書籍

科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 日本糖尿病学会
ISBN : 978-4-524-26996-9
発行年月 : 2013年5月
判型 : B5
ページ数 : 372

在庫なし

定価4,104円(本体3,800円 + 税)

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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

2010年刊行の前版に、新しいエビデンスを追加し、全章にわたって内容を見直した、最新の指針を示すガイドライン。今改訂では、新しい血糖コントロール目標値の提示、HbA1cの国際標準化に対応、エビデンスレベルもわかりやすく改訂し、一層診療現場で役立つものとした。糖尿病専門医や一般内科医はもとより、糖尿病患者を診る機会のあるすべての医師に必携の一冊。

■本ガイドラインのポイント
■糖尿病診療ガイドライン策定作業の方法論
1.糖尿病診断の指針
2.糖尿病治療の目標と指針
3.食事療法
4.運動療法
5.血糖降下薬による治療(インスリンを除く)
6.インスリンによる治療
7.糖尿病網膜症の治療
8.糖尿病腎症の治療
9.糖尿病神経障害の治療
10.糖尿病足病変
11.糖尿病と歯周病
12.糖尿病大血管症
13.肥満を伴う糖尿病
14.糖尿病に合併した高血圧
15.糖尿病に合併した脂質異常症
16.妊婦の糖代謝異常
17.小児・思春期における糖尿病
18.高齢者の糖尿病(骨代謝を含む)
19.糖尿病における急性代謝失調
20.糖尿病と感染症、シックデイ
21.糖尿病と膵臓・膵島移植
22.糖尿病の療養指導・患者教育
23.2型糖尿病の発症予防
24.メタボリックシンドローム
索引
コラム
 HbA1c表記の運用に関して
付録
 1.糖尿病予防のための戦略研究(J-DOIT1、2、3)とJDCP study
 2.ADA-EASDのPatient-Centered Approach

「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」は、わが国のエビデンスに基づく糖尿病診療の推進のために2004年5月に初版が刊行され、その後3年毎に改訂されている。「糖尿病治療ガイド」を含む日本糖尿病学会のすべての書籍は、「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」発行以降、その記述に準拠するよう配慮されている。したがって、本ガイドライン編集の責任は重く、新たなエビデンスの収集とともにいわゆる「コンセンサス」形成過程が極めて重要と考えられる。
 本ガイドラインの原稿は策定委員会委員に執筆を依頼し、計4回の修正を行っていただいた。前回までの査読委員会は評価委員会と改称し、策定委員会とは独立して評価作業を行っていただいた。評価を終えた第三次原稿を、日本糖尿病学会の名誉会員・学術評議員に供覧し、多くのコメントをいただいた。同時に関連学会からもコメントをいただいた。コメントの採否、それに伴う原稿の修正は、両委員会委員長および策定委員が行った。すべてのコメントを採用したわけではないが、コメントをお寄せいただいた先生方にこの場をお借りして深謝申し上げたい。
 本ガイドラインではHbA1cの表記をHbA1c(NGSP)に統一している。また、血糖コントロールの目標値も変更になった。この変更は、理事会での議論、名誉会員・学術評議員のコメントを踏まえた、日本糖尿病学会としての変更であり、第56回日本糖尿病学会年次学術集会を経て2013年6月1日から実施される。懸案であった食事療法に関しては、多くの議論・シンポジウムを経た「食事療法に関する委員会」の提言を基に策定した。他にも多くの改訂箇所が存在するが、各々の章をぜひご参照いただきたい。
 「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン(改訂第2版)」(2007年6月発行)は過去にAGREE評価を受けており、評価6観点中「対象と目的」、「作成の厳密さ」、「明確さと提示の仕方」の3観点で高い評価を受けた。特に初版からの特徴のひとつである「アブストラクトテーブル」が高く評価されており、これまで策定に携わられた先生方に御礼申し上げたい。なお、本ガイドラインはAGREEII評価を受ける予定にしている。さらに、英語版の刊行を目指し、編集作業が進められている。
 近年、わが国から高水準のエビデンスが集積されており、国際的にも高い評価を受けている。本ガイドラインにおいても海外のエビデンスに加え、わが国発の質の高いエビデンスが多く引用されており、そこから得られた知見は、日本人の糖尿病診療におけるEvidence-based Medicine(EBM)を実践する際の指針となりうると考えられる。さらに、「糖尿病予防のための戦略研究」としてのJ-DOIT1、2、3やJDCP studyなどの複数の大規模研究の結果が、近い将来発表される予定である。今後本ガイドラインが、よりいっそうわが国発のエビデンスに基づいたガイドラインへ発展することを期待したい。

2013年5月
「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」策定に関する委員会

このたび、日本糖尿病学会編集による『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013』が、南江堂から出版された。2004年に第1版が刊行されて以降、3年ごとに改訂されて本書が第4版となる。改訂を重ねるごとに進化し、内容の質の充実には目を見張るものがある。
 長年にわたり、ゆるぎない高い評価を得てきた本書の特長をあげれば以下となる。(1) 知識と経験に応じて研修医から専門医にいたるまで、活用可能な工夫と内容が凝らされている、(2) アップデートのエッセンスを成因・診断・病態から管理・治療にわたって把握可能である、(3) 各章の内容のポイントが“ステートメント”と“アブストラクトテーブル”に要領よくまとめられ、要に応じて“解説”あるいは“文献の検索”からより詳細を知れる手引書となっている、(4) 日常の診療ならびに臨床研究に役立つ情報が簡にして要を得てまとめあげられている、(5) わが国のみならず世界の動向を識ることができる、そして (6) 日本糖尿病学会をはじめとする関連学会の対糖尿病戦略の現況を知ることができる。
 次に、従来の諸版とこのたびの2013年版との内容の違いに目を転じれば、以下となる。(1) これからのHbA1cについて、「HbA1c表記の運用に関して」と題して、詳細が要領よく1頁にまとめられ、この頁に目を通せば従来の表記JDS値からNGSP値への移行の経緯と運用の実際が理解できる、(2) 2013年4月からHbA1cの表記がNGSP値へ移行したことに伴い、全体を通してHbA1cの目標値表記に修正が加えられている、(3) 従来の版では“付録”扱いだった“メタボリックシンドローム”が一つの章として取り扱われている、(4) “付録”として新たに、“1。糖尿病予防のための戦略研究(J-DOIT 1、2、3)とJDCP study”、“2。ADA-EASDのPatient-Centered Approach”が設けられて、わが国および欧米の新しい取り組みの把握が可能になっている、(5) 新しい文献が多数追加引用されていて、対糖尿病戦略に今日的動向の反映を可能としている、(6) 「本ガイドラインのポイント」が目次のトップに新たに設けられ、a。血糖コントロールの目標、b。食事療法、c。血圧コントロールの目標、そしてd。脂質コントロールの目標、のおのおのについて新たに変更された点およびそれらのエッセンスが要約されている。
 すべての章に目を通していただきたいが、時間のない方にぜひ熟読していただきたい章として、(1) 糖尿病診断の指針、(2) 食事療法、(3) 糖尿病治療の目標と指針、がある。いずれも、糖尿病の管理・治療の根幹をなしているばかりか、(1)、(2) に関してはHbA1cの表記がNGSP値への変更に伴った基準値の修正があり、(3) については炭水化物摂取に対する見解が披露されている。いずれも日常診療において無視することのできない問題である。
 本書が世界に類をみない好書であり、糖尿病診療に携わる者にとって必読・必携の書としても過言ではない。今後とも、定期的に刊行してほしい類の書で、“序文”に触れられているが、わが国からの情報発信の術の一つとして、ぜひ英文として出版されることが望まれる。
 最後に、このような素晴らしい糖尿病の管理・治療の指針書を編まれた日本糖尿病学会と、委員会委員長の羽田勝計教授をはじめとした編集・評価に携われた先生方の熱意と努力に賞賛を禁じえません。

臨床雑誌内科113巻1号(2014年1月号)より転載
評者●中部ろうさい病院名誉院長 堀田饒