教科書

シンプルシリーズ

シンプル皮膚科学

編集 : 真鍋求/梅林芳弘
ISBN : 978-4-524-26478-0
発行年月 : 2014年3月
判型 : B5
ページ数 : 322

在庫あり

定価4,320円(本体4,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

現代の学生のニーズに応えるシンプルシリーズ臨床系科目の第一弾。皮膚科学を初めて学ぶ医学部学生向けの新しいテキスト。700枚あまりの豊富な臨床・病理のカラー写真と簡潔明瞭な文章で、必須事項、重要ポイントが一目でわかるようシンプルに解説。医学教育モデル・コア・カリキュラムに対応、医師国家試験出題基準レベルを網羅しており、講義に沿う第一選択の教科書として、また国試対策としても頼れる一冊。また他の医療系の教科書・参考書としても有用。

総論
1章 皮膚の構造と機能
 概説
  1 皮膚の構造
  2 皮膚の表面
  3 皮膚の機能
 表皮
  1 表皮の構造
  2 表皮の細胞成分
 真皮、皮下脂肪組織、脈管、神経
  1 真皮の構造
  2 線維成分
  3 細胞成分
  4 血管
  5 リンパ管
  6 末梢神経系
  7 皮下脂肪組織
 付属器
  1 毛器官
  2 立毛筋
  3 脂腺
  4 汗腺
  5 爪
2章 発疹学
 原発疹、続発疹、その他の発疹
  1 概説
  2 原発疹
  3 続発疹
  3 その他の発疹
3章 皮膚病理組織学
 皮膚病理の基本用語
  1 表皮の変化
  2 表皮・真皮境界部の変化
  3 真皮の変化
  4 皮下脂肪組織の変化
 組織化学的検査法
 蛍光抗体法
4章 診断学
 概説
  1 記載診断学
  2 皮膚科診断法
  3 ダーモスコピー
5章 治療
 外用療法
  1 外用薬の基剤
  2 外用薬の主剤
  3 外用方法
 全身療法
  1 全身療法に用いられる薬剤
 外科療法
  1 主な外科療法の術式
 レーザー療法
  1 レーザー
 理学療法、その他の治療
  1 理学療法とその他の治療方法
各論
6章 湿疹・皮膚炎
 概説
  1 発症機序
  2 分類
  3 検査
 接触皮膚炎
 アトピー性皮膚炎
 脂漏性皮膚炎
 皮脂欠乏性皮膚炎
7章 蕁麻疹・痒疹・皮膚.痒症
 蕁麻疹
 色素性蕁麻疹
 皮膚掻痒症
 慢性痒疹
8章 紅斑症・紅皮症
 多形紅斑
 結節性紅斑
 遠心性環状紅斑
 移植片対宿主病
9章 薬疹
 概説
 スティーブンス・ジョンソン症候群
 中毒性表皮壊死症
 薬剤性過敏症症候群
 固定薬疹
10章 血管炎・紫斑病・末梢循環障害
 概説
  1 血管炎の定義
  2 抗好中球細胞質抗体
  3 血管炎の分類
  4 末梢循環障害
 ヘノッホ・シェーンライン紫斑(アナフィラクトイド紫斑)
 結節性多発動脈炎
 慢性色素性紫斑(血管皮膚炎)
 うっ滞性症候群(静脈瘤症候群)
 閉塞性動脈硬化症
 糖尿病性潰瘍/壊疽
 レイノー症状
11章 膠原病と類縁疾患
 全身性エリテマトーデス
 皮膚筋炎
 シェーグレン症候群
 全身性強皮症
 ベーチェット病
 スウィート病
12章 水疱症・膿疱症
 尋常性天疱瘡
 水疱性類天疱瘡
 栄養障害型表皮水疱症
 膿疱性乾癬
 掌蹠膿疱症
13章 角化症・炎症性角化症
 尋常性魚鱗癬
 掌蹠角化症
 ダリエー病
 黒色表皮腫
 汗孔角化症
 尋常性乾癬
 扁平苔癬
 ジベルばら色粃糠疹
14章 色素異常症
 老人性色素斑(日光黒子)
 肝斑
 尋常性白斑
 眼皮膚白皮症(先天性白皮症)
15章 代謝異常症
 晩発性皮膚ポルフィリン症
 後天性亜鉛欠乏症
 皮膚アミロイドーシス
 ムチン沈着症
 黄色腫
16章 早老症・結合織疾患・肉芽腫症・皮膚萎縮症
 エーラス・ダンロス症候群(古典型)
 ウェルナー症候群
 環状肉芽腫
 サルコイドーシス
 皮膚伸展線条(線条皮膚萎縮症)
 硬化性萎縮性苔癬
17章 物理化学的障害
 日光皮膚炎
 光線過敏性皮膚炎
 褥瘡
 熱傷
18章 付属器疾患
 毛包炎、せつ、癰
 尋常性ざ瘡
 酒さ
 円形脱毛症
 男性型脱毛症(アンドロゲン性脱毛症)
 汗疹
 陥入爪
 細菌性爪囲炎
19章 細菌感染症
 概説
  1 ブドウ球菌
  2 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
  3 連鎖球菌
  4 緑膿菌
 蜂窩織炎(蜂巣炎)
 丹毒
 伝染性膿痂疹
 ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
 慢性膿皮症
 壊死性筋膜炎
 ガス壊疽
20章 抗酸菌感染症
 概説
  1 抗酸菌感染症
  2 診断方法
 尋常性狼瘡
 バザン硬結性紅斑
 ハンセン病
21章 性感染症
 梅毒
22章 ウイルス感染症
 概説
  1 ウイルス感染と生体反応
  2 血清学的診断
 尋常性疣贅
 尖圭コンジローマ
 伝染性軟属腫
 単純疱疹
 帯状疱疹
 水痘
 麻疹
23章 真菌症
 概説
  1 皮膚糸状菌
  2 カンジダ菌
  3 皮膚真菌症の診断法
 白癬
 皮膚カンジダ症
 癜風
 スポロトリコーシス
24章 節足動物や寄生虫による皮膚疾患
 疥癬
 ツツガムシ病
 マダニ刺咬症
 クリーピング病
25章 母斑・母斑症
 表皮母斑
 脂腺母斑(類器官母斑)
 扁平母斑
 色素細胞母斑(母斑細胞性母斑、色素性母斑)
 スピッツ母斑
 青色母斑
 太田母斑
 結節性硬化症(プリングル病)
 神経線維腫症1型(フォン・レックリングハウゼン病)
 色素失調症(ブロッホ・ザルツバーガー症候群)
26章 良性腫瘍
 表皮嚢腫
 脂漏性角化症(老人性疣贅)
 石灰化上皮腫(毛母腫)
 汗管腫
 皮膚線維腫
 軟性線維腫
 ケロイド、肥厚性瘢痕
 神経線維腫
 脂肪腫
 毛細血管拡張性肉芽腫(化膿性肉芽腫)
 単純性血管腫(ポートワイン母斑)
 苺状血管腫(乳児血管腫)
 粘液嚢腫
27章 悪性腫瘍
 有棘細胞癌
 基底細胞癌
 乳房外パジェット病
 日光角化症(光線性角化症、老人性角化症)
 ボーエン病
 悪性黒色腫
 隆起性皮膚線維肉腫
 菌状息肉症
 血管肉腫(悪性血管細胞内皮腫)
 カポジ肉腫
 メルケル細胞癌
和文索引
欧文索引

近年、医学は急速に知識を刷新し続け、臨床医学に限っても蓄積された知見が膨大な量に及んでいることは論を俟たない。その一分野である皮膚科学においても如上の趨勢は明らかであり、対象となる疾患の広汎さでは最も顕著な一領域と言えよう。2000から3000以上に及ぶとされる皮膚疾患のすべてを網羅した浩瀚な教科書は、専門医あるいはそれを目指す医師には必携であっても、医学の全領域から出題される医師国家試験を前にした学生諸君に相応しいのは、寧ろminimum requirementを抽出したコンパクトサイズのテキストであろう。そこに本書に掲げたタイトルの一部である「シンプル」の意義が存在する。ただし、「シンプル」にダウンサイズしても、書籍は深さと審美性を具有しているのが理想であり、本書はそのために、さまざまな工夫を凝らしている。
 (1)本書で取り上げた疾患:「平成25年版医師国家試験出題基準」に準拠し、皮膚科領域でここに挙げられた疾患は取りこぼしなく記述した。これらにはペン先のアイコンを1つ付した。過去10年の国家試験において実際に出題された疾患には、最重要項目としてペン先のアイコン2つを付けている。急ぐ読者は、まずこれらを目安に学習を進められたい。更に、出題基準外でも実地診療上必要と思われる疾患は関連事項として適宜立項したので、本書は初期研修等においても引き続き利用できるものと自負している。
 (2)本書の構成:一瞥したときのデザインとして、本書は原則、見開き2頁の中央に本文を、左右に図表を配置し、各項目は頁を跨がぬように構成した。また読む際のリズムを考慮し、本文は要点をまとめた短い文章の箇条書きとした。その内容は、皮膚科学の最新情報を伝えるべく、専門誌の綜説レベルに合わせてある。この作業は医局全体で分担したが、通読の便を考え、最終的には著者が統一した文体ですべてをまとめ直した。更に、記述内容の妥当性について、時間をかけ入念に確認と検討を行った。読者諸氏は、本書をリズミカルに読み進めていくうち、自ずと皮膚科学の最新知識が涵養されているのに気づくであろう。
 (3)図について:皮膚科学では特に疾患の性状を写真で示すことが重要である。臨床写真は文字情報では伝えにくい多くのことを語ってくれるからであるが、そのためにはとりわけよい写真が必要となる。幸い本教室には、開講以来40年以上にわたる症例が、35mm スライドやデジタルデータの形で保存されている。この膨大なアーカイブスから教科書に適した症例を、臨床写真を吟味しながら手作業で選んでいった。その数は、無慮700例に及ぶ。なお、初学者が迷わないよう、図には矢印や点線などをふんだんに用いて肝心な所見を指し示し、加えて詳細な説明を付してある。
 教室の写真が必ずしも教科書に適していない疾患では、敢えて自前であることに拘泥せず、他施設の専門家に貸与を依頼した。そのため、各疾患の写真は最も教育的なものを用意できたと考えている。
 貴重な写真をご提供下さった先生方には、この場を借りて深く感謝する次第である。また、本文の査読を行っていただいた、本教室歴代の助教授、出光俊郎先生(現自治医科大学附属さいたま医療センター教授)と、安齋眞一先生(現日本医科大学武蔵小杉病院皮膚科部長・病院教授)にも衷心より御礼申し上げる。本書の内容の正当性については、両先生に負うところ大である。

2014年1月
眞鍋求
梅林芳弘