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糖尿病最新の治療2013-2015

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編集 : 岩本安彦/羽田勝計/門脇孝
ISBN : 978-4-524-26994-5
発行年月 : 2013年1月
判型 : B5
ページ数 : 366

在庫なし

定価8,640円(本体8,000円 + 税)

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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

最新情報と治療方針を簡潔にまとめた「最新の治療」シリーズの糖尿病版。巻頭トピックスでは、災害時における糖尿病医療、糖尿病治療と癌、CGMのほか、超持続型インスリン製剤、SGLT-2阻害薬、メタボリックサージャリーなどの注目テーマを取り上げた。各論では、基本的治療だけでなく、各病態、合併症がある場合の治療も具体的に解説し、一冊で糖尿病の最新の治療法が網羅できる。「カーボカウントの活用」「インクレチン療法」が加わり、巻末には薬剤一覧、副作用一覧も掲載。

I 巻頭トピックス
 1.災害時における糖尿病医療─東日本大震災の経験を中心に─
 2.糖尿病治療と癌
 3.CGMと糖尿病治療
 4.新しいインスリン製剤─超持効型インスリン─
 5.糖尿病の新しい経口薬(SGLT─2阻害薬など)
 6.糖尿病腎症治療の進歩
 7.メタボリックサージャリー
II 糖尿病治療の基本
 1.糖尿病の診断基準と病型分類・コントロール目標(総論)
 2.1型糖尿病
 3.2型糖尿病
 4.その他の特定の機序、疾患による糖尿病
 5.妊娠糖尿病
 6.小児・思春期の糖尿病
 7.高齢者の糖尿病
 8.境界型の管理
 9.糖尿病の合併のないメタボリックシンドロームへの指導・治療
III 食事療法
 1.食事療法の効果と実際、注意点
 2.「食品交換表」の活用
 3.カーボカウントの活用
 4.糖尿病腎症に対する蛋白制限食
 5.脂質異常症合併時
IV 運動療法
 1.運動療法の効果と実際、注意点
 2.合併症時の運動療法
V インスリン療法
 1.1型糖尿病
 2.2型糖尿病
 3.糖尿病妊婦
 4.強化インスリン療法
 5.持続皮下インスリン注入療法(CSII)
 6.超速効型インスリン
 7.持効型溶解インスリン
 8.混合製剤
VI インクレチン療法
 1.DPP─4阻害薬
 2.GLP─1受容体作動薬
VII 経口薬療法
 1.スルホニル尿素薬
 2.グリニド系薬
 3.ビグアナイド薬
 4.αグルコシダーゼ阻害薬
 5.チアゾリジン薬
 6.配合薬の活用
VIII 糖尿病昏睡
 1.糖尿病ケトアシドーシス
 2.高浸透圧高血糖症候群
 3.低血糖
 4.乳酸アシドーシス
IX 糖尿病腎症
 1.腎症前期
 2.早期腎症期
 3.顕性腎症期
 4.腎不全期
 5.透析期
X 糖尿病網膜症
 1.黄斑症
 2.単純網膜症
 3.増殖前・増殖網膜症
 4.網膜症以外の眼合併症
XI 糖尿病神経障害
 1.感覚運動神経障害
 2.単神経障害
 3.糖尿病筋萎縮症
 4.自律神経障害
 5.勃起障害
XII 糖尿病大血管障害
 1.脳血管障害
 2.冠動脈疾患
XIII 糖尿病足病変
 1.足潰瘍・足壊疽
 2.Charcot 関節症
 3.下肢動脈狭窄・閉塞
XIV その他の合併症
 1.高血圧
 2.脂質異常症
 3.慢性腎臓病(CKD)
 4.感染症
 5.歯周病
 6.皮膚病変
 7.骨病変
 8.糖尿病患者の手術
XV 二次性糖尿病
 1.ステロイド糖尿病
 2.肝疾患を合併した糖尿病
 3.膵疾患による糖尿病
XVI 糖尿病療養指導
 1.生活指導と自己管理
 2.シックデイの対応方法
 3.血糖自己測定の指導法
 4.予防的フットケア
 5.心理的支援
 6.糖尿病療養指導士の役割
 7.糖尿病におけるクリニカルパスの活用
巻末付録 糖尿病治療薬一覧
索引

「糖尿病最新の治療」は、初巻の発刊から約10年目を迎えた。すなわち、本書はこれまで2004年、2007 年、2010年と3年ごとに刊行され、このたび「2013─2015年版」を刊行する運びとなった。
 本書の構成は、巻頭トピックス、糖尿病治療の基本、糖尿病の治療(各論)、糖尿病の合併症、糖尿病療養指導、そして巻末の治療薬一覧から成っている。「2013─2015年版」の巻頭トピックスでは、第一に2011年3月に日本を襲った未曾有の大震災における糖尿病医療の経験を取り上げた。その他、糖尿病治療と癌、CGMと糖尿病治療、新しいインスリン製剤、糖尿病の新しい経口薬など、関心の高いテーマを取り上げた。
 糖尿病治療の基本では、2010年に発表された糖尿病の診断基準の11年振りの改訂について簡潔にまとめていただいた。糖尿病患者とその予備軍の数は近年ますます増加し、超高齢社会の到来とあいまって、国民の健康に重大な脅威となっている状況は今後も増大するものと危惧されている。
 本書は、糖尿病患者さんの診療にあたっている研修医、実地医家、一般内科医はもちろんのこと、糖尿病の療養指導に携わるさまざまな職種にわたる医療スタッフ、さらには糖尿病専門医に、糖尿病治療に関する最新の情報を提供するために執筆されたものである。
 これまで、編集にあたられた河盛隆造先生に代って、「2013─2015年版」では、羽田勝計、門脇孝の2名が編集に加わった。本書が糖尿病の治療に日々注力されている多くの皆様のお役に立つことを願っている。
2012年12月
編集者一同

今ほど、糖尿病治療が複雑になっている時代はない。糖尿病の飲み薬の第1号がわが国に登場したのは20世紀の半ばであった。当初の糖尿病の治療といえば、その根幹である食事療法と運動療法で、血糖コントロールがうまくいかないときはスルホニル尿素薬かビグアナイド薬、それでも血糖コントロールが悪ければインスリン治療、という選択肢しかなかった。しかし、1990年代末のαGI薬の登場を皮切りに、その後20年間にあふれるほど多くの薬剤が登場し、かつ複雑化してきた。しかし、百花繚乱の薬剤を誰にどのように使うのかについて、推奨される治療アルゴリズムの策定にはいたっていない。その原則と総論は明確だが、日本人を対象にした臨床研究から得られたエビデンスが充分ではないからである。一方、欧米諸国では、ここ数年でガイドラインが精力的に改訂されており、そのキーワードは“personalization”である。すなわち、血糖管理のターゲットも治療アルゴリズムもスタンダードな目標は示すものの、実臨床では目の前の患者さんに対する個別化した最適な治療法の選択が必須であることを強調している。そして、最終決定は主治医の臨床技能に委ねられているのである。
 このような状況にあって、何よりも必要なのは、治療ガイドを読み解くためのガイドブック、すなわち、最新の知識とエビデンスがコンパクトに詰まった参考書である。今般、第4版となる『糖尿病最新の治療2013−2015』が上梓されたことは誠に時宜を得ており、糖尿病の臨床に携わるすべての人の期待に応えるものである。
 今回の巻頭章に掲げられたトピックスのトップは、佐藤譲先生による「災害時における糖尿病医療」である。ここでは、東日本大震災のときに患者さんが困ったことが具体的に書かれているとともに、災害に対する備えと対応について、行政、病院、そして患者レベルに分けてまとめられている。日ごろの準備の大切さを学ぶことができる必読の項目である。また、日本ではまだガイドラインが整備されていない若年者超肥満の糖尿病に対する「メタボリックサージャリー」の項目も、最近の話題として押さえておきたい。
 「糖尿病治療の基本」から始まり「糖尿病療養指導」までの15章は、「インクレチン療法」が新設された以外は前版とほぼ同じ構成であり、それぞれに最新の知見が網羅されている。さらに、巻末に付録としてまとめられた糖尿病治療薬の一覧は、各薬剤の用法・用量や作用機序、副作用・禁忌のみならず、重要な副作用回避のための参考資料も添付されている。
 本シリーズは糖尿病治療に携わる多職種の医療スタッフに、治療に関する最新情報を提供する参考書として頻用されてきた。「2013−2015年版」も多様化した糖尿病治療を理解し、日常臨床で最適な治療を行うための力強いパートナーといえよう。多くの方々にとって座右の書となると確信する。

臨床雑誌内科112巻3号(2013年9月号)より転載
評者●東京慈恵会医科大学名誉教授 田嶼尚子