桃肥大
   e.扁桃と病巣感染
  9.急性副鼻腔炎
  10.鼻茸,慢性副鼻腔炎
  11.中耳炎
   a.急性中耳炎
   b.慢性中耳炎
   c.滲出性中耳炎
  12.メニエール病
  13.突発性難聴
  14.口内炎
   a.物理的・化学的障害による口内炎
   b.アフタ性口内炎
   c.口腔カンジダ症
  15.咽頭炎
   a.急性咽頭炎
   b.慢性咽頭炎
  16.喉頭蓋炎
 12.骨・関節疾患
  1.骨粗鬆症
  2.変形性関節症
  3.骨軟化症(くる病を含む)
 13.女性生殖器疾患
  1.子宮内膜症
  2.子宮筋腫
  3.不妊
  4.異常妊娠
   a.流産
   b.切迫早産
   c.妊娠糖尿病
   d.妊娠高血圧症侯群(旧来の妊娠中毒症)
  5.異常分娩
   a.微弱陣痛
   b.産科ショック
 14.皮膚疾患
  1.アトピー性皮膚炎
  2.皮膚真菌症
  3.褥瘡
  4.じんま疹
  5.薬疹
  6.薬剤性過敏症症候群
  7.スティーブンス・ジョンソン症候群,中毒性表皮壊死症
  8.水疱症
   a.天疱瘡
   b.類天疱瘡
  9.乾癬
   a.尋常性乾癬
   b.膿疱性乾癬
   c.関節症性乾癬
  10.接触皮膚炎
  11.光線過敏症
   a.光線過敏型薬疹
   b.光接触性皮膚炎
   c.色素性乾皮症
 15.悪性腫瘍
  1.消化管の悪性腫瘍
   a.食道がん
   b.胃がん
   c.大腸がん
  2.肝・胆・膵系の悪性腫瘍
   a.肝がん
   b.膵がん
  3.腎・尿路系の悪性腫瘍
   a.腎がん
   b.膀胱がん
   c.前立腺がん
  4.肺がん
  5.網膜芽細胞腫
  6.喉頭,咽頭,鼻腔・副鼻腔,口腔の悪性腫瘍
   a.喉頭がん
   b.咽頭がん
   c.鼻腔・副鼻腔がん
   d.口腔がん
  7.骨肉腫
  8.乳がん
  9.子宮がん
   a.子宮頸がん
   b.子宮体がん
  10.卵巣がん
  11.緩和ケア
   a.がん患者の生存期間と身体症状
   b.がん疼痛治療法
   c.オピオイド鎮痛薬の副作用と対策
参考書
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム対応一覧
索引

改訂第4版の序

 2006年に始まった6年制薬学教育もすでに卒業生が薬剤師となり、数年が経つ。6年制薬学部において習得すべき知識は、2002年に日本薬学会より提示された「薬学教育モデル・コアカリキュラム」(以下、コアカリキュラム)に沿って教育が進められてきた。このコアカリキュラムの実際の運用経験や医学・薬学における進歩に伴う医療環境の変化などから、コアカリキュラムはいくつかの課題が指摘され、学習成果基盤型への改変や実務実習モデル・コアカリキュラムとの統合などの改訂が行われ、2015年以降の入学者を対象に薬学教育において運用が開始された。この改訂コアカリキュラムは内容が整理され、全体としてはスリム化が図られている。しかし、めざましい医学・薬学における進歩に対応するために、改訂コアカリキュラムの中で本書に関連するE1「薬の作用と体の変化」とE2「薬理・病態・薬物治療」に関しては、到達目標(SBO)の数は増加し、学習しなければいけない症候や疾患は増えるという結果になった。本書もこの改訂コアカリキュラムに対応させる必要性が生じたのと同時に、前回の改訂からの5年間の医学・薬学の進歩により現状にそぐわない部分も出てきたため、今回の改訂に至った。
 この改訂にあたって、改訂コアカリキュラムに準拠させたのはもちろんであるが、薬学生のみならず、臨床検査・放射線・看護などの医療関係学科においても使用できるように、基本となる部分には十分な説明を加え、改訂コアカリキュラムにないものでも実際の医療現場における必要な知識は記載することとした。また、種々の疾患のガイドラインの作成や改訂が盛んに行われていることなども踏まえ、最新の情報を記載し、古くなった内容は圧縮するなど膨大な知識を整理して示すよう心がけた。これらの試みの結果として、重要な点がわかりやすく説明され、かつ最新の多くの必要な知識を盛り込むことができ、薬学生のみならず、他の医療関係学科における使用にも適した教科書になったと自負している。本書が読者の病態生理の勉学のための一助となることを期待している。

2016年6月
編者