書籍

小児の感染症診療の落とし穴

スペシャリストからのアドバイス

編集 : 尾内一信
ISBN : 978-4-524-26371-4
発行年月 : 2011年4月
判型 : B5
ページ数 : 274

在庫あり

定価5,076円(本体4,700円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 書評

「細菌性腸炎に抗菌薬は必要?」「とびひには外用薬より内服薬のほうが有効?」「インフルエンザの治療にはリレンザとタミフル、どちらがよいの?」など、小児の感染症診療を行う際に陥りやすい落とし穴を、診断・治療・予防接種それぞれの観点から挙げ、簡潔な記述でわかりやすく実践的に解説。さらに、「ガイドラインはどこまで信じていいの?」「ペニシリン耐性が増えたのに、ペニシリンも推奨されるの?」など、日常診療へのガイドラインの取り入れ方もわかる。本書を読めば思わず納得! 小児の感染症診療のポイントがわかる。

I章 総論

II章 検査・診断の落とし穴
 A 検査の落とし穴
 B 診断の落とし穴

III章 治療の落とし穴
 A 抗菌薬選択と治療の落とし穴
 B 皮膚感染症の落とし穴
 C 呼吸器感染症の落とし穴
 D 消化器感染症の落とし穴
 E 泌尿器感染症の落とし穴
 F 口腔内感染症の落とし穴
 G 耳鼻科感染症の落とし穴
 H その他の落とし穴

IV章 予防接種の落とし穴
 A ワクチンの効果の落とし穴
 B ワクチンの種類の落とし穴
 C ワクチンの対象者の落とし穴
 D ワクチンの接種法と保存の落とし穴
 E ワクチンの副反応の落とし穴

付録
 小児科でよく使用される抗菌薬とその用法・用量一覧
 小児に用いる抗菌薬の主な適応菌種一覧
 小児に用いる抗菌薬の主な適応症一覧

索引

小児感染症では、小児が新生児から思春期へと成長・発達を遂げるため、患者の年齢ごとに宿主の免疫や感染症の種類や原因微生物が変化する。このため、小児はやはり成人の小型ではないことが実感され、われわれ感染症医にとっても小児感染症は遭遇する機会が多いものの苦手意識が拭いきれない。しかし、最近では耐性菌感染症や各種ウイルス感染症のごとく成人で小児感染症が流行し問題となったり、小児から成人に感染する感染症も少なくなく、小児感染症に関する基本的知識を身につけ病態を理解しておくことは、感染症医をはじめ臨床医にとって今後非常に重要な課題である。したがって、複雑かつ難解な小児感染症を診断し治療するうえで、小児感染症に経験の豊富でない多くの臨床医の先生方は日頃の種々の疑問に答えてくれる書をお待ちであると容易に推測できる。
 本書は、小児の感染症診療を行ううえで予想されるさまざまな疑問を抽出し、小児感染症の領域で活躍されている先生方がその回答をわかりやすく解説されている。総論と検査・診断、治療、予防接種の項に分かれ、総論では、近年抗菌薬の使い方の基本となっているPK/PD(薬物動態学/薬力学)の意義と限界、適正使用、ガイドラインのもつ意味や新規抗菌薬、新規抗ウイルス薬、新規ワクチンの特徴や位置付けなどを取り上げている。検査・診断では、日常診療でよく遭遇する感染症についての疑問や間違いやすい点を取り上げ簡潔に解説がなされており、われわれも非常に参考になる内容である。治療の項では感染臓器別に最近の話題も含め解説され、予防接種についても最近の話題や実際の運用についてさまざまな疑問に答えている。専門家でも容易に回答できない疑問も数多くある中で、わかりやすく解説が加えられている。
 感染症診療を行う際に重要な基本姿勢や知識を、そして、ふと疑問に思うことまでも、ポイントを押さえわかりやすく伝えたいという熱意が、本書からは伝わってくる。小児の感染症診療を行う際に陥りやすい落とし穴を、診断・治療・予防接種のそれぞれの観点から、簡潔な記述でわかりやすく実践的に解説され、日常診療へのガイドラインの取り入れ方にも触れられ、本書を読めば小児の感染症診療のポイントがわかるように作成されている。小児科領域の先生方はもちろんのこと、それ以外でも幅広い領域の先生方に推薦したい書である。
評者● 三笠桂一
臨床雑誌内科108巻4号(2011年10月号)より転載