書籍

造血幹細胞移植の看護改訂第2版

監修 : 河野文夫
編集 : 日高道弘/高尾珠江
ISBN : 978-4-524-26413-1
発行年月 : 2014年3月
判型 : B5
ページ数 : 232

在庫あり

定価3,456円(本体3,200円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

造血幹細胞移植にかかわる看護師のための実践書。改訂第2版では、最新の知見や診療ガイドラインの内容をふまえ、基礎的な知識・用語からていねいに解説。治療の選択における意思決定の場面から、治療中、退院後の外来フォローにいたるまで、看護の内容をさらに充実させた。具体的な事例も収載。紙面には図やイラストを豊富に取り入れ、看護実践のわかりやすさを追求した1冊。

改訂第2版の序
第1章 造血幹細胞移植の基礎知識
1 造血幹細胞移植とは
2 造血幹細胞移植の種類
 A ドナー(提供者)とレシピエント(患者)の関係による分類
 B 幹細胞の起源による分類
 C 骨髄破壊的同種移植と骨髄非破壊的同種移植(ミニ移植)
第2章 造血幹細胞移植の実際
1 移植の選択、そのタイミング
 A 移植選択の時期
 B 患者との話し合い
 C 移植とドナーの選択
 D 疾患と移植のタイミング
2 造血幹細胞移植のための準備
 A 患者紹介と初診
 B インフォームド・コンセント
 C 精子保存・卵子保存
 D ドナーとの話し合い
 E 患者の医学的評価
 F 移植チーム
3 造血幹細胞移植の前処置(移植前治療)
 A 前処置とは
 B 同種移植でよく使われる前処置
 C 自家移植でよく使われる前処置
 D 前処置でよく使われる抗がん薬(免疫抑制薬)とその副作用
 E 前処置の看護
 F 全身放射線照射(TBI)の目的とその副作用
 G TBI時の看護
4 免疫抑制薬の投与(GVHDの予防)
 A カルシニューリンインヒビター
 B メトトレキサート(MTX:メソトレキセート)
 C その他
5 造血幹細胞の採取と処理
 A 骨髄採取
 B 骨髄採取時の看護
 C 末梢血幹細胞採取
 D 末梢血幹細胞採取時の看護
6 造血幹細胞の輸注
 A 輸注の方法
 B 輸注時の看護
7 輸血
 A 移植時の輸血
 B 血液型不適合造血幹細胞移植時の輸血
 C 輸血時の看護
第3章 感染予防
1 移植決定からクリーンルーム入室までの看護
 A オリエンテーション
 B クリーンルームの準備
 C 患者の状態の把握
2 移植前の感染創チェック
3 食事
 A 無菌食
 B 栄養管理
4 クリーンルーム入室中の看護
 A 患者の状態把握
 B 中心静脈カテーテル管理
 C 清潔の保持
 D 環境整備
 E 内服
 F 面会
 G 食事
 H リハビリテーション
5 クリーンルームから一般病室へ
第4章 移植合併症とその対策
 移植後経過と合併する疾患・症状の関係
第4章-1 移植合併症と看護
1 感染症
 A 移植時期別の感染症
 B 予防・治療
 C 感染症の看護
2 出血性膀胱炎
 A 前処置の際の出血性膀胱炎
 B 移植後1ヵ月以降の晩期出血性膀胱炎
 C 発症要因
 D 治療
 E 予後
 F 出血性膀胱炎の看護
3 肝中心静脈閉塞症(VOD、SOS)
 A 発症要因
 B 症状
 C 検査
 D 診断
 E 治療
 F 予後
 G 肝中心静脈閉塞症の看護
4 血栓性微小血管障害(TMA)
 A 原因
 B 症状・検査
 C 診断・重症度
 D 治療
 E 予後
 F 血栓性微小血管障害の看護
5 移植片対宿主病(GVHD)
 A 急性GVHDの発症要因
 B 症状
 C 診断・重症度
 D 予防
 E 治療
 F GVHDの看護
6 呼吸器合併症
 A 閉塞性細気管支炎(BO)
 B 器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎(BOOP)
 C 特発性肺炎症候群(IPS)、とくに晩期発症IPS
 D 呼吸器合併症の看護
7 生着症候群
 A 発症要因
 B 症状
 C 検査・診断
 D 治療
 E 生着症候群の看護
8 生着不全と拒絶
 A 生着不全となる要因
 B 診断
 C 治療
 D 予防
 E 生着不全と拒絶の看護
9 晩期障害
 A 慢性GVHD
 B 二次性がん
 C 甲状腺機能障害、性腺機能障害
 D 再発
 E 晩期障害の看護
第4章-2 よくみられる症状と看護
1 口内炎
 A 移植時の口内炎とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
2 疼痛
 A 移植時の疼痛とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
3 悪心・嘔吐
 A 移植時の悪心・嘔吐とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
4 下痢
 A 移植時の下痢とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
5 便秘
 A 移植時の便秘とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
6 貧血
 A 移植時の貧血とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
7 出血
 A 移植時の出血とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
8 乏尿、浮腫、体重増加
 A 移植時の乏尿、浮腫、体重増加とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
9 脱毛
 A 移植時の脱毛とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
10 皮疹、びらん、潰瘍など
 A 移植時の皮疹、びらん、潰瘍とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
11 心臓の障害
 A 移植時の心臓の障害とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
12 肝臓の障害
 A 移植時の肝臓の障害とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
13 膵炎
 A 移植時の膵炎とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
14 高血糖
 A 移植時の高血糖とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
15 眼の障害
 A 移植時の眼の障害とは
 B 症状の観察とアセスメント
 C 看護の実際
16 精神神経症状
 A 移植時の精神症状とは
 B 精神症状のアセスメントと対応
 C 神経症状のアセスメントと対応
 D 看護の実際
第5章 造血幹細胞移植を受ける患者への精神的支援
 A インフォームド・コンセントと精神的支援
 B ドナーへの精神的支援
第6章 退院指導、移植後外来フォロー
 A 退院指導
 B 造血幹細胞移植後看護外来
第7章 患者症例
 1 症例1:大きな合併症が起こらなかった患者
 2 症例2:ADL 低下のあった患者
 3 症例3:急性GVHDで皮膚症状が強く出た患者
 4 症例4:口腔内症状が強く出た患者
付録 筆者の施設の患者参加型クリティカルパス
索引

『造血幹細胞移植の看護』の初版が平成16年に出版され、すでに10年の歳月が流れた。本書は筆者の施設で使用されている看護手順、資料、クリティカルパスなどをまとめた移植チーム看護マニュアルとして刊行された。造血幹細胞移植を成功に導くには、これを熟知した看護スタッフの力が必要不可欠であることは言うまでもない。ただ、看護スタッフは医師に比べ比較的短期間で入れ替わるため、貴重な移植看護の経験がともすれば途切れがちである。本書はこのような一地方施設の悩みから生まれた試みであったかもしれないが、幸い多くの医療関係者の手に渡り支持を得た。
 この間、移植医療は時代の移り変わりとともに進歩し、初版の記載が現状にそぐわなくなった部分も多くなった。移植領域で使用できる薬剤の種類が増え、無菌管理の考え方も変わり、臍帯血移植が日常移植として行われるようになった。移植後慢性期外来も一般的なものとなりつつあり、筆者の施設ではクリティカルパスが電子カルテ対応のものとなった。チーム医療はますますその重要性を増し、栄養管理、リハビリテーションなど総合的に診療を進めることが必須のこととなっている。結果として移植合併症は10年前と比べ少なくなっているとされるが、基本的なところは同じであり、直面する問題も本質的には変わらない。このような背景から、初版を基礎として時代に応じた修正および見直しを行った。
 初版の編者である河野文夫現院長、岡野千代美看護師長から改訂版の編集の大役を仰せつかった。コンセプトは「新人として移植病棟に配属された若手看護師さんにもわかりやすい記載を」とし、より見やすいように図や表を多用し、移植後に発症する様々な合併症、症状について移植経過に沿って記載するよう努めたつもりである。すべての施設に普遍化できるものばかりではないが、実臨床の場で参考にしていただくことを心より願っている。

平成26年1月
編集を代表して 日道弘