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消化器疾患最新の治療2013-2014

オンラインアクセス権付

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 菅野健太郎/上西紀夫/井廻道夫
ISBN : 978-4-524-26992-1
発行年月 : 2013年2月
判型 : B5
ページ数 : 492

在庫なし

定価10,800円(本体10,000円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

最新情報と治療方針を簡潔にまとめた「最新の治療」シリーズの消化器疾患版。巻頭トピックスでは、「新しいプロトンポンプ阻害薬」「FDの疾患概念と新規薬剤」「NASHと遺伝子多型」などの注目テーマを取り上げた。各論では主要な治療法・対症療法といった基本的治療から各疾患の診断・治療・具体的な処方例を詳述。便利なオンラインアクセス権付。

巻頭トピックス
 1.新しいプロトンポンプ阻害薬
 2.FDの疾患概念と新規薬剤
 3.慢性便秘の病態と薬剤開発
 4.消化管非吸収性抗菌薬、rifaximinとその適応
 5.robotic surgery の現状と展望
 6.ERAS(enhanced recovery after surgery)の現状と課題
 7.単孔式内視鏡手術の現状と展望
 8.C型慢性肝炎に対するテーラーメイド治療
 9.免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎
 10.NASHと遺伝子多型
T章 消化器疾患の主要な治療法
 1.栄養療法(NST、経腸栄養)
 2.輸血療法
 3.内視鏡的止血法
 4.ステント治療
 5.胃瘻造設とその管理
 6.消化器癌化学療法の主なレジメン(標準治療とサルベージ)
 7.消化器癌の緩和ケア
U章 消化器疾患の主要な対症療法
 1.腹痛
 2.悪心・嘔吐
 3.吐血・下血〜薬剤性出血を中心に
 4.下痢
 5.便秘
V章 消化管疾患
A.食道
 1.アカラシア
  a.内科的治療
  b.外科的治療─POEMについて
 2.食道炎、食道潰瘍およびGERD、NERD
 3.食道・胃静脈瘤
 4.食道癌
  a.早期癌に対する内視鏡治療
  b.進行癌の化学療法、放射線療法、狭窄対策
  c.進行癌の外科的治療
B.胃・十二指腸
 1.急性胃炎・びらん性胃炎・AGML
 2.Mallory-Weiss 症候群
 3.慢性胃炎
 4.functional dyspepsia
 5.消化性潰瘍
  a.薬物治療指針
  b.Helicobacter pylori除菌治療
  c.NSAIDs 潰瘍の治療
 6.消化性潰瘍の合併症
  a.内科的治療
  b.外科的治療
 7.胃良性上皮性腫瘍
 8.胃MALTリンパ腫
 9.胃癌
  a.早期胃癌の内視鏡治療
  b.外科的治療
  c.切除不能胃癌の治療
 10.胃術後障害
C.腸
 1.腸管感染症
 2.抗菌薬関連腸炎
  a.出血性大腸炎
  b.Clostridium difficile関連疾患
 3.吸収不良症候群
 4.蛋白漏出性胃腸症
 5.急性虫垂炎
 6.潰瘍性大腸炎
 7.Crohn病
 8.腸結核
 9.虚血性大腸炎
 10.過敏性腸症候群
 11.小腸の良性腫瘍
 12.大腸ポリープ・ポリポーシス
 13.大腸癌
  a.早期癌
  b.結腸進行癌
  c.直腸進行癌
 14.大腸憩室の合併症
  a.内科的治療
  b.外科的治療
 15.イレウス
  a.小児の場合
  b.成人の場合
 16.偽性腸閉塞
 17.放射線性大腸炎
 18.非特異性多発性小腸潰瘍症、腸管Beh〓et病
 19.痔核、痔瘻、裂肛
D.消化管全般にわたるもの
 1.急性腹症
 2.好酸球性消化管障害
 3.膠原病の消化器病変
 4.angioectasia(angiodysplasia)
 5.消化管悪性リンパ腫
 6.消化管カルチノイド(神経内分泌腫瘍、NETs)
 7.消化管間質腫瘍(GIST)
 8.横隔膜ヘルニア
W章 肝・胆・膵疾患
A.肝
 1.A型肝炎、B型肝炎
 2.C型急性肝炎
 3.劇症肝炎
 4.B型慢性肝炎
 5.C型慢性肝炎
 6.自己免疫性肝炎
 7.薬物性肝障害
 8.アルコール性肝障害
 9.NAFLD(NASH/NAFL)
 10.肝硬変
  a.一般的治療、外来管理
  b.反復性肝性脳症
  c.腹水
 11.原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎
 12.代謝性肝疾患
 13.肝膿瘍
 14.肝嚢胞
 15.肝良性腫瘍
 16.肝細胞癌
  a.非観血的治療
  b.外科手術と集学的治療
 17.肝内胆管癌(胆管細胞癌)
 18.転移性肝癌
 19.生体肝移植
B.胆
 1.胆道閉鎖症
 2.胆道感染症
 3.胆嚢・胆管結石症
  a.非観血的治療
  b.観血的治療
 4.胆嚢・胆道癌
C.膵
 1.急性膵炎
  a.内科的治療
  b.外科的治療
 2.慢性膵炎
  a.内科的治療
  b.外科的治療
 3.膵嚢胞性疾患
 4.膵癌
巻末付録
 1.消化器疾患におけるよりよいインフォームドコンセントの要件
 2.主な消化器系薬剤一覧表
  A.消化性潰瘍治療薬
  B.胃腸機能調整薬
  C.健胃消化薬
  D.炎症性腸疾患治療薬
  E.過敏性腸症候群治療薬
  F.止痢薬・整腸薬
  G.下剤
  H.肝・膵治療薬
  I.利胆薬
  J.抗菌薬
  K.消化吸収阻害薬
  L.代謝機能活性薬
  M.抗肥満薬・消化管ホルモン関連薬
  N.消化器癌に用いられる抗悪性腫瘍薬
  O.抗腫瘍薬による嘔気の防止薬
  P.その他の消化器系薬剤
  Q.漢方薬
索引

『消化器疾患最新の治療』は2年ごとの改訂で、最新の消化器病診療に関する情報を提供してきた。過去2年の間に新たに登場した治療法、あるいは大きく進歩した治療法について、「巻頭トピックス」として紹介し、各消化器疾患の現時点での最新の治療法をその後に配している。診断法、治療法の進歩は目覚ましく、診断法にしても、治療法にしても短期間のうちに時代遅れになるものもある。理想的には毎年、あるいは“Up To Date”のようにさらに頻回に改訂を繰り返すほうがよりタイムリーな情報を提供しうると考えられるが、編集者、執筆者などさまざまな因子がこの改訂の間隔に関与し、頻回の改訂はなかなか困難である。電子配信にして、必要に応じて修正、変更を加えていくことも一つの方法かもしれない。
 日本社会の高齢化、肥満の増加等に伴い、疾病構造も変化してきている。高齢化の最大の問題は免疫機能の低下である。加齢に伴い調節性T細胞は増加し、免疫機能の低下、変調が進み、易感染性となり発癌も増加する。肥満の増加はインスリン抵抗性が関連する生活習慣病の増加をもたらす。消化器疾患においては非アルコール性脂肪性肝疾患および炎症性腸疾患の増加に繋がっている。肥満はまた発癌にも関与している。今後はいかに免疫機能を補っていくか、肥満、インスリン抵抗性を是正するかが、感染・発癌の予防、生活習慣病・炎症性疾患の予防・治療において重要な課題となっていくであろう。
 高い確率で肝発癌がみられるC型肝炎ウイルス感染に対しては、世界的に新しい抗ウイルス薬の開発が急速に進んでいる。この2年間に難治性のC型慢性肝炎に対してペグインターフェロン、リバビリンに第一世代の抗ウイルス薬テラプレビルを併用する治療法が登場し、7割以上の患者でウイルス排除が可能となった。まもなく登場する第二世代の抗ウイルス薬は第一世代の抗ウイルス薬よりも副作用が少なく、かつ効果は高い。さらには副作用の強いペグインターフェロン、リバビリンを含まない抗ウイルス薬の組合せによる副作用の極めて少ない治療法の登場も迫っている。同様に炎症性腸疾患をはじめ、さまざまな消化器疾患でも効果の高い治療薬の開発が進み、登場してきている。肝癌の治療においては、小肝癌でもPIVKA-Uが高いもの、あるいは辺縁の血流が亢進したものに対してはラジオ波焼灼療法では肝内転移が起こりやすいために外科的切除を行うが、外科的切除が困難な患者では粒子線療法(保険適用外)やサイバーナイフ治療(保険適用)が勧められるという報告もなされている。内視鏡治療の進歩も目覚ましい。
 消化器外科領域では、消化器疾患に対する低侵襲治療がさらに進歩し、消化管のみならず肝疾患、膵臓疾患についても腹腔鏡下手術が適用されている。さらに、robotic surgeryの導入も相次ぎ、食道癌や直腸癌に対して先進治療として行われているが、まだまだ課題が多い。一方、進行癌や再発・切除不能癌に対する化学療法も進歩・拡大してきており、多くの分子標的薬が使用されているが、その効果と医療経済の2つの面を考慮しつつ適正な使用が求められている。
 本書では各学会等から報告されているガイドラインの紹介とともに「役に立つ豆知識」「トピックス」「治療の奥の手」「治療のご法度」を各所に配置し、読者の先生により興味深く読んでいただけるように工夫している。また、今版からは「患者への説明のポイント」を各項目の冒頭に箇条書きで簡潔にまとめるとともに、「オンラインアクセス権付き」として、購入した方に電子媒体で本書を閲覧できるサービスを始めた。こうした試みが読者の方々のお役に立てば幸いである。
2013年1月
編者

『消化器疾患最新の治療2013-2014』が発行された。本書は2年ごとに改訂され、常に最新の消化器病学の知識を供給することが基本になっている。今回の編者は日本消化器病学会理事長の菅野健太郎先生、日本消化器内視鏡学会前理事長の上西紀夫先生および日本肝臓学会前理事長の井廻道夫先生である。つまり、日本の消化器病学の頂点に立っている3人の先生による編集であるから、重要な消化器疾患のすべてを網羅しているのは当然ともいえる。
 巻頭トピックスにおいて、近年話題になっている消化器疾患の興味深い事項が解説されており、本書を手に取ったときまず読んでおいたほうがよいと思われる。最初の項の新しいプロトンポンプ阻害薬では、現在開発中のカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P?CAB)のことまで記されており、消化器領域の最新の状況が理解しやすい。
 消化器疾患の主要な治療法と対症療法が独立した章になっているのは、面白い試みである。教科書であれば、項目が多くなり、重要と思いつつ独立させにくい分野であるが、2年ごとの改訂の本書では、その時々のタイムリーな項目の編集が可能になったと考えられる。腹痛や下痢、便秘などへの最新の対症療法が理解できるので便利である。
 各論では、消化管疾患と肝・胆・膵疾患に分けて各疾患の専門家によって詳述されている。疾患の解説の前に、患者への説明のポイントが述べられているのが本書の特筆すべき事項の一つである。この部分は実地診療においてきわめて重要な地位を占めているところなので、熟読する必要がある。たとえば、慢性胃炎の項では、上腹部症状と胃炎の程度は関連しない、原因の大半はHelicobacter pylori感染に基づき根本的な治療法は除菌療法である、萎縮性胃炎は胃癌のリスクであり、除菌により胃癌のリスクを軽減できる可能性があるが、除菌成功後も癌が発生する可能性はあり、胃癌検診が必要であると患者の説明に必要な重要事項のすべてが簡潔に述べられている。
 本書には消化器病診療における最新の知識がわかりやすく満載されており、研修医はもとより専門医にも十分な読み応えのある良書である。

臨床雑誌内科112巻2号(2013年8月号)より転載
評者●北海道大学大学院医学研究科がん予防内科特任教授 浅香正博

本書は1989年に初版が発刊されて以来、2年ごとの改訂が行われ、最新の消化器疾患診療に関する“up to date”な情報を提供してきた有益な書である。2年ごとの改訂の間に新たに登場した治療法、あるいは大きく進歩した治療法について、「巻頭トピックス」として紹介し、各消化器疾患の現時点での最新の治療法が系統的に解説されており、実地臨床で即座に応用可能な内容となっている。また、今版からは「患者への説明のポイント」が各項目の冒頭に箇条書きで簡潔にまとめられており、研修医のみならず専門医にとっても、消化器疾患診療についての現時点での最新の考え方、治療方針を整理するうえで有用である。そして、専門外の分野でも短時間で知識を最新化して整理できるありがたさがある。
 本書では、各学会などから報告されているガイドラインの紹介とともに、「役に立つ豆知識」、「トピックス」、「治療の奥の手」、「治療のご法度」が関連分野の各所に配置され、わかりやすく解説されており、読者の先生方により興味深く読んでいただけるように工夫されている点も特徴といえる。消化器疾患に対する多くの薬剤情報を、巻末付録に「主な消化器系薬剤一覧表」として機能的にまとめてあり、薬剤知識が統合され理解しやすいばかりでなく、薬剤選択の際にも非常に理解しやすい構成となっている。
 また、新しいプロトンポンプ阻害薬、robotic surgery、単孔式内視鏡手術、消化器化学療法・分子標的薬、免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と遺伝子多型、消化器疾患におけるよりよいインフォームド・コンセントの要件など、実際の臨床現場で遭遇する状況に必要とされる最新の知見が、自己学習の助けになるように最新の文献引用とともに解説されており、まさに“up to date”な診療情報を提供し続けている至極の指南書といえる。
 本書は、「オンラインアクセス権付」としてWeb書庫を経由しAndroid端末、iPadなどでも閲覧可能なサービスを提供しているので、臨床の現場で即座に閲覧可能であり、消化器疾患の診療における最新情報の理解に非常に役立つものとなっているため、ぜひとも常備しておきたい1冊である。

臨床雑誌外科75巻7号(2013年7月号)より転載
評者●新潟大学消化器・一般外科教授 若井俊文