教科書

コンパスシリーズ

コンパス物理化学改訂第2版

編集 : 遠藤和豊/輿石一郎/日野知証
ISBN : 978-4-524-40315-8
発行年月 : 2014年11月
判型 : B5
ページ数 : 272

在庫あり

定価4,752円(本体4,400円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

「わかりやすい・ミニマムエッセンス」をコンセプトとした物理化学教科書。薬剤師国家試験、薬学教育モデル・コアカリキュラム対応。「見た目」からの理解のために図表を多く用い、身近な具体例や薬学他科目へのつながりも紹介して興味をもたせることを意識した。今改訂では、改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムに対応させて章構成を一部変更し、より理解しやすい内容とした。

0章 物理化学を学ぶ前に
 A 対数、指数、累乗
  1 対数の計算
  2 指数法則
  3 指数の計算
 B 微分、積分
  1 微分
  2 積分
  3 べき級数、テイラー展開とマクローリン展開
  4 完全微分
 C 物理量と単位、および単位の変換
  1 エネルギー
  2 圧力
  3 温度
  4 基礎物理定数、エネルギー単位の変換係数
I部 分子をミクロでみる
1章 化学結合
 A 原子、分子、イオン
 B 化学結合の種類
  1 イオン結合
  2 共有結合
  3 配位結合
 C 分子軌道
 D 軌道の混成と共有結合の方向性
 E 共役と共鳴
2章 原子・分子の挙動
 A ミクロの世界をとらえる“電磁波”
  1 電磁波
  2 電磁波の波動性と粒子性
 B 分子のエネルギーと電磁波の吸収と放出
  1 分子のエネルギー構造
  2 分子の双極子モーメントと電磁波
  3 分子の回転運動とマイクロ波スペクトル
  4 分子振動と赤外線吸収
  5 分子の光吸収と発光
 C スピンによる電磁波吸収
  1 電子スピンと核スピン
  2 核スピンによる吸収を用いた方法:核磁気共鳴(NMR)分光法
 D 偏光した光と分子の相互作用
  1 光の偏光
  2 光学活性物質の旋光性
  3 円偏光二色性:光学活性種の検出
 E 光の基本的性質
  1 光の屈折
  2 光の回折と干渉
II部 分子をマクロでみる
II-1 集合体としての分子間に作用するエネルギーについて理解する
3章 分子間相互作用
 A 静電相互作用
  1 電荷とクーロン力
  2 静電相互作用
 B 双極子間相互作用
  1 双極子と双極子モーメント
  2 イオン.双極子相互作用
 C ファンデルワールス相互作用
  1 ファンデルワールス相互作用
  2 双極子.双極子相互作用
  3 双極子.誘起双極子相互作用
  4 分散力による相互作用
  5 反発力による相互作用
  6 全相互作用エネルギーの近似式
 D 水素結合
 E 電荷移動
 F 疎水性相互作用
4章 気体の微視的状態と巨視的状態
 A 理想気体の状態方程式とファンデルワールスの状態方程式
  1 ボイルの法則
  2 シャルル、ゲイ・リュサックの法則
  3 理想気体の状態方程式
  4 ドルトンの分圧の法則
  5 理想気体の状態方程式からの実在気体のずれ
  6 実在気体の状態方程式
 B 気体の分子運動と圧力およびエネルギー
  1 気体の圧力
  2 気体のエネルギーとボルツマン定数
  3 気体分子の平均速度
  4 気体の流出速度
 C エネルギーの量子化とボルツマン分布
  1 気体分子の速度分布
  2 エネルギーの量子化とボルツマンの分布則
5章 エネルギー
 A 力、仕事、エネルギー
  1 熱力学
  2 力と圧力
  3 仕事と力学的エネルギー
  4 熱
 B 系と状態関数
  1 系
  2 状態関数
 C 熱力学第一法則とエンタルピー
 D 熱容量
 E 可逆変化と不可逆変化
  1 可逆過程と不可逆過程
  2 理想気体の断熱可逆変化
 F 物理変化、化学変化に伴うエンタルピー変化
  1 標準状態
  2 相転移によるエンタルピー変化
  3 ヘスの法則
  4 標準生成エンタルピー、原子化エンタルピー、結合エンタルピー
  5 エンタルピー変化の反応温度による補正
6章 自発的な変化
 A 熱力学第二法則とエントロピー
  1 統計力学からみたエントロピー
  2 熱力学からみたエントロピー
  3 熱力学第二法則
  4 カルノーサイクル
  5 物理変化に伴うエントロピー変化
 B 熱力学第三法則と絶対エントロピー
 C 自由エネルギー
  1 ギブズエネルギーとヘルムホルツエネルギー
  2 エンタルピー、エントロピーの変化とギブズエネルギー変化との関係
  3 ギブズエネルギーの温度依存性
  4 ギブズエネルギーの圧力依存性
  5 標準生成ギブズエネルギーと標準反応ギブズエネルギー
7章 化学平衡の原理
 A 化学平衡とギブズエネルギー
  1 化学ポテンシャルと平衡定数
  2 温度変化による平衡の移動
  3 圧力変化による平衡の移動
 B 共役反応
8章 溶液の性質
 A 理想溶液と実在溶液
  1 理想溶液
  2 実在溶液(非理想溶液)
  3 活量と活量係数
 B 束一的性質
  1 蒸気圧降下
  2 沸点上昇
  3 凝固点降下
  4 浸透圧の変化
  5 ファントホッフ係数とオスモル濃度
 C 電解質水溶液の性質
  1 電解質溶液の電気伝導性
  2 モル導電率の濃度依存性
  3 イオンの輸率と移動度
  4 電解質溶液の非理想性
II-2 集合体としての分子の挙動:平衡論について理解する
9章 相平衡
 A 純物質の性質
  1 相の安定性
  2 純物質の状態図:相図
  3 相境界の位置
  4 固体の状態:多形
  5 相 律
 B 混合物の性質
  1 二成分系の相図
 C 溶解度と溶液平衡
 D 平衡定数
 E 分配平衡
10章 界面化学
 A 表面張力
  1 表面張力
  2 微小液滴と表面張力
  3 ぬれと表面張力
  4 ぬれの測定法
 B 表面張力の測定法
  1 毛管上昇法
  2 適重法
  3 デュヌイのリング法(円環法)
  4 ウィルヘルミーのプレート法(つり板法)
 C 界面活性剤
  1 界面活性剤の構造と分類
  2 ミセル
  3 界面活性剤の性質
 D コロイド分散系
  1 コロイドの分類
  2 コロイドの性質
 E 吸着等温式
  1 気相-液相界面における物理吸着
  2 気相-固相界面、液相-固相界面における物理吸着
11章 電気化学
 A 化学エネルギーの電気化学エネルギーへの変換
  1 化学電池とは
  2 化学電池の構成
 B 起電力とネルンストの式
  1 化学電池の起電力
  2 ネルンストの式
  3 標準起電力と平衡定数
 C 電極電位と電池の応用
  1 電極電位
  2 電池の応用
 D 膜電位とその応用
  1 膜電位
  2 ガラス電極によるpH測定
III部 物質の変化について理解する
12章 反応速度論
 A 反応速度式
 B 反応次数と反応速度式
  1 0次反応
  2 1次反応
  3 2次反応
 C 反応次数の決定法
  1 積分法
  2 微分法
  3 半減期法
 D みかけの反応速度
 E 複合反応
  1 可逆反応
  2 平行反応
  3 連続反応
 F 反応速度の温度依存性
 G 反応座標と活性化エネルギー
 H 触媒反応
  1 酸・塩基触媒
  2 酵素反応
 アドバンス酵素阻害反応
13章 放射線と放射能
 A 放射性核種と放射壊変
  1 原子核
  2 放射壊変
  3 放射壊変の法則と放射能の単位および量
 B 放射線と物質との相互作用、および放射線の測定
  1 電離放射線と物質の相互作用
  2 放射線量とその単位
  3 放射線の測定原理
 C 薬学に関連する放射性核種とその製造法
  1 原子核反応と放射性核種の製造
  2 放射平衡を利用した放射性核種の製造
  3 薬学領域に関連のある放射性核種とその利用
熱力学データ
Exercise 解答・解説
本書で対応する薬学教育モデル・コアカリキュラム一覧
索引

改訂第2版の序

 薬学教科書「コンパスシリーズ」の一つである本書は,2015年度より実施される改訂薬学教育モデル・コアカリキュラム(以下,コアカリキュラム)において,薬学基礎に分類される「C1物質の物理的性質」を扱っている.コアカリキュラムの物理化学領域は他の分野に比べ,対応する学習内容が重く感じられるといわれる.これは,すべての領域で基礎となる理論や重要な実験事実をより厳密に扱うことによる.改訂コアカリキュラムにおける到達目標(SBO)数は従前のものよりやや縮小されたが,基礎教育科目としての薬学全体における物理化学の重要度は変わっていない.
 本書改訂第2版は,初版の内容の過不足の見直しと,「見た目」からの理解を意図した図表の新規追加により薬剤師国家試験レベルでのミニマムエッセンスをわかりやすく解説している.各章には,身近な事項を例示して重要な概念や用語の理解を助ける「コラム」を設けている.各頁の欄外には,必要に応じてキーワードの説明を加え,「ここにつながる」として他の章や他の専門領域などへの学習の道筋を示している.また,「ポイント」では節ごとの要点をまとめ,章末の「Exercise」で理解度を確認する.さらにより高度な知識を求める学生諸君には,「アドバンス」を設けている.
 内容,用語には,できる限りの注意を払い,わかりやすくかつ最新のものを掲載することに努めてきたが,すべてが適切とは言い難い.諸先生はじめ,読者のご批判やご教示を仰ぎながら,本書が薬学教育においてこの分野での“よきコンパス”として利用されることを期待してやまない.

2014年10月
遠藤和豊
輿石一郎
日野知証