書籍

インターベンションのエビデンス2

科学的根拠に基づく循環器治療戦略

監修 : NPO法人インターベンションのエビデンスを創る会
編集 : 中村正人/南都伸介/村松俊哉/横井宏佳
ISBN : 978-4-524-26745-3
発行年月 : 2014年7月
判型 : B5
ページ数 : 204

在庫あり

定価4,104円(本体3,800円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

好評書『インターベンションのエビデンス』の続編。第1弾刊行以降の新世代DESやDCB、下肢EVT、Structural Heart Diseaseにおけるインターベンションや薬物療法などについて、国内外のエビデンスをレビューし、その解釈と臨床応用のポイントを提示。最新知見や承認前の製品に関するエビデンスは「ミニ知識」で取り上げた。インターベンション医必読。

I PCI関連のエビデンス
 1.第一世代薬剤溶出性ステント[PES(paclitaxel eluting stent),SES(sirolimus eluting stent)]-Head to head trials:TAXUS vs.Cypher
  A.J-DESsERT試験
  B.REALITY試験
  C.SIRTAX試験
  D.SORT OUTII試験
  E.Meta-Analysis of SES vs.PES
 2.Endeavor ZES(Endeavor zotarolimus eluting stent)
  A.Endeavor Japan試験
  B.Endeavor pooled試験
  C.E-Five試験
  D.SORT OUT III試験(5年成績)
 3.Resolute ZES(Resolute zotarolimus eluting stent)
  A.RESOLUTE All Comers試験(2年成績)
  B.RESOLUTE All Comers試験サブスタディ
  C.TWENTE試験
  D.TWENTE試験(2年成績)
 4.Xience EES(Xience everolimus eluting stent)
  A.COMPARE試験
  B.EXAMINATION試験
  C.RESET試験
  D.SPRITII試験5年臨床フォローアップ
  E.ステント血栓症Networkメタ解析
 5.Promus Element EES(Promus Element everolimus eluting stent)
  A.PLATINUM試験
  B.The PLATINUM Japan Small Vessel試験
  C.SCAAR試験
 6.Nobori BES(Nobori biolimus eluting stent)
  A.COMFORTABLE AMI試験
  B.COMPARE II試験
  C.LEADERS試験
  D.SORT-OUT V試験
  E.NEXT試験
 7.DCB(drug coated balloon)
  A.PEPCAD II試験
  B.PEPCAD V試験
  C.DEBIUT試験
 8.DAPTの期間
  A.PRODIGY試験
  B.RESET試験
  C.EXCELLENT試験
  D.OPTIMIZE試験
  E.PARIS Registry試験
 9.橈骨動脈インターベンション
  A.RIVAL試験
  B.RIFLE-STEACS試験
  C.MORTAL試験
 10.血栓吸引療法
  A.VAMPIRE試験
  B.EXPIRE試験
  C.TAPAS試験
 11.冠循環補助診断法
  A.DEFER試験
  B.FAME試験
  C.FAME2試験
  D.PROSPECT試験
 12.急性心筋梗塞に対するPCI
  A.HORIZONS-AMI試験
  B.COMFORTABLE AMI試験
  C.PRAMI試験
 13.複雑病変(分岐部病変、CTO)に対するPCI
  A.NORDIC BIFURCATION試験
  B.GISSOC試験
  C.J-CTO Registry試験
  D.MULTINATIONAL CTO Registry試験
 14.PCI成績(CABG、薬物療法との比較)
  A.PRECOMBAT試験
  B.COURAGE試験
  C.BARI2D試験
  D.NY Registry試験
  E.FREEDOM試験
  F.SYNTAX試験
  G.CREDO-Kyoto試験
II 下肢EVT関連のエビデンス
 15.下肢ステント(bare metal stent:BMS)
  A.MISAGO1試験
  B.REAL-FP試験
  C.REAL-SL試験
  D.RESILIENT試験
 16.下肢ステント(drug eluting stent:DES)
  A.Zilver-PTX single arm and randomized trial
 17.DCB(drug coated balloon)
  A.LEVANTI試験
  B.DEBELLUM試験
  C.PaRADISE試験
  D.BELOW試験
  E.DEBATE-BTK試験
 18.浅大腿動脈に対するステント治療の後療法
  A.STOP-IC試験
 19.重症虚血肢に対するインターベンション
  A.OLIVE Registry試験
III Structural Heart Diseaseなどに対するインターベンション関連のエビデンス
 20.PFO閉鎖デバイス
  A.RESPECT試験
 21.Sapien(TAVI)
  A.SOURCE Registry試験
  B.PARTNER-US試験
  C.PREVAIL JAPAN試験
IV 薬物療法関連のエビデンス
 22.clopidogrel
  A.CLEAN試験
  B.CURRENT-OASIS7試験
  C.GRAVITAS試験
  D.WOEST試験
 23.cilostazol
  A.DECLARE試験
  B.KAMIR試験
 24.prasugrel
  A.TRITON-TIMI38試験
  B.TRILOGY-ACS試験
  C.TRIGGER-PCI試験
  D.PRASFIT-ACS試験
  E.PRASFIT-Elective試験
 25.rosuvastatin
  A.SATURN試験
  B.JART試験
  C.COSMOS試験
  D.JUPITER試験
 26.atorvastatin
  A.ARMYDA試験
  B.TWINS試験
 27.pitavastatin
  A.JAPAN-ACS試験
  B.LIVES試験
 28.pioglitazone
  A.J-DESsERT試験(サブ解析)
 29.alogliptin
  A.EXAMINE試験
 30.candesartan
  A.大垣研究
  B.名古屋第二赤十字病院IVUS研究
 31.olmesartan
  A.OLIVUS試験
  B.OLIVUS-Ex試験
 32.消化性潰瘍(aspirin潰瘍)に対する治療薬
  A.COGENT試験
  B.LAVENDER試験
  C.FAMOUS試験
V その他のエビデンス
 33.腎動脈インターベンション
  A.GREAT試験
  B.ASTRAL試験
  C.CORAL試験
 34.頸動脈ステント治療(CAS)
  A.CREST試験
  B.ICSS試験
 35.下大静脈フィルター
  A.PREPIC試験(2年後結果)
  B.PREPIC試験(8年後結果)
索引

診療行為は普遍性・一貫性が求められる。このため、最良の結果をもたらすための医学的判断には、信頼性の高い情報に基づく医療(evidence-based medicine)が重要であるとの認識が高まっている。常にエビデンスを注視し、満ち溢れているエビデンスの中から必要なものを取捨選択しなくてはならない。この作業は決して容易ではない。さらに、海外から発信されたエビデンスを鵜呑みにしてよいか、一歩とどまって考える必要がある。人種差、投与薬剤の薬用量の差、イベント発生率の差異、保険システムの違い、手技の違いなど、考慮すべき点が少なくないからである。とはいえ、本邦発のエビデンスが不十分であるため、ほとんどのエビデンスは概念的に受容可能、本邦でも外挿可能と考えられてきた。実際、本邦のガイドラインの多くは海外のデータに依拠し、過去のエビデンスに準拠したものである。決してup to dateなエビデンスではない。
 2009年に、−科学的根拠に基づく循環器治療戦略−をサブタイトルとして、国内外のインターベンションに関する臨床試験をレビューした『インターベンションのエビデンス』が発行された。当時この領域の指針となるものを目指した本であり、厳選されたエビデンスのエッセンスを満載した本書は好評をいただいた。
 5年が経過して、今回新たに『インターベンションのエビデンス2』発刊の運びとなった。前回と同様に、各領域のエキスパートに重要と考えられる論文を要約していただき、文末には本邦においてどのようにエビデンスを活用するか、意見を記していただいた。構成は、PCI、下肢EVT、structural heart disease、薬物療法、その他の5項目に大別し、大項目の下に多くの細目を追加した。いかにこの領域の進歩が急速であるかがお分かりいただけると思う。目次をみれば必要なエビデンスを容易に探すことができる。
 全体を眺めてみると、本邦発のエビデンスが前回よりも著しく増えていることに気付く。本邦においてもインターベンションの大規模試験が必要であるとの機運があり、2008年に「NPO法人インターベンションのエビデンスを創る会:AEEI」が設立されたが、本書を手にしてAEEIがその一翼を担うことができたものと実感した。本邦のエビデンスに立脚した治療方法が提示できる日もそう遠くないものと思われる。今後の展開に大きな期待を抱かせる内容となった。

2014年6月
NPO法人インターベンションのエビデンスを創る会 理事長
東邦大学医療センター大橋病院循環器内科 教授
中村正人

 インターベンションの領域は,近年急速にエビデンスが蓄積されている.このような時代において,定期的にエビデンスを整理した書籍が世に出ることは重要なことと考える.
 「NPO法人インターベンションのエビデンスを創る会」が監修されている「インターベンションのエビデンス2」は,その目的を十分に達成している良書である.本書は,PCI,下肢EVT,Structural Heart Disease,薬物療法,その他の項目に分かれ,それぞれ細かい内容について,各試験の概要とともにエビデンスの解釈と臨床応用のポイントが明快に記されている.どの分野ももれなく述べられているが,なかでももっとも興味深いのは,本書の監修を務めるNPO法人主要メンバーの一人である南都伸介先生の書かれた第一世代薬剤溶出性ステントのエビデンス,そしてすべての循環器医師の興味が集まる田中信大先生の書かれたCABG,薬物療法とPCI治療の比較に関するエビデンスであろう.これらの項目にはもっとも多くのページが割かれている.どちらの項目にも,日本初のエビデンスがいかに貢献しているかが強調されている.第一世代薬剤溶出性ステントのエビデンスでのJ-DESsERT試験,CABG,薬物療法とPCI治療の比較に関するエビデンスのなかのCREDO-Kyoto試験である.このような試験を完遂しているインターベンションに携わっている循環器医に敬意を表したい.また,第二世代薬剤溶出性ステント時代において第一世代をフォローし続けることの重要性,PCI時代における内科的薬物療法の重要性を強調した文章になっていることは,読者に改めてこの分野への興味を喚起する内容といえる.
 今後の本書の課題としては,Structural Heart Diseaseに関するエビデンスにもっと多くのページを割いてほしいということがあげられる.この分野は,これから急速にエビデンスが蓄積される.これらのエビデンスは,いわゆるインターベンショニストだけが知っていればよいわけではなく,心エコーなどイメージングを専門とする医師,さらに心不全診療に時間を割いている医師も共有すべきものである.今後どのような分野の「エビデンス整理本」にも中心項目の一つとして掲載されるようになるであろう.
 最後に,私はどちらかといえば心不全を専門にしてきたが,この分野での日本のエビデンス発信力は血管治療領域に遠く及ばない.私も本書を一読し,気持ちを新たにした.

臨床雑誌内科115巻6号(2015年6月増大号)より転載
評者●大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学教授 坂田泰史