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今日の助産改訂第3版

マタニティサイクルの助産診断・実践過程

編集 : 北川眞理子/内山和美
医学監修 : 生田克夫
ISBN : 978-4-524-26377-6
発行年月 : 2013年9月
判型 : A5
ページ数 : 1190

在庫あり

定価9,504円(本体8,800円 + 税)

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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

マタニティサイクルの助産診断と実践過程に焦点をあてた助産学の標準テキスト。助産実践能力に直結する助産診断の根拠、診断や助産ケア技術の原理・ケアプランをわかりやすく解説。見開きの表形式でイラストも豊富。「助産師教育におけるミニマム・リクワイアメンツ」を網羅し、胎児モニタリングの概念や判読法、助産用語など近年の変更にも対応した“いまの助産”がわかる一冊。

第1章 助産師の役割
 I.助産実践と助産診断
  A.臨床実践の中の助産
   1.助産とは何か
   2.助産師の専門性と助産診断
   3.ホリスティックな助産ケアの実践にむけて
  B.助産師のもつべき実践能力
   1.日本助産学会による規定
   2.助産師の技・術・技能
   3.ICMによる基本的助産業務に必須な能力
 II.質的に高い助産ケアへ
  A.助産診断の書き方
   1.助産診断と助産実践の過程
   2.助産師にとって臨床判断“助産診断”の意味するもの
   3.助産診断の課題
   4.助産診断名の表現
  B.助産診断の項目カテゴリーと助産診断名の具体的表現法
   1.経過診断と時期診断
   2.健康生活状態診断
  C.助産診断と実践過程への方向性
   1.ウェルネス状態を表現する
   2.影響因子を明確にし、起こり得る変化を表現する
   3.発達課題などを含む心理・社会的な側面の健康状態を診断する
   4.ケア目標は診断名にならない
第2章 妊娠期の助産診断
 I.妊娠期の助産診断の焦点
  A.妊娠初期の助産診断の焦点
  B.妊娠中期の助産診断の焦点
  C.妊娠末期の助産診断の焦点
 II.妊娠期の助産診断とアセスメント・ツール
  A.妊娠の診断
   1.妊娠成立の確定診断
  B.妊娠時期の診断
   1.分娩予定日の診断
   2.妊娠週数の診断
  C.妊娠経過の診断
   1.妊娠にともなう母体の生理的変化
   2.初産婦と経産婦の鑑別診断
   3.胎児および胎児付属物に関する診断
  D.健康生活状態に関する診断
   1.健康生活への適応状況に関する診断
   2.心理・社会的側面に関する診断
  E.母乳育児に関する診断
  F.マイナートラブルの診断
   1.つわり
   2.胸やけ
   3.便秘
   4.頻尿
   5.腰・背部痛
   6.腟分泌物の増加
   7.浮腫
   8.静脈瘤
   9.下肢の痙攣(こむらがえり)
   10.鼻・歯肉からの出血
   11.呼吸数の増加
  G.正常妊娠から逸脱時の診断
  【a】ハイリスク妊娠の識別のための数量化と評価の視点
  【b】妊娠持続期間の逸脱
   1.流産
   2.早産
   3.過期妊娠
  【c】妊娠にともなう身体的適応からの逸脱
   1.妊娠悪阻
   2.貧血
   3.妊娠高血圧症候群
   4.妊娠糖尿病・耐糖能異常
  【d】胎児発育の逸脱
   1.多胎
   2.FGR((胎児)発育不全)
  【e】胎児付属物の逸脱
   1.前置胎盤
   2.常位胎盤早期剥離
   3.羊水過多・過少
  H.妊娠時合併症を有する診断
   1.糖尿病
   2.心疾患
   3.腎・泌尿器系疾患
   4.呼吸器系疾患
   5.消化器系疾患
   6.甲状腺疾患
   7.自己免疫疾患
 III.助産診断・助産ケアのための診査技術・ケア技術ツール
  A.ID情報
   1.初診時の問診項目
   2.問診のすすめ方
  B.コミュニケーション技法活用表
   1.面接技法
   2.コミュニケーション技法
  C.レオポルド(Leopold)触診法
   1.胎児部分の触診上の特徴
   2.触診の手順(レオポルドの触診法)
  D.ザイツ(Seitz)法:児頭と骨盤の相互関係の診断技法
  E.カーサ・モア法
  F.ガウス(Gauss)の頤部触診法
  G.胎児心音の聴取
  H.子宮底長の計測
  I.子宮底長・高さの計測(触診)
  J.腹囲の計測
  K.骨盤外計測
  L.ノンストレステスト(NST:non-stress test)
  M.超音波断層法
   1.超音波断層装置の使い方
   2.超音波による妊娠の証明
   3.妊娠週数の修正
   4.胎児発育の観察
   5.胎位・胎向の観察
   6.胎盤の観察
   7.羊水量の観察
  N.切迫早産のスクリーニング
   1.早産指数
   2.子宮頸管長と子宮口の経腟超音波所見
   3.細菌性腟症
   4.絨毛膜羊膜炎の臨床症状
   5.早産マーカー
IV.妊婦健康診査の要点
   1.周産期医療の特殊性
   2.目的と意義
   3.時期別の健康診査
   4.妊娠各期の妊婦健診例
  V.出産準備教育(birth education)
   1.出産準備教育とは
   2.理念
   3.種類
   4.評価方法
第3章 分娩期の助産診断
 I.分娩期の助産診断の焦点
  A.分娩期の助産診断とは何か
  B.分娩期の助産診断の焦点
 II.分娩期の助産診断とアセスメント・ツール
  A.分娩開始の予知の診断
   1.分娩発来の機序
   2.分娩の前徴
  B.分娩開始の診断
  C.分娩経過の診断
   1.分娩進行の診断
   2.分娩進行状況の総合判定
  【胎児の産道通過機転】
  D.胎児に関する診断
  E.健康生活状態に関する診断
   1.健康生活への適応状況に関する診断
   2.心理・社会的側面に関する診断
  F.分娩時リスク診断
   1.助産師が扱う分娩の適応
   2.分娩リスクの診断と産科医師との協働
   3.分娩時モニタリングの基準
   4.分娩リスク診断を行う助産師の能力
   5.産科医療補償制度における再発防止の視点からみた分娩リスク診断
  G.正常分娩から逸脱時の診断
  【a】陣痛異常
   1.微弱陣痛
   2.過強陣痛
  【b】回旋の異常
   1.反屈位
   2.低在横定位
   3.後方後頭位
  【c】児頭進入の異常
   1.不正軸進入(前方、後方)
   2.高在縦定位
  【d】胎位の異常
   1.骨盤位
   2.横位
  【e】胎児機能不全
  【f】破水時期の異常
   1.前期破水・早期破水
  【g】羊水の異常
   1.羊水過多
   2.羊水過少
  【h】多胎
  【i】異常出血
   1.前置胎盤
   2.常位胎盤早期.離
   3.弛緩出血
   4.播種性血管内凝固症候群(DIC)
  【j】子癇
  【k】子宮内胎児死亡(IUFD)
 III.助産診断・助産ケアのための診査技術・ケア技術ツール
  A.分娩時の胎児心拍モニタリング
   1.胎児心拍数陣痛図の判読
  B.分娩介助の実際
   1.準備・観察
   2.分娩介助(肛門・会陰保護を含む)
   3.会陰裂傷
  C.分娩誘発の助産管理
  D.産痛のコントロールと緩和
  E.呼吸法−分娩の進行と呼吸法
  F.腹圧のコントロール・努責法
  G.フリースタイル分娩介助法/側臥位分娩介助
   1.フリースタイル分娩介助法
   2.側臥位分娩介助法(産婦が左側臥位をとった場合)
  H.出産の想起と肯定的出産体験への支援
   1.出産の想起(バースレビュー)
   2.出産体験を想起することの意味
   3.肯定的出産体験への支援
  I.急速遂娩(吸引分娩・鉗子分娩)時の介補
  J.新生児蘇生法
   1.出生直後のチェックポイント
   2.出生直後のチェックポイントを認めない場合
   3.出生直後のチェックポイントのいずれかを認める場合(蘇生の初期処置)
   4.蘇生の初期処置後の評価
   5.自発呼吸があり、かつ心拍数が100回/分以上の場合
第4章 産褥期の助産診断
 I.産褥期の助産診断の焦点
  A.産褥期の助産診断とは何か
  B.産褥期の助産診断の焦点
 II.産褥期の経過診断とアセスメント・ツール
  A.産褥経過の診断
   1.退行性変化(局所の復古)の診断
   2.進行性変化の診断
   3.全身状態の回復診断
  B.心理・社会的側面の診断
  C.効果的な母乳育児の診断
  D.発達的側面の診断
  E.健康生活状態に関する診断
  F.正常産褥から逸脱時の診断
   1.退行性変化
   2.進行性変化
   3.効果的な母乳育児継続の逸脱
   4.産後うつ病
   5.その他の身体的側面
   6.心理・社会的側面
 III.助産診断・助産ケアのための診査技術・ケア技術ツール
  A.乳房診査技術
  B.母乳育児支援
  C.産褥経過にともなう健康診査と助産ケアの概説
第5章 新生児期の助産診断
 I.新生児期の助産診断の焦点
  A.新生児期の助産診断とは何か
  B.新生児期の助産診断の焦点
 II.新生児期の経過診断とアセスメント・ツール
  A.胎内環境の診断
   1.母体情報
   2.胎児情報
  B.新生児の分類診断
  C.成長・発達の診断
   1.形態的成長の診断
   2.機能的発達の診断
   3.精神・運動機能発達の診断
  D.胎外生活適応の診断
   1.呼吸循環の適応
   2.先天異常
   3.分娩外傷
   4.生理的適応
  E.健康生活状態に関する診断
   1.母子関係
   2.保育レベル
   3.生活環境
  F.正常からの逸脱時の診断と実践過程
   1.新生児仮死
   2.呼吸障害
    2-1 胎便吸引症候群(MAS)
    2-2 呼吸窮迫症候群(RDS)
    2-3 新生児一過性多呼吸(TTN)
   3.FGR((胎児)発育不全)(正期産児)
   4.母体糖尿病児(IDM)
   5.前期破水母体からの新生児
 III.助産診断・助産ケアのための診査技術ツールと実践過程
  A.診査技術ツール
   1.系統的観察法
   2.身体的諸計測
   3.バイタルサイン
   4.原始反射診察法
   5.成熟度診察法
  B.出生直後のルーチンケア
  C.出産・育児期の家族のケア
   1.出生児を迎えた生活環境や家族のアセスメントと支援
   2.家族間の人間関係のアセスメントと支援
   3.地域社会の資源や機関を活用できるための支援
  D.ハイリスクの母子ケア
IV.生後経過の児の健康診査とケアの概説
巻末文献
略語表
索引
・ケアと評価の索引
・欧文事項索引
・和文事項索引

初版『今日の助産』の発行から10年を経て、第3版の発行を迎えることとなりました。学生さんや助産師諸姉にご活用いただきましたこと、執筆者を代表して御礼を申し上げます。
 本書は助産学を学ぶ学生さんが、臨床実習で専門的知識や技術を効率よく学習するための学習ツールとして、臨床助産師の方々には臨床助産の実践や臨床指導の際に必要な重要項目を確認・参照できる実践書として1冊にまとめたものです。
 今日、エビデンスに基づく診療やケアが求められており、助産活動の場においてもその重要性は高まりをみせています。医療水準の維持は医療の高度化に伴い、助産師の業務の質的・量的増加や医療職者との連携・協働などに影響をもたらします。助産活動を進める上で、助産師の実践力が常に問われ、国際的にみても助産師のコンペテンシーズなど世界基準を国際助産師連盟(ICM)が2011年に提示しました。助産師の実践力の基盤となる専門的知識と助産技術は、高度な専門性が求められていることが確認できます。助産師としての的確な判断や助産技術の熟練、加えて高度な職業倫理を有することで、すべての女性やその家族に有益なケアを提供できることでしょう。助産診断に基づいた助産ケアを、質のよいケアの提供へと繋げるためには、科学に裏付けされた助産診断力や原理・原則を踏まえた助産技術が必要となります。
 助産学と関連する産科学や新生児学では、新しい用語概念・臨床的評価指標などが改正されています。今回の改訂版は、これらの変更を受けて整理するとともに、母乳育児に対する助産診断とケアなど内容の充実を図りました。助産師にとって母乳育児への支援は、母と子を取り巻く関連要因の多様性に目を向けつつ、ケアの多面的な展開が求められる高度な実践力を要するものであります。この実践力を習得するための必須知識と技術を組み入れました。また、フリースタイル分娩介助法、分娩時リスク診断、新生児蘇生法、出産・育児期の家族ケアなど妊娠期から産褥・育児に至るまで、助産活動で重要視される内容については項を起こし助産診断とケアを充実させ、専門職助産師のためにエッセンスとなる内容としました。これらのいくつかは日頃、読者の皆様からのご質問や本書に対する励ましのお言葉からヒントを得たものであります。

2013年8月
編者
北川眞理子
内山和美