書籍

ブラッド・ウォーカーストレッチングと筋の解剖原書第2版

監訳 : 栗山節郎
: 川島敏生
ISBN : 978-4-524-26681-4
発行年月 : 2013年10月
判型 : A4
ページ数 : 202

在庫あり

定価3,996円(本体3,700円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

全身135種類におよぶストレッチ手技を紹介する実際書。1ストレッチ1頁で、ストレッチングされている筋が視覚的に理解できる。一冊を通じて、分かりやすいイラストでストレッチングを行う上で必要な筋・腱の解剖・生理をやさしく学べる。今改訂では、新たに21のストレッチを追加。さらに筋の解剖や生理学など基礎的な解説も充実。医療関係者やスポーツ指導者、さらにはスポーツ愛好家にも最適な一冊

1 柔軟性、解剖、生理学
 A フィットネスと柔軟性
 B 筋の解剖
 C 筋収縮の生理学
 D 筋の反射
 E 筋骨格のメカニクス(力学)
 F 梃子(てこ)
 G 力の発生
 H 筋が伸長されている時に何が生じているか
 I 解剖学的方向の用語
2 ストレッチングの原則
 A ストレッチングのメリット
 B ストレッチングの種類
  I スタティック・ストレッチ(静的ストレッチ)
  II ダイナミック・ストレッチ(動的ストレッチ)
 C 安全なストレッチングのための原則
 D 適切なストレッチングの方法
 E ウォームアップの一部としてストレッチングをどのように使うか
3 頚部と肩
 A01 側方への頚部のストレッチ
 A02 回旋による頚部のストレッチ
 A03 前屈による頚部のストレッチ
 A04 斜め方向への前屈による頚部のストレッチ
 A05 後屈による頚部のストレッチ
 A06 頭部を前に押し出す頚部のストレッチ
 A07 座位で頚部を前屈するストレッチ
 A08 腕を水平にする肩のストレッチ
 A09 腕を曲げて引きつける肩のストレッチ
 A10 肩を抱え込むストレッチ
 A11 両腕を交差させる肩のストレッチ
 A12 腕を背中に回して上げるストレッチ
 A13 肘を外側に向ける回旋筋のストレッチ
 A14 前腕を上に向ける回旋筋のストレッチ
 A15 前腕を下に向ける回旋筋のストレッチ
 A16 逆方向への肩のストレッチ
 A17 介助を加えた逆方向への肩のストレッチ
4 腕と胸部
 B01 頭上に手を置く胸部のストレッチ
 B02 パートナーと行う胸部のストレッチ
 B03 座位でパートナーと行う胸部のストレッチ
 B04 片腕を水平にする胸部のストレッチ
 B05 水平にした腕を曲げる胸部のストレッチ
 B06 介助を加えた逆方向への肩のストレッチ
 B07 両手を壁に置く胸部のストレッチ
 B08 膝立ちでの胸部のストレッチ
 B09 手を後ろに下げる上腕三頭筋のストレッチ
 B10 上腕三頭筋のストレッチ
 B11 四つ這いでの前腕のストレッチ
 B12 手掌を外側に向ける前腕のストレッチ
 B13 手指を下に向ける前腕のストレッチ
 B14 手指のストレッチ
 B15 親指のストレッチ
 B16 手指を下に向ける手首のストレッチ
 B17 回旋させる手首のストレッチ
5 腹部
 C01 肘立て位での腹部のストレッチ
 C02 手を突いて上体を反らす腹部のストレッチ
 C03 手を突いた状態で回旋させる腹部のストレッチ
 C04 立位で上体を後方へ傾ける腹部のストレッチ
 C05 立位で上体を後方へ傾ける側腹部のストレッチ
 C06 身体を反らせる腹部のストレッチ
6 背部と側部(上部、中部、下部)
 D01 両腕を前に伸ばす上背部のストレッチ
 D02 片腕を前方に伸ばす上背部のストレッチ
 D03 上方へ伸ばした両腕を交差させる背中のストレッチ
 D04 仰向けでの全身のストレッチ
 D05 座位で上体を屈める背中のストレッチ
 D06 座位で手を側方へ伸ばすストレッチ
 D07 立位で片膝を胸に引きつけるストレッチ
 D08 仰向けで片膝を胸に引きつけるストレッチ
 D09 仰向けで両膝を胸に引きつけるストレッチ
 D10 正座位で両手を前方に伸ばすストレッチ
 D11 四つ這いで背中を弓なりにするストレッチ
 D12 四つ這いで背中を下方に落とすストレッチ
 D13 四つ這いで背中を回旋させるストレッチ
 D14 立位で背中を回旋させるストレッチ
 D15 立位で手を上方へ伸ばし、背中を回旋させるストレッチ
 D16 仰向けで両脚を交差させるストレッチ
 D17 仰向けで両膝を倒すストレッチ
 D18 座位で片膝を立て、体幹を回旋させるストレッチ
 D19 座位で片膝を立て、さらに体幹を回旋させるストレッチ
 D20 四つ這いで片手を後ろへ伸ばすストレッチ
 D21 立位での側方へのストレッチ
 D22 腕を伸ばす側部のストレッチ
 D23 座位での側方へのストレッチ
7 股関節と殿部
 E01 仰向けで交差させた片膝を引き下げるストレッチ
 E02 うつ伏せで片脚を折りたたむ股関節のストレッチ
 E03 立位で片脚を折りたたむ股関節のストレッチ
 E04 立位で片脚を膝に乗せる殿部のストレッチ
 E05 座位で回旋させる股関節のストレッチ
 E06 立位で回旋させる股関節のストレッチ
 E07 座位で両脚を交差させ、両手を前方へ伸ばすストレッチ
 E08 座位で両足を合わせ、両手を前方へ伸ばすストレッチ
 E09 座位で片膝を胸につける殿部のストレッチ
 E10 座位で片足を胸につける殿部のストレッチ
 E11 仰向けで交差させた片膝を引き上げるストレッチ
 E12 座位で片脚を大腿部に乗せる殿部のストレッチ
 E13 仰向けで片脚を大腿部に乗せる殿部のストレッチ
8 大腿四頭筋
 F01 片膝立ち位での大腿四頭筋のストレッチ
 F02 立位での大腿四頭筋のストレッチ
 F03 立位で両手を上に上げる大腿四頭筋のストレッチ
 F04 うつ伏せでの大腿四頭筋のストレッチ
 F05 横向きでの大腿四頭筋のストレッチ
 F06 片方の膝を曲げて後方へ寄りかかる大腿四頭筋のストレッチ
 F07 脚を曲げて後方へ寄りかかる大腿四頭筋のストレッチ
9 ハムストリングス
 G01 座位で両手を前方へ伸ばすハムストリングのストレッチ
 G02 立位でつま先を下ろすハムストリングのストレッチ
 G03 立位でつま先を持ち上げるハムストリングのストレッチ
 G04 立位で片脚を上げるハムストリングのストレッチ
 G05 立位で片脚を上げ、つま先を内側に向けるハムストリングのストレッチ
 G06 座位での片脚のハムストリングのストレッチ
 G07 仰向けでパートナーと行うハムストリングのストレッチ
 G08 仰向けで片膝を曲げるハムストリングのストレッチ
 G09 仰向けで片膝を伸ばすハムストリングのストレッチ
 G10 片膝立ち位でつま先を上げるハムストリングのストレッチ
 G11 座位で片脚を大腿部に乗せるハムストリングのストレッチ
 G12 立位で上げた片脚の膝を曲げるハムストリングのストレッチ
 G13 立位で高く上げた片脚の膝を曲げるハムストリングのストレッチ
 G14 座位で両膝を曲げ、つま先を引きつけるハムストリングのストレッチ
 G15 立位で両手を下げるハムストリングのストレッチ
10 内転筋群
 H01 座位で両足を合わせる内転筋のストレッチ
 H02 立位で両膝を広げる内転筋のストレッチ
 H03 立位で片脚を上げる内転筋のストレッチ
 H04 片膝立ち位で片脚を開く内転筋のストレッチ
 H05 しゃがみ込んで片脚を開く内転筋のストレッチ
 H06 四つ這いで顔を下に向ける内転筋のストレッチ
 H07 座位で両脚を広げる内転筋のストレッチ
 H08 立位で両脚を広げる内転筋のストレッチ
11 外転筋群
 I01 立位で殿部を側方に出す外転筋のストレッチ
 I02 立位で両脚を交差させる外転筋のストレッチ
 I03 殿部を傾ける外転筋のストレッチ
 I04 立位で片脚を下に通す外転筋のストレッチ
 I05 横座りでの外転筋のストレッチ
 I06 スイスボールに寄りかかる外転筋のストレッチ
 I07 横向きで片脚をぶら下げる外転筋のストレッチ
12 ふくらはぎ上部
 J01 立位でつま先を上げるふくらはぎのストレッチ
 J02 立位でつま先を引き上げるふくらはぎのストレッチ
 J03 一方の踵を下ろすふくらはぎのストレッチ
 J04 両足の踵を下ろすふくらはぎのストレッチ
 J05 立位で踵を後ろに下げるふくらはぎのストレッチ
 J06 壁に寄りかかって踵を後ろに下げるふくらはぎのストレッチ
 J07 かがんで踵を後ろに下げるふくらはぎのストレッチ
 J08 座位でつま先を引きつけるふくらはぎのストレッチ
13 ふくらはぎ下部とアキレス腱
 K01 立位でつま先を上げるアキレス腱のストレッチ
 K02 一方の踵を下ろすアキレス腱のストレッチ
 K03 立位で踵を後ろに下げるアキレス腱のストレッチ
 K04 壁に寄りかかって踵を後ろに下げるアキレス腱のストレッチ
 K05 座位で両膝を曲げ、つま先を引きつけるアキレス腱のストレッチ
 K06 かがんで踵を後ろに下げるアキレス腱のストレッチ
 K07 片膝立ち位で踵を下げるアキレス腱のストレッチ
 K08 しゃがみ込んでのアキレス腱のストレッチ
14 脛、足首、足部、足趾
 L01 足を後ろに下げる脛のストレッチ
 L02 前方で脚を交差させる脛のストレッチ
 L03 足を上げる脛のストレッチ
 L04 両膝立ちでの脛のストレッチ
 L05 しゃがみ込んでのつま先のストレッチ
 L06 足首を回すストレッチ
参考文献
スポーツ傷害のための5つのストレッチ
スポーツ種目別の代表的な5つのストレッチ
医学用語解説

このたび、南江堂より『ブラッド・ウォーカーストレッチングと筋の解剖(原書第2版)』を、好評だった初版に続いて日本鋼管病院リハビリテーション科の川島敏生技師長を中心としたリハビリテーション科のスタッフにより翻訳して出版することになり、私が監訳させていただくことになりました。本書の特色は、著者が「はじめに」で述べていますが、ストレッチングと柔軟性の基礎となる解剖学的、生理学的な解説をもとに、ストレッチングを行っているときの身体の中を図解し、動作中の主要な筋と二次的な筋の両方について理解できるように書かれている点です。また、ストレッチング動作は、初版では約100種類でしたが、第2版では20以上の新しいストレッチング方法を追加し135種類となり、実践的なやり方と実際の動作での筋肉解剖をわかりやすい図で解説しています。さらに、生理学の章を拡大し、詳細な解剖学を追加し、新しいナンバリングシステムを用いて参照しやすく改良しています。ストレッチングについては、生理学と柔軟性、ストレッチングのメリット、ストレッチングのタイプ、安全なストレッチングのための原則、正確な方法などを解説し、フィットネスの専門家だけでなく、フィットネスファンやリハビリテーションにも役立つように書かれています。また、複数の独立した章に分割しているので、筋の働きは第1章、効果は第2章などと必要な章を参照できるように構成されています。
 私は、1980年代に南江堂から『ストレッチングの実際』と『テーピングの実際』を出版し、続けて『アスレチック・リハビリテーションの実際』『アスレチックトレーニングの実際』『アスレチック・マッサージの実際』『スポーツマンの運動療法』などを出版してきました。これらはいずれも解剖学的な図で身体構造を解説し、さらに実際の動作を写真で解説し、医学的な外傷や慢性障害の仕組みを解説したものです。これらを医学専門職だけでなく、スポーツトレーナーやスポーツ愛好家を含む一般の人にも理解できるように工夫してきました。最近はCDやDVDを付属させて「動画で見える」ように工夫しています。このように最近では、文章による解説だけでなく写真や図を用いて視覚的にわかりやすい書籍が求められていますが、この点を満たしているのが本書といえます。
 特に、スポーツやリハビリテーションの運動療法などの身体動作を行う人は、自分の身体のどこがどのように動いているかを自分で理解することで、その動作が正確に洗練されて可能になるものです。本書がフィットネスやトレーニング、リハビリテーション医学の現場で活用されて、安全で有効なストレッチングとトレーニングが行われることを期待します。

2013年10月
栗山節郎

本書の初版が発行された2009年には、村上春樹氏の『1Q84』(新潮社)が発売後2ヵ月未満でミリオンセラーとなり話題を集めた。主人公である若いカップルの1人はスポーツインストラクターで、ストレッチングを行っている光景が何度か生き生きと描出されているのが印象的であった。4年後の昨年、もっとも嬉しかったニュースは東京が2020年のオリンピックの開催都市に決まったことである。スポーツの祭典の開催に向けた各競技における未完の大器の発掘や育成と、若い選手、指導者、スポーツインストラクターなどのレベルアップがますます重要になる。おりしも運動選手本人から医療関係者までを含めた、スポーツやフィットネス関係の全職種に必携の本書が東京での再開催決定の2ヵ月後という絶妙のタイミングで翻訳・出版された。
 本書の構成は、1章が柔軟性、解剖、生理学、2章がストレッチングの原則、3〜14章が各論になっている。初版と比べ、1章に医学を基礎にした身体運動に関する骨格筋の解剖、神経、生理機能に関する記載が大幅に加味され、骨格筋のメカニクスや生体内での骨、関節、骨格筋でつくる3種類の梃子(てこ)などの解説が新たに追加されている。第2章にはウォームアップの一部としてのストレッチングの役割や具体的な方法が補足された。各論では初版からさらに21種類増えた135の部位別ストレッチング法がすべて各1頁でまとめられている。各頁の上段2/3には、各肢位でストレッチングされている主要な筋群と二次的な筋群の解剖が一見して理解できる明瞭なイラストで描かれており、下段1/3には“方法”、“ストレッチされる筋”、“効果的なスポーツ”、“効果的なスポーツ傷害”、“よくある問題と正しいストレッチングの注意点”、“追加するとよいストレッチ”の6項目が順に要領よく簡潔に説明されている。スポーツや医療の現場で実際のストレッチングの方法を咄嗟に確認したい場合でも、ストレッチしたい部位、1頁に目を通すだけで一目瞭然に把握できる。巻末のスポーツ傷害のためのストレッチとスポーツ種目別の代表的なストレッチも改訂され、それぞれ5つに限定して、新規に付記されたイラストとともに表示されている。
 著者のBrad Walker氏はNew England(Health Science)大学出身で、フィットネスの向上とスポーツ傷害のリハビリテーションや予防のためのThe Stretching Instituteを1995年に創立し、全身のストレッチングや柔軟性を増すためのトレーニング方法の普及に尽くしておられる専門家である(http ://www.thestretchinghandbook.com/)。監訳された栗山節郎日本鋼管病院副院長は、何度も冬季オリンピックのチームドクターをお務めになったわが国のスポーツ医学の代表的な指導者である。スポーツリハビリテーションやアスレチックリハビリテーションに精通しておられる訳者の川島敏生同病院リハビリテーション科技師長とともに、多数のスポーツ医学関係の著作を出版しておられる。
 1964年、中学生のときにみた東京オリンピックの金メダリストの勇姿が彷彿として蘇る。重量挙げの三宅義信選手のタイツからはち切れんばかりの上半身や太【腿】を脳裏に浮かべ、それらを構成している筋群のキネシオロジー、スポーツ傷害の予防、ストレッチング方法などについて本書を捲りながら思いを馳せている。トップアスリートのパフォーマンス向上やスポーツ傷害の防止だけでなく、フィットネスやリハビリテーションに必要なストレッチングが、基礎的な事柄や効果的なスポーツとともに把握できる。スポーツや医療関係者だけではなく、健康と運動を愛する一般の方々にも広く本書を推奨する。

臨床雑誌整形外科65巻3号(2014年3月号)より転載
評者●福岡大学副学長 内藤正俊