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循環器疾患最新の治療2014-2015

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編集 : 堀正二/永井良三
ISBN : 978-4-524-26798-9
発行年月 : 2014年1月
判型 : B5
ページ数 : 538

在庫なし

定価11,000円(本体10,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

最新の診療指針がわかる好評シリーズの循環器疾患版。巻頭トピックスとして「第二世代の薬剤溶出性ステント(DES)」「バソプレシンV2受容体拮抗薬による右心不全治療」など11題を掲載。主な循環器疾患を網羅し、診断・検査から処方例を含めた標準的治療までを解説。臨床試験から得られたエビデンスや最新の薬剤一覧も収載し、日常臨床に役立つ一冊となっている。PCやスマートフォンでも利用できる便利な“オンラインアクセス権”付き。

巻頭トピックス
 1.第二世代の薬剤溶出性ステント(DES)と今後の展望
 2.急性心不全に対する軸流ポンプ
 3.バソプレシンV2受容体拮抗薬による右心不全治療
 4.肺高血圧症の最新治療
 5.静脈血栓塞栓症治療の新たな展開
 6.腎動脈内アブレーションによる高血圧治療の現状と将来の適応拡大
 7.急性期脳梗塞に対する新しい再灌流療法
 8.iPS細胞の循環器疾患への応用:心筋再生の現状を含む
 9.循環器領域におけるバイオマーカーの新展開:不安定プラークに迫る
 10.CKD診療ガイドを活かす
 11.IgG4関連疾患と心血管病変
I 循環器疾患の基本的治療方針
II 心肺蘇生の実際とACLS
III 循環器診療における医療安全
IV 冠動脈疾患
 1.急性心筋梗塞
 2.急性心筋梗塞に伴う機械的合併症
 3.梗塞後不整脈
 4.梗塞後狭心症
 5.安定狭心症
 6.不安定狭心症
 7.冠攣縮性狭心症
 8.無症候性心筋虚血
 9.冠動脈疾患と抗血小板療法
 10.PCI(バルーン、ステント)
 11.debulking PCI(ロータブレーター)
 12.冠動脈血栓吸引、末梢保護
 13.冠動脈血栓溶解療法
 14.再灌流障害
 15.冠動脈疾患の運動処方、心筋梗塞後のリハビリテーション
 16.心筋梗塞の再発予防
 17.冠動脈バイパス手術
 18.冠動脈バイパス手術後の外来管理
 19.川崎病
V 弁膜疾患
 1.僧帽弁狭窄症(PTMCの現状を含む)
 2.僧帽弁閉鎖不全症
 3.大動脈弁狭窄症
 4.大動脈弁閉鎖不全症
 5.後天性三尖弁膜症
 6.感染性心内膜炎(外科的治療を含む)
 7.弁膜症に対する外科的治療
 8.弁膜症の外科的治療後の外来管理
VI 心筋疾患
 1.心筋炎
 2.拡張型心筋症
 3.肥大型心筋症
 4.拘束型心筋症
 5.二次性心筋症
VII 心膜疾患、腫瘍
 1.心膜炎
 2.心膜液貯留、心タンポナーデ
 3.心臓腫瘍
 4.心内血栓
VIII 先天性心疾患
 1.心房中隔欠損
 2.房室中隔欠損(心内膜床欠損)
 3.心室中隔欠損(心室中隔欠損+大動脈弁閉鎖不全を含む)
 4.動脈管開存症
 5.肺動脈弁狭窄症、肺動脈狭窄症
 6.Ebstein奇形
 7.チアノーゼを伴う小児の先天性心疾患
 8.Valsalva洞動脈瘤破裂
 9.成人における先天性心疾患
IX うっ血性心不全
 1.急性心不全
 2.慢性心不全
 3.拡張不全
 4.心不全に対する心臓再同期療法(CRT)
 5.心不全における不整脈の治療
 6.新世代植込み型補助人工心臓
 7.左室縮小形成術(Dor手術、Batista手術)
 8.心臓移植
X 不整脈
 1.洞不全症候群
 2.脚ブロック
 3.心房期外収縮
 4.心室期外収縮
 5.心房細動、心房粗動
 6.発作性上室頻拍
 7.心室頻拍
 8.不整脈治療薬の催不整脈作用
 9.WPW症候群
 10.Brugada症候群
 11.QT延長症候群
 12.心臓ペースメーカの選択と植込み患者の管理(両室ペーシングは除く)
 13.カテーテルアブレーション
 14.植込み型除細動器(ICD)
 15.不整脈の外科的治療
XI 肺循環
 1.肺血栓塞栓症
 2.肺性心
XII 大動脈疾患
 1.大動脈弁輪拡張症、Marfan症候群
 2.高安動脈炎(大動脈炎症候群)
 3.急性大動脈解離
 4.胸部大動脈瘤
 5.腹部大動脈瘤
XIII 末梢血管疾患
 1.閉塞性動脈硬化症
XIV 高血圧症
 1.本態性高血圧:ガイドラインに沿った治療戦略
 2.合併症のある高血圧管理
 3.白衣高血圧、早朝高血圧
 4.高齢者の高血圧
 5.高血圧の非薬物療法
 6.二次性高血圧
 7.腎血管性高血圧
XV 脳血管障害
 1.脳梗塞
 2.脳出血
 3.脳動脈瘤
 4.頸動脈狭窄症
XVI その他
 1.動脈硬化
 2.脂質異常症(高脂血症)
 3.起立性低血圧
 4.Raynaud現象
 5.甲状腺疾患と心臓
 6.妊娠と心疾患
 7.心臓病と肥満:メタボリックシンドロームを中心に
 8.糖尿病における心疾患
 9.高齢者診療の注意点
 10.心疾患患者におけるスポーツ指導
 11.心血管系疾患患者に対する心身医学的アプローチ
 12.心疾患患者における一般外科手術
循環器領域における最近の注目のエビデンス
 1.虚血性心疾患のエビデンス
 2.慢性心不全のエビデンス
 3.不整脈のエビデンス
 4.脂質異常症のエビデンス
 5.抗血栓療法のエビデンス
循環器関連ガイドライン一覧
循環器疾患の薬物一覧
索引

循環器診療の進歩は目覚ましく日進月歩の進展がある。1980年代から1990年代は、疾患概念の大きな進歩がみられた。急性冠症候群の成立機序、心不全(心筋障害)の分子機序、不整脈の成立機序などが次々に明らかにされ、治療目標設定に大いに役立った。同時に、診断手段としての画像診断が飛躍的に進歩し、心エコー、IVUS、MDCT、SPECT、MRI、MRAなどにより、個々の患者の心・血管形態とダイナミックな機能が臨床現場で非侵襲的に把握できるようになり、病態診断のレベルが向上した。2000年代に入ると、診断から治療選択に重点が置かれるようになり、循環器疾患全般に診療ガイドラインが導入され、治療指針の統一化が図られるようになった。エビデンスの構築のために海外のみならずわが国でも大規模臨床試験が実施され、新しい知見はガイドラインの改訂の原動力になっている。
 一方で、治療手段としての薬物療法はその進歩がやや遅滞し、代わって非薬物療法の台頭が顕著である。カテーテル治療は、さらに進歩しており、第二世代のステントや生体吸収性ステントなど、進化の勢いは絶えない。マイクロカテーテルによる脳血管や末梢血管の治療も今後大いに発展するものと思われる。不整脈に対するアブレーション治療も先進治療から一般治療への過渡期に差しかかり、安全で確実な効果が得られる技術が確立されつつある。ペースメーカはICDからCRT.Dへの移行の潮流がみられ、CRTの適応拡大の議論が盛んである。重症心不全に対しては、補助人工心臓(LVAD)の国内開発や小型化の技術開発が行われており、心臓移植に代わる恒久治療(destination therapy)のデバイスとして位置づけられつつある。心不全では、現在の薬物療法に限界があるため、植込み型デバイス以外に陽圧呼吸療法、和温療法や心臓リハビリテーションなどの非薬物療法も普及し始めている。心不全の原因となる弁膜症に対しても、PTMCやTAVRのようなカテーテル治療が急速に進化しており、従来の開心術の適応を変えているのも注目に値する。
 このように日進月歩の循環器診療の全容をテキストブックとして提供できるのが本書であり、2年毎の刊行により現場の医療ニーズに応えてきた。巻頭には最近のトピックスを取り上げ、巻末には重要領域の代表的エビデンスを網羅し、薬剤情報までまとめた本書は、循環器診療の最新版手引きとしてきっと読者のお役に立つものと期待している。

2013年12月10日
編者

9784524267989