教科書

現代医療における漢方薬改訂第2版

監修 : 日本生薬学会
ISBN : 978-4-524-40314-1
発行年月 : 2016年1月
判型 : B5
ページ数 : 170

在庫あり

定価3,564円(本体3,300円 + 税)

サポート情報

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

漢方に関する必要最低限の知識をまとめた、薬学部における漢方教育の基準となる教科書。今改訂では初版の構成を大幅に変更。生薬に関する項目を削減し、「漢方薬の副作用」「漢方薬の新しい使われ方」「漢方薬の服薬指導」等の項目を新設、現代医療の実情に合った構成とした。また、用語解説やワークシートを新たに追加し、より学びやすい内容となるよう配慮した。

1章 漢方医学と漢方薬
 はじめに−漢方を学ぶ必要性
 1.漢方薬とは
  1)煎剤(湯剤)
  2)散剤・丸剤
  3)エキス剤
  4)軟膏剤
 2.漢方医学と西洋医学
 3.現代医療の中の漢方薬
 4.世界の中の漢方薬
 5.漢方薬と民間薬,西洋薬
 6.食と漢方薬
 7.漢方の歴史
  1)中国伝統医学の沿革
  2)日本漢方の沿革
 8.薬物書の古典
  1)中国の本草書−その特質
  2)日本の本草書
2章 漢方医学の基礎
 1.漢方医学における診断プロセスと「証」
  1)証と症候群
  2)個人差を重視した診断プロセス
 2.漢方の基礎理論
  1)心身一如
  2)陰陽論(陰陽・虚実・表裏・寒熱)
   a.陰陽
   b.虚実
   c.表裏
   d.寒熱
   e.八綱弁証
  3)五行論
  4)六病位
  5)気血水
 3.漢方の診察法(四診)
  1)望診のポイント
  2)聞診のポイント
  3)問診のポイント
  4)切診のポイント
 4.証のとらえ方
  1)先急後緩
  2)急性疾患の証のとらえ方
  3)慢性疾患の証のとらえ方
  4)西洋医学的診断と漢方医学的証の適用の実際
 5.漢方医学と西洋医学
  1)治療の視点
   a.原因療法と対症療法,本治と標治
   b.漢方医学の治療観と西洋医学の治療観
  2)漢方医学の治療の一般則,治療の順序
  3)治療の実践
   a.処方
   b.瞑眩
  4)その他
3章 生薬の気味と薬能
 1.生薬各論
 2.主要な薬能による分類の解説
4章 重要な漢方処方
 1.漢方処方における生薬の組み合わせ
 2.漢方処方各論
  1)桂枝湯類
   a.桂枝湯
   b.桂枝加芍薬湯
   c.小建中湯
   d.桂枝加朮附湯
   e.桂枝加竜骨牡蛎湯
   f.当帰四逆加呉茱萸生姜湯
  2)麻黄剤
   a.葛根湯
   b.葛根湯加川キュウ辛夷
   c.麻黄湯
   d.小青竜湯
   e.麻杏甘石湯
   f.麻黄附子細辛湯
  3)柴胡剤
   a.小柴胡湯
   b.柴胡桂枝湯
   c.柴胡加竜骨牡蛎湯
   d.大柴胡湯
   e.四逆散
   f.乙字湯
   g.柴朴湯
   h.柴苓湯
  4)瀉心湯類・コン連剤
   a.半夏瀉心湯
   b.黄連解毒湯
  5)大黄剤・承気湯類
   a.大黄甘草湯
   b.小承気湯
   c.桃核承気湯
   d.麻子仁丸
   e.防風通聖散
   f.乙字湯
  6)苓朮剤
   a.五苓散
   b.猪苓湯
   c.苓桂朮甘湯
   d.真武湯
   e.四君子湯
   f.六君子湯
  7)附子剤
   a.真武湯
   b.桂枝加朮附湯
   c.麻黄附子細辛湯
   d.八味地黄丸
   e.牛車腎気丸
  8)人参剤(人参湯類・参耆剤)
   a.人参湯
   b.四君子湯
   c.六君子湯
   d.半夏白朮天麻湯
   e.補中益気湯
   f.加味帰脾湯
   g.十全大補湯
   h.人参養栄湯
  9)地黄剤(四物湯類)
   a.八味地黄丸
   b.牛車腎気丸
   c.四物湯
   d.温清飲
   e.十全大補湯
   f.人参養栄湯
   g.荊芥連翹湯
  10)石膏剤
   a.白虎加人参湯
   b.釣藤散
   c.麻杏甘石湯
   d.防風通聖散
  11)当帰芍薬散関連処方と駆オ血薬
   a.当帰芍薬散
   b.加味逍遙散
   c.温経湯
   d.桂枝茯苓丸
   e.桃核承気湯
  12)その他の漢方処方
   a.芍薬甘草湯
   b.大建中湯
   c.抑肝散
   d.半夏厚朴湯
   e.麦門冬湯
   f.防已黄耆湯
 処方構成生薬一覧 ワークシート
5章 漢方薬の副作用
 1.漢方薬の副作用と使用上の基本的注意
 2.漢方薬に共通する注意事項
 3.処方ごとの注意事項
  1)禁忌
   a.小柴胡湯
   b.甘草を1日量として2.5g以上含む処方
  2)重大な副作用
   a.偽アルドステロン症ならびにミオパチー(甘草含有処方)
   b.間質性肺炎
   c.肝機能障害ならびに黄疸
   d.うっ血性心不全,心室細動,心室頻拍
   e.腸間膜静脈硬化症
  3)一般的な副作用
   a.過敏症
   b.消化器障害
   c.肝機能障害
   d.湿疹,皮膚炎の悪化
   e.膀胱炎様症状
 4.配合生薬に関する注意事項
   a.附子
   b.麻黄
   c.甘草
   d.大黄
   e.酸棗仁,地黄,石膏,川キュウ,大黄,当帰,芒硝,麻黄
   f.紅花,牛膝,大黄,桃仁,芒硝,牡丹皮,ヨク苡仁
 5.併用に注意を要する漢方薬と西洋薬
6章 漢方薬の新しい使われ方
 1)認知症の随伴症状に対する抑肝散の利用
 2)開腹手術後に発症するイレウスに対する大建中湯の利用
 3)女性特有の疾患に対する当帰芍薬散,桂枝茯苓丸,加味逍遙散,桃核承気湯の利用
 4)機能性ディスペプシアに対する六君子湯の利用
 5)抗がん剤による副作用に対する漢方薬の利用
  a.十全大補湯とフルオロウラシル
  b.六君子湯とシスプラチン
  c.半夏瀉心湯とイリノテカン,各種抗がん剤
  d.牛車腎気丸とパクリタキセル,オキサリプラチン
 各種診療ガイドラインに記載された漢方薬の使われ方
7章 漢方薬の服薬指導中村智徳
 1.一般用医薬品(OTC医薬品)としての漢方薬の服薬指導
  1)煎剤の調製,服用および保存方法
  2)散剤の服用および保存方法
  3)エキス剤の服用および保存方法
 2.各論
  1)桂枝湯類
   a.桂枝湯
   b.小建中湯
  2)麻黄剤
   a.葛根湯
   b.麻黄湯
   c.小青竜湯
  3)柴胡剤
   a.小柴胡湯
  4)瀉心湯類・コン連剤
   a.半夏瀉心湯
  5)大黄剤・承気湯類
   a.桃核承気湯
  6)苓朮剤
   a.苓桂朮甘湯
  7)附子剤
   a.真武湯
  8)地黄剤
   a.八味地黄丸
   b.人参養栄湯
   c.十全大補湯
  9)石膏剤
   a.白虎加人参湯
  10)駆オ血薬
   a.当帰芍薬散
  11)その他の漢方処方
   a.半夏厚朴湯
付録 新210処方一覧
索引
 一般索引
 生薬名索引
 処方名索引

改訂版の序にかえて

 改訂作業半ばで他界された鳥居恫a生先生に本書を捧げます。
 日本生薬学会監修の漢方の教科書『現代医療における漢方薬』の改訂版をようやく上梓できることになりました。本書の初版は2008年に出版されましたが、その内容の改訂の必要性が早い段階から議論され、日本生薬学会の課題となっていました。具体的な改訂については鳥居恫a生先生が構想を練っておられましたが、2013年に当時の日本生薬学会会長小林資正先生のご指示で編集委員会が組織され、改訂作業が動き出しました。しかし、2014年春に鳥居恊謳カが急逝されたこともあり、作業が大幅に遅れてしまいました。
 本書の改訂に際しては、薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂によりそれまで生薬学・天然物化学と同じ「C7自然が生み出す薬物」の中に置かれていた漢方が「E2薬理・病態・薬物治療」の中に「医療の中の漢方薬」として組み入れられたことを踏まえて、実際の治療に用いられる漢方処方の解説に重点を置くことにし、初版で全体の半分程度を占めていた個々の生薬の解説を大幅に縮小しました。また、薬学部での漢方教育のコアとなる内容をカバーする教科書を目指し、改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムの内容を10〜12回の講義で教えることを想定して内容を整理するとともに、漢方処方についても日本薬局方収載の処方を中心とする重要な処方に絞って取り上げました。生薬についてはモデル・コアカリキュラムの「C5自然が生み出す薬物」で修得することを前提にして、漢方の理解に必要な生薬の特質の解説に限定するとともに、取り上げる生薬も限定しました。さらに、最近の薬剤師国家試験の出題傾向なども踏まえ、漢方薬の副作用や臨床現場での漢方薬の新しい使い方ならびに漢方薬の服薬指導についても記載しました。
 今回の改訂では、本書が薬学部における漢方教育で標準的に使える教科書となることを意図して編集しました。漢方を専門とする方のみならず、生薬学・天然物化学など漢方以外を専門とする方々にも広く本書を活用していただき、漢方教育に積極的に参加する一助となれば幸いです。

2015年12月
編集委員一同