書籍

今日の処方改訂第5版

編集 : 浦部晶夫/大田健/川合眞一/島田和幸/菅野健太郎
ISBN : 978-4-524-26811-5
発行年月 : 2013年11月
判型 : B6
ページ数 : 1220

在庫あり

定価7,344円(本体6,800円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

一般的な疾患の処方をシンプルにまとめた『今日の治療薬』の姉妹書。各疾患ごとに、薬剤の投与量・投与法など具体的な処方例を、病型や病態、重症度に応じて段階的に解説。今版から、禁忌・副作用などの「処方上の注意」や「専門医紹介のタイミング」などを適宜記載してさらに使いやすくなった。幅広い知識が求められる一般臨床医、“処方のいろは”を身につけたい研修医、医師の処方意図を学びたい薬剤師にとくに有用な処方マニュアル。

序章 処方についての基礎知識
1章 救急治療
 1.ショック
 2.痙攣
 3.急性酸塩基平衡障害
 4.急性脱水症
 5.肺水腫
 6.喀血
 7.消化管出血
 8.急性腹症
 9.熱傷
2章 輸液・輸血・栄養補給
 1.輸液療法の基本
 2.輸血の基本、輸血トラブル
 3.電解質異常補正法
 4.高カロリー輸液
 5.経腸栄養
3章 対症療法
 1.発熱
 2.頭痛
 3.めまい、耳鳴り
 4.不眠
 5.下痢
 6.便秘
 7.悪心・嘔吐
 8.食欲不振
 9.腹痛
 10.しゃっくり(吃逆)
 11.口臭
 12.鼓腸
 13.喀痰
 14.咳
 15.くしゃみ、鼻汁、鼻閉
 16.筋肉痛、関節痛、腰痛
 17.痒み
 18.浮腫
4章 循環器疾患
 1.心房細動・粗動、発作性上室頻拍
 2.心室期外収縮、心室頻拍
 3.心室細動・粗動
 4.徐脈性不整脈
 5.安定労作性狭心症
 6.不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞
 7.急性心筋梗塞(ST上昇型心筋梗塞)
 8.陳旧性心筋梗塞
 9.急性左心不全
 10.慢性うっ血性心不全
 11.心臓弁膜症
 12.感染性心内膜炎
 13.拡張型心筋症
 14.肥大型心筋症
 15.大動脈瘤、大動脈解離
 16.閉塞性動脈硬化症
 17.Raynaud病
 18.深部静脈血栓症
 19.高血圧症
 20.低血圧症、起立性低血圧
5章 呼吸器疾患
 1.肺結核症
 2.非結核性抗酸菌症
 3.気管支喘息
 4.びまん性汎細気管支炎、副鼻腔気管支症候群
 5.COPD(慢性閉塞性肺疾患)
 6.気管支拡張症
 7.肺癌
 8.特発性間質性肺炎
 9.好酸球性肺炎
 10.サルコイドーシス
 11.Wegener肉芽腫症
 12.過敏性肺炎
 13.医原性肺疾患(薬剤性肺炎、放射線肺炎)
 14.肺動脈性肺高血圧症
 15.肺血栓塞栓症
 16.肺性心
 17.過換気症候群
 18.CO2ナルコーシス
 19.急性呼吸促迫症候群(ARDS)
 20.胸膜炎、膿胸
6章 消化器疾患
 1.口内炎、舌炎
 2.食道炎、食道潰瘍
 3.食道癌
 4.急性胃炎
 5.慢性胃炎
 6.functional dyspepsia(機能性ディスペプシア)
 7.胃・十二指腸潰瘍
 8.胃癌
 9.胃切除後症候群
 10.吸収不良症候群
 11.虫垂炎
 12.Crohn病
 13.潰瘍性大腸炎
 14.大腸憩室炎
 15.結腸癌、直腸癌
 16.痔
 17.急性腹膜炎
 18.急性膵炎
 19.慢性膵炎
 20.急性肝炎(薬物性を含む)
 21.B型慢性肝炎
 22.C型慢性肝炎
 23.自己免疫性肝炎
 24.肝硬変、肝不全(肝性脳症、腹水を含む)
 25.肝癌
 26.脂肪肝
 27.肝膿瘍
 28.胆石症
 29.胆嚢炎、胆管炎
 30.膵癌、胆嚢癌、胆管癌
7章 内分泌・代謝疾患
 1.糖尿病
 2.糖尿病性昏睡
 3.低血糖
 4.脂質異常症
 5.痛風
 6.Basedow病
 7.甲状腺機能低下症(橋本病)
 8.亜急性甲状腺炎
 9.副甲状腺機能亢進症
 10.副甲状腺機能低下症
 11.尿崩症
 12.ADH分泌異常症(SIADH)
 13.先端巨大症
 14.プロラクチノーマ
 15.Addison病、急性副腎不全(副腎クリーゼ)
 16.Cushing病、Cushing症候群
 17.褐色細胞腫
 18.原発性アルドステロン症
 19.成長ホルモン(GH)分泌不全性低身長症
 20.下垂体前葉機能低下症
8章 腎・泌尿器疾患
 1.慢性腎臓病(CKD)
 2.急性糸球体腎炎
 3.慢性糸球体腎炎
 4.急速進行性糸球体腎炎
 5.ネフローゼ症候群
 6.急性腎不全
 7.慢性腎不全
 8.腎盂腎炎
 9.腎実質性高血圧
 10.尿路結石
 11.頻尿、排尿痛
 12.膀胱炎
 13.神経因性膀胱、神経性頻尿
 14.淋疾
 15.非淋菌性尿道炎
 16.前立腺肥大症
 17.前立腺炎、前立腺症
 18.ED(erectile dysfunction)
 19.泌尿器科領域悪性腫瘍
9章 血液・造血器疾患
 1.鉄欠乏性貧血
 2.巨赤芽球性貧血
 3.再生不良性貧血
 4.溶血性貧血
 5.赤血球増加症
 6.骨髄増殖性疾患
 7.骨髄異形成症候群
 8.急性白血病
 9.慢性骨髄性白血病
 10.慢性リンパ性白血病
 11.Hodgkinリンパ腫
 12.非Hodgkinリンパ腫
 13.多発性骨髄腫
 14.アミロイドーシス
 15.顆粒球減少症(無顆粒球症)
 16.特発性血小板減少性紫斑病
 17.出血傾向
 18.血友病と類縁疾患
 19.播種性血管内凝固症候群
 20.ヘモクロマトーシス(鉄過剰症)
10章 神経・筋疾患
 1.ウイルス性脳炎、単純ヘルペス脳炎
 2.髄膜炎
 3.脳出血
 4.脳梗塞
 5.一過性脳虚血発作
 6.くも膜下出血
 7.脳腫瘍
 8.Guillain-Barre症候群
 9.Parkinson病
 10.本態性振戦
 11.顔面神経麻痺
 12.顔面痙攣と顔面の不随意運動
 13.神経痛(三叉・舌咽・肋間・坐骨神経)
 14.重症筋無力症
 15.多発性硬化症、視神経脊髄炎
11章 精神疾患
 1.統合失調症
 2.躁うつ病
 3.神経症(ヒステリー、心身症を含む)
 4.パニック障害
 5.てんかん(成人)
 6.薬物依存
 7.アルコール依存症
 8.神経性食欲不振症(無食欲症)・摂食障害
 9.自閉性障害(小児自閉症)
 10.認知症
 11.老年期せん妄
 12.ナルコレプシーと睡眠覚醒障害
12章 アレルギー疾患
 1.薬物アレルギー
 2.花粉症
 3.通年性アレルギー性鼻炎
 4.昆虫アレルギー(ハチアレルギー)
 5.食物アレルギー、アナフィラキシー
 6.血清病
13章 膠原病、その他の全身疾患
 1.関節リウマチ(RA)
 2.強直性脊椎炎
 3.リウマチ性多発筋痛症
 4.Sjogren症候群
 5.全身性エリテマトーデス(SLE)
 6.全身性強皮症
 7.混合性結合組織病(MCTD)
 8.多発性筋炎、皮膚筋炎
 9.抗リン脂質抗体症候群
 10.結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎
 11.大動脈炎症候群(高安動脈炎または高安病)
 12.巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
 13.アレルギー性肉芽腫性血管炎(Churg-Strauss症候群)
 14.Behcet病
14章 感染症
 1.かぜ症候群
 2.インフルエンザ
 3.急性気管支炎
 4.マイコプラズマ肺炎
 5.ウイルス性肺炎
 6.細菌性肺炎
 7.肺膿瘍(肺化膿症)
 8.ニューモシスチス肺炎
 9.免疫不全症候群と肺感染症
 10.耐性菌感染症
 11.細菌性食中毒
 12.伝染性消化器疾患
 13.水痘
 14.手足口病
 15.突発性発疹
 16.A群溶血性連鎖球菌咽頭炎
 17.麻疹
 18.風疹
 19.流行性耳下腺炎(ムンプス)
 20.伝染性単球増加症、腺熱(腺熱リケッチア症)
 21.デング熱
 22.クラミジア感染症
 23.在郷軍人病(レジオネラ肺炎)
 24.つつが虫病
 25.百日咳
 26.ジフテリア
 27.破傷風
 28.ガス壊疽
 29.レプトスピラ症(Weil病など)
 30.梅毒
 31.Hansen病
 32.真菌症
 33.敗血症
 34.日和見肺感染症
 35.HIV感染症、AIDS
 36.蛔虫症
 37.鞭虫症
 38.蟯虫症
 39.糞線虫症
 40.顎口虫症
 41.アニサキス症
 42.旋毛虫症
 43.条虫症
 44.赤痢アメーバ症
 45.トキソプラズマ症
 46.マラリア
15章 中毒性疾患
 1.急性中毒治療の原則
 2.急性アルコール中毒
 3.解熱鎮痛薬中毒
 4.睡眠薬中毒
 5.抗うつ薬中毒
 6.覚醒剤急性中毒
 7.強心薬中毒
 8.一酸化炭素中毒
 9.有機溶剤中毒
 10.有機リン中毒
 11.パラコート中毒
 12.グルホシネート含有除草剤中毒
 13.フグ中毒
 14.毒蛇咬傷
 15.タバコ中毒
 16.防虫剤中毒
 17.ヒ素中毒
 18.サリン中毒
16章 運動器疾患
 1.腰椎椎間板ヘルニア(腰椎分離症、腰椎すべり症)
 2.肩こり
 3.五十肩(肩関節周囲炎)
 4.頸肩腕症候群
 5.化膿性骨髄炎・関節炎
 6.手根管症候群
 7.大腿骨頭無腐性壊死
 8.変形性関節症
 9.テニス肘、野球肘
 10.腱鞘炎(ばね指を含む)
 11.振動障害
 12.骨粗鬆症
 13.骨軟化症
 14.原発性悪性骨腫瘍
 15.癌の骨転移
17章 皮膚疾患
 1.アトピー性皮膚炎
 2.接触皮膚炎
 3.脂漏性皮膚炎
 4.手・指の皮膚炎
 5.紅皮症(剥脱性皮膚炎)
 6.結節性紅斑
 7.蕁麻疹
 8.虫刺され、ストロフルス、痒疹
 9.薬疹
 10.凍瘡
 11.褥瘡
 12.光線過敏症
 13.天疱瘡、類天疱瘡
 14.掌蹠膿疱症
 15.乾癬
 16.ウイルス性疣贅(いぼ)
 17.単純疱疹
 18.帯状疱疹
 19.膿皮症
 20.白癬
 21.皮膚・口腔カンジダ症
 22.疥癬、毛虱症
 23.細菌性感染症(せつ、癰)
 24.ケロイド、肥厚性瘢痕
 25.皮膚癌
 26.悪性黒色腫
 27.にきび(ざ瘡)
 28.尋常性白斑
 29.脱毛症
18章 妊産婦・婦人科疾患
 1.妊娠とくすり
 2.月経周期の調節
 3.思春期の月経異常
 4.月経困難症
 5.月経前緊張症(月経前症候群)
 6.不正性器出血
 7.不妊症
 8.排卵障害と無月経
 9.更年期障害、婦人科不定愁訴症候群
 10.高齢婦人とホルモン補充療法
 11.帯下
 12.外陰炎、腟炎
 13.外陰掻痒症
 14.外陰潰瘍、外陰癌
 15.子宮内膜症
 16.子宮筋腫
 17.子宮頸癌
 18.子宮体癌
 19.卵管炎、骨盤内炎症
 20.卵巣腫瘍
 21.妊娠と栄養
 22.妊娠悪阻
 23.妊娠とTORCH疾患
 24.妊娠高血圧症候群
 25.乳腺炎
 26.乳癌
19章 小児疾患
 1.脱水
 2.発熱
 3.痙攣(熱性痙攣を含む)
 4.腹痛(腸重積、虫垂炎を含む)
 5.急性乳幼児下痢症、ウイルス性急性胃腸炎
 6.食中毒(細菌性腸炎を含む)
 7.化膿性髄膜炎
 8.敗血症
 9.急性腎盂腎炎
 10.感冒、インフルエンザ
 11.急性気管支炎、急性肺炎、クループ、急性細気管支炎
 12.溶連菌感染症
 13.麻疹、風疹、水痘、ムンプス
 14.気管支喘息
 15.アトピー性皮膚炎
 16.急性心不全
 17.自律神経調節障害
 18.てんかん(小児)
 19.急性糸球体腎炎
 20.ネフローゼ症候群
 21.若年性特発性関節炎
 22.リウマチ熱
 23.川崎病
 24.Henoch-Schonlein紫斑病
 25.夜尿症
 26.チック
 27.糖尿病(小児)
20章 眼疾患
 1.結膜炎
 2.角膜炎、角膜障害
 3.ドライアイ
 4.ぶどう膜炎、視神経炎
 5.緑内障
 6.外眼部疾患(眼瞼炎、麦粒腫など)
21章 耳鼻咽喉疾患
 1.外耳炎
 2.中耳炎
 3.滲出性中耳炎
 4.Meniere病
 5.突発性難聴
 6.動揺病(乗り物酔い)
 7.鼻出血
 8.副鼻腔炎
 9.咽頭・扁桃炎
 10.再発性アフタ
 11.味覚障害
 12.唾液腺疾患
22章 重要漢方処方
 I.易疲労倦怠感
 II.胃もたれ、食欲不振、胸やけ、胃痛
 III.便通異常(便秘、下痢)、下腹部痛
 IV.膝関節痛
 V.鼻閉、鼻汁
 VI.咽喉頭異常感症
 VII.慢性頭痛
 VIII.冷え症
 IX.めまい
 X.頻尿
事項索引
薬剤索引

本書の改訂第4版を出版してから6年が経過した。最近の医学の進歩に伴って新しい薬剤も多数開発され、医療現場における処方も大きく様相を変えているものが多い。改訂にあたって内容の一層の充実を図った。
 本書は一般の医師が診療する疾患を網羅した処方集として広く用いられてきたが、今回の改訂では、読者対象が他科の医師および研修医であることを明確にし、また、掲載疾患をcommon diseaseとして疾患数を削減した。処方例は、患者の状態や症状の強さに従った治療の流れに合致するようにし、確立された治療ガイドラインがあるものは、それに沿った内容とした。治療の評価と治療の目標到達点にも触れ、標準的な投薬期間を示すようにした。処方上の注意点となる特記事項をも記載するよう努めた。
 本書は1990年に初版を発行して以来、版を重ね、今回改訂第5版を発行することになった。当初は高久史麿先生、水島裕先生が編集を担当され、改訂第3版、改訂第4版では監修を担当された。改訂第3版、改訂第4版では6名の体制で編集したが、今回の改訂第5版では、浦部、大田、川合、島田、菅野の5名が編集を担当し、最新の医療に対応する内容となるよう配慮した。
 以上のように、本改訂版では新しい処方を盛り込み、さらに種々の改善を加えたので、一般臨床医や研修医にとって、前版以上に役立つものになったと考えている。

2013年9月
編集者一同

現在日本の「最新の標準処方集」
 6年ぶりに内容が一新されて、『今日の処方 改訂第5版』が出版された。
 医師なら誰もが知っている、あの『今日の治療薬』の姉妹本である。外見、サイズともよく似ている。『今日の治療薬』が「薬剤検索用の辞書」なら、本書『今日の処方』は「病態に応じた標準処方のマニュアル」である。
 本書は2色刷で、『今日の治療薬』より字が大きくて読みやすい。疾患名と処方例には淡い網掛けがあって目を引く。記述が簡潔で、読んでいてストレスにならない。
 疾患ごとに、「基本的知識」、「step 1、step 2、……の処方例」、「処方上の注意」、「専門医紹介のタイミング」とまとめられている。薬剤名は原則として商品名である。
 本の帯に「掲載疾患をcommon diseaseに厳選」とあるが、全22章で各章は5〜46の疾患(病態)で構成されており、現実の医療の9割以上は網羅しているだろう。5名の編集者と200名近い第一線のスペシャリストによって執筆されている。現在日本の「最新の標準処方集」なのである。
 疾患の病態や治療方針を学べる本は多くても、本書のような「現場で実際にどう処方するのか」をわかりやすく教えてくれるマニュアルは少ないのではないだろうか。
 読者が研修医なら、疾患(病態)を経験するごとに本書の標準処方を覚えていくのがよいだろう。体を使って経験したものを本書で確認することで、生きた知識になる。それは今後、医師として生きていくためのバックボーンになるだろう。
 ベテラン医師なら、まず自分の専門分野の処方に問題がないかを確認してほしい。でも「専門分野は大丈夫」と思って安心してはいけない。実臨床では専門分野の診療だけで完結することはほとんどない。得意でない分野の診療からも逃げられない。その分野には「危なっかしい処方」がいっぱいあるはずである。そのときに備えて、診察室の机のなかに本書を忍ばせておくとよいだろう。いざというときに心強い味方になってくれるはずである。
 薬剤師なら、医師の処方の意図を理解するのに役立つだろう。医師が病態や重症度に応じてどのように薬剤を選択しているのか、その実際を学ぶことができる。
 最後に身勝手なお願いをしたい。
 『今日の処方』が「今日の」であるために、今後の改訂のスパンをなるべく短くしてほしい。毎年の改訂は必要ないが、できれば3年ごとぐらいの改訂をお願いできないだろうか。「膨大な領域をこれほど簡潔にわかりやすくまとめるのは至難の業である」ことはよく承知しているのだが。

臨床雑誌内科113巻6号(2014年6月増大号)より転載
評者●聖路加国際病院血液内科部長 岡田定