教科書

健康・栄養科学シリーズ

臨床栄養学改訂第2版

監修 : 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
編集 : 中村丁次/小松龍史/杉山みち子/川島由起子
ISBN : 978-4-524-26838-2
発行年月 : 2014年3月
判型 : B5
ページ数 : 467

在庫あり

定価4,104円(本体3,800円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

傷病者の病態・栄養状態を的確に把握し最適の栄養マネジメントを行うためのテキスト。総論で栄養マネジメントの流れ、食事療法・栄養補給法の基礎、薬との相互作用などを総合的に理解し、各論の各重要疾患の栄養マネジメントの実際を学べるよう構成。第2版では、改定管理栄養士国家試験出題基準に準拠し、新たに重要疾患を加え、最新診断基準に更新、解説をさらに分かりやすく充実した。

第1章 臨床栄養学の基礎
 A.意義と目的
 B.疾患と栄養
 C.医療・介護制度の基本
 D.医療と臨床栄養
 E.福祉・介護と臨床栄養
第2章 チーム医療
 A.チーム医療とは
 B.各種チーム医療の実際
第3章 栄養ケア・マネジメント
 A.栄養ケアとマネジメントとは
 B.栄養ケア・マネジメント(NCM)と制度
 C.クリニカル・パス
 D.栄養ケア・マネジメント(NCM)の業務時間
第4章 傷病者の栄養アセスメント
 A.意義と目的
 B.栄養スクリーニングとアセスメント
 C.臨床診査
 D.臨床検査
 E.身体計測
 F.食事調査
 G.栄養必要量の算定
 H.アセスメント
第5章 栄養ケア計画と実施
 A.栄養ケア計画とは
 B.栄養ケア計画作成の手順
 C.栄養ケア計画の実施
第6章 栄養・食事療法、栄養補給の方法
 A.栄養・食事療法と栄養補給法
 B.経口栄養補給法(栄養・食事療法)
 C.経腸栄養補給法
 D.経静脈栄養補給法
第7章 傷病者の栄養教育
 A.傷病者の栄養教育の概念
 B.診療報酬制度における栄養食事指導
 C.栄養教育の技術
 D.医療における栄養教育のマンパワー
第8章 モニタリングと評価
 A.モニタリング
 B.評価
第9章 栄養ケアの記録
 A.栄養ケア記録の意義
 B.問題志向型システム(POS)の活用
第10章 薬と栄養、食物の相互関係
 A.薬により起こる栄養および代謝異常
 B.薬による電解質の変化
 C.薬物療法における栄養の影響
第11章 栄養障害
 A.蛋白質・エネルギー栄養障害(栄養失調症)
 B.ビタミン欠乏症・過剰症
 C.ミネラル欠乏症・過剰症
第12章 肥満と代謝疾患
 A.肥満、メタボリックシンドローム
 B.糖尿病
 C.脂質異常症(高脂血症)
 D.高尿酸血症、痛風
 E.先天性代謝異常
第13章 消化器疾患
 A.口内炎、舌炎
 B.胃・食道逆流症
 C.胃・十二指腸潰瘍
 D.蛋白漏出性胃腸症
 E.炎症性腸疾患
  E-1.クローン病
  E-2.潰瘍性大腸炎
 F.過敏性腸症候群
 G.便秘
 H.肝炎
 I.肝硬変
 J.脂肪肝
 K.胆石症・胆嚢炎
 L.膵炎
第14章 循環器疾患
 A.高血圧
 B.動脈硬化症
 C.狭心症、心筋梗塞
 D.心不全
第15章 腎・尿路疾患
 A.疾患の概要
 B.栄養・食事療法
第16章 透析
 A.概要
 B.栄養・食事療法
第17章 内分泌疾患
 A.甲状腺機能亢進症
 B.甲状腺機能低下症
 C.アルドステロン症
 D.クッシング病・クッシング症候群
 E.更年期障害
第18章 感覚器・神経疾患
 A.脳出血、脳梗塞(脳血栓、脳塞栓)
 B.老年期認知症
 C.パーキンソン病・パーキンソン症候群
 D.糖尿病性網膜症・末梢神経障害
  D-1.糖尿病性網膜症
  D-2.糖尿病性末梢神経障害
第19章 摂食障害
 A.神経性食思不振症(神経性食欲不振症)
 B.神経性大食症
第20章 呼吸器疾患
 A.慢性閉塞性肺疾患
 B.気管支喘息
 C.気管支炎、肺炎
 D.肺結核
第21章 血液系の疾患・病態
 A.鉄欠乏性貧血
 B.巨赤芽球性貧血
 C.腎性貧血
 D.再生不良性貧血
 E.溶血性貧血
 F.出血性疾患
 G.白血病
第22章 筋・骨格系疾患
 A.骨粗鬆症
 B.骨軟化症・くる病
 C.変形性関節症
 D.サルコペニア
 E.廃用性症候群
第23章 免疫・アレルギー疾患
 A.疾患の概要
 B.アレルギー疾患
  B-1.食物アレルギー
 C.膠原病、自己免疫疾患
  C-1.後天性免疫不全症候群
第24章 感染症
 A.感染症の概要
  A-1.細菌感染症
  A-2.ウイルス感染症
  A-3.クラミジア・リケッチア感染症
  A-4.真菌感染症
  A-5.寄生虫症、原虫疾患
  A-6.性感染症
  A-7.院内感染症(病院感染)
  A-8.新興感染症・再興感染症
 B.栄養・食事療法
  B-1.腸チフス・パラチフス
  B-2.細菌性食中毒
第25章がん
 A.消化管のがん
  A-1.食道がん
  A-2.胃がん
  A-3.結腸がん
  A-4.直腸がん
 B.消化管以外のがん
 C.がんの緩和医療
第26章 術前・術後
 A.術前の栄養マネジメント
 B.術後侵襲
  B-1.食道切除
  B-2.胃切除後
  B-3.短腸症候群
  B-4.人工肛門造設後
  B-5.消化管以外の術後
 C.栄養・食事療法
 D.術前術後の管理の最近の動向−ERASプロトコル
第27章 クリティカル・ケア
 A.概要
 B.栄養・食事療法
第28章 摂食機能の障害
 A.疾患の概要
 B.栄養・食事療法
第29章身体・知的障害
 A.身体・知的障害の概要
 B.身体・知的障害の栄養・食事療法
 C.アルコール・薬物依存症
第30章 乳幼児・小児疾患
 A.蛋白質・エネルギー栄養障害(栄養失調症)
 B.消化不良症(乳児下痢症)
 C.周期性嘔吐症
 D.アレルギー疾患
 E.小児肥満
 F.先天性代謝異常
  F-1.フェニルケトン尿症
  F-2.メープルシロップ尿症
  F-3.ガラクトース血症
  F-4.糖原病
  F-5.ホモシスチン尿症
 G.1型糖尿病
 H.腎疾患
  H-1.ネフローゼ症候群
  H-2.急性糸球体腎炎
第31章 妊産婦・授乳婦の疾患・病態
 A.肥満
 B.貧血
 C.妊娠糖尿病
 D.妊娠高血圧症候群
第32章 老年症候群
 A.疾患の概要
 B.栄養・食事療法
 C.介護保険制度と在宅医療・栄養
参考図書
練習問題解答
和文索引
欧文索引

21世紀になり、栄養学は生命科学の一部として著しい進歩を遂げた。特に臨床栄養領域の進歩は顕著であり、例えば手術により消化管を大きく失った患者が、食べ物を一切口にできなくても、静脈にカテーテルを用いて栄養素を補給し生きていくことが可能になった。しかし、このことで全ての栄養上の問題が解決したわけではない。大多数の人々は、日常の食物からエネルギーと栄養素を補給しているが、食品の不適切な摂取により、栄養の欠乏障害や肥満・生活習慣病が引き起こされるなど保健、医療、福祉において種々の深刻な問題を起こしている。しかも、これらの問題は、従来のように単に栄養価の高い食物を供給すれば解決されるものではなく、食物の生産、加工、分配、選択、調理、献立、配食、摂食、消化・吸収、代謝、活動等が複雑に関連しており、質の高い栄養補給や健康的な食事の実践には、これらの多様な要因の改善が必要になる。
 特に味覚や栄養素の消化・吸収、代謝等に障害を持った傷病者の場合は、その調節に多くの知識と技術が必要とされ、管理栄養士には高度な専門職教育が必要とされている。各疾患の病態は、臨床生理学や分子生物学の進歩によって、より詳細に解明され栄養補給法も目的に応じて多様化し、栄養療法や食事療法のエビデンスレベルも高くなってきている。一方、このような栄養管理の高度化と多様化によって、管理栄養士の判断だけでは実践が困難となり、チーム医療を行うための多職種連携教育も必要となる。加えて医療は、病院を中心にした入院医療から、診療所や在宅を中心とした地域連携医療体制へと変わりつつある。
 2002(平成14)年、厚生労働省は、管理栄養士養成のための新たなカリキュラムと管理栄養士国家試験出題基準を示し、この変化に対応して、本書を含む「健康・栄養科学シリーズ」が刊行された。新カリキュラムで養成された管理栄養士は、保健、医療、福祉、教育をはじめとした多様な領域で専門職として活躍してきている。しかしこの間、管理栄養士を取り巻く状況は変化し、学術の進歩にも著しいことから、2010(平成22)年3月より、管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会が設置され、改定についての検討が重ねられ、12月に報告書が出た。今回は、この報告書の「臨床栄養学」に示された内容を参考にして、国家試験出題基準に示された全ての内容を網羅し、できる限り最新の知見を基に改訂を行った。
 臨床栄養学を学ぶ人々が、臨床栄養学に関する基礎的事項と最新の知識と技術を習得するために本書を活用されることを心から願っている。

平成26年1月吉日
編集者を代表して
中村丁次