書籍

アトラス応急処置マニュアル原書第9版増補版

監訳 : 山本保博/黒川顯
翻訳主幹 : 横田裕行/大友康裕
ISBN : 978-4-524-26868-9
発行年月 : 2012年9月
判型 : A5
ページ数 : 286

在庫あり

定価3,024円(本体2,800円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

現場で求められる応急処置の考え方と手順の要点を、豊富なカラー写真でわかりやすく解説した好評書。実際の手順のみならず、病態生理や応急処置の基本的事項についても充実した内容となっている。今増補版では、AHAガイドライン2010に準拠してCPRやケース別対応の記述を見直すとともに、応急処置に関する規則などの情報を最新のものとした。

First Aid Mannual revised 9th edition
St John Ambulance,
St Andrew's First Aid,
and the British Red Cross

はじめに

1 応急処置施行者となるために
応急処置施行者とは?
感染防御
傷病者の扱い
救助の要請
薬の使用
何をしなければならないかを知る

2 事故への対処
緊急時の行動
交通事故
火災
電撃傷
溺水者の救助
大規模災害、事件、事故

3 傷病者の評価
傷病者の評価
受傷機転
初期評価
二次評価
頭から足先までの観察
バイタルサインの観察

4 意識のない傷病者
呼吸と循環
救命手順
意識のない成人
意識のない小児
意識のない乳児
AEDの使用方法

5 呼吸器系の障害
呼吸器系
低酸素血症
成人の窒息
小児の窒息
乳児の窒息
気道閉塞
縊頸(首つり)と絞頸
有毒ガスの吸入
溺水
過換気
喘息
クループ
穿通性胸部外傷

6 創傷と循環
心臓と血管
出血と創傷の種類
心臓発作
狭心症
失神
内出血
重篤な外出血
ショック
杙創
切断
圧挫損傷
切創と擦過傷
打撲傷
水疱
感染創
創の異物
頭皮および頭部の創傷
眼の外傷
耳出血
鼻出血
永久歯の損傷
口からの出血
手のひらの損傷
関節窩の損傷
腹部の創傷
腟からの出血
静脈瘤からの出血

7 骨、関節および筋肉の損傷
骨格
骨、筋肉と関節
骨折
関節の脱臼
肉離れと捻挫
顔面外傷
頬骨と鼻骨の損傷
下顎骨の損傷
鎖骨骨折
肩関節の損傷
上腕の損傷
肘関節の損傷
前腕と手関節の損傷
手と指の損傷
肋骨骨折
腰痛
股関節と大腿部損傷
骨盤骨折
膝関節の損傷
下腿の損傷
足関節の損傷
足部と足趾の損傷
攣る

8 神経系の障害
神経系
意識障害
頭部外傷
脳振盪
脳への圧迫
成人の痙攣
欠神発作
小児の痙攣
脊柱の損傷
脳血管障害

9 高温と低温による影響
皮膚
熱傷の評価
重症熱傷・湯傷(熱湯熱傷)
軽症熱傷・湯傷 (熱湯熱傷)
気道熱傷
電撃症
化学熱傷
眼の化学熱傷
眼の閃光熱傷
CSスプレー障害
脱水症
日焼け
熱疲労
熱射病
低体温症
凍傷

10 異物、中毒、咬傷と刺創
感覚器
とげ
埋没した釣り針
眼の異物
耳の異物
鼻の異物
毒物による身体への影響
毒物の種類
嚥下による中毒
薬物中毒
アルコール中毒
動物や人間による咬傷
昆虫による刺創
その他の咬傷や刺創
ダニ咬傷
ヘビ咬傷
毒を持つ海の生物による刺創
針を持つ海の生物による刺創

11 その他の症状
糖尿病
高血糖
低血糖
アレルギー
アナフィラキシーショック
発熱
髄膜炎
頭 痛
偏頭痛
耳の痛み、歯の痛み
喉の痛み
腹痛
嘔吐と下痢
出産
緊急分娩

12 手技と備品
衣服の脱がせ方
ヘッドギアの外し方
傷病者の取り扱い
応急処置資器材
創傷の被覆
冷湿布
包帯の原則
巻き包帯
筒状包帯
三角巾
こま結び
腕の吊り方
挙上包帯
間に合わせの吊り道具

13 救命救急処置
緊急時の対応
成人への心肺蘇生
小児への心肺蘇生
乳児への心肺蘇生
成人の窒息
小児の窒息
乳児の窒息
喘息
心臓発作
重篤な外出血
ショック
骨折
頭部外傷
成人の痙攣発作
小児の痙攣発作
脊柱の損傷
脳卒中
熱傷
低体温症
異物誤飲
低血糖発作
アナフィラキシーショック
髄膜炎

応急処置に関する規則
索引
ACKNOWLEDGMENTS

プレホスピタルケアの充実が叫ばれて久しいが、一般市民、救急隊員、救急救命士への応急処置に対する動機づけ、教育、訓練、生涯教育等、難しい問題も多く、近年の救急医学のめざましい発展をもってしても、現在、道半ばの状況である。
 前版である原書第8版の訳本が発行された2004年以降も、AHA(American Heart Association)から心肺蘇生法の新しいガイドラインが発表された(2010年)ことや、救急救命士の業務拡大がなされてきていることなど、プレホスピタルの現場にも様々な変化の波が押し寄せている。
 本書『アトラス応急処置マニュアル』は、世界各国に支部を持つイギリスの最も大きな救急救命ボランティア組織である聖ジョン救急機構や、聖アンドリュース応急処置協会、英国赤十字社の協力によりまとめられたものの翻訳である。
 本書の特徴は、カラー写真を手順ごと要所要所に掲載して視覚的な内容補充が図られ、たいへん理解しやすいことで、そのため応急処置の手引書として幅広い読者から好評を得てきた。しかし、AHAによる2005年、および2010年の心肺蘇生法ガイドラインの改訂など、最新の救急医学医療の動向を踏まえた応急処置の新しい考え方が導入されるに従い、応急処置そのものも変更を余儀なくされている。また、救急現場での傷病者の傷害および疾患ごとに、何が体内に起こっているからこの症状や徴候が出現するのだという因果関係を理解することが、より重要になってきた。
 原書第9版の発行から1年余が経ち、AHAによる2010年のガイドラインの改訂内容に沿って、心肺蘇生法に関する記述を改めたrevised版が発行され、今回の増補版を発行するにいたった。内容としては、これまで同様プレホスピタルケアの現場で求められることを簡潔にまとめ、わかりやすく理解させることを主眼とした編集がなされている。実際のプレホスピタルケアの現場で一刻を争って救命処置、応急処置、迅速搬送などに全力であたっている救急救命士、救急隊員だけではなく、看護師、一般市民を含めた応急処置の現場に関わるすべての人々にとって、貴重なマニュアルになることは間違いない。
 また、新しい知識や技術、処置の流れ、めずらしい症例、興味あるアイデアなどの囲み欄が多く掲載されている。そのうえ、知りたいことや注意すべき内容にすばやく到達できるような配慮がなされ、わかりやすさ、読みやすさにも、前版よりさらに心配りがされている。
 本書を読み、世界の最先端の応急処置を学ばれた読者が、それぞれの現場で一人でも多くの人を救命されることを願っている。

2012年5月
日本医科大学名誉教授
日本私立学校振興・共済事業団東京臨海病院病院長
山本保博