教科書

医薬品情報・評価学改訂第3版

編集 : 河島進/政田幹夫/松山賢治/内田享弘
ISBN : 978-4-524-40264-9
発行年月 : 2011年4月
判型 : B5
ページ数 : 474

在庫あり

定価4,860円(本体4,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬剤師が医薬品情報を適切に収集・評価して医療現場に提供できるようになるために押さえておくべき事項を、例題(薬剤師国家試験の過去問を含む)を織り交ぜながらわかりやすく解説。今改訂では、内容のスリム化を図り、より学びやすい構成とした。薬学教育モデル・コアカリキュラム[C15(1)医薬品情報、(3)テーラーメイド薬物治療を目指して] に対応。

第I部 医薬品情報の基礎
1.医薬品情報とは
2.医薬品の開発
3.医療用医薬品添付文書の読み方
4.医薬品情報の検索と評価法
5.警告・禁忌
6.薬物相互作用
7.統計解析の基本
8.ジェネリック薬と情報
9.キット製剤と使用方法
10.テーラーメイド医療
 A 遺伝的素因
 B 年齢的要因
 C 生理的要因・合併症
  C-1 生理的要因
  C-2 合併症
 D 投与計画
 E 薬物作用の日内変動を考慮した用法


第II部 病院・薬局における医薬品情報と評価
1.医療現場での医薬品情報の収集と評価
 A 病院(院内)
 B 地域医療と薬剤師
  B-1 地域薬局
  B-2 OTC医薬品の外箱情報
  B-3 一般用医薬品の消費者への情報伝達と適正販売
  B-4 在宅患者
2.新薬採用や治験審査における薬の評価
3.CRCにおける病院薬剤師の役割
4.薬剤師とリスクマネジメント
 A 総論
 B 事例−薬剤関連業務の安全と効率化のためのシステムの構築−
5.クラウドとソーシャルメディアで医療情報処理をフレーム化する
6.薬剤疫学とEBM
 A 薬剤疫学
 B Evidence-Based Medicine(EBM)
7.基礎薬学に基づく予見的医薬品情報
8.医療統計解析の考え方
9.薬剤経済学の考え方
10.個人情報保護法と薬剤師

第III部 医薬品情報と製薬企業
1.市販後調査(PMS)制度と医薬情報担当者
2.製薬企業におけるマーケティングリサーチ

付録1.医薬品情報を理解するための医療用語
付録2.統計解析のための各種数値表
付録3.参考図書

索引

医療法では、薬剤師は「医療を担う者」と定義され、薬剤師の任務は「薬剤の適正使用の推進」に集約されている。また、薬剤師法第25条の2において「薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たっている者に対し、調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない」として、薬剤の適正使用のための患者への情報付与を義務規定としてうたいあげている。まさに調剤に情報が付加された「情報調剤」を実行する時代となった。
 一方、国内の新薬開発における治験については、諸外国の事情とは異なり、治験に対する基盤整備が遅れていたわが国でも、新GCPが実施され、国際的ハーモナイゼーションの流れに沿って進行するようになった。病院薬剤師は治験ならびにCRCへも積極的に参加し、優れた新医薬品開発にその職能を通して貢献している。疾病の治療を中心としてきた20世紀の医療は、医療人のケア医療への意識改革が図られ、かつ、高齢化社会到来の認識にたって、anti-aging medicineを推進する21世紀の医療へ転換しつつある。
 以上に述べた事柄は、「医薬品情報・評価学」と銘うって10年前に本書を刊行したときの基本的な考え方と同様である。この間、幸い本書は薬学部の学生の教科書や現場の薬剤師の参考書として多くの方々にご利用いただいてきた。
 一方、薬剤師養成課程としての6年制は、2012年4月に最初の卒業生が新薬剤師として巣立ってくる。そこで、基本方針は初版で提起したものを維持しつつ、新時代の薬剤師養成のみならず、社会人薬剤師に有用な専門書として利用していただけるように大幅な改訂を行った。
 (1)薬学教育モデル・コアカリキュラムへの対応
 初版以来好評いただいている3部構成(第I部:学部学生向け、第II部:現職の薬剤師向け、第III部:企業の医薬情報担当者向け)を踏襲しつつ、モデル・コアカリキュラムの内容を盛り込み、かつ6年制における臨床教育に対応できるよう工夫した。第I部ではモデル・コアカリキュラムに示された内容を網羅するとともに、第II部の「医療現場での医薬品情報の収集と評価」の項目に実務実習カリキュラムにおける医薬品情報に関係する内容も反映させた。この対応によって、第II部を活用することにより、6年制における5-6年生で行われ.る実務実習教育にも役立つものと自負している。さらに、各章末には、その内容に関係する国家試験問題を収載し、学生の理解度を確認できるよう工夫した。
 (2)法・制度の改正への対応
 薬事法等関連法規の改正された内容に沿って、関係する部分を全面的に改訂した。また「個人情報保護法と薬剤師」の内容を充実した。「市販後調査(PMS)制度と医薬情報担当者」の項目は、内容を一新した。
 (3)その他の追加・改訂部分
 時代の要請に応えて、薬剤経済関係の内容として、「薬剤経済学の考え方」の項目を一層充実させ、豊富な具体例を入れて解説した。また、益々必要となってきた「薬剤師とリスクマネジメント」、「処方オーダリングシステム」、さらに、医療現場で種々の問題が提起されている「ジェネリック薬と情報」の項目も全面改訂するなど、改訂・増補部分は本書の隅々にわたっている。詳細は実際に本書をお読みいただきたい。
 以上に述べたように、初版で提起した基本方針を維持しつつ、現在の教育が求めるもの、医療の現場で必要とされる内容を加えて改訂した結果、第3版は情報量が増えてこれまで以上に充実したものとなった。もともと本書は医薬品情報について、基礎的な内容から応用的な内容まで幅広く押さえられているとの評価をいただいてきたが、さらによいものになったと確信している。
 この第3版が、薬剤の適正使用のための一助となり、患者さんのための医療の推進に寄与することを願ってやまない。
2011年4月
編集者一同