教科書

これからの公衆衛生学改訂第2版

社会・環境と健康

編集 : 田中平三
ISBN : 978-4-524-26892-4
発行年月 : 2013年4月
判型 : B5
ページ数 : 342

在庫なし

定価3,456円(本体3,200円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

健康をめぐる行動特性とメカニズム、社会・環境とその変化が健康に与える影響、健康増進・疾病予防の考え方と取り組み、保健・医療・福祉・介護システム等、すべてのコメディカルスタッフに必須の公衆衛生学をわかりやすく解説した、学びやすい、教えやすいテキスト。管理栄養士国家試験ガイドライン「社会・環境と健康」準拠。第2版では「健康日本21(第2次)」等最新トピックを盛り込み、統計データ、章立てを含め更新。国家試験形式練習問題も充実。

第1章 公衆衛生の基本
 1.医学の一分野としての公衆衛生学
 2.公衆衛生の概念
  [1]公衆衛生(学)の定義
  [2]健康の概念
  [3]予防医学
  [4]プライマリヘルスケア
  [5]ヘルスプロモーション
 3.公衆衛生活動
  [1]公衆衛生活動の過程
  [2]プレシード・プロシードモデル
  [3]ハイリスクストラテジーとポピュレーションストラテジー
  [4]行動科学的接近
 4.公衆衛生の歴史
  [1]狩猟採集時代から古代文明へ
  [2]古代ギリシャ・ローマ時代
  [3]中世暗黒時代と十字軍
  [4]ルネサンスから重商主義国家の成立へ
  [5]市民革命と産業革命
  [6]日本の明治時代
  [7]第二次世界大戦後
  [8]新公衆衛生運動
  [9]日本の公衆衛生
  [10]世界の公衆衛生
□練習問題
第2章 保健統計
 1.人口静態統計(国勢調査)
  [1]国勢調査
  [2]わが国の人口の推移
  [3]人口ピラミッド
  [4]人口指標
  [5]少子化と高齢化
  [6]世界の人口
 2.人口動態統計
  [1]人口動態調査の方法
  [2]国際疾病分類(ICD)
  [3]人口動態統計による重要な指標
  [4]年齢調整の計算方法
  [5]人口動態統計の概況
  [6]出生数と合計特殊出生率の状況
  [7]死亡に関する状況
 3.生命表
  [1]生命表の作成方法
  [2]平均寿命、平均余命の推移
  [3]健康寿命
 4.傷病統計
  [1]患者調査
  [2]国民生活基礎調査
□練習問題
第3章 疫学
 1.疫学の概念
  [1]疫学の定義、対象と領域
  [2]疫学の方法論
  [3]多要因原因説
 2.疾病頻度の測定
  [1]頻度について
  [2]罹患率
  [3]累積罹患率
  [4]有病率
  [5]死亡率
 3.疫学の方法
  [1]記述疫学
  Box 場所の記述による疫学研究の例
  [2]横断研究(広義)
  [3]症例対照研究
  [4]コホート研究
  Box1 人口寄与危険の式の証明
  Box2 人口寄与危険割合の式の証明
  [5]介入研究(無作為化比較試験)
 4.因果関係
 5.科学的根拠(エビデンス)
  [1]疫学の方法とエビデンスのレベル
  [2]系統的(システマティック)レビューとメタアナリシス
 6.バイアス(偏り)と交絡
  [1]バイアス
  [2]交絡因子について
  [3]交絡の調整について
 7.測定誤差と精密度・正確度
  [1]ランダム誤差と精密度、再現性
  [2]系統的誤差と正確度
 8.基準値と基準範囲
 9.スクリーニング
  [1]敏感度、特異度、ROC曲線
  [2]陽性反応的中度、陰性反応的中度
  [3]健康診断・集団検診への適用条件
10.疫学研究と倫理
  [1]健康情報の管理
  [2]個人情報保護
  [3]説明同意書(インフォームド・コンセント)
  [4]厚生労働省・文部科学省「疫学研究に関する倫理指針」
□練習問題
第4章 生活習慣の現状
 1.栄養・食生活
  [1]エネルギー・栄養素摂取量の推移
  [2]食品群別摂取量の推移
 2.身体活動・運動
  [1]身体活動・運動
  [2]体力
  [3]健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)
 3.睡眠・休養・ストレス
  [1]睡眠
  [2]休養
  [3]ストレス
 4.喫煙
  [1]喫煙の現状
  [2]喫煙の健康影響および社会的問題
  [3]喫煙対策
 5.飲酒
  [1]飲酒
  [2]飲酒の健康影響および社会的問題
  [3]アルコール対策
 6.性生活の健康影響および社会的問題
□練習問題
第5章 主要疾患の疫学と予防対策
 1.生活習慣病の概念
  [1]生活習慣病とは
  [2]健康日本21(第2次)
  [3]診療ガイドライン
   A.高血圧
   B.脂質異常症
   C.糖尿病
   D.肥満症
  Box1 脂肪細胞の量的異常・質的異常による肥満症
  Box2 肥満症治療食と超低エネルギー食
   E.慢性腎臓病(CKD)
 2.がん(悪性新生物)
  [1]がん対策基本法、がん対策推進基本計画
  [2]生活習慣とがんリスク、一次予防
  [3]がん検診
  Box 健診と検診
  [4]部位別悪性新生物年齢調整死亡率の推移
 3.循環器疾患
  [1]高血圧
  [2]脳卒中
  [3]虚血性心疾患
 4.栄養・代謝疾患
  [1]肥満、メタボリックシンドローム
  [2]糖尿病
  [3]脂質異常症
 5.骨・関節の疾患
  [1]骨粗鬆症
  [2]変形性関節症
  [3]関節リウマチ
  [4]ロコモティブシンドローム
 6.消化器疾患
  [1]胃の疾患
  [2]大腸の疾患
  [3]肝臓病
 7.歯科・口腔疾患
  [1]歯科保健行動
  [2]栄養・食生活と歯の健康
  [3]う歯
  [4]歯周疾患
 8.腎臓病
 9.呼吸器疾患
 10.精神疾患
  [1]気分障害
  [2]統合失調症
  [3]不安障害
  [4]薬物依存症
  [5]精神保健・福祉対策
  [6]こころの健康
  Box K6:うつ病・不安障害などのスクリーニングテスト
 11.不慮の事故、自殺
  [1]不慮の事故
  [2]自殺
  [3]虐待、暴力
□練習問題
第6章 感染症の疫学と予防対策
 1.感染症法
 2.感染症―最近の動向
  [1]主な感染症
  [2]新興・再興感染症
  [3]結核
 3.検疫
 4.予防接種
  [1]ワクチンの種類
  [2]わが国における予防接種の現状
□練習問題
第7章 環境と健康
 1.生態系と人間
 2.環境衛生学
  [1]空気
  [2]温熱、低温
  [3]気候、季節
  [4]電離放射線
  [5]非電離放射線
 3.生活環境
  [1]上水道
  [2]下水道
  [3]廃棄物処理
  [4]悪臭
  [5]住居
  [6]ネズミ、衛生害虫
 4.環境汚染
  [1]環境基本法と環境基本計画
  [2]環境汚染
  [3]公害事例
 5.リスクアナリシス
□練習問題
第8章 産業保健(労働衛生)
 1.労働と健康
 2.労働衛生の現状
  [1]労働災害および業務上疾病の現状
  [2]労働者の健康状態
 3.労働衛生関連法規
 4.労働災害防止対策
  [1]安全衛生管理体制の確立
  [2]安全委員会
  [3]危険予知訓練(KYT)
  [4]5S活動
  [5]ツールボックス・ミーティング
  [6]ヒヤリハット活動
  [7]ヒューマンエラーを防ぐには
  [8]作業標準の作成と遵守
 5.労働衛生対策
  [1]労働衛生管理体制の確立
  [2]作業環境管理
  [3]作業管理
  [4]健康管理
  [5]労働衛生教育
 6.労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)とリスクアセスメント
 7.健康確保対策
  [1]健康づくり
  [2]脳・心臓疾患の発症の予防を図るための二次健康診断等給付
  [3]メンタルヘルス対策
  [4]地域産業保健センター、都道府県産業保健推進センター
 8.健康保持増進対策
  [1]心身両面にわたる健康保持増進
  [2]特定保健指導との調整
  [3]過重労働による健康障害防止
  [4]女性の就業制限業務
 9.職業性疾病とその予防対策
  [1]主な業務上の疾病
  [2]化学物質による健康障害とその防止対策
  [3]石綿(アスベスト)による健康障害とその防止対策
  [4]粉じん障害とその防止対策
  [5]電離放射線障害とその防止対策
  [6]酸素欠乏症とその防止対策
  [7]騒音障害とその防止対策
  [8]振動障害とその防止対策
  [9]職場における腰痛とその防止対策
  [10]熱中症とその防止対策
 10.快適な職場環境の形成
  [1]快適職場指針
  [2]職場におけるたばこ対策
  [3]職場環境の心理的・制度的側面の快適化
□練習問題
第9章 地域保健・衛生行政
 1.地域保健法
 2.衛生行政の組織
 3.保健所、市町村保健センター
 4.地域保健従事者
 5.地域における保健・医療・福祉・介護の連携
 6.健康危機管理
□練習問題
第10章 保健・医療・福祉の制度
 1.社会保障―定義と歴史的な変化
 2.保健・医療・福祉における行政の仕組み
  [1]国の役割と法律
  [2]衛生法規の定義とその内容
  Box ソーシャルキャピタル
  [3]地方自治の仕組み
  [4]都道府県の役割
  [5]市町村の役割
 3.医療制度
  [1]医療保険制度
  [2]医療施設
  [3]医療従事者
  [4]医療法
 4.社会福祉制度
  [1]社会福祉
  [2]社会福祉施設
  [3]障害者(児)福祉と障害者(児)福祉施設
  [4]在宅ケア、訪問看護
  [5]福祉関連法規
□練習問題
第11章 母子保健
 1.母子保健法
 2.母子保健対策
  [1]妊娠届および母子健康手帳の交付
  [2]健康診査
  [3]保健指導
  [4]医療対策
  [5]「健やか親子21」
 3.母子保健の基盤整備
 4.少子化対策、子ども子育てビジョン
□練習問題
第12章 高齢者の保健・介護
 1.高齢者保健・介護の概要
  [1]わが国における高齢者の現状
  [2]高齢者の健康
  [3]高齢者医療確保法
  [4]わが国における介護の現状
 2.介護保険法の概要
 3.介護予防
 4.地域包括支援センター
 5.要介護認定とケアマネジメント
  [1]要介護認定
  [2]ケアマネジメント
 6.介護施設、老人保健施設
 7.安心と希望の介護ビジョン
□練習問題
第13章 学校保健
 1.学童期の健康状況
 2.保健教育、保健管理
  [1]保健教育
  [2]保健管理
  [3]保健組織活動
 3.学校給食
 4.栄養教諭および食育について
  [1]栄養教諭
  [2]食育について
  Box 食育、栄養教育および栄養指導について
□練習問題
第14章 国際保健
 1.国際機関
  [1]国際連合(UN)
  [2]世界保健機関(WHO)
  [3]国連食糧農業機関(FAO)
  [4]コーデックス委員会(CAC)
  [5]国連児童基金(UNICEF)
 2.国際交流・協力
  [1]国際協力機構(JICA)
□練習問題
参考文献
練習問題解答
和文索引
欧文索引

2010年12月に管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)が改定された。大きな特徴は出題の範囲が広くなったことである。介護保険制度等、保健・医療・福祉制度に関するものは法律の改正が頻繁に行われるであろう。したがって、出題基準の範囲の拡大、大幅な改定の傾向は、今後4年ごとに出題基準が改定されるときにも続くものと予想されている。また、今回の改定では、「主要疾患の疫学と予防対策」に多くの疾患が新たに追加された。しかも大項目あるいは中項目と考えられる肝臓疾患、腎臓疾患、消化器疾患、呼吸器疾患が小項目である。そして、今回の改定ガイドラインは1年3ヵ月後の2012年3月の国家試験から適用され、多くの管理栄養士養成課程の教員は、その対応に追われた。この教科書は、その対応のお手本となるように努めた。
 「社会・環境と健康」を担当している教員の多くは医科大学・医学部の衛生学・公衆衛生学教室で研究と教育に従事してきた。このような教員が教えやすいように工夫をしたのが、この教科書の大きな特徴である。疫学の原理と方法、主要疾患の疫学と予防対策、環境保健学(環境衛生学)、産業保健学(労働衛生学)を管理栄養士養成課程の学生が理解しやすいように記述した。国家試験合格後にも臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理等の分野で有用となるように配慮した。専門基礎分野である「社会・環境と健康」が専門分野の科目にスムーズにつながるように試みた。
 今後の国家試験出題基準の改定にも、本書はできるだけ早く対応していくことにしている。その一方で、管理栄養士養成課程におけるカリキュラム、教育のあり方・理念等が、厚生労働省あるいは文部科学省からではなく、教員側がリーダーシップをとって、当局に提言していくことになることを祈念している。

2013年3月
田中平三