書籍

血液培養検査ガイド

編集 : 日本臨床微生物学会
ISBN : 978-4-524-26586-2
発行年月 : 2013年11月
判型 : A4
ページ数 : 158

在庫あり

定価3,780円(本体3,500円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

血液培養検査のすべてを網羅した“公式ガイド”。検査の精度管理に関する標準的な知識に加え、検査結果の解釈や報告書の書き方など実践的な記載が充実。さらに最先端の技術である遺伝子検査法や質量分析法についても解説。微生物検査技師はもちろんのこと、感染症医、一般臨床医、臨床検査技師も読んでおきたい一冊。

■カラー図譜
第1章 血液培養検査の意義と目的
 1 血液培養の意義
 2 菌血症の種類
 3 敗血症からSIRSへの概念の変化
 4 用語および定義について
  (1)感染(Infection)
  (2)定着(Colonization)
  (3)全身性炎症反応症候群(Systemic inflammatory response syndrome)
  (4)菌血症(Bacteremia)
  (5)敗血症(Sepsis)
  (6)低血圧(Hypotension)
  (7)重症敗血症(Severe sepsis)
  (8)敗血症性ショック(Septic shock)
 5 敗血症(Sepsis)の診断基準
 6 サバイビング・セプシス・キャンペーン(Surviving sepsis campaign:SSC)
  (1)なぜSSCが必要なのか?
  (2)SSCの内容
 7 血流感染の定義
 8 病院感染対策と血液培養
  (1)医療施設での感染症
  (2)外因性感染と内因性感染
  (3)血液培養の必要性
第2章 血流感染症の成因となる局所感染症と原因微生物
 1 尿路感染症
  (1)尿路感染症とは
  (2)診断
  (3)頻度の高い原因菌
 2 肺炎
  (1)肺炎とは
  (2)診断
  (3)頻度の高い原因菌
 3 感染性心内膜炎
  (1)感染性心内膜炎とは
  (2)診断
  (3)頻度の高い原因菌
 4 中枢神経系感染症
  (1)中枢神経系感染症とは
  (2)診断
  (3)頻度の高い原因菌
 5 カテーテル関連血流感染症
  (1)カテーテル関連血流感染症とは
  (2)診断
  (3)頻度の高い原因菌
 6 原発性敗血症
  (1)原発性敗血症とは
  (2)診断
  (3)頻度の高い原因菌
第3章 検体の採取法と輸送
 1 皮膚の消毒法
  (1)アルコール類
  (2)ヨード剤
  (3)クロルヘキシジングルコン酸塩
 2 採取時期と採取量
  (1)どのような患者に血液培養を実施するか
  (2)採取時期
  (3)採取部位
  (4)採血量と採血回数
  (5)検体の輸送・保存
  (6)採血手技、処置手順および検体の取り扱い
  (7)ボトルを機械にセットするには
  (8)血液培養の採血実施上の注意点
第4章 検査法
 1 培養検査
  1 培養期間
  2 菌検知から分離培養までの工程
   (1)培養陽性シグナル
   (2)培養装置からの陽性ボトル取り出し
   (3)分離培養(サブカルチャー)
   (4)塗抹陽性・培養陰性の対応
  3 培養装置の偽陰性反応と偽陽性反応
  4 培養装置への装填許容時間
  5 夜間・休日における対応
   (1)日直・当直体制で24時間検査を実施している施設
   (2)日当直業務を実施していない施設
   (3)微生物検査が外部委託の場合
 2 血液培養検査装置の種類と特徴
  [1] 国内で使用可能な自動血液培養検査装置の比較
  [2] 自動血液培養検査システムの原理、判定のアルゴリズム、
   血液培養ボトルの種類と特徴
   1 バクテックシステム
    (1)血液培養装置
    (2)測定原理とアルゴリズム
    (3)血液培養ボトルの種類と特徴
   2 バクテアラート3Dシステム
    (1)血液培養装置
    (2)測定原理とアルゴリズム
    (3)血液培養ボトルの種類と特徴
   3 バーサトレック
    (1)血液培養装置
    (2)測定原理とアルゴリズム
    (3)血液培養ボトルの種類と特徴
   4 専用の自動血液培養検査装置を必要としないマニュアルボトルの種類と使用法
    (1)ヘモリンシリーズ
    (2)オクソイド血液培養システムSignal
  [3] 抗菌薬成分吸着剤入り血液培養ボトルの効果に関するエビデンスの解説
 1 抗菌薬成分吸着の必要性
 2 抗菌薬成分吸着剤レズンについて
 3 陽性ボトルの塗抹検査
  [1] 陽性ボトルのグラム染色と各種原因菌の特徴
   1 標本の作製と染色法
   2 塗抹検査で推定可能な菌種と特徴
    (1)Staphylococcus spp.
    (2)レンサ球菌
    (3)腸内細菌科とPseudomonas aeruginosa
    (4)Acinetobacter baumannii
    (5)Campylobacter fetus
    (6)Haemophilus influenzae
    (7)Cardiobacterium hominis
    (8)Capnocytophaga spp.
    (9)Bacteroides fragilis、Fusobacterium nucleatum
    (10)Neisseria meningitidis、Neisseria gonorrhoeae
    (11)Bacillus cereus、Clostridium perfringens
    (12)Listeria monocytogenes
    (13)Corynebacterium spp.
    (14)Candida spp.、Cryptococcus neoformans
  [2] 活性炭添加陽性血液培養ボトルの塗抹標本作製の際の前処理法
 4 血液から検出されるまれな微生物と同定のポイント
  1 Helicobacter cinaedi
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培養上の注意点、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  2 Campylobacter fetus subsp.fetus
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培養上の注意点、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  3 Capnocytophaga spp.
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培地、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  4 Burkholderia pseudomallei
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培地、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  5 HACEK group
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培養上の注意点、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  6 Neisseria elongata
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培地、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  7 Brucella melitensis
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培地、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  8 Nutritionally variant streptococci(NVS)
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培地、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  9 Bacillus anthracis
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培養上の注意点、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  10 Listeria monocytogenes
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培地、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  11 Erysipelothrix rhusiopathiae
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培地、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
  12 Mycobacterium spp.
   (1)患者背景
   (2)陽性サインの特徴
   (3)形態的特徴
   (4)培養上の注意点、集落の特徴
   (5)同定のポイント
   (6)その他
 5 血流感染症における同定困難な細菌の疫学と遺伝子学的な同定検査法
  1 はじめに
  2 血液培養から分離された同定困難な菌株の疫学
  3 遺伝子学的な細菌の同定検査
   (1)解析法の種類と選択
   (2)同定の操作手順
   (3)CLSIのガイドライン(MM18-A)
 6 血液培養陽性検査へのMALDI-TOF MS 法の応用
  1 MALDI-TOF MSとは
  2 MALDI-TOF MSを利用した微生物同定
  3 寒天平板上の集落からの菌種の同定
   (1)ダイレクトスメア法
   (2)エタノール・ギ酸抽出法
  4 血液培養陽性ボトルからの直接菌種同定法
   (1)MALDI Sepsityper キット(ブルカー・ダルトニクス)
   (2)VITEK MS 法による血液培養ボトルからの直接同定法(シスメックス・ビオメリュー)
 7 in situ ハイブリダイゼーション法による血流感染症原因菌の検査法
  1 ハイブリゼップ
   (1)測定原理
   (2)操作手順の概略
   (3)ISH法による検査の特徴
第5章 結果の解釈と報告法
 1 結果の解釈
  (1)原因菌と汚染菌の鑑別
  (2)血液培養検査における汚染菌
  (3)結果の解釈
 2 結果の報告方法
  (1)菌発育陽性時の報告
  (2)培養陰性の報告
第6章 薬剤感受性検査と検査データの利用法
 1 血液培養検査における薬剤感受性検査の意義と目的
 2 直接法またはそれに準ずる薬剤感受性検査法
  (1)ディスク拡散法による直接法
  (2)自動機器による薬剤感受性検査法
  (3)間接法による結果との関係
 3 酵母の薬剤感受性検査の意義
 4 特殊な検査
  (1)アミノグリコシド系薬の併用効果判定のための検査
  (2)クリンダマイシン誘導耐性の検査
  (3)ダプトマイシンの薬剤感受性検査
 5 アンチバイオグラムと利用法
  (1)更新頻度
  (2)使用データ
  (3)菌種別のデータ数
  (4)データの種類
  (5)重複検出の削除
  (6)集計対象の抗菌薬
  (7)感性率の定義
  (8)菌種別の注意点
第7章 血液培養検査の適正さと評価法
 1 血液培養に関する精度管理
  (1)陽性率
  (2)1,000patient-daysあたりの血液培養採取セット数
  (3)汚染率
  (4)患者一人あたりの血液培養採取セット数(複数セット採取率など)
  (5)採血量
 2 我が国の現状を踏まえた血液培養の適正さの評価法
  (1)我が国の血液培養の現状を示す統計の数は限られ、指標も確立されていない
  (2)我が国の血液培養の現状を調査するパイロット研究が示すもの
第8章 血管カテーテル感染症の診断のための血管内留置カテーテル培養、およびカテーテル逆流血と末梢血の培養時間の比較による臨床的評価法
 1 臨床診断
 2 カテーテル先端培養結果の判断
 3 カテーテル抜去の前に診断する方法-differential time to positivity(DTP)-
第9章 諸外国の血液培養検査に関するガイドライン
 1 ASM Cumitech:血液培養検査ガイドラインの紹介
 2 米国CLSI 血液培養検査ガイドラインの紹介
 3 英国HPAの血液培養ガイドラインの紹介
■索引

このたび日本臨床微生物学会の会員が待ち望んでいた「血液培養検査ガイド」が発行されることとなりました。このようなガイドは最初に形にすることが最も困難な作業であり、この作業を遂行された検査法マニュアル作成委員会の浅利誠志委員長、血液培養検査ガイド作業部会の満田年宏作業部会長をはじめとした作業部会メンバーの皆様方の御苦労に深く感謝いたします。
 本ガイドの内容は「血液培養検査の全て」とも言うべきものであり、関連の感染症学の真髄を網羅しており、微生物検査技師だけでなく、感染症医、一般臨床医、臨床検査技師、その他の医療従事者にとって教科書といっても良い内容の濃い書物となっています。
 カラー写真を多く挿入し、文献も引用し、海外のガイドラインも考慮して作成されており、当学会員のガイドとしてだけではなく広く医療関係者に読んでもらいたい書物であります。
 日本臨床微生物学会は2013年に一般社団法人へ移行し、今後、その活動は学会員に限定されたものから一般社会への活動も求められるようになります。今後は各種ガイドライン等は一般への販売も行い、本書のような「検査ガイド」をより多くの方々に届けることが学会の重要な使命の一つになると考えています。「血液培養検査ガイド」の発行という今回の成果を持続するのに最も重要なことは、細かな改訂を繰り返すことであり、本ガイドをさらに充実したものとするために、今後も作業を継続していければと思います。

平成25年11月
一般社団法人 日本臨床微生物学会理事長
戸塚恭一