教科書

パートナーシリーズ

パートナー分析化学II改訂第2版

編集 : 山口政俊/升島努/能田均
ISBN : 978-4-524-40288-5
発行年月 : 2012年3月
判型 : B5
ページ数 : 348

在庫あり

定価5,400円(本体5,000円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

物理的分析法(クロマトグラフィーによる分離分析法、分光分析法による化合物の化学構造解析法、分析技術の臨床応用)を中心に解説。姉妹書「パートナー分析化学I」と同様に、重要語句、要点のまとめを色分けして表示。今改訂では日本薬局方第十六改正に対応、ハイレベルな内容は「応用」として区別したほか、医療との接点をコラムで紹介した。

第1章 光分析法
1.概説
2.紫外可視吸光光度法
 A 紫外可視吸収の原理
 B 基本事項
  1)単位および用語
  2)透過度、吸光度
  3)Lambert-Beerの法則
  4)吸収スペクトル
 C 装置および測定
  1)単光束分光光度計の装置
  2)操作法
  3)二光束分光光度計の装置
  4)試料容器(セル)
  5)溶媒
  6)検量線と定量分析
 D 二波長分光光度法
  1)原理
  2)特徴
 E 分子構造と吸収スペクトル
  1)非共役系の吸収
  2)共役系の吸収
 F 定量分析への応用
  1)比吸光度を用いる方法
  2)標準物質を用いる方法
  3)検量線を用いる方法
  4)二成分以上の分別定量法
 G 定性分析への応用
  1)医薬品の確認試験
  2)医薬品の示性値
  3)医薬品の純度試験
3.蛍光・化学発光分析法
 A 蛍光およびリン光の基本的原理
 B 蛍光強度と蛍光光度法
 C 測定装置
 D スペクトル
 E 蛍光強度への影響因子
 F 蛍光分析法の特徴
 G 有機蛍光物質の化学構造
 H 蛍光分析法による定量分析
  1)有機化合物
  2)無機化合物
 I 蛍光を利用するさまざまな分析法
  1)蛍光標識法
  2)時間分解蛍光測定法
  3)蛍光の偏光解消
  4)細胞内物質のイメージング
  5)蛍光共鳴エネルギー移動
 J 化学発光の基本的原理
 K 化学発光強度
 L 測定装置
 M 化学発光分析法の特徴
 N 化学発光反応
  1)発光物質自身による発光
  2)共存する蛍光物質による発光
4.その他の光分析法
 A 比濁法
 B 比ろう法(ネフェロメトリー)
 C 原子スペクトル分光法
  1)原子スペクトル分光法の原理
  2)炎色反応
  3)フレーム(炎光)分析法
  4)干渉
  5)発光分光分析法
  6)原子吸光光度法
  7)原子スペクトル分光法のまとめ
■参考書

第2章 構造解析
1.概説
 A 物理的構造解析法の分類と特徴
 B 分光分析法
  1)紫外可視吸収スペクトル法
  2)蛍光スペクトル法
  3)赤外吸収スペクトル法およびラマンスペクトル法
  4)旋光度、旋光分散と円二色性
  5)核磁気共鳴分光法
  6)電子スピン共鳴分光法
  7)X線分析法
 C 質量分析法
 D スペクトル法による構造解析と確認試験への応用
2.赤外吸収スペクトルおよびラマンスペクトル
 A 分子振動とスペクトル
  1)分子振動
  2)グループ振動と特性バンド
  3)赤外吸収スペクトルとラマンスペクトル
 B 赤外吸収スペクトル
  1)赤外吸収スペクトルのチャートの見方
  2)装置と測定法
  3)波数目盛りの補正と分解能
 C 赤外吸収スペクトルの利用とその解析
  1)化合物の同定と確認
  2)構造解析への応用
  3)定量分析への応用
 D ラマンスペクトル
  1)ラマンスペクトルの特徴
  2)装置など
  3)ラマンスペクトルのチャート
  4)共鳴ラマンスペクトル
  5)ラマンスペクトルの応用
 E 赤外顕微鏡と顕微レーザーラマンシステム
  1)赤外顕微鏡
  2)顕微レーザーラマンシステム
3.旋光度、旋光分散、円二色性
 A 旋光度測定
  1)原理
  2)測定法
  3)旋光度の表示
  4)分子構造と光学活性
  5)分析化学への応用
 B 旋光分散と円二色性
  1)旋光分散
  2)円二色性
  3)コットン効果を示す発色団
  4)測定法
  5)オクタント則
 C 構造解析への応用
  1)ステロイドおよびテルペン
  2)タンパク質とポリペプチド
  3)核酸
4.核磁気共鳴・電子スピン共鳴
 A 核磁気共鳴分光法(NMR)
  1)NMRの位置づけ
  2)NMRスペクトルが測定できる原子核
  3)NMR現象の概要
  4)NMR装置─磁石、発振器、コンピューター
  5)化学シフト
  6)簡単な系のスピン-スピンカップリング(等価なJ)
  7)非等価なJを有するスピン-スピンカップリング
  8)積分
  9)カップリングの相手を捜す方法─デカップリング
10)13CNMR
11)立体化学の決定─NOEの測定
12)二次元NMR(2D-NMR)
13)イメージングと医療への応用
 B 電子スピン共鳴分光法(ESR)
  1)ESRスペクトルの原理
  2)ESRで判定できる事項
  3)測定
  4)応用
5.X線分析法
 A X線とは
 B X線吸収分光法
  1)装置
  2)試料の調製
  3)解析法
 C 蛍光X線分光法
  1)装置
  2)試料の調製
  3)定性および定量分析
 D 結晶構造とX線の回折
 E X線結晶解析
  1)装置
  2)試料の調製
  3)X線結晶解析の応用
 F 粉末X線回折法
  1)装置
  2)試料の調製
  3)定性および定量分析
6.質量分析法(マススペクトロメトリー)
 A 装置
  1)試料導入部
  2)イオン化
  3)質量分析部
 B スペクトル解析
  1)質量の取扱い
  2)校正
  3)分子イオンピーク
  4)同位体ピーク
  5)フラグメントイオン
  6)多価イオン
  7)準安定イオンピーク
 C 応用
  1)元素組成分析
  2)安定同位元素標識と質量分析の組み合わせ
  3)薬物代謝研究
  4)タンパク質の同定
  5)プロテオーム、メタボローム解析
  6)その他の応用
■参考書
■演習問題

第3章 分離分析
1.概説
 A クロマトグラフィーの原理と特徴
 B 移動相によるクロマトグラフィーの分類
 C 固定相によるクロマトグラフィーの分類
 D 分離メカニズムによるクロマトグラフィーの分類
 E 形状・装置によるクロマトグラフィーの分類
2.液体クロマトグラフィー
 A 原理、装置
  1)原理
  2)装置
  3)溶離法
 B 分離モード
  1)吸着・分配クロマトグラフィー
  2)イオン交換クロマトグラフィー
  3)サイズ排除クロマトグラフィー
  4)アフィニティークロマトグラフィー
  5)光学分割
 C 誘導体化
  1)誘導体化法
  2)誘導体化試薬および反応
 D 定性・定量分析
  1)クロマトグラムの読み方
  2)試料の確認および純度の試験
  3)定量法
3.薄層クロマトグラフィー
  1)操作法
  2)固定相固体
  3)薄層板(プレート)の作り方
  4)市販の既製品プレート
  5)プレートの保存
  6)試料のスポット法
  7)展開溶媒
  8)展開方法
  9)検出法
  10)薄層クロマトグラフィーを用いる定量法
  11)分取薄層クロマトグラフィー
  12)高速液体クロマトグラフィーのパイロットテクニックとしての薄層クロマトグラフィー
  13)高性能薄層クロマトグラフィー
  14)薄層クロマトグラフィーを用いる日本薬局方医薬品の確認および純度試験
4.ガスクロマトグラフィー
 A ガスクロマトグラフィーの特徴
 B ガスクロマトグラフの構成
  1)キャリヤーガス
  2)キャリヤーガス流量制御部
  3)試料導入部(試料気化室、試料注入口)
  4)カラム恒温槽
 C ガスクロマトグラフィーの原理
 D ガスクロマトグラフィーの分離機構
 E カラム
  1)充てんカラム
  2)キャピラリーカラム
 F 検出器
  1)熱伝導度検出器
  2)水素炎イオン化検出器
  3)電子捕獲検出器
  4)アルカリ熱イオン化検出器
  5)炎光光度検出器
  6)質量分析計
  7)その他の検出器
 G ガスクロマトグラフィーで使われる用語
 H 誘導体化
  1)メチル化
  2)トリメチルシリル化
  3)アセチル化
  4)トリフルオロアセチル化
  5)エステル化
 I 定性・定量分析
  1)定性分析
  2)定量分析
5.電気泳動法
 A 電気泳動の原理
 B ゲル電気泳動
  1)ゲル電気泳動に用いるゲルと装置
  2)ゲル電気泳動の分離メカニズム
  3)ゲル電気泳動の応用
 C キャピラリー電気泳動
  1)キャピラリー電気泳動の装置
  2)キャピラリー電気泳動の分類
  3)キャピラリー電気泳動の応用
 D マイクロチップ電気泳動
  1)マイクロチップ電気泳動の原理と装置
  2)マイクロチップ電気泳動の応用
6.前処理法
 A 分離分析における前処理法の特徴
 B 前処理法の種類・分類
 C 生体試料の取扱いとバイオハザード
 D 各種前処理法
  1)溶媒抽出法
  2)固相抽出法
  3)除タンパク法
  4)カラムスイッチング法
■参考書

第4章 酵素を用いる分析法
1.酵素反応の基礎
 A 酵素
  1)酵素活性の単位
  2)酵素の分類
 B 酵素反応
 C 酵素を用いる分析法
  1)平衡分析法
  2)速度分析法
2.臨床化学領域における酵素を用いる分析法
 A 生体物質の定量
  1)グルコース
  2)コレステロールおよびコレステロールエステル
  3)尿素
  4)尿酸
  5)アンモニア
  6)中性脂肪
  7)リン脂質
  8)クレアチンおよびクレアチニン
  9)アミノ酸
 B 生体試料中の酵素活性の測定
 C 酵素を用いるその他の方法
  1)固定化酵素法
  2)酵素電極法
  3)酵素サイクリング法
3.フローインジェクション分析法
 A 装置と方法
  1)シングルチャンネルシステム(1流路系)
  2)多チャンネルシステム
  3)その他のFIAシステム
 B 検出器
■参考書

第5章 免疫測定法
1.測定原理
 A 競合法と非競合法
 B ヘテロジニアスイムノアッセイとホモジニアスイムノアッセイ
2.抗体
 A 抗体の構造と調製
 B 抗体の特性
  1)力価
  2)親和力
  3)特異性
 C 抗体への標識法
3.ラジオイムノアッセイ
 A 標識抗原
 B B/F分離
 C 放射能測定法
4.エンザイムイムノアッセイ
 A ELISA
 B EMIT法
 C 化学発光酵素免疫測定法
5.その他の標識イムノアッセイ
 A 蛍光偏光免疫測定法
 B 蛍光イムノアッセイ
 C 化学発光免疫測定法
6.非標識イムノアッセイ
 A ラテックス免疫比濁法
■参考書
■演習問題

第6章 その他の分析法
1.センサー
 A イオンセンサー
  1)ガラス電極
  2)固体膜電極
  3)液体膜電極
  4)高分子膜電極
 B ガスセンサー
  1)半導体ガスセンサー
  2)表面電位型ガスセンサー
  3)電気化学式ガスセンサー
 C バイオセンサー
  1)酵素センサー
  2)微生物センサー
  3)免疫センサー
 D 医療用センサー
2.ドライケミストリー
 A 尿試料用試験紙
  1)pH
  2)タンパク質
  3)グルコース
  4)ウロビリノーゲン
  5)ビリルビン
  6)亜硝酸塩
  7)ケトン体
  8)潜血
 B 血液および血清用試験紙
 C イムノクロマト法
 D 核酸クロマトによるRNAの検出
 E イオン選択電極法
3.画像診断
 A X線を利用した画像診断法
  1)X線の特性と測定原理
  2)X線診断
  3)X線診断の特徴
  4)X線造影剤
 B 核磁気共鳴(NMR)を利用したMRI画像診断法
  1)MRI(magnetic resonance imaging)の測定原理
  2)MRI画像診断法の特徴
  3)MRI診断用造影剤
 C 超音波を利用した画像診断法
  1)超音波の特性と測定原理
  2)超音波診断の特徴
  3)超音波診断用造影剤
 D 放射性核種を利用した核医学画像診断法
  1)核医学診断法の測定原理
  2)核医学診断法(SPECTおよびPET)の特徴
  3)放射性医薬品(放射性薬剤)
■参考書

第7章 分析技術の応用
1.環境分析
 A 残留性有機汚染物質の化学分析
  1)抽出法
  2)脂質の除去
  3)分画
  4)ガスクロマトグラフィーによる分析
  5)GC/MSによる分析
  6)LC/MSによる分析
  7)タンデム質量分析(MS/MS)法による分析
  8)環境汚染物質の分析例
 B 誘導体化
 C バイオアッセイ
  1)内分泌かく乱物質のバイオアッセイ
  2)ダイオキシン類のバイオアッセイ
  3)ELISA
2.毒物分析
 A 生体試料の取扱い
 B 中毒原因物質のスクリーニング
  1)簡易迅速試験法
  2)スクリーニングキット
 C 中毒原因物質の分析法
  1)揮発性薬毒物(第I属)
  2)難揮発性薬毒物(第II属)
  3)金属毒物(第III属)
  4)陰イオン性薬毒物およびその他の有害ガス(第IV属)
3.遺伝子分析
 A ヒト遺伝子DNAの多様性
 B マイクロアレイによるSNPs解析およびCNV解析
 C 第3、4世代DNA配列決定技術─個人のDNA配列を1000ドルで
■参考書

索引

2007年に本書の初版を刊行以来5年が経過し、この間、薬学教育は大きな変貌を遂げつつある。社会は、薬学教育に対し、「医療人として質の高い薬剤師養成」を期待している。この期待に応えるために、平成18年度から、薬学教育6年制が実施された。また、薬学研究者養成のための4年制も並行する形で存続している。そして、平成23年度において6年制の完成年度を迎え、最初の卒業生を輩出し、薬剤師新国家試験が実施された。
 日本薬学会の策定・公表した「薬学教育モデル・コアカリキュラム」(コアカリキュラム)のC2コース「化学物質の分析」には、薬学教育において修得する必要のある分析化学の内容が記されている。このコースの一般目標は「化学物質(医薬品を含む)をその性質に基づいて分析できるようになるために、物質の定性、定量に必要な基本知識と技能を修得する」とされている。
 薬学教育において、分析化学はその教育の根幹をなすもので、特に医薬品分析・臨床化学分析などの医療に関わる分野での重要性はますます高まっている。さらに、食や環境の安心・安全、医薬品の適正使用、ゲノム・プロテオーム・メタボローム医療など健康社会の維持・向上に対しても薬剤師は大きな役割を担っている。これらの分野にも分析化学が深く関与している。
 平成23年4月には第十六改正日本薬局方が施行され、これを機に、『パートナー分析化学I』および『パートナー分析化学II』の改訂を企画した。この度の改訂においては、新たに薬学共用試験CBTや新国家試験の出題基準への対応、医療との接点についての記述の追加を行い、分析化学により馴染みやすい教科書とすることを目指した。
 本書『パートナー分析化学II改訂第2版』は、姉妹書の『パートナー分析化学I改訂第2版』と対を成す構成となっている。「分析化学I」では、化学的手法に基づく分析化学(化学的分析法:定性・定量分析およびその基礎的事項)を中心に、また「分析化学II」では物理的手法に基づく分析化学(物理的分析法:クロマトグラフィーによる分離分析法、分光分析法による化合物の化学構造解析法、分析技術の臨床応用)を中心に編集している。また、薬剤師国家試験への対応を第一義に、薬学研究や医療の現場においても活用できることを考慮している。『パートナー分析化学I改訂第2版』および『パートナー分析化学II改訂第2版』を併せて活用されることを期待する。
2012年2月
編集者一同