教科書

薬物療法学

編集 : 石崎高志/鎌滝哲也/望月眞弓
ISBN : 978-4-524-40194-9
発行年月 : 2003年11月
判型 : B5
ページ数 : 638

在庫あり

定価8,208円(本体7,600円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬学部学生向けに疾病と薬物療法について、実践的な理解を深めることができるように編集されたテキスト。総論では、検査、薬物動態、薬物相互作用など、基礎的知識をまとめた。各論では、疾患ごとに症例を提示し、問題点をまとめ、さらに、病因、診断、治療指針、処方例を示した。処方薬については、薬理、相互作用、使用上の注意などを表形式でわかりやすくまとめた。

総論
 1.薬物治療概論
 2.臨床検査値の変動からの病態の推定
 3.臨床薬物動態
 4.治療的薬物モニタリング
 5.薬物相互作用
 6.薬物アレルギー
 7.薬物依存と臨床薬物中毒学
 8.薬物による医原性疾患
 9.薬物の催奇形性と発がん性
 10.臨床薬学的調剤

各論
 1.神経系疾患
 2.精神疾患
 3.骨・関節疾患
 4.免疫疾患
 5.心臓・血管系疾患
 6.腎疾患・泌尿器疾患
 7.呼吸器疾患
 8.消化器疾患
 9.血液および造血器疾患
 10.感覚器疾患
 11.内分泌・代謝疾患
 12.感染症
 13.悪性新生物
 14.産婦人科系疾患

疾患の薬物療法に関する知識は、薬学はもとより医学の本来必要とする最も中心的なものの一つである。近年、新しい有効な医薬品が数多く開発され、さらに疾患の診断法、治療法の多様化に相まって、薬剤師および臨床医の薬物療法に関する高度な知識が一層強く要求されるようになってきた。
 歴史的な背景から、我が国の薬学教育においては創薬科学(化学)に力点が置かれ、現在活躍している薬剤師の多くは独学によって薬物療法に関する知識を得るしか方法がなかった。しかしながら、前述したような背景から、近年薬剤師国家試験においても医療薬学の広範な知識が要求されるようになり、それに伴って薬物療法学、薬物治療学のhow-to的な書籍が多数出版されている。このような、いわゆるhow-toものは、疾病と薬物治療における教育をゆがめ、その場限りの暗記で事を済ませるという安易な教育を培うおそれがある。
 本書は、患者のための薬物療法学、学問体系に基づいた薬物療法学をわかりやすくまとめた入門的な専門書を目指し、各領域の専門家の力を結集して編集したものである。疾病と薬物療法を生きた学問として理解を深めることを念頭に、随所に工夫を擬らした。
「総論」においては、薬物療法の基礎となる共通の知識をまとめてある。薬学部では教育されることの少ない疾病の診断法、疾病などによる薬物動態の変化、薬物相互作用、薬物毒性などである。
「各論」においてはそれぞれの疾患別に代表的な患者の症状、検査所見などの例を中心に、当該患者の何が問題かをプロブレムリストとしてまとめ、さらに病因、診断、治療方針、処方例と薬理・相互作用など個々の薬物の使用に関する注意点を記述した。さらに疾患の概説として、病態生理、病因、症状、検査と診断、それに治療法について比較的詳しく解説した。プロブレムリストは症例を見たときに、個々の患者の何が問題かを自己研修するために設けたものである。
 本書は薬学部学生の教科書としてはもちろんのこと、現場で働く薬剤師、看護師、そして医師にも使用できる薬物療法の実学書としても企画されている。特に薬学部および医学部学生の教科書としては生理学、薬理学などの基礎となる教科を習熟した後に使用することを念頭に置いている。
 本書には薬物療法の理解を深める生理学や薬理学に関する知識も盛り込んであるので、薬物療法学の講義では本書の一部を講義し、病態生理学や薬理学などでも本書を使用し分担して講義すれば、疾患と薬物療法を立体的にとらえることがでさる。なお、数多くの疾患名、症候群が登場するが、その解説は重要なもの一部にとどめ、他は別の専門書に譲ることにした。
 本書の執筆者は臨床薬学、臨床薬理学、薬物代謝学および臨床医学各分野の専門家より構成されているので上記の専門領域に興味を持たれる研究者、卒前卒後薬学および医学生はもとより、薬物療法学に感心を抱くヘルスケア担当者にとっても参考書の一つになることを編者一同願っている。
 本書が患者の疾患の科学的・客観的・個別的薬物療法に少しでも役立てば、望外の喜びである。
2003年10月
石崎高志
鎌滝哲也
望月眞弓
(一部改変)