書籍

わかる!スポーツ傷害

病態理解と復帰へのHow to

監訳 : 福林徹/鹿倉二郎
ISBN : 978-4-524-26487-2
発行年月 : 2012年4月
判型 : A4変
ページ数 : 272

在庫僅少

定価3,240円(本体3,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

スポーツ傷害の最新情報を、カラーイラストと平易な解説で明快に示した英国医師会のスポーツ傷害対応ガイド。スポーツ現場で起こりうる主な障害・外傷に対する正しい知識の習得と、復帰への対応、予防までをカバーした医療者・指導者に最適な参考書。競技と傷害、リハビリテーションをリンクした構成で、回復過程に沿った具体的な医学的処置とリハビリテーションの実際が理解できる。

スポーツ特有のスポーツ傷害
  コリジョンチームスポーツ
  コンタクトチームスポーツ
  ネットスポーツ
  バットやクラブを用いるスポーツ
  ラケットスポーツ
  ランニング
  ウエイトリフティング・パワーリフティング
  格闘技
  ボードを用いるスポーツ
  スキーを用いるスポーツ
  ウォータースポーツ
  水泳関連のスポーツ
  サイクリング
  馬術競技
  エクストリームスポーツ
スポーツ傷害
  部位別の外傷・傷害マップ
  脳震盪
  頬骨骨折
  顎骨骨折、顎関節脱臼
  舌を噛む、舌根沈下
  頚部筋挫傷、むち打ち症
  頚部神経損傷
  椎間板ヘルニア、坐骨神経痛
  仙腸関節炎
  梨状筋症候群
  鎖骨骨折
  肩鎖関節・胸鎖関節の損傷
  腱板損傷
  肩関節の炎症
  肩関節外傷
  単純肋骨骨折
  肘頭滑液包炎
  肘部腱損傷
  上腕骨骨折
  前腕骨骨折
  手関節骨折
  手関節脱臼・捻挫
  手関節・手部の腱損傷
  手根管症候群
  中手骨骨折
  手指の腱損傷
  手指の骨折・脱臼
  骨盤・股関節の骨折
  転子滑液包炎
  股関節唇損傷、股関節インピンジメント(FAI)
  恥骨結合炎
  鼠径部の肉離れ
  ヘルニア
  ハムストリングス損傷
  大腿四頭筋損傷
  膝蓋骨骨折
  膝蓋骨脱臼
  膝蓋大腿関節痛症候群
  膝蓋骨滑液包炎
  離断性骨軟骨炎
  膝蓋靱帯損傷
  前十字靭帯損傷
  側副靱帯損傷
  後十字靭帯損傷
  半月板断列
  腸脛靭帯炎
  下腿骨骨折
  腓腹筋損傷
  シンスプリント
  コンパートメント症候群
  アキレス腱断裂
  アキレス腱障害
  足関節骨折
  足関節捻挫
  踵骨骨折
  踵骨腱滑液包炎
  後脛骨筋腱炎
  足根洞症候群
  足部腱損傷
  足部靭帯捻挫
  モートン神経腫
  中足骨骨折
  趾節骨骨折
  足底筋膜炎
治療と処置・リハビリテーション
 応急処置の基礎
  軽い傷
  創傷と出血
  環境傷害
  骨・関節・筋
  意識消失
 リハビリテーションエクササイズ
  モビリティエクササイズ
  筋力トレーニングエクササイズ
  スタティックストレッチング
  固有受容器エクササイズ
  プライオメトリックエクササイズ
  テストエクササイズ

用語事典
索引
セーフティインフォメーション

アスレティックトレーナー、スポーツインストラクターをはじめとするスポーツに関わる職種には、スポーツ傷害に対する様々な知識・技術が求められる。なかでも各競技の特性の理解とリハビリテーションエクササイズの指導技術は欠かせない。
 本書は臨場感のあるイラストを交え、受傷から復帰までを3つのパートに分けて解説している。競技別に主な傷害と予防・リハビリテーションのポイントをまとめたパート、傷害別に原因からリハビリテーションプログラムまでを示したパート、実際のエクササイズのパート、それぞれがリンクし、傷害とエクササイズを分かりやすく学べるよう工夫されている。現場で傷害に対応するためのマニュアルとして、またスポーツ傷害に関する包括的な知識の獲得に役立つものと期待される。
 本書が、スポーツの現場で活躍するすべての方たちの一助となれば幸いである。
2011年冬
福林徹、鹿倉二郎

本書は、英国医師会British Medical Association(BMA)から出版された書籍“The BMA Guide to Sports Injuries”の日本語訳本である。わが国のスポーツ医学領域を代表する福林徹、鹿倉二郎のお二人の先生が監訳にあたられ、現場でのスポーツ医学実践に深い経験と知識を有する方々が訳者として、名を連ねておられる。
 冒頭の「監訳者序」で書かれているように、本書はアスレティックトレーナーやスポーツインストラクター、スポーツドクターなどスポーツ現場の第一線で活動している方々に、スポーツ外傷・障害に対する実践的な知識と情報を提供することを目的とするものである。その内容は、@各スポーツ種目別の傷害、Aそれぞれの傷害の病態とそれらへの対応法、B応急処置およびリハビリテーションにおけるエクササイズの実際の三つの章に大きく分けられる。
 順を追って内容の概略を紹介すると、まずはじめに、スポーツ傷害の病態や予防、対処法についての概念が簡略に述べられていて、それに引き続く第1章「スポーツ特有のスポーツ傷害」では、コリジョンチームスポーツ、コンタクトチームスポーツ、ネットスポーツ、ラケットスポーツ、ランニング、格闘技、スキー、スケート、ウォータースポーツといったくくりで、スポーツ種目別に、起こりやすい傷害や、その予防のためのリハビリテーションプログラムが臨場感のあるイラストとともに2ページずつの分量で紹介されている。なお、この章の最後の項は、エクストリームスポーツとして、ロッククライミングやスカイダイビングなどにおける外傷が対象となっている。この章においてあげられている各外傷や障害についての病態、診断、処置と治療は、次の章で各項目別に記載されている。
 第2章の「スポーツ傷害」では、「脳震盪」から始まり「足底筋膜炎」にいたる身体各部位の傷害が列記されている。本章では、「原因」、「症状と診断」、「リスクと合併症」、「復帰の目安」の各項目について述べられていて、受傷直後、短期的・中期的・長期的の各段階で医師の関与する診断や治療の内容、また理学療法(エクササイズ)の初期・中間・最終・復帰の各段階でのステップについての記載がある。本書の読み進め方の手順は、まずスポーツ種目別の傷害の概略を第1章で知り、そこで傷害項目別に提示されたページ数をみて、この第2章にジャンプして具体的な知識や情報を得る、という道筋になる。
 最後の第3章は「治療と処置・リハビリテーション」というタイトルがつけられている。本章のはじめには、創傷や出血、ショック状態、寒冷・温熱・溺水などの環境障害、運動器の傷害、意識消失などの各状況に対する応急手当が示されている。引き続いて、スポーツ傷害の予防やリハビリテーションにおいて用いられるエクササイズが、わかりやすいイラストとともに紹介されている。これはモビリティエクササイズ、筋力トレーニングエクササイズ、スタティックストレッチング、固有受容器エクササイズ、プライオメトリックエクササイズ、テストエクササイズ(機能回復レベルの評価テスト)の項目からなるが、非常に詳細かつ具体的であり、本書のもっとも特徴的で実践的なパートとなっている。先の第2章では、紹介される各エクササイズにページ数がつけられていて、それによって、この最終章にジャンプして具体的なエクササイズのやり方が理解できる構成になっている。
 スポーツ現場において選手のメディカルサポートにあたる方々にとって、現場で経験する傷害を正しく評価し、実際に起こりうる傷害の予防や対処の基本方針を理解することは重要な課題である。また、その理解に基づき、トレーニングの方法を適切に指導できることも求められる。そのような状況において、本書はハンディで、とても役に立つ情報を提供するものとなると思う。
評者● 吉矢晋一
整形外科63巻9号(2012年8月号)より転載