書籍

出血性疾患の実践診療マニュアル

すべての臨床医のために

編集 : 矢冨裕/大森司
ISBN : 978-4-524-26687-6
発行年月 : 2014年4月
判型 : B5
ページ数 : 238

在庫あり

定価5,400円(本体5,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

進歩が著しい出血性疾患診療において、すべての臨床医が知っておきたい内容+αを実践的にまとめたマニュアル。臨床医がよく遭遇する重要な出血性疾患について、その症状、検査、診断、治療の実際を、第一線のエキスパートが明快に解説。どこに異常があって出血が生じているのかがよくわかる。血液内科医はもちろん、専門医にコンサルテーションする可能性のあるすべての臨床医に読んでいただきたい。

I 止血の機序を知る
 1 はじめに
 2 血管壁・血小板の異常による出血
 3 血液凝固の異常による出血
 4 線溶の異常による出血
II 出血性疾患の診断
 1 出血性疾患患者の診断の手順:病歴・身体所見から臨床検査へ
 2 血小板に関する検査
 3 凝固因子に関する検査
 4 線溶に関する検査
III 出血性疾患の治療
 1 治療総論
 2 血小板輸血の適応とそのピットフォール
 3 新鮮凍結血漿の適応とそのピットフォール
 4 凝固因子製剤の分類とその適応
 5 抗線溶薬の使用法とその他の治療法
 6 抗血栓療法(抗血小板薬、抗凝固薬、線溶薬)の副作用としての出血
IV 出血性疾患の診療マニュアル
 1 血管壁・毛細血管の異常
 2 血小板の異常:特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病(ITP)
 3 血小板の異常:薬剤性血小板減少症・ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
 4 血小板の異常:血栓性微小血管障害(TMA)−血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と溶血性尿毒症症候群(HUS)
 5 血小板の異常:血小板機能異常症
 6 von Willebrand病(VWD)
 7 血液凝固の異常:血友病
 8 血液凝固の異常:後天性血友病
 9 血液凝固の異常:第XIII因子欠乏症
 10 血液凝固の異常:その他の凝固因子異常症
 11 線溶の異常
 12 播種性血管内凝固症候群(DIC)
 13 肝不全
V ケースで学ぶ代表的な出血性疾患の診療ピットフォール
 CASE1 アレルギー性紫斑病
 CASE2 特発性血小板減少性紫斑病(ITP):免疫グロブリン大量療法
 CASE3 特発性血小板減少性紫斑病(ITP):難治例:トロンボポエチン受容体作動薬
 CASE4 特発性血小板減少性紫斑病(ITP):分娩時の対応
 CASE5 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
 CASE6 先天性の血栓性血小板減少性紫斑病(Upshaw-Schulman症候群)
 CASE7 血小板無力症に活性型第VII因子製剤を投与して手術できた症例
 CASE8 von Willebrand病(VWD)
 CASE9 血友病:小児例
 CASE10 血友病:成人例
 CASE11 後天性血友病
 CASE12 播種性血管内凝固症候群(DIC):急性前骨髄球性白血病(APL)
 CASE13 播種性血管内凝固症候群(DIC):悪性腫瘍
 CASE14 播種性血管内凝固症候群(DIC):常位早期胎盤剥離
 CASE15 播種性血管内凝固症候群(DIC):感染症
 CASE16 ワルファリン内服時の脳出血の管理
 CASE17 アスピリン内服時の消化性潰瘍からの出血コントロール
付録
 1 出血性疾患の診断・治療ガイドライン
 2 主な出血性疾患用薬剤
索引

日常診療において、出血に関する症状を訴えて来院する患者は多く、ほとんどすべての診療科において、出血を主訴とする患者に遭遇しうる。たとえば、消化管出血には消化器関連の科が対応し、頑固な鼻出血には耳鼻咽喉科が対応し、それぞれ、局所的な処置で対応できることが多い。しかし、局所からの出血でも、背景に出血性素因がある場合には、それを是正しないと的確な止血が達成できない場合が多い。肝硬変に伴う消化管出血に対して、局所の治療に加えて、全身的な出血傾向を是正するために新鮮凍結血漿や血小板濃厚液の補充が必要となる場合があることなどがその一例である。すなわち、領域を問わず、出血している患者をみる場合には、背後の出血傾向を見逃さず、必要があれば、その是正を治療に反映できる臨床的素養が求められる。しかし、現実には、出血性疾患に対して苦手意識をもっている医師は多いようである。本書は、臨床医がよく出会う“出血”をテーマとして、出血性素因の評価、さらには、重要な出血性疾患に関して、その診断と治療について、第一線のエキスパートにわかりやすく解説いただき、実臨床に役立つ診療の実践マニュアルとすることを目的とした。
 出血性疾患の診断と治療は日進月歩であるが、基本は今も昔も変わらず単純である。つまり、生理的止血機構のどこに異常があって出血が生じているかを見極めることが重要である。これは、病歴聴取、身体所見、スクリーニング検査でおよそ見当をつけることができる。その上で、最新の検査を含めた特殊検査なども使い、確定診断を得る。このプロセスが理解できていれば、専門家でなくても、的確な診療が可能であり、必要に応じて専門家に委ねることができる。是非、本書により、その過程をご理解いただければと願うものである。
 本書は、コンパクトにできており、適宜、項目ごとにチェックしていただける形となっている。多くの臨床医の方々に、広く役立てていただければ幸いである。

2014年春
矢冨裕
大森司