教科書

新訂生薬学改訂第7版

編集 : 木村孟淳/田中俊弘/水上元
ISBN : 978-4-524-40281-6
発行年月 : 2012年2月
判型 : B5
ページ数 : 296

在庫あり

定価4,968円(本体4,600円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

ロングセラーの生薬学の教科書。生薬各論はフルカラーで、基原植物・生薬の写真を多数収載。成分の化学構造式は必要最小限に絞り、簡潔に整理された記述で効率の良い学習を助ける。今改訂では日本薬局方第十六改正に対応したほか、「付録」を拡充させ、一般用漢方薬、医療用漢方薬、薬局製剤漢方薬の全てを収載した。

総論
I. 生薬
1.生薬学
2.生薬学の課題
 1 生薬の価値の再認識
 2 天然物医薬品の開発と研究
3.生薬の記載事項と研究法
 1 本草学的考証
 2 フィールドワーク
 3 栽培・飼育・育種の研究
 4 形態学的研究
 5 天然物化学的研究
 6 品質評価に関する研究
 7 生薬製剤と剤形の研究
 8 薬理学的研究
 9 バイオテクノロジーを利用した新しい生薬研究
4.医薬品としての生薬の特性
 1 長所
 2 短所
5.生薬の調製
 1 生産加工
 2 切断、破砕および粉砕
 3 保存
 4 修治・炮製
 付.日本薬局方生薬総則
6.生薬の製剤
 1 エキス剤
 2 流エキス剤
 3 浸剤・煎剤
 4 チンキ剤
7.生薬の品質評価法
 1 基原の真偽に関する方法
 2 生薬の良否を評価する方法
8.生薬の生産と取引
 1 生産
 2 生薬の流通と取引
9.生薬をめぐる法と制度
 1 医薬品に関する法と制度
 2 食品、食品添加物に関する法と制度

II. 生薬学小史
1.メソポタミアの生薬学
2.西洋の医学・薬学
3.インドの医学
4.中国の本草学
5.日本の本草学

III. 漢方医学
1.漢方医学の基礎
 1 日本漢方の流れ
 2 中医学
 3 漢方の基礎理論

各論
1. 皮類
2. 材、茎および枝類
3. 根類
4. 根茎類
5. 葉類
6. 花類
7. 果実類
8. 種子類
9. 草類
10. 菌類・藻類
11. 分泌物・細胞内容物
 A.炭水化物
 B.精油類
 C.樹脂類
 D.エキス類、乳液類、植物滲出物
 E.植物性油脂およびろう
12. 動物生薬
   動物性油脂
13. 鉱物生薬

付録
 日本で使われる漢方薬方

索引

漢方生薬の生産と流通をとりまく社会の情況は依然としてきびしく、70億に達した世界人口の医療需要、さらに、統合医療の考えに乗って欧米にまで拡大した漢方、中医学の発展に対応するだけの生薬の供給が維持できるかという課題が大きくのしかかってきている。急激な増産が期待できない農産物あるいは、野生品に頼ってきた天産物であるだけに問題は大きい。特に最大の生産地域である中国その他アジア諸国の工業化、経済成長はめざましく、20世紀後半に日本が通ってきた近代化、工業化、驚異的な経済成長と逆比例して起こった生薬生産の衰退とよく似た経過がみられ、量的な不足、品質の低下、価格の高騰ばかりか天然資源の枯渇など、以前から予測はされていたが、その予測を上回る速度で問題の悪化が進行している。
 生薬の需要は食料品などと比べても小さく、少量多品種という近代化しにくい条件を抱えながら、急激に増大する需要にも応えて行かねばならない。さらに弱者を救うべき医療の底辺を支える役割もあり、数々の矛盾を背負い込む事態になっている。
 しかし、生薬として利用する植物、動物の資源は、栽培あるいは養殖によって、本質的には永遠にリサイクルの可能な資源であり、いずれ無くなってしまう鉱物資源とは大きく異なっている。生薬の供給面でサポートできる学問としても、生薬学は努力を惜しんではならない。
 日本薬局方も第十五改正(2006)版から大きく姿を変えた。医薬品各条が新しく「化学医薬品」と「生薬等」の2部に区分され、漢方エキス製剤も収載され始めた。第十六改正(2011)版では漢方エキス製剤は22方となり、新収載となった生薬も数多い。また、基原植物や性状などにも改正がなされている。これらの変化は諸外国薬局方との国際調和が進んだ結果による部分が大きいが、生薬の場合、原料供給を大きく依存している中国の「中華人民共和国薬典」との調和も大きく注意が払われている。1980年代から始まった日・中・韓国の生薬学と生薬業界における国際交流が大きな推進力を発揮したことは否定できない。
 このような情勢に即応して、本書は新進気鋭の執筆者を加え、改訂第6版からさらに内容を充実させた。今回は特に植物の国際規約による命名法、特に著者名の記載方法に配慮して、日本薬局方と異なる記載法を取ったところも出ている。
 付録の「日本で使われる漢方薬方」は全面的に改め、一般用、医療用、薬局製剤、日本薬局方で採用している薬方の処方分量を含めて、すべてを一覧できるようにした。
2012年2月 編者