教科書

医薬品の構造式

その描き方と読み方

: 野上靖純
ISBN : 978-4-524-40202-1
発行年月 : 2003年7月
判型 : B5
ページ数 : 216

在庫あり

定価2,700円(本体2,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬学部学生が入学後の早い時期に、正しい構造式の描き方と読み方を身につけ、薬学専門科目の基礎である化学に強くなることを目的にかかれた入門書。化学構造と機能の関係について、基本的な化学用語とともにわかりやすく解説されており、有機化学各論に入る前の予習に最適。化学をはじめて学ぶ学生の必読入門書。

1. 薬学と化学構造式
2. 有機化合物をつくる炭素の構造
3. 構造式にもいろいろある
4. 構造式による異性体の表示
 4.1. 構造異性体
 4.2. 立体異性体
 4.3. 互変異性体
 4.4. 共鳴混成体
5. 医薬品を構成するパーツ
6. 医薬品の構造-基本骨格の特性
 6.1. 鎖状骨格
 6.2. 環状骨格
7. 医薬品の構造-官能基の特性
 7.1. ハロゲン基
 7.2. ヒドロキシ基
 7.3. エーテル基
 7.4. カルボニル基
 7.5. カルボキシ基
 7.6. エステル基
 7.7. アミノ基
 7.8. アミド結合(カルバモイル基)
 7.9. ニトロ基
 7.10. 硫黄官能基
8. 複合官能基の特性
 8.1. アミノ酸
 8.2. ヒドロキシ酸
 8.3. ケト酸
 8.4. サルファ剤
9. ステロイド類の構造
 9.1. 性ホルモン
 9.2. 副腎皮質ホルモン
10. 抗生物質の構造
11. ビタミン類の構造
12. 生体分子の構造
 12.1. 糖類
 12.2. タンパク質
 12.3. 核酸

セルフチェック問題の正解と解説

希望に胸をふくらませて「薬学の道」に飛び込んでくる学生諸君が遭遇する一つの課題に、化学構造式の描き方と読み方の修得がある。“化学の世界の言語”ともいうべき構造式を正確に、そして上手に使えるようになることを願って、本書をまとめた。入学後の早い時期に、正しい構造式の描き方と読み方を身につけ、薬学専門科目の基礎となる有機化学に強くなることが目的である。
 生体をめぐるあらゆる分子が固有の構造をもち、その構造との深いかかわりのもとに分子が特定の機能を発揮する。すなわち、“構造あるところ機能あり”で、分子はだてに構造をもっているのではない。分子のかたちには、意味がある。そのことのあくなき追究の結果として、これまで生命の不思議という一言で片づけられてきた数多くの生体のメカニズムが、次々と、分子レベルで解明されようとしている。
 本書では、短期間のうちに目標まで到達するために、医薬品分子を“分子機械”に見立て、その機械を構成する部分を骨格部品と付属部品とに分けてみた。まず、各部を組立てる部品を知り、そして、その組合せによって種々の構造をもつ医薬品ができていることを学ぶ。部品のつなぎ方とつないだ時に現われてくる性質や機能を理解することを第一優先とし、必要に応じてこれを最小限の理論で説明していくことにした。したがって、ここでは系統立った詳しい有機化学の理論は登場しない。
 本書を書くにあたりとくに心がけたことは、次の点である。

1 最終的には、医薬品の構造式を描いて読めるようになることを目指す。
2 薬学生が興味をもつ題材を選ぶ。
3 医薬品の説明には、疾病などの簡単な紹介も折り込む。
4 文章はできるだけ簡潔に、わかりやすい言葉で書く。
5 図の上下に情報などの書き込みができるよう、充分なスペースをとる。

 また、到達度をセルフチェックできるように、最近の薬剤師国家試験問題の中から各章の内容に関係するものを取り上げ、解説を加えた。
 本書が若い薬学生の有機化学への興味をかき立てることに少しでも貢献できれば、この上ない喜びである。
2003年5月
著者