書籍

これでわかるピロリ除菌療法と保険適用改訂第4版

ガイドラインに基づく活用法

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

: 高橋信一
ISBN : 978-4-524-26898-6
発行年月 : 2012年10月
判型 : A5
ページ数 : 118

在庫なし

定価2,700円(本体2,500円 + 税)


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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

消化管診療には欠かせないピロリ除菌療法のわかりやすい解説書。好評の最新の保険点数、よくみるケースのレセプト記入例の収載に加え、今改訂では感染診断の同時算定や保険適用疾患拡大についても盛り込んだ。ピロリ菌の基礎知識から、感染診断・除菌治療の実際、インフォームド・コンセントまで、ピロリ除菌に関する具体的な知識を網羅した実地臨床現場ですぐに役立つ一冊。

第I章 インフォームド・コンセントに最低必要なピロリ菌の基礎知識
 A.なぜ長い間発見されなかったのか、命名の由来は
 B.本当に高酸の胃内に生存できるのか
 C.感染経路として何が考えられるのか
 D.予防法はあるのか
第II章 ピロリ菌の診断・治療ガイドライン
 A.なぜガイドラインが必要なのか
 B.なぜ除菌するのか、疾患とのかかわり、適応疾患は
 C.ピロリ菌感染診断の方法は
 D.ピロリ菌の除菌法は
第III章 保険適用されたピロリ菌除菌療法の実際
 A.適用疾患
 B.診断法
 C.除菌法
 D.除菌療法後の潰瘍治療
 E.保険請求の実際
第IV章 除菌療法に伴う副作用とその対策について
 A.薬剤の副作用
 B.薬剤耐性菌の出現
 C.上部消化管粘膜障害の発生
 D.その他
第V章 患者さんへの情報提供、インフォームド・コンセントの実際
 A.適応
 B.診断
 C.治療
第VI章 専門医への紹介のポイント
第VII章 ピロリ菌除菌の保険適用「Q and A]」
 A.除菌の対象患者について
 B.感染診断について
 C.除菌治療について
 D.保険算定の実際について
 E.その他
付録
 1.保険診療におけるH. pylori感染診断から除菌判定までの流れ
 2.H. pylori除菌薬に係る薬事法承認事項(1次除菌)
 3.H. pylori除菌薬に係る薬事法承認事項(2次除菌)
 4.H. pylori診断法の医科診療報酬点数
参考文献
おわりに
索引

本書初版は、2000年の消化性潰瘍に対するHelicobacter pyloriの保険収載を受け、その適正な適用を願い、翌2001年に上梓いたしました。幸い多くの読者に恵まれ、適正なH. pylori除菌療法の推進に少しは貢献できたのではと自負しております。
 現在、前回の改訂第3版から3年余りが経過しましたが、この間除菌療法を取り巻く環境に大きな変化がありました。まず感染診断法の同時算定です。2010年4月の保険改正により、限定はありますが2種類の感染検査が保険上同時併施できるようになりました。H. pylori除菌療法における検査精度の重要性が認められたものでしょう。また、2010年6月には保険適用疾患の拡大もありました。従来の消化性潰瘍に加え、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、そして早期胃癌に対する内視鏡治療後胃に対するH. pyloriの除菌が保険適用となりました。悪性疾患や血液疾患に対する除菌、さらには癌再発予防治療についての除菌が適用となりました。大きな喜びでしたが、これには日本ヘリコバクター学会より発表された「Helicobacter pylori感染の診断と治療のガイドライン2009改訂版」の貢献が大変に大きいといえるでしょう。さらに科学的にH. pylori除菌による胃癌予防効果が証明され、感染者全員の除菌が強く望まれております。その際、多くが自費診療となるため、その適正な遂行において本書の役割が非常に大きなものだと考えております。
 このようなことで、本書を再度改訂することにいたしました。最新の情報でH. pyloriの除菌に取り組んでいただきたいと考えたものです。幸い南江堂のご協力をいただき、ここに完成いたしました。慢性胃炎の保険適用が待たれる中、本書により的確な除菌療法が行われ、多くの患者さんのお役に立てることを念願しております。
著者

本書はすでに改訂第4版となる。初めてヘリコバクター・ピロリ感染の診療を始める先生から、H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医を目指す先生まで、幅広く勉強のできるテキストである。厚い、重い本は読みにくい。手軽にもち歩くことのできる、寝ころがって読める重さのものがベストで、多くの写真や図表が掲載されており、項目もわかりやすく、必要とする事項がぱらぱらと捲るだけで理解することができる。ピロリ感染の診断と治療に関しては、これまで多くの雑誌の特集号や著書があるが、本書は多忙な実地臨床の場で簡便に活用できる著書である。コンパクトにまとめられてはいるが、ピロリ感染に関する基礎知識から、診断・治療のガイドライン、除菌治療の実際と副作用、耐性菌の問題、患者さんへのインフォームド・コンセントの実際、さらに、診断法の診療報酬点数まで記載されている。初版発刊以来、本書で特徴的なのは、保険請求の実際が診療報酬明細書をもとに詳細に提示されていることである。実地診療に長く従事し、ピロリ感染症の診断と治療に黎明期から従事され、多くの障害と戦う苦労をされ、さらに、乗り越えられてきた高橋信一先生ならではの配慮である。その苦労は、本書の第VII章のピロリ菌除菌の保険適用「Q and A」に見事に表れている。私も、H.pylor(i ピロリ菌)感染症認定医の一人として診療を行っているが、弱点は保険診療であり、いつも本書を活用させていただいている。
 「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に対する効能・効果追加の公知申請が、2013年2月21日に承認されて、同月22日より除菌治療が可能となった。除菌前の上部消化管内視鏡検査が必要であるが、ピロリ菌の除菌はいよいよ実地診療で行われる一般的な治療となった。このような時期に本書が改訂され出版されることは非常にタイムリーである。ピロリ感染の診断・治療法、除菌判定について詳細に、かつ具体的に記載されており、はじめてピロリ菌の診断と治療を行う先生にも安心して勧められるテキストである。今後ますますピロリの感染診断と治療は消化器疾患の診療において重要な位置を占めてくる。本書を読破することにより、ヘリコバクター・ピロリ感染症の正しい、最新の知識を身につけることができる。次のステップは、H.pylor(i ピロリ菌)感染症認定医であり、ぜひ、日本ヘリコバクター学会に入会し、認定医を目指してほしい。本書を読めば、必ずやゴールにいたると確信している。

臨床雑誌内科111巻6号(2013年6月増大号)より転載
評者●川崎医科大学消化管内科教授 春間賢