教科書

看護学テキストNiCE

成人看護学 成人看護学概論改訂第2版

社会に生き世代をつなぐ成人の健康を支える

編集 : 林直子/鈴木久美/酒井郁子/梅田恵
ISBN : 978-4-524-26568-8
発行年月 : 2014年11月
判型 : B5
ページ数 : 312

在庫あり

定価2,592円(本体2,400円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

成人看護学の基盤となるテキストの改訂第2版。成人の身体、心理、社会的特徴を、個体としての成長発達の視点と、文化・社会的環境の視点から解説。図表を豊富に用いて、視覚的な理解を促す。今改訂では、新知見、各種統計等に対応。社会的環境として災害、労働、インターネットの普及等について解説を加え、看護の実践的環境としてチームビルディング、医療安全等の記述を充実させた。

【主要目次】
推薦のことば
はじめに
第I章 成人とは
 1.「成人」とは
  A.成人の定義
  B.成人の理解の視座
   1●加齢により変化し続ける心身を理解する
   2●生涯発達する存在として理解する
   3●社会と交流し社会活動を担う存在として理解する
 2.成人期の特徴
  A.成人の心身の特徴と変化
   1●身体構造・機能からみた成人期の特徴
   2●成人期を特徴づける生殖機能の成熟
  B.ライフサイクルからみた成人期の特徴と発達課題
   1●成人期における成熟と老化
   2●成人期における発達課題
  C.社会との相互作用からみた成人期の特徴
   1●家族からみた成人期の特徴
   2●仕事からみた成人期の特徴
   3●地域からみた成人期の特徴
   4●成人と死
  D.文化の中で生きる成人
第II章 成人をとりまく今日の状況
 1.家族をめぐる状況
  A.家族形態の特徴とその変化
  B.少子化とその原因
  C.家族形態の変化に伴う問題
 2.仕事をめぐる状況
  A.産業構造と労働環境の変化
  B.若年層における特徴と問題
  C.団塊の世代における特徴と問題
  D.女性における特徴と問題
 3.日常生活スタイルの変化
  A.食事
   1●栄養摂取の動向
   2●食行動の変化
   3●食の安全
  B.睡眠と余暇
   1●睡眠の動向
   2●余暇や娯楽
   3●インターネットの利用
  C.嗜好と依存症
   1●喫煙
   2●飲酒
  D.住環境
 4.環境問題の深刻化
  A.公害問題から地球環境問題へ
  B.わが国の大気環境・水質環境・土壌環境の状況
  C.地球温暖化と防止対策に向けた取り組み
   1●温室効果ガス削減への取り組み
   2●近年のわが国のエネルギー政策
  D.資源循環型社会の構築に向けて
 5.人生や健康にかかわる意識の変化
  A.日本人の死生観
  B.医療の普及が与えた影響
  C.健康観の変化
  D.スピリチュアリティ
  E.価値観の再構築に寄り添う
第III章 成人期にある人の健康
 1.健康とは
  A.健康と看護実践
  B.健康の定義
   1●世界保健機関(WHO)の健康の定義
   2●WHOの健康憲章以後の健康概念に関する進展
   3●わが国における生活の質と全人的な健康
 2.成人保健と今日の健康動向
  A.人口構成
  B.平均寿命と健康寿命
  C.疾病の概況
   1●健康状態
   2●受療状況
   3●入院期間
   4●死亡の動向と健康問題
 3.保健・医療・福祉政策と今日の健康課題
  A.ヘルスプロモーションとは
   1●ヘルスプロモーションの歴史
   2●わが国のヘルスプロモーション(健康日本21)
  B.高齢者政策
   1●ゴールドプラン,新ゴールドプラン,ゴールドプラン
   2●公的年金制度の問題
   3●地域包括ケアシステムの構築をめざして
  C.がん政策
 4.生活習慣に関連する健康障害−生活習慣病
  A.生活習慣と健康
  B.生活習慣病
   1●生活習慣病の発症と進行
   2●わが国における生活習慣病の概況
 5.職業に関連する健康障害−職業疾患
  A.労働者の健康にかかわる主な法律
  B.職業に起因する健康障害
   1●職業性疾病と作業関連疾患
   2●業務上疾病
  C.労働者の健康に影響を及ぼす要因
   1●物理的要因による健康障害
   2●化学的要因による健康障害
   3●作業条件による健康障害
  D.労働衛生管理の基本的対策
  E.過重労働による健康障害とその防止対策
 6.生活ストレスに関連する健康障害
  A.ストレスとは
  B.ストレッサーの種類とストレッサーへの生理的適応
  C.成人期のストレス
   1●生活上のストレス
   2●就労上のストレス
  D.ストレスと健康障害
 7.セクシュアリティ・更年期に関連する健康障害
  A.セクシュアリティに関連する健康障害
   1●セクシュアリティとは
   2●セクシュアリティに関連する概念
   3●性の健康にかかわる問題
  B.更年期に関連する健康障害
   1●更年期とは
   2●更年期の身体的,心理社会的特徴
   3●更年期の健康問題
第IV章 成人期にある人を看護するための基本的な考え方
 1.関係を結ぶ
  A.ケアリングに基づいた関係
   1●ケアとは
   2●ケアリングとは
   3●看護におけるケアリング
  B.エンパワメントをめざす
   1●エンパワメントとは
   2●看護実践におけるエンパワメントのあり方
  C.パートナーシップを構築する
   1●パートナーシップとは
   2●パートナーシップによる協働の実現に向けて
 2.適応を促す
  A.ストレス・コーピングを支える
   1●ストレスとは
   2●ストレッサーに対する反応
   3●ストレス・コーピングのプロセス
   4●人々のストレス・コーピングを支える
  B.危機的状況からの回復を支える
   1●危機とは
   2●危機モデルを用いた看護介入
  C.喪失と悲嘆を支える
   1●喪失
   2●悲嘆
   3●遺族への支援
  D.自己決定を支える
   1●成人における自己決定の意味
   2●自己決定の多様性
   3●自己決定の構造
   4●自己決定に影響を及ぼす不確かさ
   5●自己決定のための情報活用
 3.発達を促進する
  A.成人のセルフケアを育む
   1●セルフケアとは
   2●看護のセルフケア不足理論
    2.1●セルフケア理論
    2.2●セルフケア不足理論
    2.3●看護システム理論
  B.成人学習を促進する
   1●成人を対象とした教育的支援とは
   2●ノールズのアンドラゴジー理論
   3●クラントンの大人の学習者とともに取り組むためのモデル
   4●患者教育において活用される生涯学習理論
 4.統合を支援する
  A.家族とともに生きる成人を支援する
   1●成人期にある人と家族
   2●成人期にある人と家族の健康
   3●成人期にある人と家族のセクシュアリティとリプロダクティブヘルス/ライツ
  B.成人が身をおく文化を尊重する
   1●対象が身をおく文化を尊重する意義
   2●日本文化に裏打ちされた,人々の考え方の特徴
   3●国際化と日本文化
   4●患者が身をおく文化を理解するために必要な視点
   5●患者が身をおく文化に配慮するには
  C.成人が社会に支えられ,社会に貢献することを支援する
   1●ボランティア
   2●ピアカウンセリング
   3●セルフヘルプグループとサポートグループ
   4●社会参加がもたらす効果
   5●情報提供の調整と他職種・非専門職との連携
第V章 健康状態に応じた看護
 1.ヘルスプロモーション,ヘルスプロテクション−健康の保持・増進,疾病の予防に向けた看護
  A.保健行動と行動変容
  B.生活習慣病の予防対策
   1●保健指導と健康教育
   2●行動変容のための理論の活用
   3●成人のヘルスプロモーションに関する法令
   4●保健指導・健康教育を実施する職種
  C.高齢者医療確保法における特定健康診査と特定保健指導
   1●特定健康診査・特定保健指導の対象者
   2●特定健康診査・特定保健指導の内容と流れ
  D.定期健康診断と保健指導
   1●労働者の健康診断と目的
   2●定期健康診断の内容と流れ
  E.職業疾患とその予防
   1●職業疾患とリスクアセスメント
   2●労働衛生の3管理と看護職の支援
  F.快適な職場環境づくり
   1●長時間労働と健康障害
   2●長時間労働による健康障害の予防と看護職の支援
   3●労働者の精神的・心理的ストレスと健康問題
   4●メンタルヘルス対策に関する国の指針と看護職の役割
 2.健康状態が急激に変化し急性の状態にある人への看護
  A.健康状態が急激に変化し急性の状態にある人とは
   1●急性の状態をもたらす原因
   2●急性の状態にある患者の身体的反応
   3●成人期にある人の健康状態が急激に変化するということ
  B.急性期看護とは
  C.周手術期看護とは
  D.救急看護とは
  E.急性の状態にある患者と家族に対する看護
   1●急性の状態にある患者と家族の心理的反応
   2●患者と家族に対する看護
 3.生活機能障害を有する人への看護(リハビリテーション看護)
  A.生活機能と生活機能障害
  B.リハビリテーションとは
   1●リハビリテーションの哲学
   2●リハビリテーションの手段
   3●リハビリテーションモデル
  C.リハビリテーションを展開するための基本的な考え方
  D.リハビリテーションを必要とする人への看護
   1●リハビリテーション看護の目的
   2●アセスメント
   3●リハビリテーションを必要とする人への看護の要点
 4.慢性的な経過をたどる健康障害を有する人への看護
  A.慢性的な経過をたどる健康障害
   1●慢性的な経過をたどる健康障害をもたらす疾患
   2●慢性疾患および治療の特徴
  B.慢性疾患を有する人の特徴
  C.慢性疾患を有する人への看護
   1●意思決定を支える援助
   2●病気とともに生きることを支える援助
   3●セルフマネジメントを促す支援
   4●社会生活の拡大を促す支援
 5.人生の最期のときを迎える人への看護
  A.成人の死の要因
  B.最期を迎える場所
  C.最期を迎える人の身体的な変化
   1●死の定義・判定
   2●身体的な変化
  D.最期を迎える人の心の変化
第VI章 成人看護を充実させる実践的環境
 1.看護者の倫理綱領と成人看護
  A.人権とは
  B.看護者の倫理綱領
  C.個人情報の保護
  D.さまざまな状況における患者擁護
 2.専門職間の連携と協働
  A.専門職間の連携・協働とは
  B.専門職間の連携・協働におけるグランドルール(原則)
  C.専門職間の連携・協働を実践するための力
  D.保健・医療・福祉の場におけるさまざまなチーム
 3.医療安全
  A.医療の質保証と標準化
   1●医療における質保証
   2●医療の質の指標
   3●医療における質保証の歩み
   4●質保証のための方略
  B.患者安全の確保
   1●安全と医療事故
   2●セーフティ・マネジメント
  C.医療安全における看護師の役割
 4.質の高い看護実践のための人材育成
  A.専門看護師
   1●専門看護師の役割
   2●専門看護師の専門看護分野
   3●ジェネラリスト看護師は専門看護師をどのように活用できるか
  B.認定看護師
   1●認定看護師とは
   2●認定看護師の教育
   3●認定看護師の役割
   4●認定看護師の活動の場
   5●認定看護師の活動拡大に向けての組織的支援
   6●認定看護師の活動の展望と課題
付録
 1●日本看護協会看護者の倫理綱領
 2●国際看護師協会(ICN)看護師の倫理綱領
索引
コラム
●トピックス
●コーヒーブレイク

はじめに

 本書『NiCE成人看護学概論.社会に生き世代をつなぐ成人の健康を支える』の初版は,看護基礎教育の指定規則の改定にあわせて,これからの実践的な看護教育に適した新しい成人看護学のテキストとして2011年に刊行しました.成人期にある人の身体,心理,社会的特徴を,個体としての成長発達の視点と,現代に生きる成人がおかれている文化的,社会的環境の視点でとらえ,成人とは何か,成人がおかれている状況,今日の健康動向,重要な概念や理論,健康状態に応じた看護,質の高い看護実践の視点という構成で,“世代をつなぐ”成人への看護の基本をわかりやすく解説する書となるよう努めました.
 初版刊行からはや4年が経過し,おかげさまでこれまで多くの看護系大学,専門学校等でご活用いただいてきました.一方でこの間にも東日本大震災や数多くの自然災害の発生,いっそう進む超高齢社会と死因第3位が脳血管疾患から肺炎に入れかわるなどの主要死因の変化,がん対策推進基本計画,健康日本21の各第2次計画がうち出されるなど,健康に関わる数々の社会的動向がありました.そこで,このように変化する社会の中で生きる成人期の人々の健康と看護を理解するうえで必要となる新たな知見とさまざまな統計,関連法規を改訂するべく,このたび改訂第2版を刊行いたしました.
 本改訂第2版は,初版の構成とコンセプトを生かしつつ,東日本大震災による生活環境の変化,労働環境やインターネットの普及がもたらす健康への影響,災害時のDMATの活動など,社会問題として取り上げられているこれらの点について,解説を加えました.また成人看護の実践的環境として,専門職の協働の視点から,チームの類型化とチームビルディング,さらに医療安全についてはセーフティマネジメントと医療安全における看護師の役割について新たに解説を加えたことで,医療チームにおける看護職の責務について理解を深めるよう構成しました.
 初版に引き続き,本書が看護基礎教育課程で学ぶ学生の皆さん,ならびに学生の教育・指導に携わる教員諸氏の道標となることを願っております.

2014年10月
林直子
鈴木久美
酒井郁子
梅田恵